5.5.1 資料採取ツール
資料採取ツールは,JP1/Scriptでトラブルが発生したときに資料を採取するためのツールです。
(1) 資料採取ツールの実行
資料採取ツールを実行します。次にツールの実行例を示します。
C:\>"C:\Program Files (x86)\HITACHI\Script\tools\sptlog.bat" -o C:\temp
この実行例では,資料採取ツールの実行結果は C:\temp\jp1script フォルダ下に出力されます。このフォルダ下を採取してください。資料採取ツールの実行結果を出力したファイルが作成済みの場合,情報の上書きを確認するメッセージが出力されるので「y」で応答してください。
資料採取ツールの詳細については,「5.5.1(2) 資料採取ツールの詳細」を参照してください。
- 重要
-
資料採取ツールは,スクリプトファイルを実行していない時にバッチファイルを実行してください。Scriptプロセスビューアで実行しているスクリプトファイルを確認できます。また,資料採取ツールが終了するまでスクリプトを実行しないように注意してください。
(2) 資料採取ツールの詳細
- 機能
-
JP1/Scriptでトラブルが発生したときに資料を採取するためのツールです。JP1/Scriptの保守資料,OSのシステム情報などを採取します。
このツールは,バッチファイルです。ユーザによるカスタマイズはできません。
- 形式
sptlog.bat [-o 出力先フォルダ名]
- 実行権限
-
管理者権限
- 格納先ディレクトリ
-
JP1/Scriptインストール先フォルダ\tools
- 引数
-
- -o 出力先フォルダ名
-
出力先フォルダ名は,190バイト以内のフルパスで指定してください。パスに空白を含む場合は,「""」で囲んで指定します。
資料採取ツールの実行結果は「出力先フォルダ名\jp1script」フォルダに出力します。
出力先フォルダ名を省略した場合は,「%TEMP%\jp1script」フォルダに出力します。「%TEMP%」の値は,コマンドプロンプトから「echo %TEMP%」を実行して確認してください。
- 注意事項
-
-
資料採取ツールは多重実行しないでください。
-
資料採取ツールを実行する場合,コマンドプロンプトを管理者として起動してから実行してください。
-
- 戻り値
-
戻り値
戻り値の意味
0
正常終了しました。
8
次のどれかの事象が発生しました。
-
管理者権限以外で実行された。
-
出力先フォルダが作成できなかった。
-
「出力先フォルダ名\jp1script」フォルダを削除して続行してよいかの質問メッセージにユーザが「NO」で答えた。
-
- 使用例
-
採取する資料を「C:\temp\jp1script」に出力します。
"C:\Program Files (x86)\HITACHI\Script\tools\sptlog.bat" -o C:\temp
(3) 資料採取ツールで採取する情報
資料採取ツールで採取する情報を次の表に示します。
情報の種類 |
採取資料 |
---|---|
hostsファイル |
システムフォルダ\system32\drivers\etc\hosts |
servicesファイル |
システムフォルダ\system32\drivers\etc\services |
OSバージョン |
verの実行結果 |
Windowsの環境変数 |
setの実行結果 |
IPコンフィギュレーション情報 |
ipconfig /allの実行結果 netstat -a -e -n -s -rの実行結果 arp -aの実行結果 |
起動サービス一覧 |
net startの実行結果 |
マシンのシステム情報 |
msinfo32 /report ファイル名の実行結果 |
ユーザ権利の割り当て |
secedit /export /cfg ファイル名 /areas USER_RIGHTS /quietの実行結果 |
UAC設定情報 |
次のレジストリキー配下の情報 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System |
JP1/Scriptのレジストリ情報 |
次のレジストリキー配下の情報 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Hitachi\JP1/Script |
JP1/Scriptのインストール先フォルダ配下,データフォルダ※1配下のファイルリスト |
dir JP1/Scriptインストール先フォルダ /a /sの実行結果 dir JP1/Scriptデータフォルダ /a /sの実行結果 |
JP1/Scriptのインストール先フォルダ配下,データフォルダ※1配下のアクセス権限 |
icacls JP1/Scriptインストール先フォルダ /Tの実行結果 icacls JP1/Scriptデータフォルダ /Tの実行結果 |
JP1/Scriptのインストール先フォルダ配下のファイル |
JP1/Scriptインストール先フォルダ\Conf\* JP1/Scriptインストール先フォルダ配下の次のファイル
|
スクリプトの実行環境フォルダ配下のファイル |
システムドライブ\ProgramData\Hitachi\Script\Data\*※2 |
スクリプトのログフォルダ配下のファイル |
システムドライブ\ProgramData\Hitachi\Script\Log\* |
NetExecエラーログファイル |
システムドライブ\ProgramData\Hitachi\Script\Log\STXNetExec_Client\* システムドライブ\ProgramData\Hitachi\Script\Log\STXNetExec_Server\*※3 |
保守ログファイル |
システムドライブ\ProgramData\Hitachi\Script\Log\Maintenance\*※4 |
製品情報登録ファイル |
システムドライブ\Program File (x86)\Hitachi\jp1common\JP1SCRIPT\jp1script.dat |
- 注※1
-
システムドライブ\ProgramData\Hitachi\Script
- 注※2
-
出力先フォルダは変更できます。設定方法については,「4.1.28 オプション(クラスタ環境)ダイアログ」を参照してください。
- 注※3
-
出力先フォルダは変更できます。設定方法については,「8.10.2 NetExec(自PC/他PC上の実行ファイルを呼び出す)」を参照してください。
- 注※4
-
出力先フォルダは変更できます。設定方法については,「付録D 保守ログファイル」を参照してください。