12.4.8 [詳細定義−[Queue Job]]ダイアログボックス
[詳細定義−[Queue Job]]ダイアログボックスでは,QUEUEジョブの詳細を定義します。JP1/OJE for VOS3,Himalaya,またはAS/400(JP1/OJE for Midrange Computer)にジョブを登録する場合,このダイアログボックスを使用します。Himalayaに対する制限値については,次の表を参照してください。また,JP1/OJE for VOS3またはAS/400(JP1/OJE for Midrange Computer)に対する制限値については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス 1.3 他プログラムとの連携」を参照してください。
項番 |
定義項目 |
制限値 |
---|---|---|
1 |
ホスト名 |
Himalayaシステムのホスト名:240バイト以内の文字列。 |
2 |
キュー名 |
32バイト以内の文字列。 英字の大文字・小文字は区別される。 |
3 |
ジョブ名 |
Himalayaシステムのジョブ名:8バイト以内の文字列。 |
4 |
実行ファイル名 |
指定できない。 |
5 |
パラメーター |
指定できない。 |
6 |
実行優先順位 |
「なし」を指定する。 |
7 |
転送ファイル |
指定できない。 |
このダイアログボックスには,共通する表示項目と次のタブがあります。
-
[定義]タブ
-
[転送ファイル]タブ
-
[属性]タブ
- 〈この項の構成〉
(1) 共通する表示項目
共通する表示項目を次の図に示します。
表示項目について説明します。
- [ユニット名]
-
ユニット名を30バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは「QUEUEジョブ」です。
- [コメント]
-
ユニットのコメントを80バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは空白です。
- [実行エージェント]
-
QUEUEジョブでは指定できません。
(2) [定義]タブ
[詳細定義−[Queue Job]]ダイアログボックスの[定義]タブを次の図に示します。
表示項目について説明します。
- [ホスト名]
-
QUEUEジョブを登録するホスト名を255バイト以内の文字列で指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数を使用できます。デフォルトは空白です。
- [キュー名]
-
QUEUEジョブを登録するキュー名を63バイト以内の文字列で指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数を使用できます。この項目は必ず指定します。デフォルトは空白です。
- [ジョブ名]
-
実行するQUEUEジョブのジョブ名を63バイト以内の文字列で指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数を使用できます。デフォルトは空白です。
[ジョブ名]を省略した場合,パス情報を除いた実行ファイル名が仮定されます。
- [実行ファイル名]
-
実行するQUEUEジョブのファイル名を511バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは空白です。また,マクロ変数を使用できます。
ファイル名は,絶対パスまたは相対パスで指定できます。相対パスで指定した場合,ジョブの実行時のワークパスまたは環境変数PATHで指定されたパスからの相対パスとなります。
有効となる環境変数PATHは,実行ホストがWindowsの場合,システム環境変数です。実行ホストがUNIXの場合,実行OSユーザーの環境変数PATHです。
実行ファイル名に空白文字が含まれる場合,「"(ダブルクォーテーションマーク)」で実行ファイル名を囲んでください。
QUEUEジョブを登録するホストがJP1/OJE for VOS3の場合は,実行ファイル名を省略できません。
- [パラメーター]
-
ジョブパラメーターを1,023バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは空白です。また,マクロ変数を使用できます。
- [実行優先順位]
-
ジョブの実行優先順位を選択します。指定できる値は,[なし],および[1]〜[5]です。優先度が最も高いのは,[5]です。デフォルトは[なし]です。
[なし]の場合は上位ジョブネットの定義に依存します。[なし]が指定され,最上位までのすべてのジョブネットに[なし]が指定されていた場合,環境設定パラメーターDEFAULTPRIORITYの設定値が仮定されます。環境設定パラメーターDEFAULTPRIORITYの設定も省略している場合は,[1]が仮定されます。環境設定パラメーターDEFAULTPRIORITYの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(108) DEFAULTPRIORITY」を参照してください。
実行ホストがUNIXの場合,マッピングした結果の実行時のユーザーがスーパーユーザー権限を持たないユーザーである場合,[4],[5]を指定すると,実行時に権限エラーになります。
指定できる値と,値の意味を次の表に示します。
表12‒43 指定できる値と実行優先順位 指定できる値
UNIXの場合
Windowsの場合
1
nice値+20
対話処理と比較して低い
2
nice値+10
対話処理と比較して低い
3
nice値
対話処理と同等
4
nice値-10
対話処理と比較して高い
5
nice値-20
対話処理と比較して高い
- 補足事項
-
Windowsの場合,優先順位は3段階になります。次の三つの優先順位クラスを設定してジョブのプロセスを起動します。
