jbs_log.sh(UNIX限定)
機能
JP1/Baseで障害が発生したときに資料を採取するためのツールです。JP1/Baseの保守資料,OSのシステム情報,統合トレース情報などを採取します。
このツールは,シェルスクリプトです。ユーザーによるカスタマイズはできません。
このツールを実行すると,ルートディレクトリの直下で,tarコマンドを使用して資料を採取する対象ディレクトリまたはファイルをアーカイブしたあと,compressコマンドを使用して圧縮します(Linuxでは,gzipコマンドを使用します)。圧縮されたファイルは,-fオプションを指定した場合は資料格納ディレクトリ名に,省略した場合は/tmp/jp1base/に格納されます。圧縮されたファイルのディレクトリ構成を次に示します。
格納先ディレクトリ |
採取した資料 |
---|---|
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_1st/var/opt/jp1base/conf/ |
設定および定義ファイル |
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_1st/var/opt/jp1base/log/ |
ログファイル |
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_1st/var/opt/jp1base/log/sys/ |
|
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_1st/var/opt/jp1base/sys/tmp/event/ |
イベントサーバ設定 |
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_1st/var/opt/jp1base/sys/OPI |
サービス稼働情報 |
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_1st/var/opt/jp1base/plugin/conf/ |
プラグインサービスの設定ファイル |
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_1st/var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool/ |
統合トレースログ |
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_1st/opt/jp1/hcclibcnf/ |
共通定義情報 |
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_2nd/var/opt/jp1base/Command/ |
コマンド実行履歴ファイル |
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_2nd/var/opt/jp1base/sys/event/ |
イベントDB |
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_2nd/usr/tmp/jp1_ses/ |
互換用設定ファイル |
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_2nd/usr/lib/jp1_ses/ |
|
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_2nd/usr/bin/jp1_ses/ |
|
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_2nd/tmp/ |
|
資料格納ディレクトリ名/jp1_default_base_2nd/var/opt/jp1_ses/ |
|
資料格納ディレクトリ名/論理ホスト名_base_1st/etc/opt/jp1base/log/ |
論理ホストのログファイル |
資料格納ディレクトリ名/論理ホスト名_base_1st/etc/opt/jp1base/conf/ |
論理ホストの設定および定義ファイル (論理ホスト指定時) |
資料格納ディレクトリ名/論理ホスト名_base_1st/共有ディレクトリ/event/ |
論理ホストのイベントサーバ設定 (論理ホスト指定時) |
資料格納ディレクトリ名/論理ホスト名_base_1st/共有ディレクトリ/jp1base/sys/OPI |
論理ホストのサービス稼働情報 |
資料格納ディレクトリ名/論理ホスト名_base_2nd/共有ディレクトリ/event/ |
論理ホストのイベントDB (論理ホスト指定時) |
資料格納ディレクトリ名/論理ホスト名_base_2nd/var/opt/jp1base/COMMAND/ |
論理ホストのコマンド実行履歴ファイル (論理ホスト指定時) |
なお,このツールを使って採取できる資料の詳細については,「18.3 トラブル発生時に採取が必要な資料」を参照してください。
形式
jbs_log.sh [-f 資料格納ディレクトリ名] [-k] [-p] [-r] [-t] [-u] [-q] [-h 論理ホスト名] [ディレクトリ名またはファイル名 ...]
実行権限
スーパーユーザー権限またはJP1/Base管理者権限
格納先ディレクトリ
/opt/jp1base/tools/
引数
-f 資料格納ディレクトリ名
採取した情報の格納ディレクトリ名を,空白文字を含まない絶対パスで指定します。なお,指定されたディレクトリ名に空白文字を含んでいる場合,空白文字以前までの文字列を格納ディレクトリ名とし,空白文字以降の文字列は別の引数と見なされます。
-fオプションを省略した場合,次のファイルが作成されます。
- 物理ホストの場合
-
- Linux以外
-
/tmp/jp1base/jp1_default_base_1st.tar.Z
/tmp/jp1base/jp1_default_base_2nd.tar.Z
- Linux
-
/tmp/jp1base/jp1_default_base_1st.tar.gz
/tmp/jp1base/jp1_default_base_2nd.tar.gz
- 論理ホストの場合
-
- Linux以外
-
/tmp/jp1base/論理ホスト名_base_1st.tar.Z
/tmp/jp1base/論理ホスト名_base_2nd.tar.Z
- Linux
-
/tmp/jp1base/論理ホスト名_base_1st.tar.gz
/tmp/jp1base/論理ホスト名_base_2nd.tar.gz
-k
互換用設定ファイルに関するログを採取しない場合に指定します。
-p
イベントDBを採取しない場合に指定します。
-r
コマンド実行履歴ファイル(ISAM)を採取しない場合に指定します。
-t
/etc/hosts,/etc/services,/etc/passwdファイルを採取しない場合に指定します。
-u
coreの解析情報を採取しない場合に指定します。
-q
資料採取処理の続行確認の応答待ちが必要ない場合に指定します。
-qオプションを指定しない場合は,続行確認のメッセージとともに応答待ちになります。
-h 論理ホスト名
クラスタシステムで運用している場合に,論理ホスト名を指定します。このオプションを指定した場合,物理ホストと論理ホストの両方の資料を採取します。省略した場合,物理ホストの資料だけを採取します。クラスタシステムを使用していない場合には指定は不要です。
なお,クラスタシステムで使用する場合には,論理ホスト名を必ず指定してください。環境変数JP1_HOSTNAMEは使用できません。
ディレクトリ名またはファイル名
資料採取ツールで任意のファイルまたはディレクトリを採取したいときに指定します。フルパス名で指定してください。複数指定する場合は,スペースで区切ってください。
注意事項
-
イベントサーバインデックスファイル(index)でイベントサーバが使用するディレクトリをフルパス名に変更した場合,変更したイベントサーバの資料を採取しません。障害発生時には資料採取ツールに次のオプションを指定して変更したディレクトリの情報を採取してください。
jbs_log.sh (任意のオプション) [indexファイルで指定したディレクトリ]
-
coreファイル名を変更している環境で運用している場合,資料採取ツールで採取することができません。このため,資料採取時には別途採取する必要があります。
-
統合トレースログの出力先を変更した場合,変更した統合トレースログの資料を採取しません。障害発生時には資料採取ツールに次のオプションを指定して変更したディレクトリの情報を採取してください。
jbs_log.sh (任意のオプション) [統合トレースログの出力先ディレクトリ]
-
SUSE Linux Enterprise Server 12 SP2以降ではコアダンプに関する仕様が変更され,資料採取ツールで採取することができません。このため,coreファイルが出力された場合は別途採取してください。coreファイルの出力先を次に示します。
/var/lib/systemd/coredump/
戻り値
0 |
正常終了 |
8 |
|