自動アクション通知定義ファイル(actnotice.conf)
形式
[STATE_WATCH] EVENT={true | false} COMMAND=コマンド [End] [DELAY_WATCH] EVENT={true | false} COMMAND=コマンド [End]
ファイル
actnotice.conf(自動アクション通知定義ファイル)
actnotice.conf.model(自動アクション通知定義ファイルのモデルファイル)
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
-
- 物理ホストのとき
-
Consoleパス\conf\action\
- 論理ホストのとき
-
共有フォルダ\jp1cons\conf\action\
- UNIXの場合
-
- 物理ホストのとき
-
/etc/opt/jp1cons/conf/action/
- 論理ホストのとき
-
共有ディレクトリ/jp1cons/conf/action/
説明
自動アクションの状態監視または遅延監視で異常を検知した場合に,JP1イベントの発行および通知コマンドの実行で,自動アクションの異常を通知するかどうかを定義するファイルです。このファイルは,JP1/IM - Managerの動作する言語コードで記述してください。
この定義ファイルで自動アクションの異常を通知するよう設定すると,自動アクションの状態監視では,「実行不可」「実行失敗」または「実行失敗(キャンセル失敗)」の状態となって異常終了した自動アクションを検知して,JP1イベントの発行および通知コマンドを実行し,オペレーターに異常状態になった自動アクションに対する対処を促します。また,自動アクションの遅延監視では,遅延監視時間で設定した時間内に終了しない自動アクションを検知して,JP1イベントの発行および通知コマンドを実行し,オペレーターに遅延状態になった自動アクションに対する対処を促します。
自動アクション通知定義ファイル(actnotice.conf)を削除した場合は,自動アクション通知定義ファイルのモデルファイル(actnotice.conf.model)をactnotice.confの名称でコピーし,必要に応じて,定義を変更してください。
定義の反映時期
次の場合に,自動アクション通知定義ファイルの設定が有効になります。
-
JP1/IM - Managerを起動した場合
-
jco_spmd_reloadコマンドによりリロードをした場合
記述内容
- [STATE_WATCH]
-
自動アクションの状態監視で異常を検知した場合に,JP1イベントの発行および通知コマンドの実行で,自動アクションの異常を通知するかどうかを定義します。
- EVENT={true | false}
-
自動アクションの状態監視で異常を検知した場合に,JP1イベント(イベントID:2011)を発行するかどうかを指定します。
「true」または「false」のどちらかを指定します。異常検知時にJP1イベントを発行する場合は「true」を,発行しない場合は「false」を指定します。デフォルトは「true」です。なお,「true」を指定すると,次の場合にもJP1イベント(イベントID:2016,2021)が発行されるようになります。
・アクション状態監視への通知抑止が解除された場合(イベントIDが2016のJP1イベントが発行される)
・アクション状態の監視中に,異常状態となったアクションがアクション情報ファイルからラップした場合(イベントIDが2021のJP1イベントが発行される)
JP1イベントの詳細については,「3.2.2 JP1/IM - Managerが出力するJP1イベントの詳細」を参照してください。
- COMMAND=コマンド
-
自動アクションの状態監視で異常を検知した場合に,実行する通知コマンドを指定します。
実行可能なコマンドの種類は次のとおりです。
コマンドを実行するホストがWindowsの場合
・実行形式ファイル(.com,.exe)
・バッチファイル(.bat)
・JP1/Scriptのスクリプトファイル(.spt)
(ただし.sptファイルが実行可能なよう関連づけが設定されていること)
コマンドを実行するホストがUNIXの場合
・実行形式ファイル(実行権限が付いていること)
・シェルスクリプト(実行権限が付いていること)
・上記以外の場合,または定義がない場合はデフォルト値「指定無し」を仮定します。
通知コマンドを定義する場合の注意事項を次に示します。
・「COMMAND=」から改行コードまでを一つのコマンドとして定義します。
・一つのコマンド定義の最大長は,1,023バイトです。
なお,変数を展開した文字列が1,023バイトを超える場合はコマンドを実行しません。
その際,統合トレースログにKAVB4409-Eのメッセージが出力されます。
・最大長のバイト数には,空白を含みます。改行コードは含みません。
