24.4.1 アプリケーションフェイルオーバー構成のNNMi 13-00からのアップグレード
NNMiアプリケーションフェイルオーバー設定で実行している13-00のNNMiをアップグレードする場合,次の手順に従ってください。
(1) アプリケーションフェイルオーバー構成のNNMi 13-10へのアップグレード
アプリケーションフェイルオーバーを設定しているNNMi 管理サーバーをアップグレードするには,次の手順を実行します。
-
万一に備えて,以降の操作を行う前に,アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーの両方で,nnmconfigexport.ovplスクリプトを実行する。
詳細については,「4.2 ベストプラクティス:既存の設定を保存する」を参照してください。
-
万一に備えて,以降の操作を行う前に,アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーのNNMiデータをバックアップする。
詳細については,「20.2.2 バックアップ領域」を参照してください。
-
アクティブNNMi管理サーバーで次の手順を実行する。
nnmclusterの手順が機能するには,NNMiを実行している必要があります。この手順を完了すると,手順7.で示すスタンバイNNMi管理サーバーの起動が速くなります。
a nnmclusterコマンドを実行します。
b NNMiに入力を求められたら,「dbsync」と入力し,[Enter]キーを押します。表示される情報に次のメッセージが含まれていることを確認します。
-
ACTIVE_DB_BACKUP:アクティブNNMi管理サーバーが新しいバックアップを実行しています。
-
ACTIVE_NNM_RUNNING:アクティブNNMi管理サーバーが,前のメッセージによって示されたバックアップを完了しました。
-
STANDBY_RECV_DBZIP:スタンバイNNMi管理サーバーは,アクティブNNMi管理サーバーから新しいバックアップを取得しています。
-
STANDBY_READY:スタンバイNNMi管理サーバーは,アクティブNNMi管理サーバーで障害が発生した場合に実行できる準備が整えられています。
c exitまたはquitを実行して,手順aで開始したインタラクティブnnmclusterプロセスを停止します。
-
-
スタンバイNNMi管理サーバーでnnmcluster -shutdownコマンドを実行する。
スタンバイNNMi管理サーバーのすべてのnnmclusterプロセスをシャットダウンします。
-
スタンバイNNMi管理サーバーでnnmclusterノードが動作していないことを確認するには,スタンバイNNMi管理サーバーで次の手順を実行する。
a nnmclusterコマンドを実行します。
b (SELF)とマークされているもの以外にnnmclusterノード(ローカル)が存在しないことを確認します。1つ以上のリモートノードが存在する場合があります。
c exitまたはquitを実行して,手順aで開始したインタラクティブnnmclusterプロセスを停止します。
-
次の手順をスタンバイNNMi管理サーバーで実行し,アプリケーションフェイルオーバーを一時的に無効にする。
a 次のファイルを編集します。
-
Windows:%NNM_SHARED_CONF%\props\nms-cluster.properties
-
Linux:$NNM_SHARED_CONF/props/nms-cluster.properties
b com.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターをコメントにします。
c 変更を保存します。
d 次のファイルを編集します。
-
Windows:%NNM_DB%\Postgres\postgresql.conf
-
Linux:$NNM_DB/Postgres/postgresql.conf
e 次に示すアプリケーションフェイルオーバーの設定内容を削除します。
・"# The following lines were added by the NNM cluster."で始まる行
・"archive_command = "で始まる行
・"archive_timeout = "で始まる行
・"max_wal_senders = "で始まる行
・"archive_mode = "で始まる行
・"wal_level = "で始まる行
・"hot_standby = "で始まる行
・"wal_keep_segments = "で始まる行
・"listen_addresses = "で始まる行
f 変更を保存します。
g 次の空ファイルを作成します。
-
Windows:%NNM_TMP%\postgresTriggerFile
-
Linux:$NNM_TMP/postgresTriggerFile
-
-
スタンバイNNMi管理サーバーでプロセスを開始してから停止する。
a スタンバイNNMi管理サーバーでovstartコマンドを実行します。ovstartコマンドを実行すると,スタンバイNNMi管理サーバーはトランザクションログをアクティブNNMi管理サーバーからインポートします。
b ovstartコマンドの完了後,ovstatus -vコマンドを実行します。すべてのNNMiサービスで,[実行中]状態が表示されます。
c スタンバイNNMi管理サーバーでovstopコマンドを実行します。
-
「2. NNMiのインストールとアンインストール」およびリリースノートの指示に従い,スタンバイNNMi管理サーバーをNNMi 13-10にアップグレードする。
