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JP1 Version 13 JP1/Automatic Job Management System 3 - Print Option


3.4.3 サービスの開始と停止

ここでは,JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスを開始したり停止したりする方法について説明します。

JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスは,JP1/AJS3 - Viewからジョブ運用情報の収集要求を受け付け,ジョブ運用情報を収集します。

〈この項の構成〉

(1) Windowsの場合

JP1/AJS3 - Print Option ManagerをインストールしたホストのOSがWindowsの場合に,JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスを開始したり停止したりするには,Windowsの[コントロールパネル]−[サービス]または[コントロールパネル]−[管理ツール]−[サービス]から操作します。

なお,「net start JP1_AJS2_POML」コマンドおよび「net stop JP1_AJS2_POML」コマンドを実行してもサービスを起動および停止できます。

JP1/AJS3 - Print Option Managerは,次に示すサービスを提供します。

表3‒4 JP1/AJS3 - Print Option Managerが提供するサービス

サービス名

サービス内容

開始方法

アカウント

JP1/AJS3 POM

JP1/AJS3 - Viewからジョブ運用情報の収集要求を受け付け,ジョブ運用情報を収集します。

自動

システム

注意事項

JP1/AJS3の環境設定パラメーターADMACLIMITを「yes」にして,JP1/AJS3 - Viewからジョブ運用情報の収集する場合は,JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスを運用するアカウントに応じて,次のどちらかを実施してください。

  1. JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスをローカルシステムアカウントで運用する場合(インストール後のデフォルトは,ローカルシステムアカウントに設定されています)

    「system」というJP1ユーザーを作成し,ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドの対象ユニットのJP1資源グループに対して,JP1権限レベルを設定してください。

  2. JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスをユーザーアカウントで運用する場合

    ユーザーアカウント名と同じ名前のJP1ユーザーを作成し,ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドの対象ユニットのJP1資源グループに対して,JP1権限レベルを設定してください。

ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドを実行するために必要なJP1権限レベルの詳細については,JP1/AJS3のマニュアルを参照してください。

なお,JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスをユーザーアカウントで運用する場合は,次の手順でサービスのログオンアカウントを設定してください。

サービスのログオンアカウントを設定するにはAdministrators権限が必要です。

<サービスのログオンアカウントの設定手順>

  1. Windowsの[スタート]−[管理ツール]−[サービス]を選択し,[サービス]画面を表示する。

  2. JP1/AJS3 POMを選択し,メニューバーの[操作]−[プロパティ]を選択し,[JP1/AJS3 POMのプロパティ]画面を表示する。

  3. [ログオン]タブの[アカウント]をチェックし,[参照]ボタンを有効にする。

  4. [アカウント]ボックスにサービスの実行アカウント名を入力する。

    アカウント名は,[参照]ボタンを押して表示されるダイアログから入力できます。

  5. [パスワード]ボックスにパスワードを入力し,次にパスワードを確認して,[OK]ボタンをクリックする。

注※

サービスの実行アカウント名には,次の権限を持つアカウントを設定してください。

  • Administrators権限

  • ローカルログオンを許可する

  • サービスとしてログオン

  • プロセスレベルトークンの置き換え

  • プロセスのメモリークォータの増加

JP1/AJSが論理ホスト構成の場合は,JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスをデフォルトの「ローカルシステムアカウント」ではなく,ユーザーアカウントで運用してください。また,そのユーザーアカウントのユーザー環境変数「JP1_HOSTNAME」にジョブ運用情報の収集対象のJP1/AJSの論理ホスト名を設定してください。システム環境変数ではない点に注意してください。

設定手順1または設定手順2のどちらかを実施してください。

<設定手順1>

  1. JP1/AJS3 - Print Option Managerサービス専用のOSユーザー(例:pomuser)を作成する。

    ユーザーpomuserは,JP1/AJS3 - Print Option ManagerサービスのログオンアカウントとなるためAdministrators権限が必要です。

    ユーザーpomuserは,JP1/BaseやJP1/AJSの運用ユーザーとは別のユーザーとなるようにしてください。

  2. ユーザーpomuserでOSにログインし,JP1/AJS3 - Print Option Managerサービスのログオンアカウントにpomuserを指定する。

    指定方法は,<サービスのログオンアカウントの設定手順>を参照してください。

  3. ユーザーpomuserでOSにログインし,「システムのプロパティ」からユーザーpomuserの「ユーザー環境変数」に対してJP1_HOSTNAMEを設定する。

