付録G.4 nnmbackup.ovpl
NNMi のデータおよびファイルのバックアップに使用するコマンドです。
SYNOPSIS
nnmbackup.ovpl [-?|-h|-help] [-type (online|offline)] [-scope (config|topology|events|all)] [-force] [-archive] [-noTimeStamp] -target <directory>
DESCRIPTION
nnmbackup.ovplは,NNMi の主要なバックアップコマンドです。このコマンドは,バックアップ動作に対してどのディレクトリとテーブルを考慮するかを決定するために%NNM_DATA%\shared\nnm\backup.propertiesファイル(Windows)または$NNM_DATA/shared/nnm/backup.propertiesファイル(Linux)を使用します。backup.propertiesファイルは,リストア時に特別な処理が必要なファイルやディレクトリも定義しています。nnmbackup.ovplコマンドは,バックアップ領域(config, topology, events, all),バックアップロケーション,バックアップタイプ(onlineまたはoffline)などの項目を決定するために,種々の引数を指定します。
nnmbackup.ovplコマンドを使用してNNMiのバックアップを作成し,次にnnmrestore.ovplコマンドを使用してデータベースレコードを別のNNMi管理サーバーに配置する場合は,どちらのNNMi管理サーバーも同種のオペレーティングシステムと同一バージョンのNNMiがインストールされ,同一のパッチレベルが適用されている必要があります。バックアップデータをあるNNMi管理サーバーから別のNNMi管理サーバーに配置するということは,どちらのサーバーも同一のデータベースUUIDを持つことを意味します。グローバルネットワーク管理機能を使用する場合は,2台目のNNMi管理サーバーにNNMiをリストアした場合,元のNNMi管理サーバーからNNMiをアンインストールしてください。
このコマンドを実行する前に,ターゲットディレクトリに十分な保存領域があることを確認してください。 ほとんどのNNMiインストール環境において,NNMiインストール環境(Windowsでは%NNM_DATA%ディレクトリ,Linuxでは$NNM_DATAディレクトリ)のコンテンツを保存するだけの十分な空き容量があれば,保存領域も十分に取れているはずです。次のディレクトリで,使用可能な保存領域を確認してください。
-
Windows:%NnmInstallDir%
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Linux:$NnmInstallDir
組み込みデータベースのデータは,%NNM_DATA%\shared\nnm\databases\Postgres ディレクトリ(Windows)または$NNM_DATA/shared/nnm/databases/Postgresディレクトリ(Linux)に格納されます。
ターゲットディレクトリを構成するのは,指定されたバックアップオプションに適用できるファイルのすべてか,-archiveオプションを使用する場合は単独のtarファイルです。各バックアップ動作では,指定されたターゲットディレクトリの下の親ディレクトリnnm-bak-<TIMESTAMP>にファイルを保存します。バックアップの実行中に何かデータベース操作が行われた場合,その操作はバックアップ対象となります。バックアップ完了後にファイルを圧縮することができます。
リストア時に特別な処理が必要なファイルは,ターゲットディレクトリ/nnm-bak-<TIMESTAMP>/special_filesの下に保存されます。リストア時は,除外,リストア,またはマージ対象のファイルがNNMiによって選択されます。詳細については,nnmrestore.ovplリファレンスページを参照してください。
nnmbackup.ovplコマンドには,リストア操作の実行に必要なデータが含まれています。このコマンドを実行するには,Windowsシステムの管理者またはLinuxシステムのrootでログインする必要があります。
Parameters
nnmbackup.ovplコマンドは,次のオプションをサポートします。
- -type (online|offline)
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このオプションでは,実行するバックアップのタイプを決定します。onlineオプションを指定する場合,nnmbackup.ovplコマンドを実行するときに,NNMiが稼働中である必要があります(所要のプロセスはnmsdbmgrのみ)。offlineオプションを指定する場合,NNMiを完全に停止してからnnmbackup.ovplコマンドを実行します。
- -scope (config|topology|events|all)
-
