2.6.1 発見された機器を管理対象にする
エージェントがインストールされたコンピュータは自動的に管理対象になりますが、探索によって発見された機器は手動で管理対象にする必要があります。
- ヒント
-
探索の設定で、発見されたコンピュータを自動で管理対象にすることもできます。
- ヒント
-
機器を探索する時に、ネットワークに接続した未発見機器のコンピュータの電源がOFFの場合は、探索によって機器を発見することはできません。
発見された機器は、管理状態を変更することで管理対象または除外対象にできます。JP1/IT Desktop Management 2で管理する必要がある機器は管理対象にします。JP1/IT Desktop Management 2で管理する必要がない機器は、除外対象にします。機器を管理対象にすると、1台につきライセンスを1つ使います。管理対象の機器を除外対象にすると、使用しているライセンス数が1つ減ります。
複数サーバ構成の場合、管理状態を変更できるのは、自サーバが発見した機器だけです。なお、機器の管理状態が変更されると、上位の管理用サーバに機器情報が通知され、ライセンスの過不足に関係なく管理状態が更新されます。
機器の管理状態の遷移と使用するライセンス数の関係を次の図に示します。
- 発見
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探索によって発見された状態です。この状態ではライセンスは使用されません。発見状態の機器は、管理対象または除外対象にして、JP1/IT Desktop Management 2で管理するかどうかを決定します。
なお、発見された機器を自動的に管理対象にする場合、ライセンス数が足りないときもこの状態になります。
- 管理対象
-
JP1/IT Desktop Management 2で管理する対象となった状態です。管理対象の機器1台につき、ライセンスを1つ使います。機器を管理対象にすることで、JP1/IT Desktop Management 2の各機能の実行対象になります。
管理対象の機器は除外対象にしたり、削除したりできます。
- 除外対象
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JP1/IT Desktop Management 2の管理の対象外となった状態です。この状態ではライセンスは使用されません。例えば、コンピュータだけをJP1/IT Desktop Management 2で管理したい場合は、発見された機器のうちプリンタやネットワーク装置などコンピュータ以外の機器を除外対象にしてください。
- ヒント
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除外対象の機器は、探索で発見されなくなります。また、除外対象の機器には、エージェントが配信されなくなります。管理不要な機器を除外対象にしておくと、定期的に機器を探索している場合に、新規に発見された機器だけをチェックできます。
除外対象の機器は管理対象にしたり、削除したりできます。
- 削除
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JP1/IT Desktop Management 2から機器の情報が削除された状態です。機器を削除すると、データベースからその機器の情報が削除されます。
削除された機器は、探索で再度発見できます。この場合、新規機器として扱われ、以前の設定は引き継がれません。
関連リンク
- 〈この項の構成〉
(1) 管理対象にできる機器の種類
JP1/IT Desktop Management 2では、ネットワークに接続されている、IPアドレスを持つ機器を管理対象にできます。管理対象にできる機器の種類を次の表に示します。
機器種別 |
管理方法 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|
エージェント |
エージェントレス |
Active Directoryと連携 |
MDMシステムと連携 |
APIで外部システムと連携 |
||
PCおよびサーバ(仮想化環境を含む) |
Windows |
○ |
○ |
○ |
△ |
○ |
UNIX |
○ |
○ |
× |
× |
○ |
|
Linux |
○ |
○ |
× |
× |
○ |
|
Mac OS |
○ |
○ |
× |
× |
○ |
|
スマートデバイス |
× |
× |
× |
○ |
○ |
|
その他の機器 |
× |
○ |
× |
× |
○ |
(凡例)○:管理できる ×:管理できない △:連携するMDMシステムがMicrosoft Intuneの場合で、取得した機器種別が「PC」の場合に管理できる
IPv4形式とIPv6形式の両方のIPアドレスを使用している機器は、IPv4形式のIPアドレスだけを利用して管理対象にできます。
なお、IPv6形式のIPアドレスだけを持つ機器は、Active Directoryに登録されている機器を探索する方法でだけ管理対象にできます。ただし、この場合、機器の存在だけを管理できます。
関連リンク
(2) 仮想コンピュータの管理
システム内で仮想コンピュータを使用している場合、仮想コンピュータにOSがインストールされていれば、1台のコンピュータとして管理対象にできます。これによって、仮想コンピュータの機器情報を収集したり、セキュリティ状況を管理したりできます。
各仮想コンピュータが仮想化サーバと別のコンピュータと認識されるためには、OSがインストールされている仮想コンピュータが、次のどちらかの条件を満たしている必要があります。
-
仮想化サーバとMACアドレスが異なっている
-
仮想化サーバとMACアドレスが同じ場合、仮想化サーバと仮想コンピュータにエージェントがインストールされている
MACアドレスが同じ場合、エージェントをインストールすることで、別のコンピュータと認識されます。
ハードウェアで仮想化している場合
ハードウェア上で直接動作するハイパーバイザによって仮想コンピュータを管理している仮想化サーバでは、仮想コンピュータを個々のコンピュータとして管理できます。ただし、この場合の仮想化サーバにはOSがインストールされていないので、1台のコンピュータとしては認識されないため管理できません。
仮想化ソフトウェアを使っている場合
OS上で仮想化ソフトウェアを使って仮想コンピュータを管理している仮想化サーバでは、各仮想コンピュータと仮想化サーバにOSがインストールされているので、それぞれコンピュータとして管理できます。
仮想化サーバおよび仮想コンピュータの扱いについて次の図に示します。
共有型VDIの仮想コンピュータの管理
共有型VDIの仮想コンピュータを管理することもできます。共有型VDIの仮想コンピュータは、マスターとなる仮想コンピュータのイメージがユーザごとにコピーされて使用されます。JP1/IT Desktop Management 2では、コピーされた仮想コンピュータを1台のコンピュータとして管理できます。
- 重要
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-
共有型VDIの仮想コンピュータはエージェントレスで管理できません。
また、探索時の自動登録によって共有型VDIの仮想コンピュータがエージェントレスで管理対象となった場合にもライセンスが消費されます。
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共有型VDIの仮想コンピュータはWindowsエージェントだけが対象です。UNIXエージェントは対象外です。
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共有型VDIの仮想コンピュータは中継システム、管理用中継サーバには対応していません。
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