・変数を指定する場合は,変数を「$」に続けて指定します。指定できる変数については,「表2-19 自動アクション通知定義ファイルで指定できる変数」を参照してください。
・COMMANDに指定された通知コマンドは,JP1/IM - Managerの実行環境を引き継ぎます。
・通知コマンドは,JP1/IM - Managerの実行権限(Windows:SYSTEMユーザー,UNIX:root)で実行されます。
・COMMANDに指定する通知コマンドは,フルパスで指定してください。
・通知コマンドは,必ず終了するコマンドを設定してください。バッチファイル(Windows)またはシェルスクリプト(UNIX)を設定する場合は,必ず exit 0 で終了するようにしてください。終了しないコマンドやGUIが起動するコマンドを指定した場合,実行した通知コマンドのプロセスが残ってしまいます。
・「$」を指定したい場合は「$$」と指定してください。
- [DELAY_WATCH]
-
自動アクションの遅延監視で異常を検知した場合に,JP1イベントの発行および通知コマンドの実行で,自動アクションの異常を通知するかどうかを定義します。
- EVENT={true | false}
-
自動アクションの遅延監視で異常を検知した場合に,JP1イベント(イベントID:2010)を発行するかどうかを指定します。
「true」または「false」のどちらかを指定します。異常検知時にJP1イベントを発行する場合は「true」を,発行しない場合は「false」を指定します。デフォルト値は「true」です。なお,「true」を指定すると,次の場合にもJP1イベント(イベントID:2015,2020)が発行されるようになります。
・アクション遅延監視への通知抑止が解除された場合(イベントIDが2015のJP1イベントが発行される)
・アクション遅延の監視中に,遅延状態となったアクションがアクション情報ファイルからラップした場合(イベントIDが2020のJP1イベントが発行される)
JP1イベントの詳細については,「3.2.2 JP1/IM - Managerが出力するJP1イベントの詳細」を参照してください。
- COMMAND=コマンド
-
自動アクションの遅延監視で異常を検知した場合に,実行する通知コマンドを指定します。
実行可能なコマンドの種類は次のとおりです。
コマンドを実行するホストがWindowsの場合
・実行形式ファイル(.com,.exe)
・バッチファイル(.bat)
・JP1/Scriptのスクリプトファイル(.spt)
(ただし.sptファイルが実行可能なよう関連づけが設定されていること)
コマンドを実行するホストがUNIXの場合
・実行形式ファイル(実行権限が付いていること)
・シェルスクリプト(実行権限が付いていること)
・上記以外の場合,または定義がない場合はデフォルト値「指定無し」を仮定します。
通知コマンドを定義する場合の注意事項を次に示します。
・「COMMAND=」から改行コードまでを一つのコマンドとして定義します。
・一つのコマンド定義の最大長は,1,023バイトです。
なお,変数を展開した文字列が1,023バイトを超える場合はコマンドを実行しません。
その際,統合トレースログにKAVB4409-Eのメッセージが出力されます。
・最大長のバイト数には,空白を含みます。改行コードは含みません。
・変数を指定する場合は,変数を「$」に続けて指定します。指定できる変数については,「表2-19 自動アクション通知定義ファイルで指定できる変数」を参照してください。
・COMMANDに指定された通知コマンドは,JP1/IM - Managerの実行環境を引き継ぎます。
・通知コマンドは,JP1/IM - Managerの実行権限(Windows:SYSTEMユーザー,UNIX:root)で実行されます。
・COMMANDに指定する通知コマンドは,フルパスで指定してください。
・通知コマンドは,必ず終了するコマンドを設定してください。バッチファイル(Windows)またはシェルスクリプト(UNIX)を設定する場合は,必ず exit 0 で終了するようにしてください。終了しないコマンドやGUIが起動するコマンドを指定した場合,実行した通知コマンドのプロセスが残ってしまいます。
・「$」を指定したい場合は「$$」と指定してください。
表2‒19 自動アクション通知定義ファイルで指定できる変数 変数名
内容
ACTSEQNO
遅延状態および異常状態となったアクションのアクション通し番号。
状態監視で指定した時に,異常状態となったアクションがアクション情報ファイルからラップした場合には,(----)と表示される。
EVID
遅延状態および異常状態となったアクション契機イベントのイベントID(基本コード(16進8桁):拡張コード(16進8桁))。
遅延または異常状態となったアクションがアクション情報ファイルからラップした場合には,(----:----)と表示される。
EVARVTIME
