6.2.1 基本的な検出方法を選択する
リストベース検出だけを行うのか,ルールベース検出だけを行うのか,それともこの2つの方法を組み合わせて使用するのかを決定します。
- 〈この項の構成〉
(1) リストベース検出
リストベース検出では,NNMiで検出する各ノードを検出シードとして明確に指定します。
NNMiでは,テナントを使用して重複アドレスドメインを含むネットワークに対応します。重複アドレスドメインは,ネットワーク管理ドメインの静的ネットワークアドレス変換(NAT),動的ネットワークアドレス変換(NAT),またはポートアドレス変換(PAT)領域内に存在することがあります。そのようなネットワークの場合,NNMiはシード検出を使用して重複アドレスドメインを異なるテナントに配置します。詳細については,NNMiヘルプを参照してください。
- 重要
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- NNMiを使用してVMwareハイパーバイザーベースの仮想ネットワークを管理する場合は,NNMiヘルプ「管理」の「仮想環境内のテナント」のヘルプトピックを参照してください。
- マルチテナントを設定する場合は,リストベース検出を使用することをお勧めします。
リストベース検出だけを使用することのメリットを次に示します。
NNMiの管理対象を厳密に管理できます。
検出時にデフォルト以外のテナントの機能が利用できます。
設定が最も簡単です。
固定的なネットワークに適しています。
NNMiを初めて使用する場合に適した方法です。自動検出ルールを,徐々に追加していくことができます。
リストベース検出だけを使用することのデメリットを次に示します。
ネットワークに新規ノードが追加されても検出されません。
検出対象とするノードのリストを指定しなければなりません。
(2) ルールベースの検出
ルールベース検出では,NNMiが検出してNNMiトポロジに入れるネットワークの領域を定義するために1つ以上の自動検出ルールを作成します。それぞれのルールに対して,1つ以上の検出シードを(シードを明確に指定するかPingスイープを有効にすることによって)指定する必要があります。それによってNNMiがネットワークを自動的に検出します。
ルールベース検出を使用することのメリットを次に示します。
大規模なネットワークに適しています。NNMiは大量のデバイスを,最低限の設定項目に基づいて検出できます。
頻繁に変わるネットワークに適しています。ネットワークに追加した新しいデバイスは,管理者が介在しなくても検出されます(各デバイスは自動検出ルールの適用範囲内であることが前提)。
ルールベース検出を使用することのデメリットを次に示します。
すぐにライセンス限度に達してしまいます。
ネットワークの構造によっては,自動検出ルールの調整が複雑になることがあります。
自動検出ルールが非常に広範囲で,管理しようとしている数以上のデバイスをNNMiが検出する場合,不要なデバイスをNNMiトポロジから削除できますが,ノードの削除には時間が掛かることがあります。
シードでないノードは,検出時にデフォルトのテナントに割り当てられます。NNMiのマルチテナント機能を使用したい場合は,検出後にテナントの割り当てを変更する必要があります。