7.3.5 リモートインストールを実行するときの注意事項
リモートインストールを実行するときの注意事項について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 分割配布の注意事項
分割配布する場合の注意事項を次に示します。
- 複数の分割配布のジョブを同時に実行した場合
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分割配布を指定した複数のジョブを同時に実行しても、転送元と転送先の区間では、複数のジョブのパッケージが同時に転送されるわけではありません。ジョブは1つずつシーケンシャルに実行されます。したがって、転送中以外のジョブは、パッケージのダウンロード待ち状態(ジョブの実行状態20%)になります。
- あて先の指定方法の注意事項
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中継システムおよび管理用中継サーバに分割配布を指定した「パッケージのインストール」ジョブを実行する場合、システム構成上の中継システムおよび管理用中継サーバのアイコンをあて先として指定しないでください。必ず、システム構成上の中継システムおよび管理用中継サーバ配下の管理対象のコンピュータのアイコンをあて先として指定してください。システム構成上の中継システムおよび管理用中継サーバのアイコンをあて先として指定した場合、分割配布ではなく通常の配布が実行されます。
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IDジョブで運用する場合、管理用中継サーバ自身のIDの登録先は、必ず自ホストに設定してください。
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中継システムおよび管理用中継サーバあての「パッケージのインストール」ジョブは、システム構成上の中継システムおよび管理用中継サーバ上の管理対象のコンピュータのアイコンをあて先として指定する必要があります。この場合、中継システムおよび管理用中継サーバとその管理対象のコンピュータ間では、分割配布は実行されません。
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分割配布を指定した複数のジョブを同時に実行した場合、通常は転送元と転送先の拠点ごとにシーケンシャルに実行されます。しかし、ジョブ登録時に手入力であて先を指定したジョブと、システム構成、あて先情報からあて先を指定したジョブが混在した場合、複数のジョブが並行してパッケージ転送されてしまうことがあります。
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- パッケージのインストールの順序性が保証されなくなる条件
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「パッケージのインストール」ジョブに複数のパッケージを指定した場合、ジョブに指定したパッケージのキャビネット識別ID、パッケージ識別ID、バージョン、および世代番号の順番で配布先システムにインストールされます。しかし、分割配布を指定したジョブの時、次の条件では順序が保たれなくなる場合があるので、注意してください。
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あて先の途中にある管理用中継サーバに配布するパッケージが保管済みの場合
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ジョブの実行中に分割配布を指定したジョブを強制完了させた場合
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- 分割配布のダウンロード表示
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分割配布のサイズが小さいと管理対象のコンピュータ上のダウンロードダイアログ表示が0%となることがあります。また、分割配布のジョブを連続して実行した場合、分割配布待ちのジョブについては管理対象のコンピュータ上のダウンロードダイアログで表示が0%で表示されることがあります。
- 強制的にジョブ登録時に指定した分割配布の設定を有効にする方法
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エージェント設定でパッケージの分割配布の設定をデフォルト値にすると、ジョブ登録時に指定した分割配布の設定で、強制的に配布先システムまでパッケージを転送できます。エージェント設定でのデフォルトを次に示します。
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「分割配布する」のチェックボックスがオン
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分割サイズ:2,097,151キロバイト
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転送休止時間:1時間
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- パッケージの分割配布とクライアント制御の関連
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パッケージの分割配布を指定し、さらにクライアント制御の指定をした「パッケージのインストール」ジョブを実行した場合、次のような動作になります。
- 「対象のコンピュータが稼働していない場合に起動する」および「ジョブ実行後クライアントをシャットダウンさせる」を指定した場合
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コンピュータの電源がオンになる。
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1つ目の分割されたパッケージが転送される。
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コンピュータの電源がオフになる。
