3.1.3 Web GUIのレスポンス
Web GUIを使う場合,JP1/AJS3 - Managerからの応答時間は,次の式で近似値を算出できます。
- レスポンス時間 =
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JP1/AJS3 - Managerでの処理時間
+ JP1/AJS3 - Agentでの処理時間
+ データ転送時間
+ Web Consoleサーバでの処理時間
+ 描画時間
- 〈この項の構成〉
(1) JP1/AJS3 - Managerでの処理時間
JP1/AJS3 - Managerをインストールしたマシンの処理性能が低い場合は,処理時間が長くなります。JP1/AJS3 - Managerでの処理を次に示します。
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接続(ユーザー認証)
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ユニットの実行予定・実行結果データの取得
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ユニットに対する操作
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実行エージェントに対する操作
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JP1/AJS3の状態情報の取得
(a) 接続(ユーザー認証)
Web GUIからJP1/AJS3 - Managerに接続する場合は,ユーザー認証の処理のため,認証サーバにアクセスします。このため,認証サーバのマシンが起動していない場合や,複数の認証サーバを使用するような運用をしている場合は,その分処理時間が長くなります。
(b) ユニットの実行予定・実行結果データの取得
JP1/AJS3 - Manager側の処理は,Web GUI(ジョブポータル)からの要求の種類によって異なりますが,ディスクに格納されているユニットの状態を検索・参照することが中心になるため,ディスク性能に影響を受ける傾向があります。
構成要素が多く,かつ実行世代の多いジョブネットを表示する場合などは処理に時間が掛かります。実行計画の算出処理には,CPU性能にも影響を受けます。
より安定した性能を実現するためには,ほかの業務のディスクアクセス頻度やCPU使用状況など,サーバマシン全体の負荷を見積もる必要があります。
また,同時にログインするWeb GUIの数が多いと,各画面からの自動更新のトラフィックにより,ネットワークやJP1/AJS3 - Managerに対する負荷が増加します。各Web GUIの「自動更新」を抑止するなど,負荷を削減することを検討してください。
(c) ユニットに対する操作
構成要素の多いジョブネットに対して長期間にわたる確定実行登録を行っている場合や,保存世代数の設定が非常に大きいジョブネットに対して登録解除を行う場合などは,JP1/AJS3 - Managerの処理時間が長くなります。このような状況では,通信処理がJP1/AJS3 - Managerでタイムアウトされることがあります。確定登録期間を短くしたり,保存世代数を小さく設定したりするなど,JP1/AJS3 - Managerの処理時間が長くならないように運用の見直しを検討してください。
運用の見直しができない場合は,タイムアウト値を変更してください。このタイムアウト値のデフォルトは3分です。使用している環境でレスポンス時間を測定し,適切な値を見積もってください。適切なタイムアウト値は,JP1/AJS3 - Managerの処理内容,ネットワークの状態,マシン性能によって大きく異なります。使用している環境でレスポンス時間を測定し,適切な値を見積もってください。十分に大きな値でレスポンス時間を測定したあと,測定値以上の値(余裕を持たせた値)をタイムアウト値として設定してください。
(d) 実行エージェントに対する操作
複数の実行エージェントに対して同時に操作する場合は,操作の対象となる実行エージェントの数が多いほど処理時間は長くなります。このような状況では,通信処理がタイムアウトすることがあります。タイムアウトが発生した場合は,操作の対象となる実行エージェントの数を少なくして再実行してください。
(e) JP1/AJS3の状態情報の取得
Web GUI(マネジメントポータル)では,JP1/AJS3 - ManagerからJP1/AJS3の情報を収集します。収集にかかる時間は,監視するスケジューラーサービス数,組み込みDB数および通信環境の影響を受けます。
処理時間が長くなった場合,通信処理がタイムアウトすることがあります。必要に応じて,タイムアウト値を変更してください。このタイムアウト値のデフォルトは3分です。使用している環境でレスポンス時間を測定し,適切な値を見積もってください。適切なタイムアウト値は,JP1/AJS3 - Managerの処理内容,ネットワークの状態,マシン性能によって大きく異なります。十分に大きな値でレスポンス時間を測定したあと,測定値以上の値(余裕を持たせた値)をタイムアウト値として設定してください。
(2) JP1/AJS3 - Agentでの処理時間
Web GUI(マネジメントポータル)では,JP1/AJS3の状態情報を取得するため,JP1/AJS3 - Agentで処理を実行します。JP1/AJS3 - Agentをインストールしたマシンの処理性能が低い場合は,処理時間が長くなります。
処理時間が長くなった場合,通信処理がタイムアウトすることがあります。必要に応じて,タイムアウト値を変更してください。このタイムアウト値のデフォルトは3分です。使用している環境でレスポンス時間を測定し,適切な値を見積もってください。適切なタイムアウト値は,JP1/AJS3 - Agentの処理内容,ネットワークの状態,マシン性能によって大きく異なります。十分に大きな値でレスポンス時間を測定したあと,測定値以上の値(余裕を持たせた値)をタイムアウト値として設定してください。
(3) データ転送時間
データ転送時間は,Web GUI,Web Consoleサーバ,JP1/AJS3 - ManagerおよびJP1/AJS3 - Agent間のネットワーク性能の影響を受けます。
また,Web Consoleサーバが取得・操作する情報量が増えるに従って,データ転送時間が長くなります。使用しているネットワークが低速である場合は,次のような運用を検討してください。
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画面を自動更新しない,または更新間隔を長くする
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一つの画面で表示されるユニット(ジョブやジョブネットなど)の数を少なくする
(4) Web Consoleサーバでの処理時間
JP1/AJS3 - Web Consoleをインストールしたマシンの処理性能が低い場合は,処理時間が長くなります。JP1/AJS3 - Web Consoleでの処理を次に示します。
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Web GUIからの要求の処理
(a) Web GUIからの要求の処理
Web Consoleサーバは,Web GUIからの認証やユニットの操作,情報取得などのリクエストを処理して,JP1/AJS3 - Managerへと送信します。Web GUIからの処理要求が多発する場合や,接続するWeb GUIの台数が多いと,処理に時間が掛かります。より安定した性能を実現するためには,同時接続できるWeb GUIの数やCPU使用状況などを考慮して,サーバマシン全体の負荷を見積もる必要があります。
(5) 描画時間
Web GUIの表示性能は,基本的にはWeb GUIのマシン性能の影響を受けます。ホストの処理速度が遅く描画時間が長いと感じるようになったら,マシンのアップグレードを検討してください。