8.1.7 インシデントの抑制,強化,およびダンプニング
NNMiには,インシデントからほとんどの値を取得する便利な機能セットが用意されています。各インシデントタイプに対して,次のインシデント設定オプションでインシデントが関連する場合を具体的に指定できます。
抑制
インシデントが抑制設定に一致すると,そのインシデントはNNMiコンソールインシデントビューに表示されません。インシデントの抑制は,あるノード(ルーター,スイッチなど)にとっては重要であるが,ほかにとっては重要ではないインシデント(SNMPLinkDownトラップなど)の場合に便利です。
強化
インシデントが強化設定に一致すると,インシデントのコンテンツに応じて,NNMiによって1つ以上のインシデント値(重大度,メッセージなど)が変更されます。インシデントの強化は,トラップvarbind(ペイロード)に識別情報を継承するトラップ処理(RMONFallingAlarmなど)の場合に便利です。
ダンプニング
インシデントがダンプニング設定に一致すると,ダンプニング周期中,NNMiによってインシデントビューの表示更新,アクション実行などが遅延されます。インシデントのダンプニングは,NNMi Causal Engineがインシデントの根本原因分析を実行する時間が必要なときに,NNMiコンソールのインシデント数を減らせるため,分析の精度を上げることができます。
NNMiには,各インシデントタイプに抑制,強化,ダンプニングに対する次の設定レベルが用意されています。
インタフェースグループ設定
ソースオブジェクトがNNMiインタフェースグループのメンバーである場合のインシデント動作が指定されます。各インタフェースグループに異なる動作を指定できます。
ノードグループ設定
ソースオブジェクトがNNMiノードグループのメンバーである場合のインシデントの動作が指定されます。各ノードグループに異なる動作を指定できます。
デフォルト設定
デフォルトのインシデント動作が指定されます。
NNMiでは,各インシデントの設定領域(抑制,強化,ダンプニング)に対して,次の手順を使用して特定のインシデントの動作が決定されます。
インタフェースグループ設定をチェックする。
ソースオブジェクトが任意のインタフェースグループ設定に一致する場合は,一致内で最も小さい順序番号で定義された動作を実行し,一致検索を停止します。
ソースオブジェクトがどのインタフェースグループ設定とも一致しない場合は,手順2.を続行します。
ノード グループ設定をチェックする。
ソースオブジェクトが任意のノードグループ設定に一致する場合は,一致内で最も小さい順序番号で定義された動作を実行し,一致検索を停止します。
ソースオブジェクトがどのノードグループ設定とも一致しない場合は,手順3.を続行します。
デフォルト設定で定義された動作を実行する(ある場合)。