jajs_setup_cluster
- 〈このページの構成〉
形式
JP1/AJS3 - Managerの場合
jajs_setup_cluster [-h 論理ホスト名] -F スケジューラーサービス名 {-d 共有ディレクトリ名 [-n スケジューラーサービスの識別番号] [-m {cold|warm|hot}] {-P 組み込みDBポート番号 -I 組み込みDBセットアップ識別子 [-M {s|m|l}] [-E {byte | sjis}] [-B] | -S} | [-S | -C 組み込みDB設定ファイル名]} [-R]
JP1/AJS3 - Agentの場合
jajs_setup_cluster [-h 論理ホスト名] [-d 共有ディレクトリ名]
形式1(JP1/AJS3 - Manager実行系のセットアップ)
jajs_setup_cluster [-h 論理ホスト名] -F スケジューラーサービス名 -d 共有ディレクトリ名 [-n スケジューラーサービスの識別番号] [-m {cold|warm|hot}] {-P 組み込みDBポート番号 -I 組み込みDBセットアップ識別子 | [-M {s|m|l}] [-E {byte | sjis}] [-B] | [-S]}
形式2(JP1/AJS3 - Manager待機系のセットアップ)
jajs_setup_cluster [-h 論理ホスト名] -F スケジューラーサービス名 [-S | -C 組み込みDB設定ファイル名]
形式3(JP1/AJS3 - Agent実行系のセットアップ)
jajs_setup_cluster [-h 論理ホスト名] -d 共有ディレクトリ名
形式4(JP1/AJS3 - Agent待機系のセットアップ)
jajs_setup_cluster [-h 論理ホスト名]
形式5(リモートサイトのJP1/AJS3 - Manager実行系/待機系のセットアップ)
jajs_setup_cluster [-h 論理ホスト名] -F スケジューラーサービス名 -R
機能
JP1/AJS3の論理ホストに対応した動作環境をセットアップします。クラスタ運用環境のセットアップ時には,実行系と待機系のそれぞれで実行してください。
なお,このコマンドを実行する場合は,事前にJP1/Baseの物理ホスト環境および論理ホスト環境のセットアップを実施しておく必要があります。
このコマンドは,物理ホストの環境をコピーして論理ホストの環境を作成します。作成した論理ホストには,物理ホストのデフォルトスケジューラーサービスの設定をコピーして,スケジューラーサービスを作成します。デフォルトスケジューラーサービスに設定されたスケジューラーサービスがない場合,存在するすべてのスケジューラーサービスの中で最小のスケジューラーサービスの識別番号(環境設定パラメーターAJSSERVICEIDの設定値)が設定されたスケジューラーサービスの設定をコピーして,スケジューラーサービスを作成します。
また,-Rオプションを指定し,リモートサイトのJP1/AJS3 - Managerの実行系および待機系をセットアップすると,JP1/AJS3論理ホストのスケジューラーサービスが追加されます。
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
引数
-h 論理ホスト名
セットアップする論理ホスト名(JP1/Baseで設定した論理ホスト名)を指定します。
指定できる文字数は,1〜32(単位:バイト)です。
オプションに指定した論理ホスト名で環境が作成されます。
オプションを指定すると,環境変数JP1_HOSTNAMEの値よりオプションに指定した値の方が優先されます。省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEの値が論理ホスト名に仮定されます。
次の場合,コマンドは異常終了します。
-
オプションを省略し,環境変数JP1_HOSTNAMEが設定されていない場合
-
セットアップ対象とする論理ホスト名に,物理ホスト名「JP1_DEFAULT」が指定されている場合
-
実行系のセットアップを実施する場合に,セットアップ対象とする論理ホスト名から解決したIPアドレスを使って通信できない場合
-F スケジューラーサービス名
- JP1/AJS3 - Managerでの実行系のセットアップの場合
-
作成するスケジューラーサービス名を指定します。
すでに作成されているスケジューラーサービスを指定すると,コマンドは異常終了します。
- JP1/AJS3 - Managerでの待機系のセットアップの場合
-
実行系で指定したスケジューラーサービス名を指定します。
上記以外のスケジューラーサービス名を指定すると,コマンドは異常終了します。
- ディザスター・リカバリー運用時にリモートサイトでJP1/AJS3 - Managerをセットアップする場合
-
メインサイトの実行系を作成したときに指定したスケジューラーサービス名を指定します。
上記以外のスケジューラーサービス名を指定すると,コマンドは異常終了します。
指定できる文字数は,1〜30(単位:バイト)です。
スケジューラーサービス名に指定できる文字については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4 スケジューラーサービス環境設定」の「表20-2 環境設定パラメーター一覧(スケジューラーサービス環境設定)」の下にある,スケジューラーサービスに関する注意を参照してください。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerでは省略できません。