    OSからログオフし,再度ログオンした後,JP1/AJS3 - Print Option Managerサービスを開始する。

  4. 論理ホストのJP1/Baseで,次の設定をする。

    (論理ホストのJP1/AJSの環境設定パラメーターADMACLIMITが「no」(デフォルト)の場合)

    JP1ユーザーpomuser(1.で作成したユーザーと同名のユーザー)を作成する。Administrators権限を持つOSユーザーにマッピングする。

    (論理ホストのJP1/AJSの環境設定パラメーターADMACLIMITが「yes」の場合)

    JP1ユーザーpomuser(1.で作成したユーザーと同名のユーザー)を作成する。pomuserに対して,ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドの対象ユニットのJP1資源グループに対して,JP1権限レベルを設定する。

ジョブ運用情報の収集対象の論理ホストが変わるたびに3.を実施してください。

<設定手順2>

次の方法は,論理ホストが変わるたびにユーザー環境変数を変更せず,JP1/AJS3 - Print Option Managerサービスのログオンアカウントを変更する方法です。

  1. JP1/AJS3 - Print Option Managerサービス専用のOSユーザー(例:pomuser1,pomuser2)を論理ホスト(例:hostA,hostB)の数分,作成する。

    ユーザーpomuser1およびユーザーpomuser2は,JP1/AJS3 - Print Option ManagerサービスのログオンアカウントとなるためAdministrators権限が必要です。

    ユーザーpomuser1およびユーザーpomuser2は,JP1/BaseやJP1/AJSの

    運用ユーザーとは別のユーザーとなるようにしてください。

  2. ユーザーpomuser1およびユーザーpomuser2のそれぞれでOSにログインし,「システムのプロパティ」からユーザーpomuser1およびユーザーpomuser2の「ユーザー環境変数」に対してJP1_HOSTNAMEを設定する。

    例:

    ユーザーpomuser1のユーザー環境変数JP1_HOSTNAMEには論理ホストhostAを設定する。

    ユーザーpomuser2のユーザー環境変数JP1_HOSTNAMEには論理ホストhostBを設定する。

    その後,OSからログオフする。

  3. ユーザーpomuser1またはユーザーpomuser2でOSにログオンし,JP1/AJS3 - Print Option Managerサービスが開始している場合は停止し,ログオンアカウントに,pomuser1またはpomuser2を指定する。

    その後,JP1/AJS3 - Print Option Managerサービスを開始する。

    ログオンアカウントの指定方法は,<サービスのログオンアカウントの設定手順>を参照してください。

  4. 論理ホストhostAおよび論理ホストhostBのJP1/Baseで,次の設定をする。

    (論理ホストhostAのJP1/AJSの環境設定パラメーターADMACLIMITが「no」(デフォルト)の場合)

    JP1ユーザーpomuser1(1.で作成したユーザーと同名のユーザー)を作成する。Administrators権限を持つOSユーザーにマッピングする。

    (論理ホストhostAのJP1/AJSの環境設定パラメーターADMACLIMITが「yes」の場合)

    JP1ユーザーpomuser1(1.で作成したユーザーと同名のユーザー)を作成する。pomuser1に対して,ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドの対象ユニットのJP1資源グループに対して,JP1権限レベルを設定する。

    論理ホストhostBのJP1/Baseでは,同様にpomuser2についての設定を実施する。

ジョブ運用情報の収集対象の論理ホストが変わるたびに3.を実施してください。

(2) UNIXの場合

JP1/AJS3 - Print Option ManagerをインストールしたホストのOSがUNIXの場合に,JP1/AJS3 - Print Option Managerのサービスを自動的に開始したり停止したりする手順について説明します。

注意事項
  • JP1/AJS3の環境設定パラメーターADMACLIMITを「yes」にして,JP1/AJS3 - Viewからジョブ運用情報の収集する場合は,JP1/AJS3 - POMサービスの開始方法の運用に応じて,次のどちらかを実施してください。

  1. JP1/AJS3 - POMサービス(デーモン)を自動的に開始する場合

    OS起動時に,JP1/AJS3 - POMサービスを自動的に開始するように設定した場合,「root」というJP1ユーザーを作成し,ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドの対象ユニットのJP1資源グループに対して,JP1権限レベルを設定してください。