-
設定値が[1]または[2]の場合は,システムがアイドル状態のときに実行されます(Windowsで規定されるIDLE_PRIORITY_CLASSを設定します)。
-
設定値が[3]の場合は,一般的なプロセスとして実行されます(Windowsで規定されるNORMAL_PRIORITY_CLASSを設定します)。
-
設定値が[4]または[5]の場合は,上記の優先順位クラスを割り当てられたプロセスのスレッドより先に実行されます(Windowsで規定されるHIGH_PRIORITY_CLASSを設定します)。
UNIXの場合,nice値のデフォルトとして,jajs_spmdを実行した際のJP1/AJS3サービスのnice値を基準とします。特に設定されていない場合のnice値は20が仮定されます。
設定値が[1]でnice値が20の場合,優先順位の値は次のようになります。
39 ≒ 20(初期値)+20(増分値)
nice値の範囲(0〜39)を超える場合,最大値は39,最小値は0となります。
-
- [終了判定]
-
終了判定の条件を選択します。
- [判定結果]
-
[判定結果]で選択した終了判定の条件によって,表示項目が異なります。デフォルトは[しきい値による判定]です。[判定結果]の下には[警告しきい値]と[異常しきい値]の項目が表示されています。選択できる終了判定の条件を次に示します。
-
[常に正常]
QUEUEジョブを常に正常終了します。[警告しきい値]と[異常しきい値]の項目は,指定できません。
-
[常に異常]
QUEUEジョブを常に異常終了します。[警告しきい値]と[異常しきい値]の項目は,指定できません。
-
[しきい値による判定]
正常終了と警告終了の判定基準とする値,または正常終了と異常終了の判定基準とする値を,定義します。[警告しきい値]と[異常しきい値]の指定できる値は,0〜2,147,483,647です。デフォルトは,[警告しきい値]が空白で,[異常しきい値]が0です。
デフォルトの場合は,終了コードが0以外のときに異常終了となります。[警告しきい値]を設定した場合は,終了コードが0から設定した値までを正常終了とします。終了コードが[警告しきい値]より大きい場合に警告終了となります。また,[異常しきい値]を設定した場合は0から[異常しきい値]までが正常終了となります。終了コードが-1以下または[異常しきい値]より大きい場合に異常終了となります。[警告しきい値]と[異常しきい値]の両方を指定した場合は,終了コードが0から[警告しきい値]までが正常終了,[警告しきい値]より大きく[異常しきい値]までが警告終了,-1以下または[異常しきい値]より大きい場合が異常終了となります。
UNIXで実行した場合,終了コードは0〜255の値となり,負の値はありません。
実行したプログラムが負の値で終了した場合,終了コードは,256 + (exitコード)と扱われます(例えば,-1でexitした場合は,256 - 1 = 255と扱われます)。
-
- [異常終了時リトライ]
-
実行ファイルがエラーになった場合,リトライ実行するかどうかを選択します。
次の条件をすべて満たす場合に指定できます。
-
接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが10-00以降である
-
接続先のJP1/AJS3 - Managerのデータベース構成が標準構成である
-
[判定結果]で[しきい値による判定]を選択している
指定できる種類は,[しない]または[する]です。デフォルトは[しない]です。
この項目は,JP1/AJS3 - Viewのバージョンが10-00以降の場合に表示されます。
-
- [終了コード]
-
[異常終了時リトライ]で[する]を選択した場合,リトライ実行するジョブの終了コードを指定します。
-
下限値
リトライ実行する場合に,終了コードの下限値を指定します。終了コードがここで指定した値以上の場合,リトライが実行されます。
指定できる値は,1〜4,294,967,295です。デフォルトは空白です。この項目を省略した場合,「[異常終了しきい値]に指定した値 + 1」が仮定されます。
-
上限値
リトライ実行する場合に,終了コードの上限値を指定します。終了コードがここで指定した値以下の場合,リトライが実行されます。
指定できる値は,1〜4,294,967,295です。デフォルトは空白です。この項目を省略した場合,「4,294,967,295」が仮定されます。
この項目は,JP1/AJS3 - Viewのバージョンが10-00以降の場合に表示されます。
-
- [最大リトライ回数]
-
[異常終了時リトライ]で[する]を選択した場合,リトライ実行する最大回数を指定します。指定できる値は,1〜12です。デフォルトは「1」です。
この項目は,JP1/AJS3 - Viewのバージョンが10-00以降の場合に表示されます。
- [リトライ間隔]
-
[異常終了時リトライ]で[する]を選択した場合,ジョブの実行ファイルがエラーになってからリトライ実行を開始するまでの間隔を指定します。指定できる値は,1〜10(単位:分)です。デフォルトは「1」です。
この項目は,JP1/AJS3 - Viewのバージョンが10-00以降の場合に表示されます。
- 重要
-
ファイル名には,ネットワークドライブ名から始まるパスを指定しないでください。ネットワークドライブ名ではなく,「\\コンピュータ名\共有フォルダ\実行ファイル名」のようにコンピュータ名から始まるパスを指定してください。
(3) [転送ファイル]タブ
[詳細定義−[Queue Job]]ダイアログボックスの[転送ファイル]タブでは,ジョブを実行するために必要なファイルをJP1/AJS3 - ManagerからJP1/AJS3 - Agentに転送するための設定をします。転送できるファイルは,テキスト形式のファイルだけです。