-d 共有ディレクトリ名
実行系から待機系に引き継ぐ情報を格納する共有ディスクの,マウント先のディレクトリ名をフルパスで指定します。指定するディレクトリは,存在するディレクトリを指定してください。指定したディレクトリがない場合,コマンドは異常終了します。また,ネットワークドライブ上のディスクは指定しないでください。
指定できる文字数は,1〜122(単位:バイト)です。
UNIXで「/」(ルート)を指定した場合,またはWindowsで先頭2バイトにドライブ文字(例:「C:」)以外を指定した場合は,コマンドが異常終了します。
このオプションは,実行系のセットアップを実施する場合に必ず指定してください。省略した場合は,待機系としてセットアップされます。
共有ディレクトリとして,Windowsの場合は「指定した共有ディレクトリ名\JP1AJS2」,UNIXの場合は「指定した共有ディレクトリ名/jp1ajs2」が作成され,その下に論理ホストの環境定義ファイルや実行環境が作成されます。ただし,これらのディレクトリがすでにある場合は,コマンドが異常終了します。実行系のセットアップを実施する場合は,必ず共有ディスクをマウントし,これらのディレクトリがないことを確認してから実行してください。
このオプションは,-Cおよび-Rオプションとは同時に指定できません。
-n スケジューラーサービスの識別番号
スケジューラーサービスの識別番号を10進数で指定します。
指定できる値は,1〜20です。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerでの実行系のセットアップ(-dオプションの指定)時にだけ指定できます。
識別番号は,自ホスト内の物理ホストおよびすべての論理ホストで使用している識別番号と重複しない番号を指定してください。すでに使用している識別番号を指定した場合,コマンドは異常終了します。
このオプションを省略した場合は,使用していない識別番号のいちばん小さい値が仮定されます。スケジューラーサービスの合計数が上限に達している場合は,スケジューラーサービス識別番号の割り当てに失敗し,コマンドが異常終了します。
-m {cold|warm|hot}
スケジューラーサービスの起動モードを指定します。
-
cold
スケジューラーサービスをコールドスタートします。
-
warm
スケジューラーサービスをウォームスタートします。
-
hot
スケジューラーサービスをホットスタートします。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerでの実行系のセットアップ(-dオプションの指定)時にだけ指定できます。
このオプションを省略した場合,物理ホストの環境設定パラメーターDEFAULTSERVICENAMEに指定されているスケジューラーサービスの,環境設定パラメーターSTARTMODEの値が仮定されます。
-P 組み込みDBポート番号
論理ホストのセットアップ時,同時に組み込みDBをセットアップする場合に,論理ホストで使用する組み込みDBのポート番号を指定します。
指定できる値は,5001〜65535の数値です。
ほかのプログラムが使うポート番号と重複しない値を指定してください。ここで指定したポート番号は,ほかのプログラムでは使えません。ポート番号がほかのアプリケーションと重複すると,アプリケーションか組み込みDBのどちらかにトラブルが発生します。その場合は,該当するアプリケーションのポート番号を変更するか,または組み込みDBのポート番号を変更する必要があります。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerでの実行系のセットアップ(-dオプションの指定)時に同時に組み込みDBをセットアップする場合には省略できません。
このオプションは,-C,-R,および-Sオプションとは同時に指定できません。
-I 組み込みDBセットアップ識別子
論理ホストのセットアップ時,同時に組み込みDBをセットアップする場合に,論理ホストで使用する組み込みDBのセットアップ識別子を「_JFn」(nは1〜9またはA〜Zのどれか)の4文字で指定します。システム内で登録されていないセットアップ識別子を指定してください。すでに登録されているセットアップ識別子を指定した場合,コマンドは異常終了します。登録済みのセットアップ識別子は,ajsembdbidlistコマンドで確認できます。ajsembdbidlistコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド ajsembdbidlist」を参照してください。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerでの実行系のセットアップ時に同時に組み込みDBをセットアップする場合には省略できません。
このオプションは,-C,-R,および-Sオプションとは同時に指定できません。
-M {s|m|l}
構築する組み込みDBのデータベースモデルを指定します。
データベースモデルおよびディスク所要量の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.2 データベース領域の見積もり」を参照してください。
このオプションにlを指定して組み込みDBを構築した場合,組み込みDBの自動増分機能は無効となります。自動増分機能を使用したい場合は,高度なセットアップを実施してください。
このオプションは,-C,-R,および-Sオプションとは同時に指定できません。
