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JP1 Version 13 JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド


6.1.13 スケジュールできる範囲の最終年を変更する設定

ジョブをスケジュールできる範囲の最終年(最大値:2099年)を変更できます。

ジョブをスケジュールできる範囲の最終年は,インストール方法によって異なります。

ジョブをスケジュールできる範囲の最終年を次に示します。

表6‒11 ジョブをスケジュールできる範囲の最終年

項番

インストール方法

設定されているスケジュールできる範囲の最終年

1

JP1/AJS3 - Manager 13-00以降の新規インストール

2043年

2

JP1/AJS3 - Manager 12-60以前からのバージョンアップインストール

2036年

スケジュールできる範囲を変更するには,環境設定パラメーターSCHEDULELIMITを設定します。スケジュールできる範囲を現在の設定より長くする手順および現在の設定より短くする手順を次に示します。

注意事項
  • スケジュールできる範囲を短くする場合は手順が複雑になるため,変更前の設定値より短くしないことを推奨します。

  • クラスタ環境で運用する場合は,環境設定パラメーターSCHEDULELIMITに実行系と待機系で同じ値を設定してください。

〈この項の構成〉

(1) スケジュールできる範囲を変更前の設定値より長くする手順

  1. スケジュールできる範囲を変更するJP1/AJS3 - Managerに接続しているすべてのJP1/AJS3 - Viewを終了する。

    JP1/AJS3 - Managerに接続しているJP1/AJS3 - Viewがあるかを確認するには,スケジュールできる範囲を変更するJP1/AJS3 - Managerホスト上でajsstatus -vコマンドを実行します。

  2. ajsinetdおよびajscdinetdプロセスを停止する。

    次のコマンドを実行して,スケジュールできる範囲を変更するJP1/AJS3 - Managerのajsinetdおよびajscdinetdプロセスを停止します。

    jajs_hstd_stop -n ajsinetd
    jajs_hstd_stop -n ajscdinetd
  3. スケジューラーサービスを停止する。

    スケジュールできる範囲を変更するスケジューラーサービスを停止します。

  4. 次のコマンドを実行して,「(3) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。

    jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容
  5. スケジューラーサービスを起動する。

    スケジュールできる範囲を変更したスケジューラーサービスを起動します。

  6. ajsinetdおよびajscdinetdプロセスを起動する。

    次のコマンドを実行して,スケジュールできる範囲を変更するJP1/AJS3 - Managerのajsinetdおよびajscdinetdプロセスを起動します。

    jajs_hstd -n ajsinetd
    jajs_hstd -n ajscdinetd

(2) スケジュールできる範囲を変更前の設定値より短くする手順

(a) 環境設定パラメーター変更前の作業

  1. JP1/AJS3の定義を修正する。

    次の定義に,変更後のスケジュールできる範囲を超える情報が含まれている場合は,変更後のスケジュールできる範囲を超えないように定義を修正します。

    • カレンダー定義

    • ユニット定義

  2. JP1/AJS3の定義情報を取得する。

    次の定義情報を取得します。

    • カレンダー定義

    • ユニット定義

    • リリース情報

    • 一時変更情報

    注※

    該当する機能を使用している場合だけ取得してください。

  3. ルートジョブネットを登録解除する。

    変更後のスケジュールできる範囲を超える日時に実行予定があるルートジョブネットを登録解除します。

    該当するルートジョブネットは,次のコマンドで検索します。

    ajsshow -i "%JJ  %Pt"
     -b 変更後のスケジュールできる範囲の最終日の翌日
     -e 現在のスケジュールできる範囲 -T -R /*
  4. ジョブネットの登録予定情報をバックアップする。

(b) 環境設定パラメーターの変更

  1. スケジュールできる範囲を変更するJP1/AJS3 - Managerに接続しているすべてのJP1/AJS3 - Viewを終了する。

    JP1/AJS3 - Managerに接続しているJP1/AJS3 - Viewがあるかを確認するには,スケジュールできる範囲を変更するJP1/AJS3 - Managerホスト上でajsstatus -vコマンドを実行します。

  2. ajsinetdおよびajscdinetdプロセスを停止する。

    次のコマンドを実行して,スケジュールできる範囲を変更するJP1/AJS3 - Managerのajsinetdおよびajscdinetdプロセスを停止します。

    jajs_hstd_stop -n ajsinetd
    jajs_hstd_stop -n ajscdinetd
  3. スケジューラーサービスを停止する。

    スケジュールできる範囲を変更するスケジューラーサービスを停止します。

  4. 次のコマンドを実行して,「(3) 環境設定パラメーター一覧」の環境設定パラメーターを設定する。

    jajs_config -k 定義キー名 "環境設定パラメーター名"=定義内容
  5. スケジューラーサービスを起動する。

    スケジュールできる範囲を変更したスケジューラーサービスをコールドスタートします。

  6. ajsinetdおよびajscdinetdプロセスを起動する。

    次のコマンドを実行して,スケジュールできる範囲を変更するJP1/AJS3 - Managerのajsinetdおよびajscdinetdプロセスを起動します。

    jajs_hstd -n ajsinetd
    jajs_hstd -n ajscdinetd

(c) 環境設定パラメーター変更後の作業

  1. ユニット定義を上書きする。

    (a) 環境設定パラメーター変更前の作業」で取得した定義情報を使用して,次のコマンドでユニット定義を上書きします。

    ajsdefine -F スケジューラーサービス名 -f ファイル名

    コマンドを実行する前に,環境設定パラメーターUNITDEFDIVIDEUPDATEが「yes」になっていることを確認してください。「no」になっている場合は,大きなユニット定義を上書きすると排他制御用のメモリー領域が不足するおそれがあるため,定義を分割して登録してください。

  2. カレンダー定義を登録する。

    (a) 環境設定パラメーター変更前の作業」で取得した定義情報を使用して,次のコマンドでカレンダー定義を登録します。

    ajscalendar -c -df ファイル名
  3. リリース情報を登録する。

    (a) 環境設定パラメーター変更前の作業」で取得した定義情報を使用して,リリース情報を登録し直します。

  4. 登録予定情報をインポートする。

    (a) 環境設定パラメーター変更前の作業」で取得したバックアップを使用して,登録予定情報をインポートします。

  5. ルートジョブネットの実行登録をする。

    (a) 環境設定パラメーター変更前の作業」の手順3で登録解除したルートジョブネットおよび即時実行登録していたルートジョブネットを実行登録します。

  6. 一時変更操作をする。

    一時変更操作の履歴を使用して,再び一時変更操作をします。

    確定実行登録していたルートジョブネットについては,登録予定情報をインポートすることで一時変更情報を復元できているため,計画実行登録および即時実行登録をしていたジョブネットにだけ操作してください。

(3) 環境設定パラメーター一覧

表6‒12 スケジュールできる範囲の最終年を変更する環境設定パラメーター

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名]

"SCHEDULELIMIT"=

ジョブをスケジュールできる範囲の最終年

注※

{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

環境設定パラメーターSCHEDULELIMITの詳細については,「20.4.2(123) SCHEDULELIMIT」を参照してください。