2.4.1 マネージャーおよびエージェントの日時を過去に戻す
マネージャーおよびエージェントの日時を変更する際,過去の日時に変更することは通常避けてください。JP1/IMが動作するホストのOSのシステム時刻を戻す場合は,データベースに大きな影響があり,JP1/IMの再インストールまたはデータベースの再セットアップを伴う作業が必要になります。
システム時刻の進みや遅れを補正する場合でも,システム時刻を過去に戻すと自動アクションの実行結果の表示順序や監視ツリーの状態更新日時などの表示が不正になることがあります。このような現象は,システム時刻を過去に戻したことで,JP1/IM - Manager,JP1/Base,JP1/IM - Agentの管理データに不整合が生じたときに発生します。JP1/IM - Viewには影響ありません。
また,システム時刻を過去に戻すと,到着時刻を指定してイベント検索したときに,正しくイベント検索ができないことがあります。
テストなどでシステム時刻を意図的に未来の日時へ変更したような場合に,システム時刻を元に戻すときは,次に示す手順で戻してください。
- 重要
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サーバのシステム時刻を,NTP(Network Time Protocol)サーバなどを利用した時刻が過去に戻ることがない方式で合わせる場合には,次の手順に従わないで変更できます。その場合,JP1/Baseを停止する必要はありません。
- 〈この項の構成〉
(1) マネージャーの日時を元に戻す
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JP1/IM - Managerを終了する。
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IMデータベースを使用している場合は,IMデータベースを終了する。
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JP1/Baseを終了する。
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システム時刻を戻す。
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システム時刻が時刻を戻す前の時刻に達したらJP1/Base,およびJP1/IM - Managerを起動する。
例えば,手順4で時刻を「02:00」から「01:00」に戻した場合,システム時刻が「02:00」になってから,JP1/BaseおよびJP1/IM - Managerを起動します。
なお,IMデータベースを使用している場合は,JP1/Base,IMデータベース,JP1/IM - Managerの順で起動Managerパス¥data¥imdd¥actevent.ser してください。
- 重要
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システム時刻が,時刻を戻す前の時刻に達する前(手順5で「02:00」より前)にサービスを起動してしまった場合,統合監視DBが壊れるおそれがあります。統合監視DBが壊れた場合はシステムを再構築する必要があります。
時刻を戻す前に設定情報,データベースをバックアップしておき,システム再構築後に,設定情報,データベースをリカバリーしてください。
なお,リカバリーできるファイルは,リカバリー時点のシステム時刻より前のシステム時刻でバックアップしたファイルです。バックアップのシステム時刻がリカバリー時点のシステム時刻より前でない場合は,システム時刻がバックアップ時刻を過ぎてからリカバリーしてください。
また,次の方法でも日時を元に戻せます。ただし,この方法では,アクション情報ファイルやアクションホスト名格納ファイルなどの手順5に示す情報,およびIMデータベースのイベント情報やホスト情報を削除する必要があるため注意してください。
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JP1/IM - Managerを終了する。
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JP1/Baseを終了する。
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IMデータベースを使用している場合は,IMデータベースをアンセットアップする。
Windowsの場合は,「JP1/IM3-Manager DB Server」サービスを起動しておく必要があります。
統合監視DBおよびIM構成管理DBをセットアップしている場合には,両方のアンセットアップが必要です。
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システムの時刻を戻す。
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アクション情報ファイル,アクションホスト名格納ファイル,コマンド実行履歴ファイル,イベントDBを削除する。
削除ファイルの格納場所は次の表のとおりです。
- Windowsの場合
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表2‒1 削除対象ファイル(Windows) ファイル名
格納場所
アクション情報ファイル
Consoleパス\log\action\actinf.log
共有フォルダ\jp1cons\log\action\actinf.log
アクションホスト名格納ファイル
Consoleパス\log\action\acttxt{1|2}.log
共有フォルダ\jp1cons\log\action\acttxt{1|2}.log
コマンド実行履歴ファイル
Baseパス\log\COMMAND\以下の全ファイル
共有フォルダ\jp1base\log\COMMAND\以下の全ファイル
イベントDB
Baseパス\sys\event\servers\default\以下のIMEvent*.*ファイル※
共有フォルダ\jp1base\event\以下のIMEvent*.*ファイル※
- UNIXの場合
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表2‒2 削除対象ファイル(UNIX) ファイル名
格納場所
アクション情報ファイル
/var/opt/jp1cons/log/action/actinf.log
共有ディレクトリ/jp1cons/log/action/actinf.log
アクションホスト名格納ファイル
/var/opt/jp1cons/log/action/acttxt{1|2}.log
共有ディレクトリ/jp1cons/log/action/acttxt{1|2}.log
コマンド実行履歴ファイル
/var/opt/jp1base/log/COMMAND/以下の全ファイル
共有ディレクトリ/jp1base/log/COMMAND/以下の全ファイル
イベントDB
/var/opt/jp1base/sys/event/servers/default/以下のIMEvent*.*ファイル※
共有ディレクトリ/jp1base/event/以下のIMEvent*.*ファイル※
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IMデータベースを使用している場合は,IMデータベースをセットアップする。
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インテリジェント統合管理基盤を使用している場合,次の表に示すファイルを削除する。
OS
対象ファイル
Windows
Managerパス\data\imdd\actevent.ser
Managerパス\data\imdd\imdd_nodeStatus.ser
Managerパス\data\imdd\jddactseq.ser
共有フォルダ\data\imdd\actevent.ser
共有フォルダ\data\imdd\imdd_nodeStatus.ser
共有フォルダ\data\imdd\jddactseq.ser
UNIX
/var/opt/jp1imm/data/imdd/actevent.ser
/var/opt/jp1imm/data/imdd/imdd_nodeStatus.ser
/var/opt/jp1imm/data/imdd/jddactseq.ser
共有ディレクトリ/jp1imm/data/imdd/actevent.ser
共有ディレクトリ/jp1imm/data/imdd/imdd_nodeStatus.ser
共有ディレクトリ/jp1imm/data/imdd/jddactseq.ser
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JP1/Baseを起動する。
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JP1/IM - Managerを起動する。
以上で,マネージャーのシステム日時を元に戻す作業は完了です。なお,セントラルスコープの機能を使用する場合は,次の手順を続けて作業してください。
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JP1/IM - ViewでJP1/IM - Manager(セントラルスコープ)にログインする。
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[監視ツリー]画面で最上位の監視グループを選択し,状態を「初期状態」にする。
監視ノードをすべて「初期状態」に戻すことで,セントラルスコープの管理するデータの不整合を解消します。
(2) エージェントの日時を元に戻す
(a) エージェントとしてJP1/IM - Agentを使用している場合
エージェントの日時を元に戻す場合は,該当ホストのJP1/IM - Agentの設定変更を実施する必要があります。手順などの詳細については,「2.5 統合エージェントホストのシステム日時を変更する場合に必要な手順」の説明を参照してください。
(b) エージェントとしてJP1/Baseを使用している場合
エージェントの日時を元に戻す場合は,該当ホストのJP1/Baseの設定変更を実施する必要があります。手順などの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Base運用中の設定変更の章,システムの日時変更時に必要な作業の説明を参照してください。