1.4.3 システム構成情報のメンテナンス
システム構成を運用していく上で、システム構成情報のメンテナンスが必要になります。ここでは、新しく追加されたホストを検索してあて先グループに登録したり、新しく追加されたホストをあらかじめ作成しておいた条件によってあて先グループやIDに自動的に振り分けたりして追加する方法についても説明します。
なお、機器のメンテナンスで削除候補機器として検出された重複機器や不稼働機器を自動または手動で削除した場合、その機器のシステム構成情報も自動的に削除されます。また、所属していたあて先グループやIDからも、その機器が自動的に削除されます。機器のメンテナンスについては、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド」の機器の自動メンテナンスの説明を参照してください。
(1) システム構成情報の検索
[システム構成]または[あて先]ウィンドウから、一定の条件を満たすあて先を検索できます。検索には次の2種類があります。
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あて先名、あて先グループ名、ID名などの名称をキーにした検索
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ホストの登録日付をキーにした検索
これらの検索機能を利用して、検索結果のホストを[あて先]ウィンドウにコピーしたり、システム構成情報から削除したりして、システム構成情報をメンテナンスできます。
検索機能を利用してシステム構成情報を手動でメンテナンスする方法については、「6.1 システム構成情報のメンテナンス」を参照してください。
(2) あて先グループの自動メンテナンス
一度作成したあて先グループをメンテナンスする方法としては、[あて先]ウィンドウからの編集や、ファイルからのインポートなどがあります。しかし、数千台規模のホストを管理するシステムの場合などは、システム管理者が定期的にあて先グループを追加・削除するのは負荷が掛かり過ぎます。
JP1/IT Desktop Management 2では、システム構成情報を監視することで新たに追加されたホストや移設されたホストを自動的に検知し、あらかじめ作成しておいたグルーピング条件(ポリシー)に従ったあて先グループに自動的に振り分けることができます。このような運用をあて先グループの自動メンテナンスと呼びます。あて先グループの自動メンテナンスは、管理対象のコンピュータから機器情報が通知されたときに実行されます。
あて先グループの自動メンテナンスの概要を次の図に示します。
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また、管理対象のコンピュータから情報が通知されたタイミング以外に、任意のタイミングであて先グループをメンテナンスすることもできます。これによって、作成したポリシーに従って、システム構成情報に登録されているホストを任意の時点で一括してあて先グループに振り分けられます(ポリシーの一括反映)。
あて先グループにポリシーを一括反映する方法については、「6.2.2 あて先グループにポリシーを一括反映する」を参照してください。
なお、ポリシーはファイルから作成できます。また、ファイルを入出力することで、既存のポリシーをバックアップしたり、ポリシーを切り替えたりできます。ポリシーをファイルから作成する場合は、「6.4 ポリシーをファイルから作成する」を参照してください。
(3) IDの自動メンテナンス
作成したIDに対してどのIDに所属するかは、基本的には利用者が決めます。配布管理システムで所属するコンピュータを決めたい場合、一定の条件に一致したコンピュータを自動的にIDに登録させることができます。[あて先]ウィンドウやファイルのインポートでメンテナンスする方法より効率良く、確実にコンピュータをIDに登録できます。
このように、IDに一定の条件(ポリシー)を設定して、コンピュータを自動的にIDに登録する運用を、IDの自動メンテナンスと呼びます。
IDの自動メンテナンスのポリシーには次の3種類があります。
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新規作成ホストによるID登録
JP1/IT Desktop Management 2へ追加されたコンピュータを自動的に検知して、IDに登録させることができます。
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資産管理項目によるID登録
資産管理項目(部署、設置場所、またはハードウェア資産情報の追加管理項目)の値を条件として設定し、その条件に従ってコンピュータを自動的にIDに登録させることができます。
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機器情報によるID登録
機器のシステム情報の値やソフトウェアのインストール情報、資産管理項目の値を条件として設定し、その条件に従ってコンピュータを自動的にIDに登録させることができます。
IDの自動メンテナンスの概要を次の図に示します。
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IDの自動メンテナンスを利用する方法については、「6.3 IDの自動メンテナンス」を参照してください。
なお、あて先グループの自動メンテナンスと同様に、ファイルからポリシーを作成できます。ポリシーをファイルから作成する場合は、「6.4 ポリシーをファイルから作成する」を参照してください。
また、IDの自動メンテナンスを利用してジョブを実行するには、あらかじめIDに対してジョブを実行しておく必要があります。
例えば、PC初期導入時に必ず実行したいジョブがある場合、あらかじめIDに対してジョブを実行しておき、そのIDに新規に追加されたコンピュータをポリシーとして設定することで、新規に追加されたコンピュータへ自動的にジョブを実行できます。
ID自動メンテナンスを利用したジョブの流れを次の図に示します。
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