5.11 JP1/IT Desktop Managementおよび他製品からJP1/IT Desktop Management 2への上書きインストール
JP1/IT Desktop Management 2は、旧製品のJP1/IT Desktop Managementと同じコンピュータ上に共存することはできませんが、JP1/IT Desktop Managementを導入済みのコンピュータにJP1/IT Desktop Management 2を上書きインストールすることはできます。
JP1/IT Desktop Managementから上書きインストール時のセキュリティポリシー
JP1/IT Desktop Management 2 - Managerでは、セキュリティポリシーの[機器の使用抑止]の設定値についてJP1/IT Desktop Management 2 - Agent用とJP1/IT Desktop Management - Agent用の設定値を保持します。管理画面で表示・編集可能なのは、JP1/IT Desktop Management 2 - Agent用の設定だけです。
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JP1/IT Desktop Management - Managerから移行したセキュリティポリシーの場合
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JP1/IT Desktop Management - Agent用は、JP1/IT Desktop Management - Managerで設定していた設定値が引き継がれます。
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JP1/IT Desktop Management 2 - Agent用は、設定値はありません。JP1/IT Desktop Management - Agent用の設定で制御します。
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JP1/IT Desktop Management - Managerから移行したセキュリティポリシーを編集した場合
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JP1/IT Desktop Management - Agent用は、JP1/IT Desktop Management - Managerで設定していた設定値が保持されます。
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JP1/IT Desktop Management 2 - Agent用:JP1/IT Desktop Management 2 - Managerの編集画面で設定した設定値に変更されます。
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JP1/IT Desktop Management - Managerから移行したセキュリティポリシーを複製した場合
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JP1/IT Desktop Management - Agent用は、複製元のJP1/IT Desktop Management - Managerで設定していた設定値が保持されます。
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JP1/IT Desktop Management 2 - Agent用:複製元の設定値が保持されます。
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JP1/IT Desktop Management 2 - Managerでセキュリティポリシーを新規作成した場合
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JP1/IT Desktop Management - Agent用は、[機器の使用抑止]の設定値がすべて無効になります。機器の使用は抑止されません。
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JP1/IT Desktop Management 2 - Agent用は、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerの編集画面で設定した設定値になります。
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JP1/IT Desktop Management 2 - Managerで[機器の使用抑止]を使用するには、JP1/IT Desktop Management 2 - Agentを導入してください。JP1/IT Desktop Management 2 - ManagerでJP1/IT Desktop Management - Agentに対して[機器の使用抑止]の制御を切り替える方法を次に示します。
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セキュリティポリシーの割り当てを切り替える
[機器の使用抑止]の設定が異なるセキュリティポリシーをJP1/IT Desktop Management - Agentに対して割り当てを変更することで、[機器の使用抑止]の制御を切り替えます。なお、JP1/IT Desktop Management - Managerで[機器の使用抑止]の設定が異なる複数のセキュリティポリシーを作成していて、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerに移行している場合に実施できます。
JP1/NETM/DMとJP1/IT Desktop Management 2の共存
JP1/NETM/DMとJP1/IT Desktop Management 2は、同じコンピュータ上に共存することはできますが、JP1/NETM/DMからJP1/IT Desktop Management 2への上書きインストールはできません。共存についての詳細を次の表に示します。なお、共存していても、相互接続(JP1/NETM/DMで管理している機器をJP1/IT Desktop Management 2で管理することやその逆)はできません。
JP1/NETM |
JP1/IT Desktop Management 2 |
|||||||
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管理用サーバ |
エージェント |
中継システム |
コントローラ |
リモコンエージェント |
ネットワークモニタ |
Asset Console |
||
JP1/NETM/DM Manager(リモートコントロールマネージャを含む) |
マネージャ |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
中継マネージャ |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
JP1/NETM/DM Client※1(リモートコントロールエージェントを含む) |
中継システム※2 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
クライアント |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
JP1/NETM/DM Manager(Asset Information Manager Limitedの場合) |
マネージャ |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
中継マネージャ |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
|
JP1/NETM/Asset Information Manager |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
|
JP1/NETM/Client Security Control |
Manager |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
Agent |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