アップグレード後,リリースノートの手順に従って新しいライセンスを適用してください。
証明書のリポジトリをPKCS #12リポジトリに移行していない場合は,アップグレード完了後に,以前のスタンバイ NNMi 管理サーバーにて「10.2 アップグレードされたNNMi環境で新しいキーストアーを使用するための設定」の手順に従い,PKCS #12リポジトリに移行してください。
以前のアクティブNNMi管理サーバーがNNMi 13-00以前を実行し,以前のスタンバイNNMi管理サーバーがNNMi 13-10を実行しています。両方のNNMi管理サーバーが個別に動作し,データベースは同期していません。つまり両方のNNMi管理サーバーがネットワークを並行して監視しています。
アップグレードを完了してこの状況を解決するには,以前のアクティブなクラスタノードをNNMi 13-10にアップグレードします。このアップグレードを完了する間,以前のスタンバイノードをオペレータに一時的に使用させてネットワークを監視させます。
この手順の残りの部分では,以前のアクティブなクラスタノードのデータベース情報を維持して,以前のスタンバイノードのデータベース情報を破棄することを想定しています。
-
以前のアクティブNNMi管理サーバーでnnmcluster -haltコマンドを実行する。
-
以前のアクティブNNMi管理サーバーでnnmclusterノードが動作していないことを確認するには,以前のアクティブNNMi管理サーバーで次の手順を実行する。
a nnmclusterコマンドを実行します。
b (SELF)とマークされているもの以外にnnmclusterノード(ローカル)が存在しないことを確認します。1つ以上のリモートノードが存在する場合があります。
c exitまたはquitを実行して,手順aで開始したインタラクティブnnmclusterプロセスを停止します。
-
次の手順を以前のアクティブNNMi管理サーバーで実行し,アプリケーションフェイルオーバーを一時的に無効にする。
a 次のファイルを編集します。
-
Windows:%NNM_SHARED_CONF%\props\nms-cluster.properties
-
Linux:$NNM_SHARED_CONF/props/nms-cluster.properties
b com.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターをコメントにします。
c 変更を保存します。
-
-
「2. NNMiのインストールとアンインストール」の指示に従い,以前のアクティブNNMi管理サーバーをNNMi 13-10にアップグレードする。
アップグレード後,リリースノートの手順に従って新しいライセンスを適用してください。
証明書のリポジトリをPKCS #12リポジトリに移行していない場合は,アップグレード完了後に,以前のアクティブ NNMi 管理サーバーにて「10.2 アップグレードされたNNMi環境で新しいキーストアーを使用するための設定」の手順に従い,PKCS #12リポジトリに移行してください。
2つのサーバーでNNMi 13-10を実行していますが,データベースが同期していないため,まだ個別に動作しています。
-
以前のアクティブNNMi管理サーバーで次の手順を実行する。
a ovstopコマンドを実行します。
b 次のファイルを編集します。
-
Windows:%NNM_SHARED_CONF%\props\nms-cluster.properties
-
Linux:$NNM_SHARED_CONF/props/nms-cluster.properties
c 13-00からアップグレードした場合,com.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターの値を入力します。
13-00からアップグレードした場合コメントにしたプロパティは保持されません。したがって,クラスタ名は再入力する必要があります。
d com.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターのコメントを解除します。
e 変更を保存します。
-
-
ovstartコマンドまたはnnmcluster -daemonコマンドを以前のアクティブNNMi管理サーバーで実行する。これがアクティブなクラスタノードとなる。
-
アクティブなクラスタノードを使用してネットワークを監視するように,オペレータに指示する。
以前のスタンバイNNMi管理サーバーは,手順9.から手順13.のメンテナンス中に発生したすべてのデータベースアクティビティを破棄します。
-
以前のスタンバイNNMi管理サーバーで次の手順を実行する。
a ovstopコマンドを実行します。
b 次のファイルを編集します。
-
Windows:%NNM_SHARED_CONF%\props\nms-cluster.properties
-
Linux:$NNM_SHARED_CONF/props/nms-cluster.properties
c 13-00からアップグレードした場合,com.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターの値を入力します。
d com.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターのコメントを解除します。
e 変更を保存します。
-
-
ovstartコマンドまたはnnmcluster -daemonコマンドを以前のスタンバイNNMi管理サーバーで実行する。
