jcschstat
機能
監視ノード(監視オブジェクトまたは監視グループ)の状態を変更します。また,監視ノードの状態変更イベントの履歴をクリアします。監視ノードの監視状態は変更できません。
障害発生時の回復処理としてバッチ処理でこのコマンドを含め,最後の処理として自動実行で監視ノードの状態を初期化したい場合,ヘルプデスクシステムと連携して障害を取り除いたあとに自動実行で監視ノードの状態を初期化したい場合に,使用できます。
このコマンドは,セントラルスコープの機能が有効になっている場合に使用できます。
JP1/IM - Manager(セントラルスコープ)がすでに32個のコマンド要求を処理している最中に,このコマンドを実行した場合,サーバ側の通信が切断され,このコマンドの実行に失敗します。
形式
jcschstat [-h 論理ホスト名] -n 監視ノードID1,監視ノードID2,監視ノードID3... [-s 状態値] [-i] [-t タイムアウト時間] [-d]
実行権限
Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
UNIXの場合:スーパーユーザー権限
格納先ディレクトリ
- Windowsの場合
-
Scopeパス\bin\
- UNIXの場合
-
/opt/jp1scope/bin/
引数
- -h 論理ホスト名
-
クラスタシステムで運用している場合に,論理ホスト名を指定します。このオプションを省略した場合,環境変数JP1_HOSTNAMEに指定した論理ホスト名が仮定されます。環境変数JP1_HOSTNAMEを指定していない場合,物理ホスト名が仮定されます。クラスタシステムを使用していない場合には指定は不要です。
- -n 監視ノードID1,監視ノードID2,監視ノードID3...
-
状態変更の対象となる監視ノードID(監視オブジェクトIDまたは監視グループID)を指定します。監視ノードIDは,16進数で指定します。
監視ノードIDは複数指定,10個まで指定できます。複数指定する場合は,コンマ「,」で区切ってください。指定した監視ノードの順に監視ノードの状態が変わります。
- -s 状態値
-
監視ノードの変更後の状態を指定します。状態値は大文字と小文字を区別します。監視オブジェクトはEmergency,Alert,Critical,Error,Warning,Normal,Debug,またはInitialを指定できます。監視グループはInitialだけ指定できます。
指定した監視ノードの状態を変更すると,上位ノードへ状態が伝播し,下位ノードを初期化します。
省略した場合,Initialが仮定されます。
- -i
-
監視ノードの状態を変更する際に,確認メッセージを表示させたい場合に指定します。
- -t タイムアウト時間
-
サーバとの通信時のタイムアウト時間を指定します。指定できる値は,1〜32,767(単位:秒)です。デフォルトは1,800秒(30分)です。
- -d
-
このオプションを指定すると,-nオプションで指定した監視ノードが存在しない場合または監視ノードの状態変更に失敗した場合に,コマンド処理を中断し,エラー終了します。
省略した場合,存在しないまたは状態変更に失敗した監視ノードの処理をスキップし,次の監視ノード以降の処理を続行します。
戻り値
0 |
正常終了 |
1 |
論理ホスト名が存在しない |
2 |
引数エラー |
4 |
コマンドを実行する権限がない |
12 |
メモリー不足 |
32 |
データアクセスエラー |
33 |
監視ツリーIDまたは監視ノードIDがDB内に存在しない |
37 |
サーバからの応答がない(コネクション要求が失敗した) |
38 |
サーバとの通信が切断された(通信中にサーバが停止した,またはサーバ側の接続数が最大値を超えた) |
39 |
タイムアウトが発生した(サーバに要求送信後,応答を受信するまでにタイムアウト時間を超えた) |
40 |
サーバから不正な応答が送信された |
42 |
ほかのコマンドまたはほかの要求が実行中 |
43 |
-nに非監視設定の監視ノードを指定している |
44 |
-nに監視グループを設定している |
99 |
その他のエラー |
使用例
監視ノードID 8の状態をErrorに変更します。
jcschstat -n 8 -s Error
出力例
jcschstat -n 5 -s Normal KAVB7630-I 監視ノード(5)の状態を正常に変更しました