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JP1 Version 13 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


4.6.3 マネジメントポータル実行環境について検討する

Web GUI(マネジメントポータル)を使用する場合は,マネージャーホストとエージェントホストでそれぞれセットアップを実施します。Web GUI(マネジメントポータル)のセットアップの手順については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.7 Web GUIに関する設定」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 15.8 Web GUIに関する設定」(UNIXの場合)を参照してください。

ここでは,Web GUI(マネジメントポータル)を使用する場合の,マネジメントポータル実行環境について説明します。必要に応じて設定の変更を検討してください。

〈この項の構成〉

(1) JP1/AJS3 - Managerの環境設定

Web GUI(マネジメントポータル)を使用する場合は,次の条件を満たしていることを確認してください。

Web GUIからJP1/AJS3の状態を取得するために,次の個所に示す機能のセットアップを検討してください。

これらの4機能をセットアップしなくても,Web GUIは使用できます。ただし,Web GUIにJP1/AJS3の稼働情報の一部が表示されなくなります。

Web GUI(マネジメントポータル)に表示されなくなる情報を次の表に示します。

表4‒19 Web GUI(マネジメントポータル)に表示されなくなるJP1/AJS3の稼働情報

項番

表示される画面

表示されなくなる稼働情報

表示するために設定が必要な項目

1

[スケジューラーサービス詳細]画面

キューイングおよび実行中状態のジョブ数

  • 稼働状況レポートの出力機能の設定

  • ジョブ実行の運用停止につながるような要因を検知するための設定

2

起動条件付きジョブネットの実行世代数

3

未通知情報数

4

[実行ホスト]画面

実行エージェントの状態

ジョブの配信遅延を軽減するための設定

5

[実行ホストの稼働状況]ダイアログボックス

各最大同時ジョブ数や最大同時イベントジョブ数,ジョブ実行数

実行エージェント稼働状況レポートの出力機能の設定

Web GUI(ジョブポータル)に表示されなくなる情報を次の表に示します。

表4‒20 Web GUI(ジョブポータル)に表示されなくなるJP1/AJS3の稼働情報

項番

表示される画面

表示されなくなる稼働情報

表示するために設定が必要な項目

1

[実行エージェントの稼働状況]ダイアログボックス

各最大同時ジョブ数や最大同時イベントジョブ数,ジョブ実行数

実行エージェント稼働状況レポートの出力機能の設定

また,次に示す環境設定パラメーターの設定値について検討してください。環境設定パラメーターの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.15 マネジメントポータル実行環境設定」を参照してください。

表4‒21 Web GUI(マネジメントポータル)に関する環境設定パラメーター(JP1/AJS3 - Manager)

項番

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

1

[JP1_DEFAULT\JP1AJS2\CONTROL]

"AUTHSYSLOG"=

Windowsの場合:

ユーザー認証に関するメッセージをWindowsイベントログおよび統合トレースログに出力するかしないかの設定

UNIXの場合:

ユーザー認証に関するメッセージをsyslogおよび統合トレースログに出力するかしないかの設定

2

"SYSLOGCODE"=

syslog出力時の文字コード

3

"UACAdministratorsMP"=

Windowsの場合:

UAC機能有効時に,Administrators権限のOSユーザーがマッピングされたJP1ユーザーでWeb GUI(マネジメントポータル)を使用するための設定

4

[JP1_DEFAULT\JP1AJS2\CONTROL\MANAGER]

"CONRESTRICTSYSLOG"=

Windowsの場合:

接続元制限に関するメッセージをWindowsイベントログに出力するかしないかの設定

UNIXの場合:

