Hitachi

JP1 Version 13 JP1/Integrated Management 3 - Manager 運用ガイド


2.2.1 エージェントとしてJP1/IM - Agentを使用している場合

〈この項の構成〉

(1) マネージャーのホスト名を変更した直後に必要な作業

マネージャーのホスト名を変更した直後に必要な作業について説明します。

(a) JP1/Baseで必要な作業

ホスト名を変更したマネージャーのJP1/Baseにおいて,認証サーバのホスト名を変更してください。手順などの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Base運用中の設定変更の章,ホスト名の変更による影響および必要な作業の説明を参照してください。

その後,ホスト名を変更したマネージャーのJP1/Baseをいったん終了してから,再起動する必要があります。

(b) IMデータベースで必要な作業

マネージャーのホスト名を変更した場合,「1.2.3(7) IMデータベース再構築手順」を参照して,IMデータベースを再構築してください。

(2) マネージャーのホスト名を変更した場合の作業

(a) フィルター条件で設定したホスト名

[重要イベント定義]画面,[表示フィルター設定]画面,または[ユーザーフィルター詳細設定]画面で定義してある登録ホスト名が変更対象であった場合は,それぞれの設定画面で登録ホスト名の設定を変更する必要があります。

(b) [アクション設定]画面または自動アクション定義ファイルで設定したホスト名

[アクション設定]画面または自動アクション定義ファイルで定義してある実行ホスト名が変更対象であった場合は,[アクション設定]画面または自動アクション定義ファイルで実行ホスト名の設定を変更する必要があります。

ホスト名を設定したあとに次のどちらかの作業をします。

  • JP1/IM - Managerの起動時,JP1/IM - Viewの[アクション設定]画面の[適用]ボタンをクリックして定義を有効にする。

  • jcachangeコマンドを実行して定義を再読み込みする。

(c) 監視オブジェクトの状態変更条件で設定したホスト名

[状態変更条件設定]画面または[共通条件詳細設定]画面で設定したホスト名が変更対象であった場合は,それぞれの設定画面でホスト名の設定を変更する必要があります。

ホスト名を設定してからシステム構成の再配布を実施します。詳細については,「2.2.2(3) マネージャーまたはJP1/Baseのホスト名を変更した場合のシステム構成の再配布手順」を参照してください。

(d) 相関イベント発行定義ファイルで設定したホスト名

相関イベント発行定義ファイルで,相関イベントの発行条件として定義してあるホスト名が変更対象であった場合は,相関イベント発行定義ファイルでホスト名の設定を変更する必要があります。

相関イベント発行定義ファイルでホスト名を設定してから,jcoegschangeコマンドで相関イベント発行定義を有効にします。

(e) 重大度変更定義ファイルで設定したホスト名

重大度変更定義ファイルで,重大度変更条件として定義してあるホスト名が変更対象であった場合は,重大度変更定義ファイルでホスト名の設定を変更する必要があります。

イベントの重大度変更機能が有効な場合に,次のどれかの操作を実施してホスト名の変更を有効にします。

  • jco_spmd_reloadコマンドを実行する。

  • JP1/IM - Managerを起動する。

  • [追加重大度変更定義設定]画面で[OK]ボタンをクリックする。

  • [重大度変更定義一覧]画面で[適用]ボタンをクリックする。

(f) 表示メッセージ変更定義ファイルで設定したホスト名

表示メッセージ変更定義ファイルで,表示メッセージ変更条件として定義してあるホスト名が変更対象であった場合は,表示メッセージ変更定義ファイルでホスト名の設定を変更する必要があります。

イベントの表示メッセージ変更機能が有効な場合に,次のどれかの操作を実施してホスト名の変更を有効にします。

  • jco_spmd_reloadコマンドを実行する。

  • JP1/IM - Managerを起動する。

  • [追加表示メッセージ変更定義設定]画面で[OK]ボタンをクリックする。

  • [表示メッセージ変更定義一覧]画面で[適用]ボタンをクリックする。

(g) サーバ証明書のCNおよびSANに記載したホスト名

通信暗号化機能が有効の場合に,サーバ証明書のCNおよびSANに記載したホスト名が変更対象のときは,サーバ証明書を作成し直す必要があります。

サーバ証明書を作成し直す手順については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「9.4.2 設定済みの証明書を変更する」を参照してください。

(h) インテリジェント統合管理基盤が稼働するホストのホスト名

インテリジェント統合管理基盤が稼働するホストのホスト名を変更した場合は,JP1/IM - Managerの再起動が必要です。JP1/IM - Managerの起動手順については「3.1 JP1/IM - Managerを起動する」を参照してください。

