ajsagtalt
形式
ajsagtalt [-h 論理ホスト名] {-a 実行エージェント名 [-s 実行ホスト名] [-c 時刻-時刻=ジョブ実行多重度,...] [-d 説明文] | -a 実行エージェント名 -t {e|i|h|b} | -g 実行エージェントグループ名 -d 説明文 | -g 実行エージェントグループ名 -l 実行エージェント名[:優先順位] | -g 実行エージェントグループ名 -m 実行エージェント名[:優先順位] | -g 実行エージェントグループ名 -u 実行エージェント名 | -g 実行エージェントグループ名 -t {e|i|h|b} | -a 実行エージェント名 -e {u|m}}
形式1(実行エージェントの設定変更)
ajsagtalt [-h 論理ホスト名] -a 実行エージェント名 [-s 実行ホスト名] [-c 時刻-時刻=ジョブ実行多重度,...] [-d 説明文]
形式2(実行エージェントグループの設定変更)
ajsagtalt [-h 論理ホスト名] -g 実行エージェントグループ名 -d 説明文
形式3(実行エージェントグループへの実行エージェントの追加)
ajsagtalt [-h 論理ホスト名] -g 実行エージェントグループ名 -l 実行エージェント名[:優先順位]
形式4(実行エージェントグループに属している実行エージェントの優先順位の変更)
ajsagtalt [-h 論理ホスト名] -g 実行エージェントグループ名 -m 実行エージェント名[:優先順位]
形式5(実行エージェントグループからの実行エージェントの除外)
ajsagtalt [-h 論理ホスト名] -g 実行エージェントグループ名 -u 実行エージェント名
形式6(実行エージェントのジョブの受付配信制限の状態の変更)
ajsagtalt [-h 論理ホスト名] -a 実行エージェント名 -t {e|i|h|b}
形式7(実行エージェントグループのジョブの受付配信制限の状態の変更)
ajsagtalt [-h 論理ホスト名] -g 実行エージェントグループ名 -t {e|i|h|b}
形式8(実行エージェントの状態を変更)
ajsagtalt [-h 論理ホスト名] -a 実行エージェント名 -e {u|m}
機能
実行エージェントまたは実行エージェントグループの設定またはジョブの受付配信制限の状態を変更します。
実行権限
次に示すJP1権限レベルのどちらかを与えられたユーザー
-
JP1_JPQ_Admin権限
-
JP1_JPQ_Operator権限
次のどちらかだけ実行できます。
-
実行エージェントおよび実行エージェントグループの受付配信制限の状態の変更(-tオプション)
-
実行エージェントの状態の変更(-eオプション)
-
引数
-h 論理ホスト名
設定を変更する実行エージェントまたは実行エージェントグループが登録されている自ホストの論理ホスト名を指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
このオプションを省略した場合は,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合は,物理ホスト名が仮定されます。
物理ホストの場合,このオプションおよび環境変数JP1_HOSTNAMEを指定しないでください。
-a 実行エージェント名
設定を変更する実行エージェント名を指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
-g 実行エージェントグループ名
設定を変更する実行エージェントグループ名を指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
-s 実行ホスト名
実行ホスト名(エージェントホスト名)を指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
このオプションは,-aオプションを指定している場合だけ指定できます。
指定する実行ホスト名は,正しく名前解決できている必要があります。コマンドを実行する前に,指定する実行ホスト名をhostsファイルまたはDNSなどに設定しておいてください。マネージャーホストで名前解決できない実行ホスト名を指定すると,コマンドの実行に時間が掛かることがあります。
名前解決の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.2.2(4) マネージャー・エージェント構成時の注意事項」を参照してください。
-c 時刻-時刻=ジョブ実行多重度,...