[詳細定義−[Queue Job]]ダイアログボックスの[転送ファイル]タブを次の図に示します。
表示項目について説明します。
- [転送ファイル1]〜[転送ファイル4]
-
一つのジョブに4個の転送ファイルを指定できます。
- [転送元ファイル名]
-
JP1/AJS3 - Managerにあるファイルを511バイト以内の文字列で指定します。ファイル名はフルパスで指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数を使用できます。デフォルトは空白です。
- [転送先ファイル名]
-
エージェントホスト上に転送されるファイル名を511バイト以内の文字列で指定します。ファイル名はフルパスで指定します。また,接続先のJP1/AJS3 - Managerのバージョンが09-50以降の場合は,マクロ変数を使用できます。デフォルトは空白です。
- 注意事項
-
JP1/AJS3では,転送ファイルはマネージャーホストからエージェントホストへ転送し,結果ファイル(標準出力ファイル,標準エラー出力ファイル)はエージェントホストからマネージャーホストへと転送します。ファイルを転送すると,各ファイルは転送先ホストのJP1/AJS3サービスの文字コードに変換されます。このため,各ファイルの文字コードとJP1/AJS3の文字コードを一致させる必要があります。
-
転送ファイルの場合
QUEUEジョブに転送ファイルを指定する場合は,マネージャーホストのJP1/AJS3サービスの文字コードと,転送元ファイルの文字コードを一致させる必要があります。また,jpqjobsubコマンドなどのサブミットジョブに転送ファイルを指定する場合は,コマンド実行プロセスの文字コードと,転送元ファイルの文字コードを一致させる必要があります。
-
結果ファイルの場合
ジョブが出力する結果ファイルの文字コードと,エージェントホストのJP1/AJS3サービスの文字コードを一致させる必要があります。
例えば,マネージャーホストのJP1/AJS3サービスを日本語シフトJISで起動し,エージェントホストのJP1/AJS3サービスを日本語EUCで起動した場合,マネージャーホスト上の転送元ファイル(日本語シフトJIS)をエージェントホストに転送すると,転送先ファイルは日本語EUCで作成されます。
JP1/AJS3の文字コードの設定については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 13.4.1 言語環境の設定」を参照してください。
また,転送ファイルに含まれるデータ中に使用できる文字については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編) 2.4.2(7)(a) 使用できる文字の範囲」を参照してください。
-
- 重要
-
ファイル名には,ネットワークドライブ名から始まるパスを指定しないでください。ネットワークドライブ名ではなく,「\\コンピュータ名\共有フォルダ\実行ファイル名」のようにコンピュータ名から始まるパスを指定してください。
(4) [属性]タブ
[詳細定義−[Queue Job]]ダイアログボックスの[属性]タブを次の図に示します。
表示項目について説明します。
- [保留]
-
ユニットの状態をあらかじめ保留状態にするかどうかを指定します。指定できる種類は,[しない]と[する]です。デフォルトは[しない]です。
- [種別]
-
ユニットの種別をリカバリーにするかどうかを指定します。指定できる種類は,[通常]と[リカバリ]です。デフォルトは[通常]です。
- [打ち切り時間指定]
-
QUEUEジョブでは指定できません。
- [打ち切り時間]
-
QUEUEジョブでは指定できません。
- [終了遅延監視]
-
実行所要時間によるジョブの終了遅延監視をするかどうかを指定します。ジョブの終了遅延を監視する場合は[実行所要時間]をチェックします。デフォルトではチェックされていません。
また,[実行所要時間]をチェックした場合は,ジョブの実行所要時間を1〜1,440の範囲内で指定します(単位:分)。
この項目は,JP1/AJS3 - Viewの場合,またはJP1/AJS2 - View 08-50以降の場合に表示されます。実行所要時間によるジョブの終了遅延監視の注意事項については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 5.1.3 ジョブの実行所要時間による終了遅延監視」を参照してください。
- [所有者]
-
ユニットの所有者を31バイト以内の文字列で指定します。デフォルトは,ログインしているJP1ユーザー名です。ただし,上位ユニットに対して上位ユニット属性継承機能を設定している場合,デフォルトは,上位ユニットの所有者です。
- [JP1資源グループ]
-
JP1資源グループ名を63バイト以内の文字列で指定します。指定できる文字は,英数字,および「_(アンダーバー)」です。デフォルトは,上位ユニットのJP1資源グループ名です。空白の場合は,アクセス権限の対象になりません。
- [実行ユーザー種別]
-
実行ユーザーの種類を選択します。デフォルトは[登録ユーザー]です。選択できる種類を次に示します。
-
[登録ユーザー]
ジョブを登録したJP1ユーザーでユーザーマッピングします。変換されたOSのユーザーのアカウントでジョブを実行します。
-
[所有ユーザー]
ジョブを所有しているJP1ユーザーでユーザーマッピングします。変換されたユーザーのアカウントでジョブを実行します。
ここで指定したユーザーからOSのユーザーに変換されるように,ジョブ実行ホストでユーザーマッピングする必要があります。
なお,上位ユニットに実行ユーザー固定機能を設定している場合,実行ユーザーは,ここでの指定に関係なく,ユニット属性プロファイルの設定に従って固定されます。
-