5.6.1 登録予定情報ファイルの記述形式
登録予定情報ファイルに定義される,登録予定情報パラメーターの記述形式を次の図に示します。
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次に,記述項目について説明します。
- (A)エクスポート日時
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登録予定情報をエクスポートした日時を出力します。
- 出力形式
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日本語環境の場合:YYYY/MM/DD hh:mm:ss
英語環境の場合 :MMM DD YYYY hh:mm:ss
- (B)エクスポートホスト名
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登録予定情報をエクスポートしたホスト名を出力します。
- 出力形式
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FQDN形式(DNS環境でない場合,ショート名が出力されます)
- (C)エクスポートスケジューラーサービス名
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登録予定情報をエクスポートしたスケジューラーサービス名を出力します。ajsrgexportコマンドにスケジューラーサービス名を指定していない場合,デフォルトスケジューラーサービス名が仮定されます。
- (D)登録予定情報パラメーターの記述開始
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「{」を記述します。この記述項目は,省略できません。
対応する「}」までの内容が,一つの登録予定情報パラメーター群です。一つの登録予定情報パラメーター群は,ジョブネットごとに指定します。
- (E)コメント文
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コメントを追加したい場合は,行の先頭に「#」を記述します。
ほかのパラメーターを定義した行には,コメントを記述できません。
コメントは任意の行に指定できます。
- (F) UNIT=ルートジョブネット名
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実行登録するルートジョブネット名をユニット完全名で指定します。指定できる文字数は,1〜930(単位:バイト)です。
このパラメーターは省略できません。また,このパラメーターは,複数指定できません。
ユニット完全名には,続けてホスト名,スケジューラーサービス名,および実行IDを指定できません。
- (G) ENTRY={s|f}
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実行登録方法を指定します。実行登録方法は,次のとおりです。
s:ジョブネットを計画実行登録します。
f:ジョブネットを確定実行登録します。
このパラメーターは省略できません。また,このパラメーターは,複数指定できません。
- (H) EXCEEDSSCHEDULE={exec|skip}
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スケジューラーサービスの起動時に実行開始予定時間を超過しているジョブネットの起動抑止を指定します。
- exec
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スケジューラーサービスの起動時に実行開始予定時間を超過していてもジョブネットを実行します。
- skip
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スケジューラーサービスの起動時に実行開始予定時間を超過していた場合は,ジョブネットを実行しません。
このパラメーターを省略した場合は「exec」を仮定します。
このパラメーターは,複数指定できません。
- (I) MACRO=マクロ変数名:引き継ぎ情報
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ジョブネット実行時のマクロ変数名,引き継ぎ情報を指定します。一つのマクロ変数名,引き継ぎ情報に対して「MACRO=」を指定します。
このパラメーターは32個まで指定できます。
マクロ変数を指定しない場合は記述しないでください。改行までが有効な値となります。「MACRO=」を複数指定した場合に,指定できる文字数の合計は4,085バイトです。
なお,ここで指定するマクロ変数は,インポートする予定だけでなく,ジョブが実行されて次回予定が作成されるたびに引き継がれます。そのため,計画実行登録(「ENTRY=s」),または確定実行登録の未来世代数指定(「ENTRY=f」かつ「FUTUREGENERATION=X」(X:1〜99の整数))の場合だけ有効になります。その他の実行登録(確定実行登録の期間指定(「ENTRY=f」かつ「FUTUREGENERATION=0または指定なし」))の場合,この項目に指定した内容は無視されます。確定実行登録の期間指定の場合は,「(R)予定情報パラメーター」に指定してください。
- マクロ変数名
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英大文字,数字,「.(ピリオド)」を指定できます。
指定できる文字数は62バイト(前後の「?」を除きます)以内です。
- 引き継ぎ情報
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任意の文字列を指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
- 指定例1
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マクロ変数の指定が一つだけの場合
MACRO=AJS2ENV:/data/job_report
- 指定例2
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マクロ変数の指定が複数の場合
MACRO=AJS2ENV:/data/job_report MACRO=AJS2COM:c:\temp\test.exe
- (J) TIME=実行登録日時
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ジョブネットの実行登録時間を「yyyy/mm/dd△hh:mm」(△:半角スペース)の形式で指定します。指定できる文字数は16バイトです。このパラメーターを省略した場合は,ajsrgimportコマンドを実行した時間を仮定します。指定できる範囲は,1994/01/01 00:00から2099/12/31 23:59です。ジョブネットのスケジュールルールに登録日を指定している場合は,この時間を基点としてスケジュールを計算します。
- (K) TZ=タイムゾーン
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タイムゾーンを指定します。指定できる文字数は99バイトです。このパラメーターを省略した場合は,タイムゾーンの指定がない場合のシステムの動作に従います。
- (L) JP1USER=登録JP1ユーザー名
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実行登録するJP1ユーザーを指定します。指定できる文字数は31バイトです。このパラメーターを省略した場合,ajsrgimportコマンドを実行したJP1ユーザーを仮定します。
