10.1.1 転送するJP1イベントの検討
まず,どのようなJP1イベントを転送するか検討します。検討する際には,次の点について考慮してください。
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システムの障害監視を目的とする場合は,重要なJP1イベントだけを転送する
初期設定では,重要なJP1イベントだけをJP1/IM - Managerで定義されたシステム構成に従って上位のサーバへ転送する設定になっています。システムの障害監視を目的とする場合は,初期設定を推奨します。初期設定から設定を変更する場合でも,運用に不要なJP1イベントは上位ホストに転送しないようにしてください。
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初期設定で転送されるJP1イベントを考慮する
次に示すイベントは,イベントフィルターの抽出条件に一致しなくても,転送設定ファイル(forward)に記載されているすべての転送先へ転送されるJP1イベントです。転送したくない場合は,除外条件に記述するか,イベントサーバ設定ファイル(conf)のoptionsパラメーターにauto-forward-offフラグを指定してください。
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JP1/Baseの起動通知イベント(00004724)
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JP1/Baseの停止通知イベント(00004725)
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しきい値による抑止通知イベント(00003D0B)
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しきい値による抑止解除通知イベント(00003D0C)
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しきい値による抑止全解除通知イベント(00003D0D)
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しきい値による抑止継続通知イベント(00003D0E)
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転送するJP1イベントの単一時間当たりの件数を考慮する
転送するJP1イベントが多いと,転送処理に遅延が発生するおそれがあります。
転送するJP1イベント数が短い時間内に集中して発生しないように,また,短い時間内に集中して発生しても,それが長時間にわたって発生しないようにしてください。例えば,重大度が「警告」以上のJP1イベントだけ転送する,というように転送設定ファイル(forward)でイベントフィルターを指定してください。
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上位ホスト(マネージャー,またはサブマネージャー)に集まるJP1イベントの総数を考慮する
上位ホストに転送されてくるJP1イベントが多いと,イベントDBにJP1イベントを登録する処理に遅延が発生するおそれがあります。
マネージャーホストが管理するホスト数と各ホストから転送されてくるJP1イベント数,そして自ホスト上で発生するJP1イベント数について検討してください。例えば,エージェントからサブマネージャーへ転送するJP1イベントは,重大度が「警告」以上,サブマネージャーからマネージャーへ転送するJP1イベントは,重大度が「エラー」以上,というように各ホストの転送設定ファイル(forward)でイベントフィルターを指定してください。
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ネットワーク上を流れるデータ量を考慮する
JP1イベント1件当たりの転送データ量の見積もり式を次に示します。
60※1 + 600※2(単位:バイト)
注※1 イベントサーバ設定ファイル(conf)のremote-serverパラメーターに指定した接続先イベントサーバ名が16バイトで,通信タイプがcloseのとき,イベント転送1件ごとに発生します。また,通信タイプがkeep-aliveのときは,最初の1件目だけ発生します。
注※2 ログファイルトラップで約100バイトの文字列をトラップして発生したJP1イベントの場合です。