2.6.1 メール受信監視ジョブの定義方法
メール受信を実行するために,次の2種類のうちどちらかの方法でジョブを定義します。
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JP1/AJS3 - Viewの[ジョブネットエディタ]ウィンドウでメール受信監視ジョブを定義する。
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ユニット定義ファイルに必要な情報を定義し,ajsdefineコマンドで定義する。
メール受信の詳細定義(またはパラメーター)には,次の項目を指定します。
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プラットフォーム
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プロファイル名(Windowsの場合)
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差出人一覧,件名一覧,本文一覧
このほか,必要に応じて添付ファイルのリストファイル(Windowsの場合)や,メール受信リスト(UNIXの場合)などを指定します。
- 〈この項の構成〉
(1) 受信したメールの監視条件と判定方法
受信したメールの監視条件には,差出人一覧,件名一覧,本文一覧の三つの条件を使用できます。これら三つの条件のうち,少なくとも一つを設定する必要があります。また,イベントが発生したと見なされるのは,設定した条件がすべて一致した場合です。設定した条件のうち,一致しない条件が一つでもある場合,イベント発生とは見なされません。
それぞれの監視条件について次に説明します。
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差出人一覧
受信したメールの差出人に,設定したメールアドレスがあるかどうか判定します。
差出人のメールアドレスが,一覧内に設定したメールアドレスのうちどれか一つと同じであれば,条件に一致したと判定されます。
なお,差出人のメールアドレスおよび条件として設定したメールアドレスに空白(半角スペース)が指定されている場合は,空白を詰めて条件判定されます。
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件名一覧
受信したメールの件名に,設定した文字列が含まれているかどうかを判定します。
メールの件名に,設定した文字列が含まれているときに,条件に一致したと判定されます。複数の文字列が条件に設定されている場合は,設定された文字列の一つがメールの件名一覧に含まれているとき,件名一覧の条件に一致したと判定されます。
なお,メールの件名および条件の文字列に空白(半角スペース)が指定されている場合は,空白を詰めて条件判定されます。
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本文一覧
受信したメールの本文に,設定した文字列が含まれているかどうかを判定します。
メールの本文に,設定した文字列が含まれているときに,条件に一致したと判定されます。複数の文字列を条件として設定している場合は,設定した文字列のうちどれか一つがメールの本文に含まれていた場合,条件が一致したと判定されます。
なお,メールの本文および条件の文字列に空白(半角スペース)が指定されていても,空白を詰めて条件判定されます。
- 注意事項
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UNIXの場合で,MIME形式のメールのとき,テキスト形式以外の添付ファイルは,本文一覧の条件を判定する対象になりません。添付ファイルがテキスト形式であれば,本文一覧の条件で判定されます。
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ゲートウェイを使用してメールサーバを接続している場合など,メールシステムの構成によっては,メールを受信した際に送信者のメールアドレスに何らかの情報が付け加えられることがあります。
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メール受信監視ジョブの送信者のメールアドレスは,完全に一致したときに,条件に一致したと判定されます。差出人のメールアドレスとして受信メールに設定されるメールアドレスの形式は,メールの送信元がメールサーバに対する接続に用いるプロトコルの内容(例えば,SMTPサーバとして接続,Exchange Serverとして接続など)に依存します。
このほか,メールシステムの仕様や設定によって,差出人のメールアドレスの形式が変更される場合があります。どのような形式のメールアドレスが受信メールに設定されるかは,メールシステムの構築後に実際にメールの送受信を試して,受信したメールの送信者のメールアドレスの形式を確認してください。
確認は次の手順で行ってください。
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メール受信監視ジョブおよびメール送信ジョブを定義する。
メール受信監視ジョブの定義で,件名または本文に監視条件を指定し,引き継ぎ情報に「MLRCVADDRESS」(受信したメールの差し出し人)を指定します。
また,メール受信監視ジョブの条件成立後に実行するメール送信ジョブを定義し,件名または本文にMLRCVADDRESSを引き継ぐように指定します。
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メール受信監視ジョブを実行する。
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メールを送信する。
メールシステムに対して,手順1で定義したメール受信監視ジョブの条件を成立させる任意のメールを送信します。
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データを確認する。
メール受信監視ジョブの条件成立後に実行されたメール送信ジョブの結果,送信されたメールの件名または本文を確認し,MLRCVADDRESSによって引き継がれたデータを確認します。
MLRCVADDRESSの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 付録B イベントジョブおよびカスタムイベントジョブで引き継ぐ情報」を参照してください。
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Windowsの場合,一つのホストで実行できるメール受信監視ジョブの最大は60個です。61個目からはエラーになります。スケジューラーサービスを複数起動している場合でも,この制限は変わりません。
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