-E {byte|sjis}
指定したスケジューラーサービスのデータベースで,シフトJIS環境とUTF-8環境でユニット名などに同じ文字数を指定できるようにするかどうかを指定します。省略するとbyteが仮定されます。
このオプションはUNIXで指定できます。Windowsでは指定できません。
このオプションは,-C,-R,および-Sオプションとは同時に指定できません。
-
byte
UTF-8環境で指定できる文字数を,UTF-8で換算するようにデータベースをセットアップします。このオプションを指定すると,シフトJIS環境とUTF-8環境で,ユニット名などに指定できる文字数が異なります。
このオプションを指定して実行すると,環境設定パラメーターDEFLENTYPEに「byte」が設定されます。
-
sjis
UTF-8環境で指定できる文字数を,シフトJIS環境で換算するようにデータベースをセットアップします。このオプションを指定すると,UTF-8環境でユニットに定義できる項目の文字数が,シフトJIS環境で定義できる文字数と同じとなります。
対象となる項目を次に示します。
-
ユニット詳細定義のユニット名
-
ユニット詳細定義のコメント
-
スケジュール設定の排他ジョブネット名
このオプションを指定して実行すると,環境設定パラメーターDEFLENTYPEに「sjis」,環境設定パラメーターAJSCHARCODEに「UTF-8」が設定されます。
-
-B
データベースに組み込みDBを使用する場合,バックアップ強化機能を有効にするときに指定します。省略すると,バックアップ強化機能は無効になります。
このオプションは,-C,-R,および-Sオプションとは同時に指定できません。
-C 組み込みDB設定ファイル名
組み込みDB設定ファイルを指定します。
指定できる文字数は,1〜255(単位:バイト)です。
待機系のクラスタ環境を構築する場合に,実行系にある次の組み込みDB設定ファイルを待機系にコピーして指定してください。
- Windowsの場合
-
組み込みDB運用ディレクトリ\conf\ajsdbst\ajsembdbセットアップ識別子.conf
- UNIXの場合
-
組み込みDB運用ディレクトリ/conf/ajsdbst/ajsembdbセットアップ識別子.conf
実行系を構築する際に-Mオプションを指定した場合は,このオプションを必ず指定してください。実行系の環境構築時にこのオプションを指定した場合,メッセージKAVS0116-Eが出力され,コマンドが異常終了します。組み込みDB設定ファイルの内容が不正であった場合,メッセージKAVS2130-Eが出力され,コマンドが異常終了します。
JP1/AJS3 09-50以前に構築された組み込みDBには,このオプションは指定できません。
このオプションは,-hおよび-Fオプション以外のオプションとは同時に指定できません。
実行系で組み込みDBの高度なセットアップを行っている場合,実行系で指定した次のディレクトリを待機系のホストにあらかじめ作成してください。
-
アンロードログファイル作成ディレクトリ
-
組み込みDB作業領域ディレクトリ
-
組み込みDBインストール先ディレクトリ
なお,アンロードログファイル作成ディレクトリは,実行系のセットアップ時にローカルディスク上のディレクトリを指定した場合,待機系でも作成が必要です。
-S
論理ホストのセットアップ時,組み込みDBをセットアップしないで,別途,高度なセットアップで組み込みDBを構築する場合に指定します。このオプションを指定してjajs_setup_clusterコマンドを実行したあと,組み込みDBの構築を完了させてください。
組み込みDBの構築が完了する前にjajs_configコマンド,jajs_setupコマンド,またはjajs_setup_clusterコマンドを実行すると,コマンドはエラーメッセージKAVS1516-Eを出力して異常終了します。
高度なセットアップでの組み込みDBの構築については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 23.5 組み込みDBの高度なセットアップ(クラスタ構成の場合)」を参照してください。
このオプションは,JP1/AJS3 - Managerの場合だけ指定できます。
このオプションは,-C,-E,-M,-R,-P,または-Iオプションとは同時に指定できません。
-R
ディザスター・リカバリー環境で,リモートサイトの論理ホストをセットアップする場合に指定します。
このオプションは,-hおよび-Fオプション以外のオプションとは同時に指定できません。
注意事項
-
このコマンドを実行する前に,すべてのJP1/AJS3サービスを停止してください。
-
このコマンドを同時に複数実行しないでください。
-
コマンド実行中に強制終了しないでください。
-
このコマンドは,物理ホストのjp1ajs_spmd.confファイルを論理ホストにコピーします。そのため,物理ホストのjp1ajs_spmd.confファイルを編集してプロセスの起動または起動プロセスの抑止の設定をしていると,論理ホストに設定が引き継がれます。この場合,論理ホストに必要のないプロセスが起動されたり,論理ホストに必要なプロセスが起動されなかったりしてしまいます。物理ホストでjp1ajs_spmd.confファイルを編集している場合は,論理ホストのjp1ajs_spmd.confファイルを編集し,必要なプロセスだけが起動されるようにしてください。
