15.4.1 要件のレビュー
本社,リージョナルサイト1,リージョナルサイト2のNNMi管理サーバーが,それぞれのサイトに配備された複数のルーターとスイッチを管理すると想定します。この例では,NNMi管理サーバーをそれぞれglobal1,regional1およびregional2と呼びます。それぞれの場所に配備された重要なスイッチとルーターの検出と監視を行うようにNNMi管理サーバーを設定したとします。グローバルネットワーク管理機能を使用するために,これらのサイトにあるNNMi管理サーバーでの検出を再設定する必要はありません。
- メモ
グローバルネットワーク管理機能の設定中,nnmbackup.ovplスクリプトを使って1つのNNMi管理サーバーをバックアップし,nnmrestore.ovplスクリプトを使ってこのバックアップを第2のNNMi管理サーバーに復元し,この両方のNNMi管理サーバーをリージョナルNNMi管理サーバーに接続することはしないでください。あるNNMi管理サーバーから2番目のNNMi管理サーバーにバックアップデータを配置すると,これらの両方のサーバーに同じデータベースUUIDが存在することになります。NNMiを第2のNNMi管理サーバーに復元したあと,元のNNMi管理サーバーからNNMiをアンインストールする必要があります。
本社ITグループでは,リージョナルサイト1と2に配備された重要な機器だけの監視を行い,ほかのデバイスの管理はしない予定です。次の表に,監視のニーズをまとめます。
サイト |
NNMi管理サーバー |
重要なスイッチ |
管理するリージョナル機器 |
---|---|---|---|
本社 |
global1 |
15台のHP ProCurve 2620 Switch |
各リージョナルサイトのHP ProCurve 2620 Switch すべて |
リージョナルサイト1 |
regional1 |
15台のHP ProCurve 2620 Switch |
該当なし |
リージョナルサイト2 |
regional2 |
15台のHP ProCurve 2620 Switch |
該当なし |
要約すると,NNMi管理サーバーglobal1が本社を監視し,NNMi管理サーバーregional1とregional2が,各リージョナルサイトを監視しています。リージョナルサイト1と2に配備されたHP ProCurve 2620 Switchのインシデントとデバイス情報を,本社で表示する必要があります。この例では,regional1とregional2の両方で,リージョナルサイト1に配備された複数の共通スイッチを管理しています。
- 〈この項の構成〉
(1) リージョナルマネージャーとグローバルマネージャーの接続
グローバルネットワーク管理接続を設定するときに,次の情報を考慮します。
NNMiでは,リージョナルマネージャーと通信する1つ以上のグローバルマネージャーを設定できます。例えば,regional1と通信するために第2のグローバルマネージャー,global2が必要な場合,NNMiでは,regional1と通信するglobal1とglobal2の両方を設定できます。詳細については,リリースノートを参照してください。
グローバルネットワーク管理は,1つの接続レイヤーで動作します。例えば,この章の例では,1つの接続レイヤー,regional1と通信するglobal1とregional2と通信するglobal1について検討します。NNMiは,複数の接続レベルを設定しないでください。例えば,global1はregional1と通信し,かつregional1がregional2と通信するようには設定しないでください。グローバルネットワーク管理機能は,この3つのレイヤー設定用に設計されていません。
2つのNNMi管理サーバーは,相互に両方向に通信する設定にはしないでください。例えば,global1がregional1と通信し,かつregional1がglobal1と通信するようには設定しないでください。