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1.の動作から繰り返す。
なお、あて先がUNIXエージェントの場合、「ジョブ実行後クライアントをシャットダウンさせる」は無効です。コンピュータの電源はオフになりません。
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- 「対象のコンピュータが稼働していない場合に起動する」を指定した場合
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コンピュータの電源がオンになる。
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1つ目の分割されたパッケージが転送される。
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パッケージの転送が続行され、コンピュータの電源はオンのままになる。
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- JP1/IT Desktop Management 2 - Agent(中継システム)での注意事項
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ジョブ作成時に指定する分割サイズおよび転送休止時間は、下位システムのエージェント設定で指定された値と比較され、小さい値で分割配布が実行されます。ただし、ジョブ実行状況の詳細表示で表示される分割サイズおよび転送休止時間が参照するタイミングによっては、ジョブ作成時の設定値で表示されてしまうことがありますが、動作上の問題はありません。
(2) ジョブの中断、再開時の注意事項
ジョブの中断、再開時の注意事項を次に示します。
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リモートインストールマネージャの[実行]メニューで「ファイル転送の中断/再開」から「再開させる」を選択して、マネージャ自身にファイル転送の再開を指示した場合、実行表示が変わることがあります。例えば、中断状態のパッケージャの配布ジョブが実行状態になった場合、実行状況表示が50%から20%のように戻ります。
(3) 中断中のジョブ配布時の注意事項
ジョブの中断機能を使用しない環境では、「中断中でも配布する」を選択したジョブを実行しても効果がありません。「中断中でも配布する」を選択したジョブも、「中断中でも配布する」を選択しないジョブと同じように動作するため、配布される順序は変わりません。
(4) UNIX版へのジョブ配布時の注意事項
UNIXの管理対象のコンピュータにジョブを配布するときの注意事項を次に示します。
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次の場合、後処理プログラムが実行されます。
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Windows版のパッケージャまたはdcmpackコマンドで、インストール日時および後処理プログラムを指定して作成したパッケージに対して、リモートインストールマネージャで後処理プログラムの指定を解除した場合
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UNIXで、ゼネレータの種別に「NETM_DM_GF」を指定し、後処理プログラムを指定して作成したパッケージに対して、リモートインストールマネージャで後処理プログラムの指定を解除した場合
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次の場合、後処理プログラムが実行されません。
UNIXで、ゼネレータの種別に「NETM_DM_GF」を指定し、インストール日時および後処理プログラムを指定しないで作成したパッケージに対して、リモートインストールマネージャで後処理プログラムを指定した場合
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次の場合、ジョブがエラーとなります。
UNIXで、ゼネレータの種別に「NETM_DM_GF」を指定し、インストール日時を指定して作成したパッケージに対して、リモートインストールマネージャでインストール日時の指定を解除した場合
(5) システム構成情報の自動反映機能使用時の注意事項
リモートインストールマネージャで、ID管理中継の追加や削除などのシステム構成情報を用いて操作した際に,操作対象となるノードが表示しているにも関わらず、「指定したID名称またはID管理中継名称はシステムに存在しません。ネットワークをダブルクリックして最新情報を取得し状態を確認してください。」等の指示をすることがあります。これはシステム構成情報の自動反映機能によって、操作対象となるノードの管理情報変更に伴ったメッセージです。メッセージの指示に従ってください。
(6) 優先配布機能使用時の注意事項
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優先配布機能を使用する場合、マルチキャスト配布を使用しないでください。
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2ギガバイトを超えるファイルを分割して配布する場合、分割されたファイルの優先度は同じにしてください。優先度が異なると、ファイル結合時にエラーになるおそれがあります。
(7) その他の注意事項
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日立プログラムプロダクトを空白を含むディレクトリにリモートインストールするとジョブが失敗することがあります。
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リモートインストールマネージャによるソフトウェアの配布およびファイルの収集機能で、OneDriveファイルおよびフォルダにアクセスすることはできません。
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ネットワーク切断などによって中断していたパッケージ転送を再開する場合は、転送済みのパッケージの続きから再開します。