3.4.6 フロー制御サブプロセスが出力するログファイルのサイズを見積もる
フロー制御サブプロセスが出力するログファイルは,待ち合わせ条件を使用する環境で出力されます。待ちわせ条件を使用しない環境では,見積もる必要はありません。待ち合わせ条件を使用するための設定方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 6.1.8 待ち合わせ条件を使用するための設定」を参照してください。
フロー制御サブプロセスが出力するログファイルは,スケジューラーサービス単位で2面出力されます。1ファイルのデフォルトのサイズは,10,240キロバイトです。
ログのサイズは,待ち合わせ条件付きユニットの実行回数や待ち合わせ対象ユニットの数によって大きく異なります。ログファイルには,問題が発生してから資料を採取できるまでの日数分のログを保存できるように,適切なファイルサイズを見積もっておいてください。
- 〈この項の構成〉
(1) フロー制御サブプロセスが出力するログファイルの見積もり式
フロー制御サブプロセスが出力するログファイルのサイズを見積もるのに必要な変数を,次の表に示します。
変数名 |
変数の説明 |
---|---|
a |
1日に実行する待ち合わせ条件付きユニット数※ |
b |
1日当たりの待ち合わせの総数 |
c |
ユニットの完全名のサイズ(単位:バイト) |
d |
1日に実行する待ち合わせ対象ユニット数※ |
e |
1日当たりの待ち合わせ条件の一時変更操作の回数 |
f |
待ち合わせ条件付きユニットのあるスケジューラーサービスで,1日に実行するルートジョブネット数※ |
- 注※
-
1日に複数回実行する場合,実行回数を掛けてください。
ログファイルのサイズを見積もるには,これらの変数を次の式に代入します。
フロー制御サブプロセスが出力するログファイルのサイズ(単位:キロバイト)= {300 + (a * 7 + b * 4 + d * 3 + e * 3 + f * 3) * (300 + c * 2)} / 1,024
数日間分のログを保存する場合は,算出したログファイルの見積もり値に,保存する日数を掛けます。また,ログファイルは2面出力されるため,1ファイル当たりのサイズを見積もる場合は,2で割ります。
(2) フロー制御サブプロセスが出力するログファイルの見積もりの例
フロー制御サブプロセスが出力するログファイルの見積もり例を説明します。
フロー制御サブプロセスが出力するログファイルのサイズを見積もるのに必要な変数は,次のように想定します。
変数名 |
変数の例 |
変数の説明 |
---|---|---|
a |
300 |
1日に待ち合わせ条件付きユニットを300個実行(それぞれ1回ずつ実行する) |
b |
300 |
1日に300回の待ち合わせを実行 |
c |
50 |
ユニットの完全名を50バイトで指定 |
d |
300 |
1日に待ち合わせ対象ユニットを300個実行(それぞれ1回ずつ実行する) |
e |
30 |
1日に待ち合わせ条件の一時変更操作を30回実行 |
f |
100 |
待ち合わせ条件付きユニットのあるスケジューラーサービスで,1日にルートジョブネットを100個実行(それぞれ1回ずつ実行する) |
この例の場合,見積もり式は次のようになります。
フロー制御サブプロセスが出力するログファイルのサイズ(単位:キロバイト)= {300 + (300 * 7 + 300 * 4 + 300 * 3 + 30 * 3 + 100 * 3) * (300 + 50 * 2)} / 1,024 = 1,794(端数切り上げ)
このログを10日分保存する場合,一つのログファイルのサイズは,次のように計算できます。
1,794 * 10日 / 2 = 8,970(単位:キロバイト)
(3) フロー制御サブプロセスが出力するログファイルのサイズの拡張方法
「(1) フロー制御サブプロセスが出力するログファイルの見積もり式」で算出した1ファイルのサイズが,デフォルト値(10,240キロバイト)より大きい場合,ログファイルのサイズを拡張する必要があります。ログファイルのサイズを拡張するには,jajs_configコマンドで,環境設定パラメーターFLBDLOGSIZEを設定します。設定する値は,算出した値より少し大きめの値を設定してください。
環境設定パラメーターの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド 20.4 スケジューラーサービス環境設定」を参照してください。