jddupdatetree
機能
jddcreatetreeコマンドで取得したIM管理ノード関連ファイル,ユーザーが手動で定義したIM管理ノードリンク定義ファイル(imdd_nodeLink_def.conf)の情報に基づき,IM管理ノードのツリー情報とリンク情報を作成し,構成情報を評価します。
jddupdatetreeコマンドには二つの反映方式のオプションがあり,どちらのオプションを指定するかによって,IM管理ノードの状態の評価が異なります。
反映方式に新規・再構築モードを指定した場合は,統合監視DBに格納されているJP1イベントをすべて取得し,IM管理ノードごとに状況を評価します。反映方式に構成変更モードを指定した場合は,統合監視DBに登録されているJP1イベントを再取得せずに,すでにあるJP1イベント情報,およびJP1イベントとIM管理ノードとのマッピング情報をそのまま引き継いで,評価します。
次の場合は「新規・再構築モード」を指定してください。
-
新規構築する場合
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構築ミスを修正する場合
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IMデータベースをバックアップ(jimdbbackupコマンド)し,リカバリー(jimdbrecoverコマンド)した場合
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統合監視DBをアンセットアップ(jcodbunsetupコマンド)し,再セットアップ(jcodbsetupコマンド)した場合
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インテリジェント統合管理データベースをバックアップ(jimgndbbackupコマン)し,リカバリー(jimgndbrestoreコマンド)した場合
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インテリジェント統合管理基盤を利用している環境で,JP1/IM - Managerをバージョンアップした場合
次の場合は「構成変更モード」を指定してください。
-
構築ミスの修正以外に,インテリジェント統合管理基盤の管理対象の追加・削除・変更を反映する場合
反映方式の詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド」の「3.5.7 システム構成情報の反映方式」を参照してください。
このコマンドを実行する前にjddsetaccessuserコマンドを実行して,認証の際に必要なユーザーIDとパスワードの情報を設定してください。jddcreatetreeコマンドについては,「jddcreatetree」(1. コマンド)を参照してください。
このコマンドは,インテリジェント統合管理基盤にIM管理ノード関連ファイルの反映要求を出し,要求が完了するまで待機します。
形式
jddupdatetree -i ディレクトリ名 [{-r|-c}] [-h 論理ホスト名]
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
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Managerパス\bin\imdd\
- UNIXの場合
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/opt/jp1imm/bin/imdd/
引数
- -i ディレクトリ名
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jddcreatetreeコマンドで作成したファイルの保存先ディレクトリを,絶対パス形式,またはこのコマンドを実行した場所からの相対パス形式で指定します。パスに空白を含む場合は,「"」で囲みます。
- -r|-c
-
反映方式のオプションを指定します。
- -r
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新規・再構築モードで反映する場合に指定します。-cオプションと同時に指定できません。バージョン12-10以前と同様の反映方式となります。
- -c
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構成変更モードで反映する場合に指定します。-rオプションと同時に指定できません。
- -h 論理ホスト名
-
JP1/IMをクラスタシステムで運用している場合に,JP1/IMの論理ホスト名を指定します。
このオプションを省略した場合は,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを設定していない場合は,物理ホスト名が仮定されます。
注意事項
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jddupdatetreeコマンドは複数を同時に実行できません。実行した場合,エラーとなります。
-
jddcreatetreeコマンド,およびjddupdatesuggestionコマンドを実行中に,jddupdatetreeコマンドの実行はできません。実行した場合,エラーとなります。
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jddupdatetreeコマンドを使用するには,JP1/IM - ManagerおよびIMデータベースが起動している必要があります。
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jddupdatetreeコマンドの実行中に,JP1/IM - ManagerおよびIMデータベースを停止しないでください。
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-rオプションと-cオプションのどちらの指定も省略した場合は,インテリジェント統合管理基盤定義ファイル(imdd.properties)のjp1.imdd.simt.updateModeプロパティの設定値に従い動作します。
なお,JP1/IM - Managerを新規インストールした場合は,プロパティの設定値にはchange(構成変更モード)が設定されます。バージョン12-10以前からバージョンアップした場合などプロパティの定義がないときは,プロパティの設定値にはreconfigure(新規・再構築モード)が仮定されます。運用にあわせて設定値を変更してください。
-
統合監視DBに発生元ホストマッピング機能が無効の状態のときに登録されたJP1イベントが含まれる場合,JP1イベントとIM管理ノードのマッピングに失敗して警告メッセージKAJY02022-Wが出力される場合があります。JP1イベントとIM管理ノードのマッピングの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド」の「3.9.1 JP1イベントを使用した評価」を参照してください。
戻り値
0 |
正常終了 |
1 |
正常終了(プロパティ不正) |
2 |
排他中 |
3 |
引数不正 |
4 |
論理ホスト名が不正 |
5 |
インテリジェント統合管理基盤が利用する認証情報が設定されていない |
6 |
jddupdatetreeコマンド実行に必要な情報が不足している |
7 |
jddupdatetreeコマンドの実行権限がない |
8 |
指定したディレクトリが存在しない |
10 |
IMデータベースサービスが起動していない |
11 |
インテリジェント統合管理基盤への接続に失敗 |
12 |
インテリジェント統合管理基盤の認証に失敗 |
13 |
前提ファイルが存在しない |
14 |
前提ファイルの読み込みに失敗 |
15 |
前提ファイルのフォーマット不正 |
16 |
前提ファイルの記載内容不正 |
17 |
イベント情報の取得に失敗 |
19 |
プラグインからの情報取得に失敗 |
22 |
マスターファイルの置換に失敗 |
26 |
認証に使用したユーザーの権限が不足 |
27 |
どのIM管理ノードにもマッピングされない提案定義が存在する |
28 |
提案関連マスターファイル※の作成に失敗 |
29 |
提案関連マスターファイル※の置き換えに失敗 |
255 |
システムエラー |
- 注※
-
提案定義マスターファイルなどの提案に関するマスター情報の総称を意味します。JP1/IM - Managerのサービス起動時に読み込まれます。
使用例1
jddcreatetreeコマンドで作成したファイルの保存先を「C:\tmp」とする場合の例を次に示します。
$ jddupdatetree -i C:\tmp KAJY02009-I コマンド(jddupdatetree)を開始しました KAJY02010-I コマンド(jddupdatetree)が正常終了しました
使用例2
jddcreatetreeコマンドで作成したファイルの保存先を「C:\tmp」とし,論理ホストを「ronri」とする場合の例を次に示します。
$ jddupdatetree -i C:\tmp -h ronri KAJY02009-I コマンド(jddupdatetree)を開始しました KAJY02010-I コマンド(jddupdatetree)が正常終了しました
使用例3
反映方式に新規・再構築モードを指定して実行する場合の例を次に示します。
$ jddupdatetree -i C:\tmp -r KAJY02009-I コマンド(jddcreatetree)を開始しました KAJY02010-I コマンド(jddcreatetree)が正常終了しました
使用例4
反映方式に構成変更モードを指定して実行する場合の例を次に示します。
$ jddupdatetree -i C:\tmp -c KAJY02009-I コマンド(jddcreatetree)を開始しました KAJY02010-I コマンド(jddcreatetree)が正常終了しました