18.7.3 NNMiのバックアップとリストア
(1) NNMiのバックアップ
アプリケーションフェイルオーバー構成のNNMiは,通常のシステムと同様の手順でバックアップを実行できます。ただし,-forceオプション(強制的にバックアップに適した状態にする)は使用できませんので,事前にバックアップに適した状態にしてからバックアップをします。
アクティブサーバー側で,次の手順を実行してください。
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バックアップに適した次の状態にする。
- nnmbackup.ovplを使用する場合
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オンラインバックアップの場合:NNMiサービスを起動状態にする
オフラインバックアップの場合:NNMiサービスを停止状態にする
- nnmbackupembdb.ovplを使用する場合
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NNMiサービスを起動状態にする
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バックアップを実行する。
nnmbackup.ovplまたはnnmbackupembdb.ovplコマンドを実行します。
- 重要
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バックアップは,アクティブサーバー側(オフラインバックアップでNNMiを停止する場合は,直前まで稼働していたサーバー)で行ってください。
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あるサーバーセット上のNNMiアプリケーションフェイルオーバー環境で取得したバックアップを異なるサーバーセット上のNNMiアプリケーションフェイルオーバー環境で復元するには,NNMiアクティブおよびスタンバイシステム両方のバックアップを取得してください。
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(2) NNMiのリストア
アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーがアプリケーションフェイルオーバー構成の場合に,以前のバックアップからNNMiデータベースをリストアするには,次の手順を実行します。
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アクティブNNMi管理サーバーでnnmcluster -haltコマンドを実行する。
アクティブサーバーとスタンバイサーバーの両方のNNMiが停止します。nnmclusterコマンドをオプションなしで実行(インタラクティブモード)またはnnmcluster -displayコマンドを実行し,NNMiサービスが停止したことを確認します。
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アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーの次のディレクトリを削除または移動する。
Windows
%NnmDataDir%shared\nnm\databases\Postgres_standby %NnmDataDir%shared\nnm\databases\Postgres.OLD
Linux
$NnmDataDir/shared/nnm/databases/Postgres_standby $NnmDataDir/shared/nnm/databases/Postgres.OLD
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アクティブNNMi管理サーバーでデータベースをリストアする。
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アプリケーションフェイルオーバー構成の設定を一時的に解除します。
次のファイルのクラスタ名「com.hp.ov.nms.cluster.name」をコメントに(行の先頭に #! を付ける)してください。
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Windows:%NnmDataDir%shared\nnm\conf\props\nms-cluster.properties
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Linux:$NnmDataDir/shared/nnm/conf/props/nms-cluster.properties
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通常どおり,データベースをリストアします。nnmrestore.ovplまたはnnmrestoreembdb.ovplを-forceオプションを指定して実行します。-forceオプションを指定してリストアに必要なサービスが起動したあと,リストアが実行されます。これらのコマンドについては,「20.3 NNMiデータをリストアする」を参照してください。
nnmbackup.ovplでバックアップしたデータをリストアした場合は,手順aの変更がリストアしたファイルで上書きされているおそれがあるため,もう一度手順aを実施してください。
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アクティブNNMi管理サーバーでovstopコマンドを実行します。手順bでリストア処理のために起動したサービスが停止します。
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アプリケーションフェイルオーバー構成を再設定します。
次のファイルでクラスタ名「com.hp.ov.nms.cluster.name」のコメントを解除(手順aで付けた#!を削除)してください。
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Windows:%NnmDataDir%shared\nnm\conf\props\nms-cluster.properties
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Linux:$NnmDataDir/shared/nnm/conf/props/nms-cluster.properties
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アクティブNNMi管理サーバーでovstartコマンドを実行する。
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アクティブNNMi管理サーバーが新しいバックアップ(アクティブとスタンバイが同期を取るためのZIPファイル)を生成するまで待つ。
この手順が完了したことを確認するには,nnmcluster -displayコマンドを実行し,ACTIVE_NNM_RUNNINGメッセージを検索します。
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スタンバイNNMi管理サーバーでovstartコマンドを実行する。
スタンバイNNMi管理サーバーは新しいバックアップ(手順5.で作成されたZIPファイル)をコピーして抽出します。この手順が完了したことを確認するには,nnmcluster -displayコマンドを実行し,STANDBY_READYメッセージを検索します。
(3) 異なるサーバーセット上のNNMiフェイルオーバー環境にリストア
異なるサーバーセット上のNNMiフェイルオーバー環境を復元するには,NNMiアクティブおよびスタンバイシステム両方のバックアップを取得し,必要なサーバー上でそれらを復元するとともに,所定のプロパティファイルでホスト名を変更する必要があります。
NNMiフェイルオーバー環境を復元するには,次の手順を実行します。
- ソースフェイルオーバー環境内のアクティブシステムとスタンバイシステムのすべてのNNMiデータの完全なオフラインバックアップを取得します。詳細については,「20.2 NNMiデータをバックアップする」を参照してください。
- バックアップファイルを,それぞれの送り先であるアクティブシステムとスタンバイシステムにコピーします。
- バックアップデータの場合と同じバージョンおよびパッチレベルのNNMiをインストールします。
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アクティブシステムとスタンバイシステムの両方でNNMiデータを復元します。
アクティブシステムとスタンバイシステムの両方で「(2) NNMiのリストア」の手順3.を実施してください。
- アクティブおよびスタンバイNNMi管理サーバーの両方で,次の手順を実行します。
- アクティブおよびスタンバイNNMiサーバーの両方のホスト名を確認します。
- 次のファイルを開きます。
- Windows:%NnmDataDir%shared\nnm\conf\props\nms-cluster.properties
- Linux:$NnmDataDir/shared/nnm/conf/props/nms-cluster.properties
- アクティブノードおよびスタンバイノードのホスト名をcom.hp.ov.nms.cluster.member.hostnamesパラメーターに追加します。
com.hp.ov.nms.cluster.member.hostnames = fqdn_for_active, fqdn_for_standby
- セキュア通信用のSSL証明書を使用するようにNNMiフェイルオーバー環境を設定します。詳細については,「10. NNMiでの証明書の使用」を参照してください。