2.12.2 コンテナへJP1/AJS3 - Agentを導入する場合の前提条件,制限事項およびシステムリソースの見積もり
コンテナにJP1/AJS3 - Agentを導入するときの前提条件,制限事項およびシステムリソースの見積もり方法について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) コンテナへJP1/AJS3 - Agentを導入する場合の前提条件
(a) サポートOS
コンテナへJP1/AJS3 - Agentを導入する場合のコンテナのホストマシンおよびコンテナ内のサポートOSについては,リリースノートを参照してください。
(b) サポートするコンテナ管理ソフトウェア
JP1/AJS3 - Agentを導入できるコンテナを管理するソフトウェアは次のとおりです。
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Docker
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Podman
(c) ネットワーク環境
JP1/AJS3 - Agentを導入したコンテナがコンテナのホストマシン以外のホストと連携する場合は,コンテナと連携するホスト間で両方向のTCP/IP通信ができるようにしてください。コンテナがホストマシン以外のホストとTCP/IP通信するための設定手順については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
また,コンテナごとに異なるポート番号で通信する必要がある環境では,JP1/Baseの宛先通信ポート指定機能を使用する必要があります。宛先通信ポート指定機能については「(4) 宛先通信ポート指定機能」を参照してください。
(2) コンテナへJP1/AJS3 - Agentを導入する場合の制限事項
コンテナへJP1/AJS3 - Agentを導入する場合の制限事項を次に示します。
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一つのコンテナでは,物理ホストまたは論理ホストのどちらか一つだけJP1/AJS3のサービスを起動できます。
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コンテナのホストマシンとコンテナ内にJP1/AJS3を同時にインストールできます。
ただし,JP1/AJS3を同時にインストールする場合は,コンテナのホストマシンにインストールするJP1/AJS3のバージョンは12-60以降にする必要があります。
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コンテナでは次に示すジョブだけ使用できます。
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UNIXジョブ※
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QUEUEジョブ
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フレキシブルジョブ
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HTTP接続ジョブ
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JP1イベント受信監視ジョブ
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ファイル監視ジョブ
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メール受信監視ジョブ
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ログファイル監視ジョブ
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実行間隔制御ジョブ
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JP1イベント送信ジョブ※
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メール送信ジョブ※
- 注※
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実行先サービスに[キューレス]を指定することもできます。
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(3) コンテナへJP1/AJS3 - Agentを導入する場合のシステムリソースの見積もり
コンテナへJP1/AJS3 - Agentを導入する場合,コンテナ内で動作するエージェントホストで使用するシステムリソースを見積もり,コンテナのホストマシンで使用するシステムリソースに加算する必要があります。加算する値は物理ホストのシステムリソースと同じです。一つのホストマシンにコンテナを複数構築する場合は,コンテナ数分を加算する必要があります。JP1/AJS3 - Agentで使用するシステムリソースの詳細については,リリースノートを参照してください。
(4) 宛先通信ポート指定機能
宛先通信ポート指定機能とは,マネージャーホストからエージェントホストへの通信およびエージェントホストからエージェントホストへの通信(フレキシブルジョブ)で,使用するポート番号を指定できる機能です。この機能を使用すると,コンテナごとに異なるポート番号で通信する必要がある環境でもコンテナ外部のホストから通信できるようになります。
宛先通信ポート指定機能を使用したコンテナごとに異なるポート番号で通信する必要がある環境での接続の概要を,次の図に示します。
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上の図の例で示すように,宛先通信ポート指定機能でマネージャーホストから各コンテナに対応する通信ポートを指定し,コンテナ管理ソフトウェアまたはコンテナオーケストレーションシステムのポートフォワーディング設定では,上記で指定した通信ポートに対する通信を各コンテナのJP1/AJS3 - Agentの受信ポートに転送するように設定してください。
宛先通信ポート指定機能の設定方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 21.8.3 コンテナごとに異なるポート番号で通信する環境」を,宛先通信ポート指定機能を有効化する方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 21.8.6 宛先通信ポート指定機能を使用するための設定」を参照してください。