  2. jprpomlstartコマンドでJP1/AJS3 - POMサービスを開始する場合

    OSにログインしたあと,スーパーユーザー権限を持つユーザーでjprpomlstartコマンドを実行してJP1/AJS3 - POMサービスを開始した場合,「root」というJP1ユーザーを作成し,ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドの対象ユニットのJP1資源グループに対して,JP1権限レベルを設定してください。

    ajsprintコマンドおよびajsshowコマンドを実行するために必要なJP1権限レベルの詳細については,JP1/AJS3のマニュアルを参照してください。

  • 論理ホスト環境で環境変数JP1_HOSTNAMEを論理ホストに設定していない場合は,JP1/AJS3 - POMサービスの起動時に環境変数JP1_HOSTNAMEを論理ホストに設定してください。

  1. JP1/AJS3 - POMサービス(デーモン)を自動的に開始する場合

    JP1/AJS3 - POMサービスを起動するユーザーのプロファイル(~/.bash_profile)または,自動起動のスクリプト(/etc/opt/jp1ajs2pom/jprpoml_start)に環境変数「JP1_HOSTNAME」に論理ホスト名の設定を追加してください。

    (自動起動のスクリプトの設定例)

    自動起動のスクリプトファイル(/etc/opt/jp1ajs2pom/jprpoml_start)をエディターで開き,次のように「JP1_HOSTNAME」の設定を追加します。

      :
    JP1_HOSTNAME=(論理ホスト名)
    export JP1_HOSTNAME
      :
    /opt/jp1ajs2pom/bin/jprpomlstart >/dev/null 2>/dev/null
      :
  2. JP1/AJS3 - POMサービス(デーモン)を手動で起動する場合

    JP1/AJS3 - POMサービスを起動時に環境変数「JP1_HOSTNAME」に論理ホスト名の設定を追加して実行してください。

    (起動シェルの設定例)

    # JP1_HOSTNAME=(論理ホスト名)
    # export JP1_HOSTNAME
    # echo $JP1_HOSTNAME
    # /opt/jp1ajs2pom/bin/jprpomlstart

(a) JP1/AJS3 - POMサービスの自動開始を設定する

システムの起動時に,JP1/AJS3 - POMサービス(デーモン)を自動的に開始する手順について説明します。

  1. JP1/AJS3 - POMサービスを停止する。

    次のコマンドを実行して,プロセスをすべて停止します。

    /opt/jp1ajs2pom/bin/jprpomlstop
  2. 次のファイルをviなどのエディターで開く。

    /etc/opt/jp1ajs2pom/jprpoml_start
  3. ファイル(自動開始用シェルスクリプト)に記述されている,次の下線部分を削除する。

    :# /opt/jp1ajs2pom/bin/jprpomlstart >/dev/null 2>/dev/null

    削除する際は,内容を確認してください。

  4. 必要に応じて,ファイル(自動開始用シェルスクリプト)に記述されている,次のLANGの設定部分を変更する。

    LANG=XXXXXX

    XXXXXX」は,OSによって異なります。

    LANGにJP1/AJS3 - Managerで使用している文字コードを指定してください。

注意事項

自動起動のスクリプトおよび自動停止のスクリプトの環境変数LANGには,JP1/AJS3 - Managerで使用している文字コードを設定してください。使用できる文字コードについては,「8. コマンド コマンド一覧」の「LANG環境変数について」を参照してください。

補足事項

JP1/AJS3 - POMサービス(デーモン)を手動で開始するには,jprpomlstartコマンドを実行してください。jprpomlstartコマンドの詳細については,「8. コマンド jprpomlstart(UNIX)」を参照してください。

(b) JP1/AJS3 - POMサービスの自動停止を設定する

システムの終了時に,JP1/AJS3 - POMサービス(デーモン)を自動的に停止する手順について説明します。

  1. JP1/AJS3 - POMサービスを停止する。

    次のコマンドを実行して,プロセスをすべて停止します。

    /opt/jp1ajs2pom/bin/jprpomlstop
  2. 次のファイルをviなどのエディターで開く。

    /etc/opt/jp1ajs2pom/jprpoml_stop
  3. ファイル(自動停止用シェルスクリプト)に記述されている,次の下線部分を削除する。

    :# /opt/jp1ajs2pom/bin/jprpomlstop >/dev/null 2>/dev/null

    削除する際は,内容を確認してください。

補足事項

JP1/AJS3 - POMサービス(デーモン)を手動で停止するには,jprpomlstopコマンドを実行してください。jprpomlstopコマンドの詳細については,「8. コマンド jprpomlstop(UNIX)」を参照してください。