6.10.2 エージェントからのイベント転送を抑止するための準備をする
エージェントからのイベント転送を抑止するための準備として,イベント転送を抑止したり,解除したりする[コマンド]ボタンを設定します。[コマンド]ボタンを設定することで,イベントの大量発生に対処する際に,管理者のコマンド入力を少なくし操作ミスを防止できます。
ここで設定する[コマンド]ボタンと各ボタンの動作内容を,次に示します。
- 「ALL抑止」ボタン
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イベントが大量発生したエージェントに対して,そのエージェントからのすべてのイベント転送を抑止する。
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コマンド実行時は確認画面を表示し,管理者が確認し実行する。
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エージェントの選択は,管理者がJP1/IM - Viewのコンソール画面から選択した1つのイベントから自動でホスト名を抽出する。
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- 「抑止解除」ボタン
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障害対策の終了などを契機に該当エージェントのイベント監視(イベント転送)を再開する。
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コマンド実行時は確認画面を表示し,管理者が確認し実行する。
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エージェントの選択は,管理者がJP1/IM - Viewのコンソール画面から選択した1つのイベントから自動でホスト名を抽出する。
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- 「抑止確認」ボタン
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大量発生イベントの転送抑止の状況を表示して確認する。
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コマンド実行に必要な条件を次に示します。
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JP1/IM - Viewからコマンドを実行するJP1ユーザーが認証サーバに登録されている。
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JP1/IM - Viewからコマンドを実行するJP1ユーザーに,次のどちらかのJP1権限レベルが与えられている。
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JP1_Console_Admin
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JP1_Console_Operator
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JP1/Baseの構成管理を使ったシステム構成の定義が済んでいる。
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マネージャーホストでJP1ユーザーとOSユーザーのマッピングが済んでいる。
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マネージャーホストでJP1ユーザーとマッピングするOSユーザーが,jevagtfwコマンドの実行権限を所有している。
jevagtfwコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のコマンドの章を参照してください。
コマンド実行環境の設定については,Windowsの場合,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「1.16 コマンド実行環境の設定(Windowsの場合)」,UNIXの場合,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「2.15 コマンド実行環境の設定(UNIXの場合)」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) イベント転送を手動で抑止するための[コマンド]ボタンを設定する
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JP1/IM - Managerに接続しているすべてのJP1/IM - Viewを終了する。
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jcoimdefコマンドを実行して,[コマンド]ボタンを有効にする。
コマンド指定例
jcoimdef -i -cmdbtn ON
コマンド実行結果で,S_CMDBTNがONであることを確認します。-iオプションを指定しているため,コマンド実行後直ちに[コマンド]ボタンが有効になります。
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[コマンド]ボタンとして使用するコマンドを設定する。
コマンドボタン定義ファイルを作成します。
定義例(Windowsの場合)
def usr [コマンド]ボタンを使用するJP1ユーザー名 btn ALL抑止 cmt 該当のエージェントからのイベント転送をすべて抑止 cmdtype agent inev true hst マネージャーのホスト名 cmd "Baseパス\bin\jevagtfw.exe" -s -o all $EVHOST qui false preview true end-btn btn 抑止解除 cmt 該当のエージェントのイベント転送抑止をすべて解除 cmdtype agent inev true hst マネージャーのホスト名 cmd "Baseパス\bin\jevagtfw.exe" -r -f $EVHOST qui false preview true end-btn btn 抑止確認 cmt イベント転送抑止状態の確認 cmdtype agent inev false hst マネージャーのホスト名 cmd "Baseパス\bin\jevagtfw.exe" -l qui false preview true end-btn end-def
定義例中の$EVHOSTは,JP1/IM - Viewのコンソール画面で選択したイベントのイベント発行元ホスト名が引き当てられます。
UNIXの場合,「Baseパス\bin\jevagtfw.exe」と表記している部分は,「/opt/jp1base/bin/jevagtfw」になります。
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JP1/IM - Viewのコンソール画面を起動する。
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[コマンド実行]画面に設定した[コマンド]ボタンが表示されていることを確認する。
[コマンド実行]画面は,[イベントコンソール]画面の[コマンド実行]ボタンをクリックして表示します。