起動プロセスの抑止については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド 13.1.6 JP1/AJS3 - Managerの運用をジョブの実行だけに限定して使用するリソースを低減したい」を参照してください。
-
Windowsファイアウォールを使用している場合,セットアップ処理中にポップアップメッセージが表示されることがあります。その場合は,Windowsファイアウォールへの例外登録が必要になるため,ajsembdbinstlコマンドの注意事項を参照して対応してください。
-
コマンド実行中に,メッセージ「Database maintenance failed(func code=xx, error code=yy)」を出力してコマンドが異常終了することがあります。その場合は,次の表に従って対処してください。
xxの値
対処
1
このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbbuildコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。
2
このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbsetupコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。
3
このメッセージの前に出力されているエラーメッセージについて,ajsembdbunsetコマンドのエラー発生時の対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。
4
このメッセージの前に出力されているエラーメッセージの対処方法に従って問題に対処し,コマンドを再度実行してください。
5
出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.7.8(1) 組み込みDBのメンテナンス中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。
6
出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.7.8(2) 組み込みDBのインストール中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。
7
出力されたメッセージのエラーコードyyについて,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 トラブルシューティング 2.7.8(3) 組み込みDBのアンインストール中にエラーが発生したときの対処方法」を参照し,問題に対処してください。
-
実行系でのコマンド実行中にエラーが発生した場合は,エラーの原因を取り除いたあとに,「実行系でのエラー発生時の対処」に従って論理ホストの情報をアンセットアップしてください。その後,再度コマンドを実行してください。
-
待機系でのコマンド実行中にエラーが発生した場合は,エラーの原因を取り除いたあとで再度コマンドを実行してください(論理ホストの情報は削除しないでください)。
-
JP1/AJS3 - Managerで,実行系のセットアップ時に-Fオプションに指定したスケジューラーサービスを削除しないでください。削除すると待機系のセットアップに失敗します。削除する場合は,「実行系でのエラー発生時の対処」に示す手順と同じ手順で実行系の情報を削除したあと,再度実行系からセットアップしてください。
-
物理ホストのスケジューラーサービスに運用プロファイルを設定している場合にこのコマンドを実行すると,運用プロファイルが論理ホストにコピーされます。コピーされた運用プロファイルは,必要に応じて削除してください。
-
このコマンドは,物理ホストの実行許可コマンド設定ファイルを論理ホストにコピーします。そのため,物理ホストの実行許可コマンド設定ファイルで実行を許可したコマンドの設定は,論理ホストに引き継がれます。JP1/AJS3 - Viewから物理ホストに対してコマンドの実行を許可している場合は,論理ホストの実行許可コマンド設定ファイルを編集し,必要なコマンドだけ実行を許可するように設定してください。実行許可コマンド設定ファイルの設定方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 11.3.18 JP1/AJS3のコマンドを実行できるようにする」を参照してください。
-
スケジューラーサービスが使用するディレクトリを変更したい場合,次の対処をしてください。
-
データベースディレクトリを変更したい場合,環境設定パラメーターAJSDBDIRECTORYの値を変更してください。
-
テンポラリーディレクトリを変更したい場合,環境設定パラメーターAJSTMPDIRの値を変更してください。
-
ジョブ情報ディレクトリを変更したい場合,環境設定パラメーターJOBINFDIRの値を変更してください。
-
退避情報ディレクトリを変更したい場合,環境設定パラメーターAJSBKUROOTの値を変更してください。
各パラメーターの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2 スケジューラーサービスの環境設定パラメーターの詳細」を確認してください。
-
実行系でのエラー発生時の対処
実行系でのjajs_setup_clusterコマンド実行中にエラーが発生した場合は,エラーの原因を取り除いたあとに,論理ホストの情報を削除してください。その後,再度コマンドを実行してください。