- (M) FUTUREGENERATION=未来世代数
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確定スケジュールの,次回以降の実行予定世代数を指定します。指定できる値は,1〜99(単位:バイト)です。実行登録方法に計画実行登録を指定(「ENTRY=s」)した場合,この項目に指定した内容は無視されます。
- (N) PRVTIME=擬似予定開始予定時刻
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スケジュール計算用のパラメーターです。変更しないでください。
- (O) PURGETTIME=擬似予定実行中止時刻
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スケジュール計算用のパラメーターです。変更しないでください。
- (P) SKIPTIME=擬似予定開始実行日
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スケジュール計算用のパラメーターです。変更しないでください。
なお,インポート時は世代管理プロセスによってこのパラメーターの値が自動的に設定されます。そのため,インポート前の登録予定情報ファイルとインポート後すぐにエクスポートした登録予定情報ファイルを比較すると,差分が検出されますが,特に問題はありません。
- (Q)予定情報セクション
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「[SCHEDULEINFO]」を記述します。予定情報パラメーターを指定する場合,予定情報セクションは省略できません。実行登録方法に計画実行登録を指定(「ENTRY=s」)した場合,この項目に指定した内容は無視されます。
- (R)予定情報パラメーター
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確定実行登録する場合の実行予定が指定された,予定情報パラメーターを指定します。実行登録方法に計画実行登録を指定(「ENTRY=s」)した場合,この項目に指定した内容は無視されます。予定情報パラメーターの形式が実行登録するジョブネットの構造に合っていない場合,メッセージKAVS4826-Eを出力します。
記述形式を次に示します。
記述項目について説明します。
- 情報1〜情報9
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情報1〜情報9については,「5.4.1 予定情報ファイルの記述形式」の「(B)ジョブネットの予定情報パラメーター」を参照してください。
- 情報10
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ジョブネットの実行順序制御方式を指定します。
y:「同期」して実行します。
n:「非同期」で実行します。
この項目は,ルートジョブネットにだけ指定できます。省略した場合は,ルートジョブネットの定義に従って動作します。
ネストジョブネットに指定した場合,この項目は無効となります。
- 情報11
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ジョブネットの「ジョブネット監視」(実行所要時間に該当)を指定します。指定できる値は,1〜2,879(単位:分)です。
指定なし:定義に従ってジョブネット監視を行います。
0:ジョブネット監視を行いません。
1〜2879:指定された値でジョブネット監視を行います。
- 情報12
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サービスの起動時に開始時間超過ユニットの実行を抑止するかどうかを指定します。
exec:超過していても実行します。
skip:超過していた場合,実行しません。
この項目は,ルートジョブネットにだけ指定できます。省略した場合,「exec」を仮定します。
ネストジョブネットに指定した場合,この項目は無効となります。
- 情報13
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実行登録日時を「YYYYMMDDTTMM」(日本語環境,英語環境ともに)の形式で指定します。この項目は省略できません。
この項目は,ルートジョブネットにだけ指定できます。
ネストジョブネットに指定した場合,この項目は無効となります。
- 情報14
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タイムゾーンを99バイト以内で指定します。
この項目は,ルートジョブネットにだけ指定できます。省略した場合は,タイムゾーンの指定がない場合のシステムの動作に従います。
ネストジョブネットに指定した場合,この項目は無効となります。
なお,タイムゾーンは「"(ダブルクォーテーションマーク)」で囲んで指定します。
- 情報15
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登録JP1ユーザー名(ajsentryコマンドを実行したJP1ユーザー名)を指定します。
この項目は,ルートジョブネットにだけ指定できます。省略した場合は,コマンドを実行したJP1ユーザーを仮定します。
ネストジョブネットに指定した場合,この項目は無効となります。
なお,登録JP1ユーザー名は「"(ダブルクォーテーションマーク)」で囲んで指定します。
- 情報16
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マクロ変数の情報を設定します。
0:共通セクションのマクロ変数を使用しないで,予定情報セクションで指定したマクロ変数を使用します。予定情報セクションで指定したマクロ変数が「" "」(空)の場合,マクロ変数を使用しません。
1:共通セクションのマクロ変数を使用します。
この項目は,ルートジョブネットにだけ指定できます。ネストジョブネットに指定した場合,この項目は無効となります。
- 情報17
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ジョブネット実行時のマクロ変数名,引き継ぎ情報を指定します。
この項目は,ルートジョブネットにだけ指定できます。ネストジョブネットに指定した場合,この項目は無効となります。
なお,マクロ変数は「"(ダブルクォーテーションマーク)」で囲んで指定してください。
ジョブの予定情報パラメーターには,次の項目を指定できます。
情報1〜情報3については,「5.4.1 予定情報ファイルの記述形式」の「(D)ジョブの予定情報パラメーター群」を参照してください。
- (S)登録予定情報パラメーターの記述終了
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「}」を記述します。この記述項目は,省略できません。
計画実行登録したルートジョブネットの登録予定情報をエクスポートした場合,インポート時には共通セクションの(A)〜(P)に従って予定が生成されます。
確定実行登録したルートジョブネットの登録予定情報をエクスポートした場合,エクスポート前にすでに生成されていた予定は,エクスポート時に予定情報セクションに出力されます。そのため,インポート時には予定情報セクションのパラメーターに従って予定が生成されます。また,未来世代数指定(「(M) FUTUREGENERATION」の値が1以上)の場合で,かつインポート時に生成された予定情報セクションの予定数が指定世代数に満たない場合,残りの予定は共通セクションの(A)〜(P)に従って生成されます。