付録D.4 エピソードとは
NmsApaサービスの目標は,オペレータやネットワークエンジニアが対処できるたった1つのインシデントを提示することです。そのために,NmsApaサービスはエピソードの概念を使用します。エピソードは特定の期間存在し,その間に2番目の障害は設定に基づいて相関付けられるか抑制されます。
例
AddressNotRespondingインシデントは,InterfaceDownインシデントによって,次のシナリオに従って抑制されます。
IPv4アドレスがICMPへの応答を停止すると,エピソードが開始して60秒間存続します。
その期間内に,IPv4アドレスに関連づけられたインタフェースが停止すると,NmsApaサービスはインタフェース停止状態が原因でIPv4アドレスが応答を停止したと結論付けます。
したがって,AddressNotRespondingインシデントは発生しません。InterfaceDownインシデントだけが発生します。
InterfaceDownインシデントがその期間内に検出されるようにするために,NmsApaサービスは指定ポーリングをそのインタフェースに対して発行します。これによってネットワークエンジニアは,問題の根本原因(この場合はインタフェース)を修正できるようになります。
インタフェースがエピソード中に停止しない場合,NmsApaサービスはAddressNotRespondingインシデントを発生します。インタフェースがエピソード後に停止すると,InterfaceDownインシデントが発生します。この場合,ネットワークエンジニアは2つの問題に個々に対処しなければなりません。
NodeDownインシデントは,1ホップネイバー(隣接)インタフェースからのInterfaceDownインシデントを,次のシナリオに従って相関付けします。
インタフェースが停止すると,NodeDownエピソードが隣接ノードに対して開始され,300秒間存続します。
その期間内に,ノードが停止すると,InterfaceDownインシデントがNodeDownインシデントの下で相関付けされます。
すべての1ホップネイバーからのInterfaceDownインシデントがNodeDownインシデントの下に相関付けされます。InterfaceDownインシデントを,NodeDownインシデントを裏付ける証拠として検討できます。