6.2.4 サービス連携オブジェクト監視ジョブの引き継ぎ情報
ここではサービス連携オブジェクト監視ジョブの引き継ぎ情報について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) サービス連携オブジェクト監視ジョブの引き継ぎ情報
後続ジョブに引き継げるようにするため,JP1/AJS3 for Cloud Service Applications上でどの変数にどのような値を格納するかを定義します。
これらの変数を使用して,カスタムイベントジョブの引き継ぎ情報名「OBJECT01」〜「OBJECT10」に任意の引き継ぎ内容を定義します。
例えば,バケット名とオブジェクトのパスの2つを組み合わせて対象のオブジェクトにアクセスするための形式「//バケット名/オブジェクトのパス」を引き継ぐとした場合の定義を次に示します。
オブジェクトの情報取得コマンドの実行結果から,JMESPathクエリ構文でオブジェクト名として取得した変数「?CSAONAME?」を利用します。
例えば,バケット名「mybucket」配下のオブジェクトのパス名「/ABC/DEF/」配下のオブジェクト名「20230915_s1_report1.txt」を検知した場合に「//mybucket/ABC/DEF/20230915_s1_report1.txt」を引き継ぎ情報名「OBJECT01」に設定するには,サービス連携オブジェクト監視定義の引き継ぎ情報設定で,格納先引き継ぎ情報名の[OBJECT01]に「//mybucket/ABC/DEF/?CSAONAME?」と設定します。
JP1/AJS3 - Viewでは,サービス連携オブジェクト監視ジョブのユニット定義の「引き継ぎ」で,「?AJS2URI?:OBJECT01」と設定します。これで,後続のジョブは「?AJS2URI?」で対象のオブジェクトにアクセスするための形式の情報を引き継げます。
カスタムイベントジョブの引き継ぎ情報名「OBJECT01」〜「OBJECT10」に使用する変数の詳細を次に説明します。
(a) 変数に格納される値の形式
変数に設定される値は,切り出した情報のデータ型によって設定されます。次の表に詳細を示します。
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項番 |
データ型 |
変数に格納される値 |
|---|---|---|
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1 |
文字列値 |
文字列値をそのまま設定 |
|
2 |
数値 |
製品として扱える範囲の数値を文字列で表現した値を設定 |
|
3 |
真偽値 |
trueまたはfalseを設定 |
|
4 |
ヌル値 |
nullを設定 |
(b) オブジェクト名の格納先変数について
オブジェクト名に指定したJMESPathクエリ構文で切り出した情報は,「?CSAONAME?」変数に格納されます。
作成,更新,および削除のどの監視の場合でも,作成されたオブジェクト名,更新されたオブジェクト名,および削除されたオブジェクト名が格納されます。ただし,削除監視で,かつ,「すでにオブジェクトが存在しない場合,条件成立する」で削除を検知した場合,変数には空文字が格納されます。
(c) 更新監視対象情報の格納先変数について
3つの更新監視対象情報に指定したJMESPathクエリ構文で切り出した情報は,「?CSAOINFO1?」,「?CSAOINFO2?」,および「?CSAOINFO3?」の各変数に格納されます。ただし監視定義でJMSPathクエリ構文を省略している場合,監視成立後に省略した更新監視対象情報の変数に値は設定されません。
また各変数に,作成,更新,および削除の各監視成立後に,次の値が設定されます。
-
作成の場合
作成検知対象のオブジェクトの各更新監視対象情報で指定したJMESPathクエリ構文で切り出した値。
-
更新の場合
更新検知対象のオブジェクトの各更新監視対象情報で指定したJMESPathクエリ構文で切り出した値。
-
削除の場合
削除検知対象のオブジェクトの,前回監視時点で取得した各更新監視対象情報で指定したJMESPathクエリ構文で切り出した値。
なお,「すでにオブジェクトが存在しない場合,条件成立する」で削除を検知した場合は,オブジェクト名と同様に空文字が設定されます。
(d) システムが予約しているデフォルトで利用可能な変数について
サービス連携オブジェクト監視ジョブには,「4.3.2(1) 変数の種類」で記載しているシステムが予約しているデフォルトで利用可能な変数以外に,次の変数があります。
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変数名 |
説明 |
|---|---|
|
?CSASOBJCOND? |
監視成立時に次の成立した監視条件のどれか1つを格納
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