このオプションでは,バックアップ操作の領域を指定します。バックアップ対象のデータには,ファイルシステム内のファイルとデータベース内のテーブルの2種類があります。ファイルシステム内のファイルに使用する-scopeオプションの値は,選択するバックアップタイプに関わらず常に適用されます(-typeオプションの項を参照)。ただし,データベース内のテーブルに使用する-scopeオプションの値は,-type onlineオプションを使用してオンラインバックアップを実行する場合にだけ適用されます。オフラインバックアップの場合は,要求した領域だけでなく,データベースの内容全体がバックアップされます。このため,オフラインバックアップを実行する場合は,領域を指定しないことを推奨します(デフォルトはallです)。指定可能な領域は,config,topology,events,および allです。各領域には,下位の領域のデータとファイルが含まれます(all→events→topology→config)。%NNM_DATA%\shared\nnm\backup.propertiesファイル(Windows)または$NNM_DATA/shared/nnm/backup.propertiesファイル(Linux)には,各領域でバックアップされるファイルおよびテーブルの一覧が指定されます。
- -force
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このオプションを指定すると,要求したバックアップのタイプに応じてて,nnmbackup.ovplコマンドがNNMiを起動および停止します。オンラインバックアップの場合,NNMiが実行中でないときは,nmsdbmgrプロセスが起動されます(バックアップに必要なため)。オフラインバックアップの場合,NNMiが実行中であれば,すべてのNNMiプロセスを停止します。
- -archive
-
このオプションを指定すると,バックアップファイルがターゲットディレクトリにtarファイルとして保存されます。
- -noTimeStamp
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このオプションを指定すると,nnmbackup.ovplコマンドは,タイムスタンプの入らない名前(単にnnm-bakというディレクトリ名またはnnm-bak.tarというファイル名)でバックアップファイルを対象ディレクトリに保存します。同一のファイル名やディレクトリ名を持つ,以前のバックアップが存在する場合は,.previousというサフィックスが付けられてリネームされます。.previousの付いたバックアップが既に存在する場合,そのファイルまたはディレクトリは削除されます。このオプションの目的は,日常的なバックアップ作業において,実行したすべてのバックアップを保存する代わりに,成功した最新の二つのバックアップのみを維持することによって,ディスク使用量を削減することにあります。
- -target <directory>
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バックアップファイルを保存する出力ディレクトリを指定します。ターゲットディレクトリ内にnnm-bak-<TIMESTAMP>という親ディレクトリが作成され,すべてのバックアップファイルがこのディレクトリに保存されます。-archiveオプションが指定されている場合,一時的にnnm-bak-<TIMESTAMP>ディレクトリが作成された後, このディレクトリが同じ名前のtarファイルに置き換えられます。
- -?|-h|-help
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コマンドの使用方法を表示します。
EXAMPLES
ネットワークの検出結果は保存せずに,検出前のNNMiの設定を保存したい場合,onlineオプションとconfigオプションを使用して,次のようにバックアップを実行します。
#./nnmbackup.ovpl -type online -scope config -target /tmp/bak/config
アプリケーションを停止せずに,NNMiの設定,検出されたトポロジ,およびイベントデータを保存する場合,online,events,およびforceオプションを使用して,次のようにバックアップを実行します。
#./nnmbackup.ovpl -force -type online -scope events -target /tmp/bak/evt
計画されたバックアップを定期的に実行する場合,offlineオプションとallオプションを使用して,次のようにバックアップを実行します。
#./nnmbackup.ovpl -type offline -scope all -target /tmp/bak/all
AUTHOR
nnmbackup.ovpl was developed by Micro Focus.
FILES
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Windows:%NNM_DATA%\shared\nnm\backup.properties
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Linux:$NNM_DATA/shared/nnm/backup.properties
SEE ALSO