遅延状態および異常状態となったアクション契機イベントのイベント到着時刻(YYYY/MM/DD hh:mm:ss)。
遅延もしくは異常状態となったアクションがアクション情報ファイルからラップした場合には,(----/--/-- --:--:--)と表示される。
ACTSTAT
遅延状態および異常状態となったアクションのアクション状態。
アクションの実行状態を表す次の文字列のどれか。
-
running(実行中)
-
ended(終了)
-
fail(実行不可)
-
error(実行失敗)
-
unknown(状態不明)
-
wait(送信待機)
-
send(送信中)
-
queue(キューイング)
-
cancel(キャンセル)
-
kill(強制終了)
アクションをJP1/IM - Viewからキャンセルした場合,上記の状態の後ろにキャンセル状態が表示される。
キャンセル状態がキャンセル中の場合。
-
running(canceling)
-
send(canceling)
-
queue(canceling)
-
wait(canceling)
キャンセル状態がキャンセル失敗の場合。
-
running(miss)
-
send(miss)
-
queue(miss)
-
wait(miss)
-
ended(miss)
-
error(miss)
アクション実行サービスの再起動時にコマンドが再実行,またはアクション再実行用ファイルに出力された場合は,状態の後ろに「-R」が付く。(例:ended-R)
JP1/IM - Viewから再実行をした場合は,上記の状態の後ろに「-RU」が付く。(例:ended-RU)
抑止されたアクションをJP1/IM - Viewから再実行した場合は,上記状態の後ろに「-RUD」が付く。(例:ended-RUD)
抑止されたアクションをJP1/IM - View から再実行し,かつ,再実行中にアクション実行サービスの再起動(系切り替え含む)の発生によって再実行,またはアクション再実行用ファイルに出力された場合は,状態の後ろに「-RD」が付く。(例:ended-RD)
抑止されたアクションの状態が「fail」(実行不可)になった場合は,状態の後ろに「-D」が付く。(例:fail-D)
遅延監視で指定した場合に,遅延となったアクションがアクション情報ファイルからラップしたときには,(----)と表示される。
状態監視で指定した場合に,異常状態となったアクションがアクション情報ファイルからラップしたときには,次の文字列のどれかになる。
-
fail(実行不可)
-
error(実行失敗)
ACTSTARTTIME
遅延状態となったアクションのアクション開始時刻(YYYY/MM/DD hh:mm:ss)。
遅延監視で指定したときだけ,時刻が表示される。
状態監視で指定した場合には,(----/--/-- --:--:--)と表示される。
遅延監視で指定した場合に,遅延となったアクションがアクション情報ファイルからラップしたときには,(----/--/-- --:--:--)と表示される。
ACTENDTIME
異常状態となったアクションのアクション終了時刻(YYYY/MM/DD hh:mm:ss)。
状態監視で指定したときだけ,時刻が表示される。
遅延監視で指定した場合には,(----/--/-- --:--:--)と表示される。
状態監視で指定した場合に,異常状態となったアクションがアクション情報ファイルからラップしたときには,(----/--/-- --:--:--)と表示される。
ACTHOST
遅延状態および異常状態となったアクションの実行先ホスト名。
遅延監視で指定した場合に,遅延となったアクションがアクション情報ファイルからラップしたときには,(----)と表示される。
状態監視で指定した場合に,「実行ホスト名」を設定していないアクション定義により発行されたアクションの状態が「実行不可」となったときには,(----)と表示される。
ACTUSR
遅延状態および異常状態となったアクションを実行しているJP1ユーザー名。
実行先ホストに登録されているユーザー名となる。
遅延監視で指定した場合に,遅延となったアクションがアクション情報ファイルからラップしたときには,(----)と表示される。
状態監視で指定した場合に,「実行ユーザー名」を設定していないアクション定義により発行されたアクションの状態が「実行不可」となったときには,(----)と表示される。
-
定義例
自動アクションの状態監視または遅延監視で異常を検知した場合に,JP1イベントを発行し,通知コマンドstatenotice01.exe(状態監視の場合)または,delaynotice01.exe(遅延監視の場合)を実行する。
[STATE_WATCH] EVENT=true COMMAND=C:\Command\statenotice01.exe [End] [DELAY_WATCH] EVENT=true COMMAND=C:\Command\delaynotice01.exe [End]