Hitachi

JP1 Version 13 JP1/Script(Windows(R)用)


2.4.7 ユーザトレースファイル出力時の実行性能を改善する設定

Messageコマンドを使用してユーザトレースファイルを出力する場合の,スクリプトの実行性能を改善する設定について説明します。

なお,ユーザトレースファイル出力時の実行性能を改善する設定は,JP1/Script 12-00-01以降で設定できます。

〈この項の構成〉

(1) 概要

ユーザトレースファイルは,Messageコマンドの第一引数にTarget_Fileを指定して出力されるファイルです。ユーザトレースファイルは,ファイル名,書き出し位置などの情報をトレース管理ファイルで管理しているため,次のような場合はスクリプトの実行性能が低下します。

ユーザトレースファイル出力時の実行性能を改善する設定を有効にすると,ユーザトレースファイルをトレース管理ファイルの管理対象外とし,ユーザトレースファイル出力時にトレース管理ファイルにアクセスしないようになります。この設定により,Messageコマンド(Target_Fileを指定)を多く使用する運用では,トレース管理ファイルの容量の増加を抑え,スクリプトの実行性能を改善することができます。

設定を有効にした場合の,ユーザトレースファイルに関する仕様差異を次の表に示します。

表2‒4 ユーザトレースファイルに関する仕様差異

項目

設定が無効な場合

(デフォルト)

設定が有効な場合

ユーザトレースファイルの最大行数

最大行数を超えると,ログ出力がラップする(先頭の行から上書き出力する)。

最大行数を超えても,ログ出力がラップしない(最大行数の設定は無視する)。ユーザトレースファイルのサイズが単調増加する。

既存のユーザトレースファイルへの出力で,最大行数または最大列数を前回から変更した場合の動作

ファイルを新しく作成し直して,ファイルの先頭から,指定した最大行数および最大列数で出力する。

既存のファイルの最後から,指定した最大列数で出力する。

トレースビューアでのユーザトレースファイル参照

可能。

ただし,トレース管理ファイルを削除した後は,それ以前のトレースファイルの参照は不可。

不可。

(2) 設定手順

ユーザトレースファイル出力時の実行性能を改善する設定は,レジストリの値に設定します。

〔レジストリキー〕

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Hitachi\JP1/Script\SPTX

〔値名〕

UserTraceUnmanaged

〔値のデータタイプ〕

REG_DWORD

〔値〕

ユーザトレースファイルをトレース管理ファイルでの管理対象外にするかどうかを指定します。

0:無効(デフォルト)

ユーザトレースファイルをトレース管理ファイルでの管理対象とする(バージョン12-00-01より前と同じ動作)。

1:有効

ユーザトレースファイルをトレース管理ファイルでの管理対象外にする。Messageコマンドを実行してユーザトレースファイルを出力する際に,トレース管理ファイルにアクセスしません。そのため,トレース管理ファイルの容量の増加を抑え,スクリプトの実行性能を改善することができます。

値が設定されていない場合や上記以外の値が設定された場合は,デフォルトの0を仮定します。

トレースビューアでユーザトレースファイルを参照したい場合,同じユーザトレースファイルに繰り返し出力する運用の場合は,0を設定してください。

Messageコマンドを多く使用し,毎回異なるユーザトレースファイルに出力する運用の場合は1を設定してください。

〔設定が有効になるタイミング〕

スクリプトファイルの次回実行時

〔設定の有効範囲〕

レジストリに値を設定したコンピュータで実行するすべてのスクリプト。

なお,NetExecコマンドで他コンピュータのスクリプトを呼び出す場合は,呼び出し先の他コンピュータでの設定に従います。

(3) 注意事項

ユーザトレースファイル出力時の実行性能を改善する設定(以下では本設定と記載します)について,次の注意事項があります。