このNNMi管理サーバーはスタンバイノードになり,アクティブなクラスタノードからデータベースのコピーを受信します。
(2) アプリケーションフェイルオーバー構成のNNMi 13-10への修正パッチ適用手順
両方のNNMi管理サーバーで同じバージョンとパッチレベルのNNMiを実行している必要があります。アクティブおよびスタンバイのNNMi管理サーバーにパッチを追加するには,次のどちらかの方法を使用します。
アプリケーションフェイルオーバー用にパッチを適用する(アクティブとスタンバイの両方をシャットダウン)
ネットワーク監視が中断されても問題にならない場合は,この手順を使用してください。
アプリケーションフェイルオーバー用にパッチを適用する(1つのアクティブNNMi管理サーバーを保持)
ネットワーク監視の中断を回避する必要がある場合は,この手順を使用してください。
(a) アプリケーションフェイルオーバー用にパッチを適用する(アクティブとスタンバイの両方をシャットダウン)
この手順を実行すると,パッチプロセス中の一定期間,両方のNNMi管理サーバーが非アクティブになります。アプリケーションフェイルオーバーを設定しているNNMi管理サーバーにパッチを適用するには,次の手順を実行します。
万一に備えて,以降の操作を行う前に,アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーの両方で,nnmconfigexport.ovplスクリプトを実行する。
詳細については,「4.2 ベストプラクティス:既存の設定を保存する」を参照してください。
万一に備えて,以降の操作を行う前に,アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーのNNMiデータをバックアップする。
詳細については,「20.2.2 バックアップ領域」を参照してください。
万一に備えて,アクティブNNMi管理サーバーで,次の手順を実行する。
a nnmclusterコマンドを実行します。
b NNMiに入力を求められたら,「dbsync」と入力し,[Enter]キーを押します。表示される情報に次のメッセージが含まれていることを確認します。
ACTIVE_DB_BACKUP:アクティブNNMi管理サーバーが新しいバックアップを実行しています。
ACTIVE_NNM_RUNNING:アクティブNNMi管理サーバーが,前のメッセージによって示されたバックアップを完了しました。
STANDBY_READY:スタンバイNNMi管理サーバーの前のステータスを示します。
STANDBY_RECV_DBZIP:スタンバイNNMi管理サーバーは,アクティブNNMi管理サーバーから新しいバックアップを取得しています。
STANDBY_READY:スタンバイNNMi管理サーバーは,アクティブNNMi管理サーバーで障害が発生した場合に実行できる準備が整えられています。
c exitまたはquitを実行して,手順aで開始したインタラクティブnnmclusterプロセスを停止します。
アクティブNNMi管理サーバーでnnmcluster -haltコマンドを実行する。
アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーのすべてのnnmclusterプロセスをシャットダウンします。
両方のサーバーでnnmclusterノードが実行していないことを確認するには,アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーの両方で次の手順を実行する。
a nnmclusterコマンドを実行します。
b (SELF)とマークされているもの以外にnnmclusterノードが存在しないことを確認します。
c exitまたはquitを実行して,手順aで開始したインタラクティブnnmclusterプロセスを停止します。
アクティブNNMi管理サーバーで,nms-cluster.propertiesファイルのcom.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターをコメントにする。
a 次のファイルを編集します。
Windows:%NNM_SHARED_CONF%\props\nms-cluster.properties
Linux:$NNM_SHARED_CONF/props/nms-cluster.properties
b com.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターをコメントにします。
c 変更を保存します。
パッチに同梱されているRELEASE.TXTの指示に従い,アクティブNNMi管理サーバーにNNMiパッチを適用する。
アクティブNNMi管理サーバーで,nms-cluster.propertiesファイルのcom.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターのコメントを解除する。
a 次のファイルを編集します。
Windows:%NNM_SHARED_CONF%\props\nms-cluster.properties
Linux:$NNM_SHARED_CONF/props/nms-cluster.properties
b com.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターのコメントを解除します。
c 変更を保存します。
アクティブNNMi管理サーバーでovstartコマンドを実行する。
NNMiコンソールの[ヘルプ]>[システム情報]ウィンドウにある[製品]タブで情報を表示し,アクティブNNMi管理サーバーにパッチが正しくインストールされたことを確認する。