jajs_setup_clusterコマンドがエラーメッセージKAVS1126-Eを出力して論理ホストのセットアップに失敗した場合は,論理ホストの組み込みDBの削除が必要です。ただし,jajs_setup_clusterコマンドに-Sオプションを指定して組み込みDBを同時にセットアップしていない場合や,エラーメッセージKAVS1126-Eが出力されないで論理ホストのセットアップに失敗した場合は,論理ホストの組み込みDBの削除は不要です。
論理ホストの組み込みDBを削除する場合は,ajsembdbuninstlコマンドを使用します。ajsembdbuninstlコマンドの詳細については,「2. セットアップコマンド ajsembdbuninstl」を参照してください。なお,論理ホストの組み込みDBの削除は論理ホストを削除する前に実施してください。
論理ホストの情報を削除する手順を次に示します。
- 論理ホスト情報の削除
-
-
共有ディスク上の共有ファイルおよびディレクトリを削除する。
JP1/AJS3の共有ディスク情報を削除します。
Windowsの場合:共有ディスク\JP1AJS2
UNIXの場合:共有ディスク/jp1ajs2
-
論理ホスト上のJP1/AJS3の共通定義情報を削除する。
次に示すコマンドを実行して論理ホスト上のJP1/AJS3の共通定義情報を削除してください。jbsunsetcnfコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1AJS2
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1AJS2COMMON
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1NBQAGENT
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1NBQMANAGER※
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1NBQCLIENT
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1NBQNOTIFY
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1AOMMANAGER※
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1AOMAGENT
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1AJSMANAGER※
jbsunsetcnf -i -h 論理ホスト名 -c JP1QLAGENT
注※
JP1/AJS3 - Managerの場合にだけあります。
なお,コマンドの実行時,設定されている情報がない場合は,メッセージ「KAVA0405-I The specified -cで指定した文字列 does not exist [論理ホスト名]. Processing Stops.」が出力されることがありますが,無視してください。
-
実行系セットアップ時に作成される共有ディレクトリ配下の権限について
- Windowsの場合
-
「共有フォルダ\jp1ajs2」を含む配下のフォルダが作成され,次の表に示すフォルダに「Everyoneフルコントロール」権限が設定されます。その他のフォルダは,上位フォルダの権限を引き継ぎます。
なお,「共有フォルダ\jp1ajs2」の上位フォルダに対しては,SYSTEMおよび管理者権限を持つユーザーは「フルコントロール」,その他のユーザーは「読み取りと実行」以上の権限を設定し,配下のファイルおよびフォルダに引き継ぐ設定をしてください。
- 重要
-
「Everyoneフルコントロール」権限が設定されたフォルダの権限を変更しないでください。権限を変更すると,論理ホストの起動に失敗します。
表2‒3 「Everyoneフルコントロール」権限が設定されるフォルダ 項番
フォルダパス
JP1/AJS3 - Manager
JP1/AJS3 - Agent
1
共有フォルダ\jp1ajs2\backup
○
×
2
共有フォルダ\jp1ajs2\database
○
×
3
共有フォルダ\jp1ajs2\jobinf
○
×
4
共有フォルダ\jp1ajs2\log
○
○
5
共有フォルダ\jp1ajs2\sys
○
○
6
共有フォルダ\jp1ajs2\tmp
○
○
- (凡例)
-
○:作成される
×:作成されない
- UNIXの場合
-
「共有ディレクトリ/jp1ajs2」を含む配下のディレクトリが作成され,次の表に示すディレクトリに「777」権限が設定されます。「共有ディレクトリ/jp1ajs2」および「共有ディレクトリ/jp1ajs2」配下のディレクトリのうち,次の表に含まないディレクトリには,「755」権限が設定されます。
なお,AJS管理者ユーザーで実行系セットアップをする場合,「共有ディレクトリ/jp1ajs2」の上位ディレクトリに対して,JP1管理者グループの読み込みおよび書き込み権限が必要となります。
- 重要
-
「777」権限が設定されたディレクトリの権限を変更しないでください。権限を変更すると,論理ホストの起動に失敗します。
表2‒4 「777」権限が設定されるディレクトリ 項番
ディレクトリパス
JP1/AJS3 - Manager
JP1/AJS3 - Agent
1
共有ディレクトリ/jp1ajs2/backup/schedule
○
×
2
共有ディレクトリ/jp1ajs2/database/schedule/スケジューラーサービス名
