9.4.1 資料の採取方法の詳細
- 〈この項の構成〉
(1) Windowsの場合
(a) 資料採取ツールを実行する
JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsでは資料採取ツール(jajs_log.bat)を提供しています。
ログファイルなどの出力先をデフォルトから変更していない場合や,その他の情報の採取が必要ない場合に使用します。
資料採取ツールの実行例を次に示します。
C:\Program Files\Hitachi\JP1AJS3CSA\tools\jajs_log.bat
資料採取ツールの実行結果は,デフォルトでは「%TEMP%\jp1ajs2\backlog」下のフォルダに出力されます。これらのフォルダをバックアップしてください。
資料採取ツールは,クラスタ運用時,論理ホスト名を指定して資料を採取できます。また,採取する資料を限定するオプションも提供しています。
資料採取ツールの詳細については,「8. コマンド」の「jajs_log.bat(Windows限定)」を参照してください。
- 重要
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資料採取ツールを実行する場合,コマンドプロンプトを管理者として起動する必要があります。コマンドプロンプトを管理者として実行しないと,資料採取ツール実行中にUAC機能による確認ダイアログボックスが何度も表示されます。
(b) Windowsイベントログを確認する
Windowsの[イベントビューア]ウィンドウで,Windowsイベントログを確認してください。また,ファイルに書き出してください。
(c) ダンプファイルを採取する
WindowsでSTOPエラーが発生した場合や,アプリケーションがクラッシュした場合,ダンプファイル(メモリーダンプおよびクラッシュダンプ)や問題レポートが必要となることがあります。
ダンプファイルおよび問題レポートの採取方法を次に示します。
■ ダンプファイルの採取方法
トラブル発生時に出力されたダンプファイルは,手動で採取してください。ただし,トラブル発生時にダンプファイルが出力されるには,あらかじめ設定が必要です。
次の手順でダンプファイルが出力されるように設定します。
• メモリーダンプの出力設定手順
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コントロールパネルの[システム]をクリックする。
[システム]ダイアログボックスが表示されます。
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[システムの詳細設定」をクリックする。
[システムのプロパティ]ダイアログボックスが表示されます。
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[詳細設定]タブの[起動と回復]の[設定]ボタンをクリックする。
[起動と回復]ダイアログボックスが表示されます。
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[デバッグ情報の書き込み]で,[完全メモリ ダンプ]を選択し,[ダンプファイル]に出力先のファイルを指定する。
搭載しているメモリーのサイズによっては[完全メモリ ダンプ]が表示されないことがあります。その場合は[カーネルメモリ ダンプ]を選択してください。
- 注意事項
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メモリーダンプのサイズは,実メモリーのサイズによって異なります。搭載している物理メモリーが大きいと,メモリーダンプのサイズが大きくなります。メモリーダンプを採取できるだけのディスク領域を確保してください。詳細については,Microsoftのドキュメントを参照してください。
• クラッシュダンプの出力設定手順
トラブルが発生した場合に,クラッシュダンプ(トラブル時のデバッグ情報を書き出したファイル)が必要となることがあります。クラッシュダンプを出力するためには,Windowsのレジストリ情報を設定する必要があります。詳細な設定情報については,MicrosoftのWindows Error Reporting(WER)関連のサポート技術情報を参照してください。設定する際には,完全なダンプ情報を出力するように設定してください。
- 注意事項
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クラッシュダンプはJP1だけでなく,ほかのアプリケーションプログラムがクラッシュしたときにも出力されます。また,クラッシュダンプが出力されると,その分ディスク容量が圧迫されます。クラッシュダンプが出力されるように設定する場合は,十分なディスク領域を確保しておいてください。
(d) 問題レポートを採取する
マシン上の問題点を検出し,それぞれの問題に対する解決策を調査できます。JP1/AJS for Cloud Service Applicationsサーバのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,次の手順で問題レポートを採取してください。
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Windowsの[ファイル名を指定して実行]でテキストボックスに「wercon」を入力し,[OK]ボタンをクリックする。
[問題のレポートと解決策]ダイアログボックスが表示されます。
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左側の領域で,[問題の履歴の表示]をクリックする。
問題の履歴が一覧で表示されます。
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該当する問題をダブルクリックする。
問題レポートの詳細が表示されます。
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[クリップボードにコピー]を選択する。
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テキストエディターなどにコピーし,保存する。
テキストファイルに保存した問題レポートを,障害調査用の資料として利用してください。
(e) プロセスの状態を確認する
Windowsの[タスクマネージャ]ウィンドウの[プロセス]タブで,接続先のJP1/AJS3 - Managerのプロセスの動作状態を確認してください。
JP1/AJS3 - Managerのプロセスについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング」にあるJP1/AJS3 - Managerのプロセス一覧の説明を参照してください。
(f) オペレーション内容を確認する
トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。
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オペレーション内容の詳細
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トラブル発生時刻
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マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,JP1/AJS3 for Cloud Service ApplicationsとJP1/AJS3 - Managerや,JP1/AJS3 - Viewとの構成など)
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再現性の有無
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JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsを利用中のWindowsホストへのログインユーザー名
(g) 画面上のエラー情報を採取する
次に示すハードコピーを採取してください。
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アプリケーションエラーが発生した場合は,操作画面のハードコピー
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エラーメッセージダイアログボックスのハードコピー(および詳細ボタンがある場合はその内容)
(h) その他の情報
その他の必要な情報を採取してください。
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[ヘルプとサポート]の[システム情報]の内容
[ヘルプとサポート]の[システム情報]を印刷してください。
(2) Linuxの場合
(a) 資料採取ツールを実行する
JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsでは資料採取ツール(jajs_log)を提供しています。
ログファイルなどの出力先をデフォルトから変更していない場合や,その他の情報の採取が必要ない場合に使用します。
資料採取ツールの実行例を次に示します。
/opt/jp1ajs3csa/tools/jajs_log
資料採取ツールの実行結果は,デフォルトでは「/tmp/jp1ajs2/trouble」下のディレクトリに出力されます。これらのディレクトリをバックアップしてください。
資料採取ツールは,クラスタ運用時,論理ホスト名を指定して資料を採取できます。また,採取する資料を限定するオプションも提供しています。
資料採取ツールの詳細については,「8. コマンド」の「jajs_log(Linux限定)」を参照してください。
(b) coreファイルを採取する
coreファイルが出力されている場合は,coreファイルを採取してください。
coreファイルは,次のディレクトリのうちのどちらかに出力されます。
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ユーザーのホームディレクトリ
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コマンドなどを実行したカレントディレクトリ
(c) サーバのプロセスの状態を確認する
psコマンドを使ってプロセスの動作状態を確認してください。
(d) オペレーション内容を確認する
トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。
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オペレーション内容の詳細
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トラブル発生時刻
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マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,JP1/AJS3 for Cloud Service ApplicationsとJP1/AJS3 - Managerや,JP1/AJS3 - Viewとの構成など)
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再現性の有無
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JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsを利用中のWindowsホストへのログインユーザー名
(e) 画面上のエラー情報を採取する
次に示すハードコピーを採取してください。
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アプリケーションエラーが発生した場合は,操作画面のハードコピー
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エラーメッセージダイアログボックスのハードコピー(および詳細ボタンがある場合はその内容)