付録J.1 JP1/Baseを運用するための役割分担
JP1/Baseでは,JP1/Baseの環境設定や一部のコマンドを実行する際に,OSやJP1/Baseの関連製品のユーザー権限が必要です。そのため,JP1/Base管理者がJP1/Baseの環境設定や運用のすべてをJP1/Baseシステムの管理者に代わって実行することはできません。したがって,JP1/Baseシステムの管理者とJP1/Base管理者の役割分担は次のようになります。
- JP1/Baseのシステム管理者
-
-
OSの操作
-
JP1/Baseの環境設定
-
JP1/Baseの障害対策
-
- JP1/Base管理者
-
-
JP1/Baseのシステム管理者がする作業以外のJP1/Baseの運用業務
-
JP1/Base管理者を設定した場合,運用のイメージは次のようになります。
|
JP1/Baseのシステム管理者とJP1/Base管理者の役割の詳細を,次の表に示します。
項番 |
機能 |
|
---|---|---|
1 |
OSの操作 |
hostsなどのネットワーク関連の設定 |
2 |
共有ディレクトリの割り当て,およびJP1/Base管理者に該当するディレクトリの更新権限の追加(論理ホストで運用時) |
|
3 |
クラスタソフトへの登録(クラスタ環境で運用時) |
|
4 |
JP1/Base管理者で運用するための設定 |
JP1管理者グループの作成 |
5 |
JP1/Base管理者とするOSユーザーをJP1管理者グループに設定 |
|
6 |
JP1/Baseの環境設定 |
JP1/Baseのインストール |
7 |
JP1/Baseのアンインストール |
|
8 |
コマンド実行履歴ファイルの移行(jcocmdconvコマンド) |
|
9 |
JP1/Base管理者での運用の設定(jbssetadmingrpコマンド) |
|
10 |
HNTRLibが管理するrootユーザー専用コマンドの実行 |
|
11 |
ISAMで使用するリソースの削除(Jisrsdelコマンド) |
|
12 |
ロックテーブルのエントリー数の拡張および縮小(Jislckextコマンド) |
|
13 |
JP1/Baseの障害対策 |
すべての論理ホストの強制停止(jbs_killall.clusterコマンド) |
14 |
資料採取(jbs_log.shコマンド)※ |
注※ 資料採取のjbs_log.shコマンドは,JP1/Base管理者でも実行できます。ただし,JP1/Base管理者権限で実行した場合,次に示す資料は権限不足で採取できません。
-
シスログ(syslog)
/var/log/messages(Linuxの場合)
-
カーネルパラメーター情報
/etc/security/limits(AIXの場合)
-
システム診断状況
/usr/bin/alog -o -t bootの実行結果(AIXの場合)
なお,資料採取に失敗した場合,次のメッセージがコンソールに表示されます。
Can not get 採取に失敗した資料名.
項番 |
機能 |
||
---|---|---|---|
1 |
JP1/Baseの運用 |
JP1/Baseの起動および停止 |
|
2 |
ユーザー管理 |
ユーザー認証 |
|
3 |
ユーザーマッピング |
||
4 |
イベントサービス |
||
5 |
イベント変換 |
ログファイルトラップ |
|
6 |
定義収集および配布 |
IM構成管理による定義情報の管理,およびサービス稼働情報の管理 |
|
7 |
イベントサービスの定義収集,および配布 |
||
8 |
JP1製品の定義収集 |
||
9 |
プロセス管理 |
||
10 |
ヘルスチェック |
||
11 |
ローカルアクション |
||
12 |
論理ホストの実行系および待機系の追加 |
||
13 |
|
なお,JP1/Base管理者で運用する場合は,次の機能は使用できません。JP1/Baseのシステム管理者が実行してください。
-
スーパーユーザーへのマッピング
JP1/Base管理者がスーパーユーザー(「root」のOSユーザー)へのマッピング定義を追加設定した場合,エラーとなり,エラーメッセージが出力されます。
-
自動起動
JP1/Base管理者での運用はサポートしていません。