jimalhupdate
機能
JP1/IM - Agentをバージョンアップインストールしたあとに,論理ホストの環境をバージョンアップするコマンドです。
なお,このコマンドは,次に示すオプション機能,および,複数マネージャーホストへのデータ配信機能のセットアップを行いません。
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OracleDB exporter
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Node exporter for AIX
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SAPシステム監視
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SQL exporter
これらの機能を論理ホストで使用する場合は,このコマンドでセットアップを行ったあと,手動でセットアップを行ってください。
形式
jimalhupdate VVRRSS
-h 論理ホスト名
-d 共有ディレクトリ
-c {online | standby}
-f セットアップ設定ファイル
[-q]
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
Linuxの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
-
Agentパス\tools\
- Linuxの場合
-
/opt/jp1ima/tools/
引数
- VVRRSS
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JP1/IM - Agentをバージョンアップする前のバージョンをVVRRSS形式で指定します。
- -h 論理ホスト名
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セットアップする対象ホストの論理ホスト名を指定します。
- -d 共有ディレクトリ
-
共有ディスクに作成する論理ホスト用のディレクトリを指定します。
- -c {online | standby}
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クラスタ構成の実行系および待機系のセットアップ種別を指定します。
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online:実行系をセットアップする場合に指定します。
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standby:待機系をセットアップする場合に指定します。
非クラスタ環境で,論理ホスト運用をする場合は-cオプションに「online」を指定してください。
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- -f セットアップ設定ファイル名
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サービスの有効化・無効化などを記述した論理ホスト用のバージョンアップセットアップコマンドの設定ファイルを指定します。
ファイルのパスは,フルパスまたはこのコマンドを実行した場所からの相対パス形式で指定します。
クラスタ環境でセットアップする場合は,実行系と待機系で同じ内容のセットアップ設定ファイルを使用してください。
設定ファイルの詳細については,「論理ホストバージョンアップセットアップコマンドの設定ファイル(任意のファイル名)」(2. 定義ファイル)を参照してください。
- -q
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コマンドの引数とセットアップ設定ファイルの記述内容のチェック処理のあと,ユーザー確認を省略してセットアップコマンドの処理を開始する場合に指定します。
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-qオプションを指定した場合:バージョンアップセットアップの処理を開始する前にコンソールでユーザー確認を求めません(ユーザー確認のメッセージですべて「y」を入力して[Enter]キーを押したのと同じ動作になります)。
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-qオプションを省略した場合:バージョンアップセットアップの処理を開始する前にコンソールでユーザー確認を求めます。
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戻り値
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0 |
正常終了 |
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1 |
異常終了 |
ログの出力
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出力先
■Windowsの場合
Agentパス\logs\tools\
■Linuxの場合
/opt/jp1ima/logs/tools/
使用例
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Windowsの場合
jimalhupdate 131000 -h LOGICALHOST01 -d c:\common\dir01 -c online -f c:\work\jpc_lhupdate.properties -q
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Linuxの場合
jimalhupdate 131000 -h LOGICALHOST01 -d /common/dir01 -c online -f /work/jpc_lhupdate.properties -q
注意事項
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このコマンドは同時に複数実行しないでください。同時に実行すると,コマンドが正常終了しても,不正な結果になっていることがあります。
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このコマンドは,必ずすべてのJP1/IM - Agentのサービスを停止した状態で実行してください。JP1/IM - Agentのサービスが起動している状態で実行すると,更新対象のファイルにロックが掛かってファイルの更新に失敗することがあります。
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このコマンドは,必ずテキストエディタなどで定義ファイルを開いていない状態で実行してください。テキストエディタなどで定義ファイルを編集している状態で実行すると,更新対象のファイルにロックが掛かってファイルの更新に失敗することがあります。
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アンチウィルスソフトなどで更新対象のファイルにロックが掛かっていると,ファイルの更新に失敗することがあります。更新対象のファイルをアンチウィルスソフトの対象外にしておいてください。
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セットアップの処理を開始したあと,実行途中でエラー終了した場合は,エラーの原因を取り除き,下記の「バリデーション合格後に異常終了した場合の回復手順」に示す手順を実施してからコマンドの再実行を行い,セットアップの処理を完了してください(すべてのファイルの更新が完了した状態にしてください)。
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このコマンドは,論理ホストの新規セットアップが済んでいない環境では実行できません。
■バリデーション合格後に異常終了した場合の回復手順
コンソールにKNBC10117-Iのメッセージが出力されてからコマンドが異常終了した場合,次の手順で回復する操作を行ってください。
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Windowsの場合
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バージョンアップで,Windowsに追加となる論理ホストのサービスが登録されているか確認する
コマンドプロンプトで「services.msc」を実行して管理コンソールを開き,追加となる論理ホストのサービスが登録されているか確認します。登録されていない場合,手順2は実施不要です。
追加となるサービスは,バージョンアップ前のバージョンに応じて異なります。詳細については,「論理ホストバージョンアップセットアップコマンドの設定ファイル(任意のファイル名)」(2. 定義ファイル)を参照してください。
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Windowsに登録された論理ホスト用のサービスを解除する。
論理ホストで使用するサービスについて,Windowsから解除します。
論理ホストのサービスの解除には,次のコマンドを使用します。
Agentパス\tools\jpc_service -off サービスキー -h 論理ホスト名
VMware exporterのサービスを解除する場合の例を次に示します。
Agentパス\tools\jpc_service -off jpc_vmware_exporter -h 論理ホスト名
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Linuxの場合
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バージョンアップで,systemdに追加となる論理ホストのサービスが登録されているか確認する。
systemctl list-unit-filesコマンドを実行し,バージョンアップ後のバージョンで追加となる論理ホストのサービスが登録されているか確認します。登録されていない場合,手順2から手順4までは実施不要です。
追加となるサービスは,バージョンアップ前のバージョンに応じて異なります。詳細については,「論理ホストバージョンアップセットアップコマンドの設定ファイル(任意のファイル名)」(2. 定義ファイル)を参照してください。
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systemdに登録された論理ホストのサービスを解除するために有効化する。
サービスの状態がmaskedになっている論理ホストのサービスが存在した場合,論理ホスト用のサービスをsystemdから解除するために,次のコマンドを実行して,サービスを有効化します。
/opt/jp1ima/tools/jpc_service -on サービスキー -h 論理ホスト名
VMware exporterのサービスを有効化する場合の例を次に示します。
/opt/jp1ima/tools/jpc_service -on jpc_vmware_exporter -h 論理ホスト名
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バージョンアップで追加となる論理ホスト用のユニット定義ファイルを削除する。
/usr/lib/systemd/system下にある論理ホストのユニット定義ファイルを削除します。
削除するファイル名:jpc_サービス名_論理ホスト名.service
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systemdを更新する。
次のコマンドを実行してsystemdを更新します。
# systemctl daemon-reload