ジョブ実行多重度を変更する時間帯と,その時間帯のジョブ実行多重度を指定します。
ジョブ実行多重度を指定すると,この実行エージェントで同時に実行できるジョブ数を制限できます。同時実行数が制限されるジョブは,UNIXジョブ,PCジョブ,フレキシブルジョブ,HTTP接続ジョブ,アクションジョブ,カスタムジョブ,および引き継ぎ情報設定ジョブです。同時に実行しようとしたジョブ数が,ジョブ実行多重度に達した場合,それを超えた分のジョブは,実行中のジョブが終了するまでキューイング(実行待ち)の状態になります。
時間帯は,時刻と時刻とを「-(ハイフン)」でつないで指定します。時刻は30分単位で「hh:mm」の形式で指定します。
hhに指定できる値は,0または00〜23(単位:時)です。
mmに指定できる値は,0,00,または30(単位:分)です。
ジョブ実行多重度に指定できる値は,0〜4,294,967,295です。
時間帯とジョブ実行多重度は複数指定できます。複数の時間帯を指定する場合は,「時刻-時刻=ジョブ実行多重度」の組み合わせを「,(コンマ)」で区切って指定します。途中に空白を含めないでください。指定できる時間帯の数は48までです。時間帯を重複して指定した場合は,あとで指定した値が反映されます。例えば,「-c 1:00-2:30=5,2:00-4:00=10」と指定した場合,重複している2:00〜2:30のジョブ実行多重度は10となります。
ジョブ実行多重度を指定しなかった時間帯は,変更されません。
コマンドを実行した時刻を含む時間帯を指定した場合,ジョブ実行多重度はすぐに変更されます。
このオプションは,-aオプションを指定している場合だけ指定できます。
-d 説明文
実行エージェントまたは実行エージェントグループに対するコメントを文字列で指定します。
指定できる文字数は,1〜80(単位:バイト)です。
このオプションは,-aオプションまたは-gオプションを指定している場合に指定できます。
-l 実行エージェント名[:優先順位]
実行エージェントグループに関連づける実行エージェント名とそのグループ内での優先順位を「:(コロン)」で区切って指定します。
実行エージェント名にはすでに登録済みの実行エージェントを指定します。
実行エージェント名に指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
優先順位に指定できる値は,1〜16です。優先順位がいちばん低いのが1,いちばん高いのが16です。優先順位が高いほど,ジョブが優先的に実行されます。省略した場合,16が仮定されます。
このオプションは,-gオプションを指定している場合だけ指定できます。
-m 実行エージェント名[:優先順位]
実行エージェントグループに属する実行エージェントの優先順位を変更する場合に指定します。実行エージェント名と優先順位を「:(コロン)」で区切って指定します。
実行エージェント名に指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
優先順位に指定できる値は,1〜16です。優先順位がいちばん低いのが1,いちばん高いのが16です。優先順位が高いほど,ジョブが優先的に実行されます。省略した場合,16が仮定されます。
このオプションは,-gオプションを指定している場合だけ指定できます。
-u 実行エージェント名
実行エージェントグループから除外する実行エージェント名を指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
このオプションは,-gオプションを指定している場合だけ指定できます。
-t {e|i|h|b}
実行エージェントまたは実行エージェントグループのジョブの受付配信制限の状態を変更する場合に指定します。
値 |
状態 |
説明 |
---|---|---|
e |
有効 |
ジョブを受け付け,実行ホストに配信されます。 |
i |
無効 |
ジョブを受け付けません。ただし,すでに受け付けたジョブは実行ホストに配信されます。 |
h |
保留 |
ジョブを受け付けます。ただし,実行ホストには配信されません。 |
b |
閉塞 |
ジョブを受け付けません。また,実行ホストにも配信されません。 |
このオプションは,-aオプションまたは-gオプションを指定している場合に指定できます。
-e {u|m}
