4.6.2 Web Consoleサーバと接続するJP1/AJS3 - Managerの環境設定について検討する
ここでは,JP1/AJS3 - Managerの環境設定のうち,Web GUI(ジョブポータル)を操作する場合やAPIを実行する場合にWeb Consoleサーバとの接続や運用に影響する設定項目について説明します。必要に応じて設定の変更を検討してください。
- 〈この項の構成〉
(1) Web Consoleサーバの最大同時セション数
JP1/AJS3 - ManagerがWeb Consoleサーバと通信する際,Web ConsoleサーバではJP1/AJS3 - Managerのスケジューラーサービスと接続するための通信用オブジェクトが生成されます。Web ConsoleサーバとJP1/AJS3 - Managerは,オブジェクトごとにスケジューラーサービスと接続し,セションを確立します。このセションが同時に確立する最大数を,マネージャーホスト単位で設定できます。デフォルトの最大同時セション数は32です。
セションが多数あると,処理が多発して,JP1/AJS3 - Managerに負荷が掛かる原因になります。最大同時セション数を検討して,JP1/AJS3 - Managerへの負荷を抑止してください。
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(21) CDMAXSESSION」を参照してください。
(2) Web Consoleサーバとの接続打ち切り時間
JP1/AJS3 - ManagerがWeb Consoleサーバと通信している場合,最後の通信から一定時間が経過した場合に,自動的に接続を打ち切る時間を設定できます。デフォルトは3分です。
例えば,通信障害が発生してログアウトできなくなってしまった場合,通信がない状態が続いてもセションが維持されてしまいます。このとき,接続打ち切り時間を設定しておくと,自動的に接続が切断され,セションが解放されます。
なお,接続打ち切り時間を長く設定すると,通信していないセションが長い時間残り,最大同時セション数を超えるおそれがあります。接続打ち切り時間は,最大同時セション数を考慮して検討してください。
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(104) CDSESSIONTIMEOUT」を参照してください。
(3) デスクトップヒープ領域が不足した場合のログオン情報の再利用とログオン情報を共有するセション数
マネージャーホスト上で,同一のOSユーザーへマッピングして実行されるセションが多数ある場合,デスクトップヒープが不足します。このような場合,ログオン情報をセションごとに再利用することで,デスクトップヒープの使用量を節約できます。
デスクトップヒープの不足が発生する場合は,ログオン情報を再利用するように設定を変更してください。また,ログオン情報を再利用する場合,共有するセション数も同時に検討してください。
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(12) REUSELOGON」およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(13) LOGONSHMAX」を参照してください。
- 注意事項
-
この設定を変更すると,JP1/AJS3 - View接続時やコマンドのリモート実行時などの操作でもセションのプロセス起動方法が変わります。
(4) スケジューラーログの出力
Web Consoleサーバからスケジューラーサービスへの接続開始および終了のメッセージを,JP1/AJS3 - Managerのスケジューラーログに出力するかどうかを設定できます。デフォルトでは,スケジューラーログに出力されません。運用に応じて出力するように設定してください。
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(16) MONLOG」を参照してください。
- 注意事項
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この設定を変更すると,JP1/AJS3 - Viewとの接続開始・終了メッセージの出力有無も変わります。
(5) 開始および終了メッセージの出力
Web Consoleサーバからの接続を受け付けるサービスの開始および終了メッセージを,JP1/AJS3 - Managerの次に示すログに出力するかどうかを設定できます。
- Windowsの場合
-
-
Windowsイベントログ
-
統合トレースログ
-
- UNIXの場合
-
-
syslog
-
統合トレースログ
-
デフォルトでは,ログに出力されます。障害発生時の原因を究明するためにログが必要であるため,設定値はデフォルトから変更しないことを推奨します。
メッセージが出力されるプロセスの種類および出力のタイミングを次の表に示します。
項番 |
プロセス |
出力のタイミング |
---|---|---|
1 |
ajscdinetd |
起動 |
2 |
終了 |
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(17) MONSYSLOG」を参照してください。
- 注意事項
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この設定を変更すると,ajsinetdプロセス,ajscdinetdプロセス,およびJP1/AJS3 - Viewの接続・終了に関するメッセージの出力有無も変わります。
(6) 内部ログのサイズ
JP1/AJS3 - Managerの内部ログのサイズを設定できます。
内部ログを出力するプロセスとデフォルトのサイズを次の表に示します。
項番 |
内部ログを出力するプロセス |
デフォルトのサイズ |
---|---|---|
1 |
ajscdinetd |
128キロバイト |
2 |
ajsmonsvr |
4,096キロバイト |
ajscdinetd内部ログのログサイズの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(22) AJSCDINETDLOGSIZE」を参照してください。ajsmonsvr内部ログのログサイズの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(105) CDMONSVRLOGSIZE」を参照してください。
(7) 世代情報の範囲
Web Consoleサーバでユニットの世代情報を取得する際に,情報を取得する日にちの範囲を次のどちらかから選択できます。デフォルトは「すべての日にち」です。
-
すべての日にち
すべての日にちの実行中の世代および実行予定世代の世代情報の中から,取得する情報を決定します。
-
当日分だけ
基準時刻の範囲で当日分の世代情報の中から,取得する情報を決定します。
なお,「ルートジョブネットのスケジュールの有効範囲」を48時間に設定している場合は,世代情報の範囲を当日分に設定することはできません。
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(70) VIEWSTATUSRANGE」を参照してください。
- 注意事項
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この設定を変更すると,JP1/AJS3 - Viewで取得する世代情報の範囲も変わります。
(8) JP1イベントの発行
Web Consoleサーバからユニットを操作したときに,JP1イベントを発行するかどうかを設定できます。デフォルトでは,JP1イベントは発行されません。運用に応じて発行するように設定してください。
詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4.2(85) COMMANDEVENT」を参照してください。
- 注意事項
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この設定を変更すると,JP1/AJS3 - Viewから操作したときのJP1イベントの発行有無も変わります。
(9) 実行開始予定時刻を過ぎていた場合の実行方法
計画実行登録のオプション設定で,サービス起動時に開始予定時刻が過ぎていた場合および実行登録時に開始予定時刻が過ぎていた場合の,ジョブネットの実行方法を指定できます。