5.2.3 論理ホストの指定
論理ホストでコマンドを実行させるための前提条件として,論理ホスト名を指定する必要があります。論理ホスト名を指定しないと,物理ホストでコマンドが実行されます。
- 〈この項の構成〉
(1) 論理ホストの指定方法
論理ホストの指定方法には,論理ホスト名をJP1_HOSTNAME環境変数に設定する方法と,コマンドオプションで指定する方法があります。それぞれについて次の表で説明します。
指定方法 |
説明 |
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JP1_HOSTNAME環境変数で,論理ホスト名を指定します。論理ホスト名をコマンドオプションと環境変数の両方で指定した場合は,コマンドオプションの設定が優先されます。 |
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コマンドオプション |
「コマンド -h 論理ホスト名」の形式でコマンドのオプションに指定します。詳細については,各コマンドの説明を参照してください。 |
- 注意事項
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Windowsの場合,JP1_HOSTNAME環境変数をシステム環境変数,ユーザー環境変数として設定しないでください。サービスの起動などができなくなるおそれがあります。JP1_HOSTNAME環境変数の設定は,コマンドプロンプト,またはバッチファイルで行ってください。
(2) 論理ホスト名の条件
論理ホスト名は次に示す条件で指定してください。
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指定できる文字数:Windowsの場合1〜196バイト(推奨:63バイト以内)※1,UNIXの場合1〜255バイト(推奨:63バイト以内)※1※2
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使用できる文字:英数字,-(ハイフン)
注※1 JP1/Baseで指定できる文字数は上記のとおりですが,クラスタソフトで上記文字数に対応していない場合があります。論理ホスト名を指定する場合は,クラスタソフトの制限文字数を超えないよう注意してください。実際の運用では,63バイト以内を推奨します。
注※2 UNIX限定の強制終了コマンド(jbs_killall.cluster)で指定できる論理ホスト名は,32バイトまでです。名称が33バイト以上の論理ホスト名は指定できません。
(3) 論理ホスト名の注意事項
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論理ホスト名と物理ホスト名(hostnameコマンドの実行結果)を同じ名称にしてJP1を運用する場合,次のことに注意してください。なお,クラスタシステムで指定する論理ホスト名は,物理ホスト名とは異なる名称を使用することを強く推奨します。
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論理ホストのJP1だけを起動する。
論理ホストのJP1だけを起動し,物理ホストのJP1は起動しないでください。
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イベントサービス環境の設定を変更する。
イベントサーバインデックスファイル(index)に初期設定されている「server * default」の行をコメントにしてください。この行が残っている場合,論理ホストのイベントDBがローカルディスクに作成され,フェールオーバーで引き継ぎができません。実行系と待機系それぞれで設定を変更してください。
なお,イベントサーバインデックスファイル(index)を変更する場合は,物理ホストのイベントサーバを停止した状態で変更してください。
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jevlogical_setup.confを共通定義に反映する。
物理ホスト名と同じ名称のイベントサービスを論理ホストとして認識させるため,jevlogical_setup.confを共通定義情報に反映してください。
Windowsの場合
jbssetcnf jevlogical_setup.conf※
UNIXの場合
/opt/jp1base/bin/jbssetcnf jevlogical_setup.conf※
注※ 環境変数PATHにJP1/Baseのbinフォルダのパスが設定されていない場合は,フルパスで指定してください。
なお,反映した定義を元に戻す場合は,次の手順を実行してください。
Windowsの場合
1. 次の内容の定義ファイルを作成する。
ファイル名は任意です。
[JP1_DEFAULT\JP1BASE\]
"JEVSERVICE_LOGICAL"=dword:00000000
2. 次のコマンドを実行し,作成した定義ファイルの内容を共通定義情報に反映する。
jbssetcnf 定義ファイル名
UNIXの場合
1. 次の内容の定義ファイルを作成する。
ファイル名は任意です。
[JP1_DEFAULT\JP1BASE\]
"JEVSERVICE_LOGICAL"=dword:00000000
2. 次のコマンドを実行し,作成した定義ファイルの内容を共通定義情報に反映する。
/opt/jp1base/bin/jbssetcnf 定義ファイル名
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統合トレース(HNTRLib2)を再起動する。
システムの動作中にホスト名を変更する場合は,統合トレース(HNTRLib2)の再起動が必要です。次の手順で再起動してください。
Windowsの場合
1. [コントロールパネル]の[サービス]ダイアログボックスで手動停止する。
2. ホスト名を変更する。
3. [コントロールパネル]の[サービス]ダイアログボックスで手動起動する。
UNIXの場合
1. hntr2killコマンドを使って統合トレース(HNTRLib2)を停止する。
2. ホスト名を変更する。
3. 次のコマンドを実行し,統合トレース(HNTRLib2)を起動する。
hntr2mon -d &
統合トレース(HNTRLib2)を再起動するまでの間は,トレース情報が記録されません。統合トレースを使用しているすべてのアプリケーションを停止させてから統合トレースを停止し,起動する場合は,ほかのアプリケーションより先に起動させてください。なお,hntr2killコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「hntr2kill(UNIX限定)」を参照してください。
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DNS運用の場合は,論理ホスト名にFQDN形式ではないホスト名を使用してください。例えば,「jp1v7.soft.hitachi.co.jp」の場合は,論理ホスト名を「jp1v7」と指定します。このホスト名で名前解決されるように設定してください。
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Windowsの場合,JP1_HOSTNAME環境変数をシステム環境変数,ユーザー環境変数として設定しないでください。サービスの起動などができなくなることがあります。JP1_HOSTNAMEの設定は,コマンドプロンプト,またはバッチファイルで行ってください。
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UNIXで強制終了コマンド(jbs_killall.cluster)を使用する場合は,論理ホスト名の先頭〜32バイトの範囲で一意になるような名称を指定してください。このコマンドは,論理ホスト名を先頭〜32バイトの範囲で判定して,対応するプロセスを強制終了します。名称が33バイト以上の論理ホストのプロセスは強制終了できません。