実行エージェントの状態を変更する場合に指定します。「接続可」および「接続不可」には変更できません。
値 |
状態 |
説明 |
---|---|---|
u |
未確認 |
通信状態確認の対象です。通信状態確認の結果,「接続可」または「接続不可」に変更されます。 |
m |
使用不可 |
ジョブ配信は抑止されます。 |
このオプションは,ジョブ配信遅延の軽減機能が有効な場合だけ実行できます。ジョブ配信遅延の軽減機能が無効な場合は,エラーになります。
JP1/AJS3サービスを停止すると,実行エージェントの状態は「使用不可」の状態でない場合,「未確認」になります。
ajsagtaddコマンドまたはエージェント自動定義機能で実行エージェントを追加すると,追加した実行エージェントの状態は「未確認」になります。
-sオプションで実行ホスト名を変更すると,実行エージェントの状態は「未確認」になります。ただし,実行ホスト名を同じホスト名(大文字と小文字を区別しません)に変更した場合,状態は変更されません。
同じ実行ホストでも,実行エージェントが異なる場合,実行エージェントごとに操作が必要です。
注意事項
-
このコマンドで指定するジョブ実行多重度,受付配信制限の状態,および実行エージェントの優先順位は,イベントジョブおよびカスタムイベントジョブには無効です。
-
このコマンドは,JP1/AJS3からJP1/OJE for VOS3への要求には使用できません。
-
このコマンドは,別ホストのJP1/AJS3 - Managerに対しては実行できません。
-
実行中のジョブ(PCジョブ,UNIXジョブ,フレキシブルジョブ,HTTP接続ジョブ,カスタムジョブ,またはアクションジョブ)がある場合は,実行エージェントグループから実行エージェントを除外できません。
-
実行中のジョブ(PCジョブ,UNIXジョブ,フレキシブルジョブ,HTTP接続ジョブ,カスタムジョブ,アクションジョブ,イベントジョブ,またはカスタムイベントジョブ)がある場合は,実行ホストを変更できません。
-
デフォルト実行エージェント(実行エージェント名が@SYSTEMの実行エージェント)の実行ホストは変更できません。デフォルト実行エージェントの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド 5.1.4 デフォルト実行エージェント」を参照してください。
-
説明文の末尾に連続して設定した半角空白文字は無効になる場合があります。このため,末尾に半角空白文字を使用しないでください。
-
-uオプションを指定したコマンド実行中に,-gオプションで指定した実行エージェントグループ内の実行エージェントでジョブを実行すると,タイミングによってジョブの実行開始が最大で20秒遅延する(キューイング状態となる)おそれがあります。そのため,-gオプションで指定した実行エージェントグループ内にキューイング状態のジョブが存在しないときにコマンドを実行してください。
-
ajsagtaddコマンド,ajsagtaltコマンド,およびajsagtdelコマンドを同一ホスト上で実行する場合,コマンドの同時実行数の合計は5個までです。5個を超えて実行した場合,コマンドは異常終了します。
戻り値
0 |
正常終了。 |
4 |
|
8 |
コマンド引数の指定に誤りがある。 |
12 |
コマンド処理中にメモリー不足が発生した。 |
16 |
ファイル容量が不足している。 |
20 |
共有メモリーのアクセスが排他エラーで失敗した。 |
24 |
コマンド実行権限がない。 |
40 |
共有メモリーの割り当て,ファイルディスクリプタの割り当て,排他資源の割り当ての際,システムの限界値を超えた。 |
120 |
|
124 |
JP1/AJSの内部処理で予期しないエラーを検知した。 |
使用例1
実行エージェント「AP1」の1:00〜5:00のジョブ実行多重度を「1」に変更します。
ajsagtalt -a AP1 -c 01:00-05:00=1
使用例2
実行エージェントグループ「APG1」に実行エージェント「AP2(優先順位:1)」を追加します。
ajsagtalt -g APG1 -l AP2:1
使用例3
実行エージェントグループ「APG1」から実行エージェント「AP3」を除外します。
ajsagtalt -g APG1 -u AP3
使用例4
実行エージェント「AP1」の状態を「使用不可」に変更します。
ajsagtalt -a AP1 -e m