接続元制限に関するメッセージをsyslogに出力するかしないかの設定

5

"AJSSYSCTLDLOGSIZE"=

ajssysctlmd内部ログファイルサイズ

6

"LOGSIZE"=

ajssysctlmdログファイルサイズ

7

"MAXOPEEXEC"=

最大同時操作実行数

8

"MAXAGGEXEC"=

集計処理の最大同時実行数

9

"JOBAGGTIMEOUT"=

ジョブ実行数の集計待ち時間

10

[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER\スケジューラーサービス名]※1

"PERIODICJOBAGG"=

ジョブ実行数の集計を自動で実行するかどうかの設定※2

11

"JOBAGGSTARTTIME"=

ジョブ実行数集計開始時刻

12

"JOBAGGLOGDIR"=

ジョブ実行数集計ログディレクトリ名

13

"JOBAGGRESULTSSTOREDAYPERIOD"=

ジョブ実行数集計結果保存日数

14

"JOBAGGJP1USERNAME"=

ジョブ実行数集計時のJP1ユーザー名

15

[{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}\JP1AJSMANAGER]※1

"PERIODICAGTAGG"=

実行エージェント稼働状況を自動で集計するかどうかの設定

16

"AGTAGGJP1USERNAME"=

実行エージェント稼働状況の集計処理を実行するJP1ユーザー名

17

"AGTAGGSTARTTIME"=

実行エージェント稼働状況の集計開始時刻

18

"AGTAGGLOGDIR"=

実行エージェント稼働状況集計ログファイルが格納されるパス

19

"AGTAGGRESULTSSTOREDAYPERIOD"=

実行エージェント稼働状況の集計結果を保存する日数

注※1

{JP1_DEFAULT|論理ホスト名}の部分は,物理ホストの場合は「JP1_DEFAULT」を,論理ホストの場合は「論理ホスト名」を指定します。

注※2

Web GUI(マネジメントポータル)の[ジョブ実行数]ダイアログボックスおよび[1日のジョブ実行数]ダイアログボックスでスケジューラーサービスのジョブ実行数を表示する場合,このパラメーターに「yes」を設定してください。

(2) JP1/AJS3 - Agentの環境設定

次に示す環境設定パラメーターの設定値について検討してください。環境設定パラメーターの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.15 マネジメントポータル実行環境設定」を参照してください。

表4‒22 Web GUI(マネジメントポータル)に関する環境設定パラメーター(JP1/AJS3 - Agent)

項番

定義キー

環境設定パラメーター

定義内容

1

[JP1_DEFAULT\JP1AJS2\CONTROL]

"AUTHSYSLOG"=

Windowsの場合:

ユーザー認証に関するメッセージをWindowsイベントログおよび統合トレースログに出力するかしないかの設定

UNIXの場合:

ユーザー認証に関するメッセージをsyslogおよび統合トレースログに出力するかしないかの設定

2

"SYSLOGCODE"=

syslog出力時の文字コード

3

"UACAdministratorsMP"=

Windowsの場合:

UAC機能有効時に,Administrators権限のOSユーザーがマッピングされたJP1ユーザーでWeb GUI(マネジメントポータル)を使用するための設定

4

[JP1_DEFAULT\JP1AJS2\CONTROL\AGENT]

"AJSSYSCTLDLOGSIZE"=

ajssysctlad内部ログファイルサイズ

5

"LOGSIZE"=

ajssysctladログファイルサイズ

6

"MAXOPEEXEC"=

最大同時操作実行数

(3) JP1ユーザーにマッピングするOSユーザーの設定

Windowsの場合,UAC機能が有効かどうかによって,OSユーザーに必要な権限が異なります。

UAC機能が有効な環境では,環境設定パラメーターUACAdministratorsMP1(Administratorsグループの範囲で使用可能)を指定することで,ビルトインAdministratorを含めたすべてのAdministratorsグループのOSユーザーをマッピングして使用できます。環境設定パラメーターUACAdministratorsMP1(Administratorsグループの範囲で使用可能)を指定する場合は,マッピングするOSユーザーに「バッチ ジョブとしてログオン」の権限が必要です。「バッチ ジョブとしてログオン」の権限からAdministratorsグループからを外しているときは、Administratorsグループを追加してください。

環境設定パラメーターUACAdministratorsMPの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.15.2(3) UACAdministratorsMP」を参照してください。

Web GUI(マネジメントポータル)を操作する場合の,OSユーザーに必要な権限について,次の表に示します。

表4‒23 Web GUI(マネジメントポータル)を操作する場合のOSユーザーに必要な権限

UAC機能

OSユーザーの種類

「バッチ ジョブとしてログオン」の権限の有無

環境設定パラメーターUACAdministratorsMPの設定

Web GUI(マネジメントポータル)の操作可否

有効

Administratorsグループ

ビルトインAdministrator

あり

1(Administratorsグループの範囲で使用可能)

0(ビルトインAdministratorに限定)

なし

1(Administratorsグループの範囲で使用可能)

×

0(ビルトインAdministratorに限定)

ビルトインAdministrator以外

あり

1(Administratorsグループの範囲で使用可能)

0(ビルトインAdministratorに限定)

×

なし

1(Administratorsグループの範囲で使用可能)

×

0(ビルトインAdministratorに限定)

×

Administratorsグループ以外

×

無効

Administratorsグループ

(ビルトインAdministrator,ビルトインAdministrator以外)

あり

1(Administratorsグループの範囲で使用可能)

0(ビルトインAdministratorに限定)

なし

1(Administratorsグループの範囲で使用可能)

×

0(ビルトインAdministratorに限定)

Administratorsグループ以外

×

(凡例)

○:操作できる。

×:操作できない。

注※

Administratorsグループ以外のOSユーザーは,「バッチ ジョブとしてログオン」の権限の有無および環境設定パラメーターUACAdministratorsMPの設定にかかわらず,Web GUI(マネジメントポータル)を操作できません。