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JP1 Version 13 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


20.12.2 エージェント監視の環境設定パラメーターの詳細

エージェント監視の環境設定パラメーターの詳細について説明します。

なお,「デフォルト値」とは,環境設定パラメーターを省略した場合の仮定値です。

〈この項の構成〉

(1) AGMMONITORING

ジョブ配信遅延の軽減機能を使用するかどうかを設定します。

形式

"AGMMONITORING"="{no|yes}"

指定できる値
no

ジョブ配信遅延の軽減機能を使用しません。

yes

ジョブ配信遅延の軽減機能を使用します。

デフォルト値

no

推奨値

運用環境に応じて設定してください。

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時

(2) AGMERRAGTSTATRESETTIME

実行エージェントの状態を「接続不可」から「未確認」に変更するまでの時間を指定します。

環境設定パラメーターAGMMONITORINGに「yes」を指定した場合に有効になります。

形式

"AGMERRAGTSTATRESETTIME"=dword: 実行エージェントの状態を「接続不可」から「未確認」に変更するまでの時間

指定できる値

16進数で00000000,または00000258〜00015180(10進数で0または600〜86,400)(単位:秒)

デフォルト値

dword:00015180(10進数で86,400)

推奨値

デフォルト値

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時

注意事項

通常,このパラメーターの指定値を変更する必要はありません。次の説明を参照し,必要に応じて変更してください。

  • このパラメーターに指定した時間が経過し,実行エージェントの状態が「接続不可」から「未確認」になると,通信状態回復確認の対象外になります。これにより,回復する見込みがない実行エージェントへの通信状態回復確認を中止するため,ポートの使用数が削減されます。ただし,実行エージェントの状態が「未確認」の場合はジョブの配信対象となります。ジョブの配信時に通信障害が回復していないと,実行エージェントは再度「接続不可」の状態になります。

  • 0を指定した場合,通信状態回復確認が成功するまで,実行エージェントの状態を「接続不可」から「未確認」に変更しません。この場合,すべての「接続不可」の実行エージェントが「接続可」となるまで通信状態回復確認を繰り返すため,ポートの使用数が増えます。

  • この環境設定パラメーターには,ジョブ実行環境の環境設定パラメーターQueuingJobRecoveryTimeの指定値より大きい値を設定してください。

    次に示す通信制御の環境設定パラメーターをデフォルト値で運用している場合は,QueuingJobRecoveryTimeの指定値より300秒以上大きい値を設定してください。デフォルト値から変更している場合は,見積もり式で求めた値より大きい値を設定してください。

通信制御の環境設定パラメーター
  • "ClientConnectTimeout"=dword:通信接続タイムアウト

  • "ClientRetryInterval"=dword:通信接続リトライ間隔

  • "ClientRetryCount"=dword:通信接続リトライ回数

環境設定パラメーターAGMERRAGTSTATRESETTIMEの見積もり式
a + b * (c + d) + 300

a:環境設定パラメーターQueuingJobRecoveryTimeの設定値

b:環境設定パラメーターClientRetryCountの設定値(通信接続リトライ回数)

c:環境設定パラメーターClientConnectTimeoutの設定値(通信接続タイムアウト)

d:環境設定パラメーターClientRetryIntervalの設定値(通信接続リトライ間隔)

注※

次の定義キーの環境設定パラメーターを変更していた場合に見積もりが必要です。なお,{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

  • [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJS2\HOST\NETWORK]

  • [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJS2\HOST\NETWORK\QUEUEMANAGER]

  • [{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名\NETWORK\QUEUEMANAGER]

(3) AGMINTERVALFORRECOVER

通信状態回復確認の間隔を設定する。

環境設定パラメーターAGMMONITORINGに「yes」を指定した場合に有効になります。

形式

"AGMINTERVALFORRECOVER"=dword:通信状態回復確認の間隔

指定できる値

16進数で0000003C〜00000E10(10進数で60〜3,600)(単位:秒)

デフォルト値

dword:000000B4(10進数で180)

推奨値

デフォルト値

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時

注意事項

通常,このパラメーターの指定値を変更する必要はありません。

通信障害の回復検知を早めたい場合は,このパラメーターで指定する通信状態回復確認の間隔を短くしてください。ただし,値を小さくすると,状態が「接続不可」の実行エージェント数が多い場合,ネットワークの負荷が高くなる場合があります。

(4) AGMCONNECTTIMEOUT

通信状態確認および通信状態回復確認の時間(接続タイムアウト時間)を設定します。

環境設定パラメーターAGMMONITORINGに「yes」を指定した場合に有効になります。

形式

"AGMCONNECTTIMEOUT"=dword:通信状態確認および通信状態回復確認の時間

指定できる値

16進数で0000000A〜00000258(10進数で10〜600)(単位:秒)

デフォルト値

dword:0000000A(10進数で10)

推奨値

デフォルト値

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時

注意事項

OSの接続タイムアウトの仕様や設定によって,このパラメーターに設定した値より前に接続がタイムアウトすることがあります。

正常に稼働している実行エージェントの状態が「接続不可」になる場合,通信状態確認でタイムアウトが発生しているおそれがあります。このパラメーターに設定する通信接続タイムアウト時間を長くしてください。

(5) AGMPUTSYSLOG

ジョブ配信遅延の軽減機能で出力する,次のメッセージの出力先を指定します。

環境設定パラメーターAGMMONITORINGに「yes」を指定した場合に有効になります。

形式

"AGMPUTSYSLOG"={no|yes}

指定できる値
no

統合トレースログだけに出力します。

yes

統合トレースログ,syslog,およびWindowsイベントログに出力します。

デフォルト値

no

推奨値

デフォルト値

設定が有効になるタイミング

次回JP1/AJS3サービス起動時