|
JP1/NETM/NM |
Manager |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
Agent |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
× |
○ |
(凡例)○:共存できる ×:共存できない
注※1 JP1/NETM/DM Client - Baseおよび次のオプション製品を含みます。
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JP1/NETM/DM Client - Operation Log Feature
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JP1/NETM/DM Client - Delivery Feature
-
JP1/NETM/DM Client - Remote Control Feature
注※2 JP1/NETM/DM SubManagerを含みます。
JP1/IT Desktop ManagementからJP1/IT Desktop Management 2に上書きインストールする方法については、「5.6 JP1/IT Desktop Management 2のシステム全体をバージョンアップする流れ」を参照してください。
上書きインストール時のJP1/IT Desktop Managementの操作ログの自動取り込み
JP1/IT Desktop Managementの操作ログのデータベースに格納されているオンライン領域の最大30日分の操作ログを、JP1/IT Desktop Management 2への上書きインストール時に、JP1/IT Desktop Management 2の操作ログのデータベースに自動的に取り込むことができます。セットアップの完了画面で[旧製品の操作ログの取り込み]にチェックしてください。なお、自動的に取り込んだ操作ログは、設定画面の[操作ログの設定]画面−[自動取り込みされる操作ログの格納期間]の設定値を過ぎると自動的に削除されます。
- 重要
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-
JP1/IT Desktop Managementの操作ログを自動的に取り込むには、上書きインストール前にJP1/IT Desktop Managementのセットアップで操作ログの保管先を設定しておく必要があります。
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JP1/IT Desktop Managementの操作ログの取り込みには、1日以上かかる場合があります。
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JP1/IT Desktop Managementの操作ログの取り込みの進捗は、ホーム画面の[監視候補の処理]、またはセキュリティ画面の[操作ログの手動取り込み]ダイアログで確認できます。
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JP1/IT Desktop Managementの操作ログの取り込みには、JP1/IT Desktop Management 2の手動取り込みを使用するため、イベントやメッセージには「手動取り込み」と表示されます。
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JP1/IT Desktop ManagementとJP1/IT Desktop Management 2の操作ログの管理方式の違いにより、JP1/IT Desktop Managementの操作ログの場合は、操作ログ一覧画面上部のタイムチャートで、操作ログの存在する日付の前後一日が活性して表示されることがあります。
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- ヒント
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JP1/IT Desktop Managementのセットアップで操作ログの保管先が設定されていない場合、JP1/IT Desktop Managementの操作ログのデータベースに格納されているオンライン領域の操作ログデータは、JP1/IT Desktop Management 2への上書きインストールでデータベース退避フォルダに出力されます。出力先はセットアップの完了画面にも表示されます。JP1/IT Desktop Management 2の操作ログのデータベースに取り込むには、JP1/IT Desktop Management 2の管理用サーバのセットアップで操作ログの保管先を設定して、次のファイルをコピーして、手動取り込みを実施してください。
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OPR_CATALOG_YYYYMMDD.csv
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OPR_DATA_YYYYMMDD.zip
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OPR_OTHER.zip
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サイトサーバを利用している環境のバージョンアップ
JP1/IT Desktop Managementのサイトサーバを利用している(JP1/IT Desktop Management - Remote Site Serverがインストールされている)場合、JP1/IT Desktop Management 2 - Managerへのバージョンアップ前に次の操作を実施してください。実施しない場合、ITDM互換配布および操作ログの収集ができません。
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JP1/IT Desktop Management - ManagerからJP1/IT Desktop Management 2 - Managerに バージョンアップインストールする前に、[サーバ構成の管理]画面から[パッケージ配布の中継地点]および[操作ログの保管先フォルダ]の設定をサイトサーバから 管理用サーバに変更してください。
- 重要
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JP1/IT Desktop Managementのサイトサーバとして利用していた(JP1/IT Desktop Management - Remote Site Serverがインストールされている)コンピュータに中継システムをインストールする場合、JP1/IT Desktop Management - Remote Site Serverをアンインストールしてから、インストールしてください。
JP1/IT Desktop Managementから引き継がれない設定
JP1/IT Desktop Managementを導入済みのコンピュータにJP1/IT Desktop Management 2を上書きインストールすると、 次の表示項目および表示順の設定は引き継がれず初期化されます。
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[セキュリティ]-[機器のセキュリティ状態]-[機器一覧]
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[資産]-[管理ソフトウェア]-[管理ソフトウェア一覧]-[インストールソフトウェア]
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[機器]-[機器情報]-[機器一覧]
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[機器]-[機器情報]-[機器一覧]-[インストールソフトウェア情報]
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[機器]-[ソフトウェア情報]-[ソフトウェア一覧]
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[設定]-[機器の探索]-[探索履歴の確認]-[ネットワークの探索]