3.2.3 マルチキャスト配布をするためのシステム構成
マルチキャスト配布を実現するために、どのようなシステム構成にしたらよいかを説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) マルチキャスト配布の標準的なシステム構成
マルチキャスト配布を実現するための標準的なシステム構成と、パケットの流れを次の図に示します。
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マルチキャストグループは、管理対象のコンピュータが接続する上位システム単位に作成します。そして、各マルチキャストグループには、それぞれ別のマルチキャストアドレスを割り当てます。説明の番号は、図中の番号と対応しています。1と2はシステム構成の設定、3と4はジョブの実行によるパケットの流れです。
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中継システムAに接続するコンピュータ群をマルチキャストグループA、中継システムBに接続するコンピュータ群をマルチキャストグループBとします。マルチキャストグループAのコンピュータ群には239.255.0.1を、マルチキャストグループBのコンピュータ群には239.255.0.2を、マルチキャストアドレスとして設定します。
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中継システムAにマルチキャストグループAのマルチキャストアドレス(239.255.0.1)を、中継システムBにマルチキャストグループBのマルチキャストアドレス(239.255.0.2)を設定します。
こうすることで、中継システムAはマルチキャストグループAのコンピュータ群へ、中継システムBはマルチキャストグループBのコンピュータ群へジョブをマルチキャスト配布できます。
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配布管理システムで、「マルチキャスト配布」を指定したジョブを作成し、実行します。
配布管理システムは、各中継システムに1ジョブ分ずつパケットを送信します。この例では、中継システムが2つ接続しているので、2ジョブ分のパケットを送信します(ユニキャスト配布)。中継システムAおよび中継システムBまでは、ユニキャスト配布されます。
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中継システムAおよび中継システムBは、コンピュータ数に関係なく、1ジョブ分だけパケットを送信します。各コンピュータまでの重複する経路上は、1ジョブ分のパケットが流れます(マルチキャスト配布)。
同じ構成でジョブをユニキャスト配布した場合は、管理対象のコンピュータが接続する上位システムからは、あて先となるコンピュータ数だけジョブのパケットが流れます。そのため、4の経路では、中継システムAおよび中継システムBからそれぞれ3倍のパケットが送信されます。
なお、配布管理システムに直接管理対象のコンピュータを接続している構成でも、ジョブをマルチキャスト配布できます。その場合、配布管理システムに、配布先のマルチキャストグループのマルチキャストアドレスを設定します。