nnmcluster -dbsyncコマンドを実行して,新しいバックアップを作成する。
手順6.のa〜cに示されているように,スタンバイNNMi管理サーバーで,nms-cluster.propertiesファイルのcom.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターをコメントにする。
NNMiパッチをスタンバイNNMi管理サーバーに適用する。
手順8.のa〜cに示されているように,スタンバイNNMi管理サーバーで,nms-cluster.propertiesファイルのcom.hp.ov.nms.cluster.nameパラメーターのコメントを解除する。
スタンバイNNMi管理サーバーでovstartコマンドを実行する。
(b) アプリケーションフェイルオーバー用にパッチを適用する(1つのアクティブNNMi管理サーバーを保持)
この手順を実行すると,パッチプロセスの間,1つのNNMi管理サーバーが常にアクティブになります。
このプロセスでは,ネットワークが継続的に監視されますが,NNMiでパッチプロセス中に生じたトランザクションログは失われます。
アプリケーションフェイルオーバーを設定しているNNMi管理サーバーにNNMiパッチを適用するには,次の手順を実行します。
万一に備えて,以降の操作を行う前に,アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーの両方で,nnmconfigexport.ovplスクリプトを実行する。
詳細については,「4.2 ベストプラクティス:既存の設定を保存する」を参照してください。
万一に備えて,以降の操作を行う前に,アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーのNNMiデータをバックアップする。
詳細については,「20.2.2 バックアップ領域」を参照してください。
ノードのどれかでnnmclusterコマンドを実行する。
前の手順で2つのデータベースの同期に使用したNNMi管理サーバーでdbsyncを入力する。
dbsyncオプションは,組み込みデータベースを使用するNNMi管理サーバーで機能します。
アクティブNNMi管理サーバーがACTIVE_NNM_RUNNINGに戻り,スタンバイNNMi管理サーバーがSTANDBY_READYに戻るまで待機してから,次に進む。
nnmclusterを終了または中断させる。
次のコマンドをスタンバイNNMi管理サーバーで実行して,スタンバイNNMi管理サーバーのクラスタを停止する。
nnmcluster -shutdown
次のプロセスとサービスが終了しているのを確認してから,次に進む。
postgres ovjboss
nnmclusterプロセスが終了しているのを確認してから,次に進む。
nnmclusterプロセスが終了していない場合,ほかに方法がなければ,nnmclusterプロセスを手動で強制終了します。
スタンバイNNMi管理サーバーで,次のファイルを編集する。
Windows:%nnmDataDir%shared\nnm\conf\props\nms-cluster.properties
Linux:$nnmDataDir/shared/nnm/conf/props/nms-cluster.properties
行の先頭に#を入れてクラスタ名をコメントにして変更を保存する。
#com.hp.ov.nms.cluster.name = NNMicluster
スタンバイNNMi管理サーバーにNNMiパッチをインストールする。
この時点で,スタンバイNNMi管理サーバーはパッチが適用済みで停止中,アクティブNNMi管理サーバーはパッチが未適用で実行中である。
アクティブNNMi管理サーバーを停止し,ただちにスタンバイNNMi管理サーバーを起動してネットワークを監視させます。
アクティブNNMi管理サーバーで次のコマンドを実行して,アクティブNNMi管理サーバーのクラスタをシャットダウンする。
nnmcluster -halt
nnmclusterプロセスの終了を確認する。
数分以内に終了しない場合は,nnmclusterプロセスを手動で終了してください。
スタンバイNNMi管理サーバーで,nms-cluster.propertiesファイルからクラスタ名のコメントを解除する。
次のコマンドをスタンバイNNMi管理サーバーで実行して,スタンバイNNMi管理サーバーのクラスタを起動する。
nnmcluster -daemon
アクティブNNMi管理サーバーにNNMiパッチをインストールする。
この時点で,以前のアクティブNNMi管理サーバーはパッチが適用済みですが,オフラインである。
次の手順を実行して,(スタンバイNNMi管理サーバーとして)クラスタに復帰させます。
a アクティブNNMi管理サーバーで,nms-cluster.propertiesファイルのエントリのコメントを解除します。
b 次のコマンドを使用して,アクティブNNMi管理サーバーを起動します。
nnmcluster -daemon
進行状況を監視するには,アクティブとスタンバイの両方のNNMi管理サーバーで次のコマンドを実行する。
nnmcluster
以前のアクティブNNMi管理サーバーが,以前のスタンバイNNMi管理サーバーからデータベースの取得を完了するまで待機します。
以前のアクティブNNMi管理サーバーにSTANDBY_READYが表示されたら,以前のアクティブNNMi管理サーバーで次のコマンドを実行する。
nnmcluster -acquire