19.2 HA用NNMiを設定するための前提条件の検証
NNMiを動作させるHAクラスタは,次の要件を満たしている必要があります。
- システム構成全般について
複数のHA製品をインストールした構成ではNNMiは使用できません。NNMiがHA製品の種類を正しく認識できず正常に動作しない場合があります。
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Windows:すべてのクラスタノードで,NNMiのインストール先(%NnmDataDir%と%NnmInstallDir%)を一致させてください。
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両方のNNMi管理サーバーは同じバージョン(修正版のバージョンを含む)のNNMiを実行している必要があります。例えば,アクティブサーバーで NNMi 11-00-01 を実行している場合,スタンバイサーバーでも同一の NNMi 11-00-01 がインストールされている必要があります。
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Windows(WSFC)の場合:NNMiは,クラスタシステムでcluster.exeコマンドを使用しますが,デフォルトではインストールされません。
[サーバー マネージャー]>[役割と機能の追加]より,[機能]>[リモートサーバー管理ツール]>[機能管理ツール]>[フェールオーバー クラスタリング ツール]>[フェールオーバー クラスター コマンド インターフェイス]をインストールしてください。
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必要なディスク容量は,リリースノートの「4. メモリ所要量およびディスク占有量」の表に記載されている次の項目を参照してください。
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ローカルディスクのディスク容量
「アプリケーションインストール用のディスク容量」の値と「実行時のデータベースとデータ用のディスク容量」の値
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共有ディスクのディスク容量
「実行時のデータベースとデータ用のディスク容量」の値
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- リソースグループについて
NNMiは,設定するリソースグループがない状態からセットアップする必要があります。NNMiを既存のリソースグループに追加することはできません。
仮想IPアドレスおよび共有ディスクの使用がサポートされ,NNMiから使用できる構成にしてください。
- 共有ディスクについて
NNMiの共有データは次の場所に格納されます。ディレクトリ名に空白を含めることはできません。ディレクトリ名「NNM」は固定です。
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Windows:<ドライブ文字>:\NNM (例 Y:\NNM)または<ドライブ文字>:\<任意のディレクトリ>\NNM (例 Y:\JP1\NNM)
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Linux:<マウントポイント>/NNM (例 /shdsk1/NNM)
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共有ディスクは,Fibre(FC-SAN),SCSI,iSCSIで接続されたストレージを使用してください。NFS接続やCIFS接続のNASなどを使う構成はNNMiではサポートしていません。
Windows:共有ディスクには,ドライブ文字を割り当てたディスクを使用してください。 [ディスクの管理]でのマウント設定やmountvolコマンドによってマウントしたディスクは使用しないでください。マニュアル上にマウントと書かれている個所はLinuxを対象とした説明です。
Windows:Microsoft Cluster Serviceを使用しているWindows Serverのクラスタリングでは,ダイナミックディスクはサポートされていません。
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NNMiの前提とするOSやクラスタソフトが,NNMiが共有ディスクと同様にアクセスできるようにディスク(ファイル)領域を提供するのであれば,そのようなディスク領域の使用もサポートします。
具体的には,次が条件となります。
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NNMiから,ディスクの「マウントするディレクトリ」にアクセスできる。
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アクティブ側のNNMiからは上記ディレクトリに制限なくアクセスでき,スタンバイ側のNNMiからはアクセスできない。
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フェイルオーバーの前後で,ディスクの「マウントするディレクトリ」内のデータに差異がない。
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- 仮想IPアドレスについて
仮想IPアドレスと仮想ホスト名は,DNSなどのネームサービスまたはhostsファイルに対して,ホスト名からIPアドレスおよび逆にIPアドレスからホスト名が変換できるように設定してください。
DNSなどのネームサービスを使う場合も,hostsファイルに仮想IPアドレスと仮想ホスト名が名前解決できるように設定してください。これは通信障害が発生してフェイルオーバーする場合に,名前解決ができないでフェイルオーバー処理が失敗することを防止するためです。
IPv6の論理IPアドレスをリソースとして設定する場合,「19.4 HAを設定する」の手順のあとに手動で追加してください。設定手順については,クラスタソフトのマニュアルなどを参照してください。
IPv6が使用できるクラスタソフトのバージョン,IPv6を使用する場合の構成,IPv6/IPv4の混在可否などは,クラスタソフトの仕様に依存します。
- 仮想ホスト名について
クラスタ環境構築時,仮想ホスト名はIPv4のアドレスで名前解決されるようにしてください。