○
×
3
共有ディレクトリ/jp1ajs2/jobinf
○
×
4
共有ディレクトリ/jp1ajs2/jobinf/schedule/スケジューラーサービス名
○
×
5
共有ディレクトリ/jp1ajs2/jobinf/delete
○
×
6
共有ディレクトリ/jp1ajs2/log
○
○
7
共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/JAJS_SETUP
○
○
8
共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/jpqagent
○
○
9
共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/jpqclient
○
○
10
共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/jpqmanager
○
×
11
共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/jpqnotify
○
○
12
共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/schedule
○
×
13
共有ディレクトリ/jp1ajs2/log/schedule/スケジューラーサービス名
○
×
14
共有ディレクトリ/jp1ajs2/tmp
○
○
15
共有ディレクトリ/jp1ajs2/tmp/schedule
○
×
16
共有ディレクトリ/jp1ajs2/tmp/schedule/スケジューラーサービス名
○
×
- (凡例)
-
○:作成される
×:作成されない
戻り値
0〜9 |
正常終了。 |
10〜49 |
警告終了。コマンドは終了したが,手動による操作が必要。 |
50以上 |
異常終了。 |
補足事項
-P,-Iオプションを指定してセットアップした場合,次に示す値で組み込みDBが設定されます。
-
データベースモデル:-s(小規模モデル)
-
システムログ運用:行わない
-
システムファイルの二重化:行わない
-
アンロードログファイル:使用しない
-
データ領域ディレクトリ
- Windowsの場合
-
共有フォルダ\jp1ajs2\embdb\-Iオプションで指定した値\dbarea
- UNIXの場合
-
共有ディレクトリ/jp1ajs2/embdb/-Iオプションで指定した値/dbarea
-
作業領域ディレクトリ
- Windowsの場合
-
JP1/AJS3のインストール先フォルダ\embdb\-Iオプションで指定した値\dbarea
- UNIXの場合
-
/opt/jp1ajs2/embdb/-Iオプションで指定した値/dbarea
-
組み込みDB運用ディレクトリ
- Windowsの場合
-
JP1/AJS3のインストール先フォルダ\embdb\-Iオプションで指定した値
- UNIXの場合
-
/opt/jp1ajs2/embdb/-Iオプションで指定した値
-
データベース領域の自動増分:行う
-
システムログの自動増分:行う
その他の項目は,デフォルトの設定が有効になります。
使用例1
JP1/AJS3 - Managerの実行系ホストで組み込みDBを同時にセットアップします。
-
論理ホスト:lhost1
-
スケジューラーサービス:AJS3SCHEDULE001
-
共有ディレクトリ名:F:\shdsk\lhost1
-
組み込みDBポート番号:22201
-
組み込みDBセットアップ識別子:_JF1
jajs_setup_cluster -h lhost1 -F AJS3SCHEDULE001 -d "F:\shdsk\lhost1" -P 22201 -I _JF1
使用例2
JP1/AJS3 - Managerの実行系ホストで,組み込みDBは別にセットアップします。
-
論理ホスト:lhost2
-
スケジューラーサービス:AJS3SCHEDULE002
-
共有ディレクトリ名:F:\shdsk\lhost2
-
スケジューラーサービスの識別番号:3
-
スケジューラーサービスの起動モード:ホットスタート
jajs_setup_cluster -h lhost2 -F AJS3SCHEDULE002 -d "F:\shdsk\lhost2" -n 3 -m hot -S
使用例3
JP1/AJS3 - Managerの待機系ホストで組み込みDBを同時にセットアップします。
-
論理ホスト:lhost1
-
スケジューラーサービス:AJS3SCHEDULE001
jajs_setup_cluster -h lhost1 -F AJS3SCHEDULE001
使用例4
JP1/AJS3 - Managerの待機系ホストで組み込みDBは別にセットアップします。
-
論理ホスト:lhost2
-
スケジューラーサービス:AJS3SCHEDULE002
jajs_setup_cluster -h lhost2 -F AJS3SCHEDULE002 -S
使用例5
JP1/AJS3 - Agentの実行系ホストをセットアップします。
-
論理ホスト:lhosta1
-
共有ディレクトリ名:F:\shdsk\lhosta1
jajs_setup_cluster -h lhosta1 -d "F:\shdsk\lhosta1"
使用例6
JP1/AJS3 - Agentの待機系ホストをセットアップします。
-
論理ホスト:lhosta1
jajs_setup_cluster -h lhosta1