また,通信暗号化機能が有効の場合に,サーバ証明書のCNおよびSANに記載したホスト名が変更対象のときは,サーバ証明書を作成し直す必要があります。サーバ証明書を作成し直す手順については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「9.4.2 設定済みの証明書を変更する」を参照してください。

IM管理ノードのホストのホスト名を変更する場合は,IM管理ノードを再取得する必要があります。IM管理ノードを再取得する手順については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド」の「3.5.6 IM管理ノードの変更」を参照してください。

(i) JP1/IM - Agentで使用しているサーバ証明書に記載したホスト名

■ 統合マネージャーホストのホスト名を変更する

  1. JP1/IM - Managerを停止する。

  2. ホスト名の変更を反映したサーバ証明書で更新する。

    証明書の更新については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「1.19.3(1)(b) 統合エージェント管理基盤の設定変更(Windowsの場合)」の「■証明書を設定する」を参照してください。

    なお,証明書に変更前のホスト名を含んでいない場合は,この手順は不要です。

  3. JP1/IM - Managerを起動する。

■ クラスタシステムで統合マネージャーホストのホスト名を変更する

  1. 統合エージェント管理基盤を停止する。

  2. 論理ホスト名の変更を反映したサーバ証明書で更新する。

    証明書の更新については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「7.3.3(9)(a) 統合エージェント管理基盤の設定変更」および「8.3.3(9)(a) 統合エージェント管理基盤の設定変更」の「■証明書を設定する」を参照してください。

    なお,証明書に変更前のホスト名を含んでいない場合は,この手順は不要です。

  3. 統合エージェント管理基盤を起動する。

(3) エージェントのホスト名を変更した場合の作業

(a) エージェントのホスト名

  1. エージェントホストにログインする。

  2. JP1/IM - Agentのサービスを停止する。

  3. JP1/IM - Agentのすべての定義ファイルについて,旧ホスト名が記載されている個所を新ホスト名に変更する。

    JP1/IM - Agentの定義ファイルについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」(2. 定義ファイル)を参照してください。

  4. JP1/IM - Agentのサービスを起動する。

  5. IM管理ノードのツリー情報を反映する。

    マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「1.21.2(16) IM管理ノードのツリー情報の作成と反映(Windowsの場合)(必須)」および「2.19.2(17) IM管理ノードのツリー情報の作成と反映(Linuxの場合)(必須)」を参照してください。

    重要

    定義ファイルを変更する作業について,次の注意事項があります。

    一部の定義ファイルを編集せずにJP1/IM - Agentのサービスを起動,または,ホスト名を過去に使用されたホスト名(トレンドデータ管理DBにトレンドデータが残っているホスト名)に変更した場合,1つのツリーSIDに対して,複数の構成情報のSIDがマッピングされます。その場合,jddcreatetreeコマンドにより出力されたIM管理ノードツリーファイルを編集する必要があります。IM管理ノードツリーファイルの編集については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「1.19.3(1)(c) IM管理ノードのツリー情報の作成と反映(Windowsの場合)(必須)」を参照してください。

    IM管理ノードツリーファイルを編集せずにツリー情報を反映した場合,統合オペレーション・ビューアーの[トレンド]タブで,トレンドデータの表示に失敗する場合があります。

(b) Blackbox exporterの監視対象のホスト名

Blackbox exporterの監視対象の変更を実施します。

マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「1.21.2(6)(c) 監視対象を追加・変更・削除する(Windowsの場合)(必須)」および「2.19.2(7)(c) 監視対象を追加・変更・削除する(Linuxの場合)(必須)」を参照してください。

(c) インテリジェント統合管理基盤が稼働するホストのホスト名

インテリジェント統合管理基盤が稼働するホストのホスト名を変更した場合は,JP1/IM - Managerの再起動が必要です。JP1/IM - Managerの起動手順については「3.1 JP1/IM - Managerを起動する」を参照してください。

また,通信暗号化機能が有効の場合に,サーバ証明書のCNおよびSANに記載したホスト名が変更対象のときは,サーバ証明書を作成し直す必要があります。サーバ証明書を作成し直す手順については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「9.4.2 設定済みの証明書を変更する」を参照してください。

IM管理ノードのホストのホスト名を変更する場合は,IM管理ノードを再取得する必要があります。IM管理ノードを再取得する手順については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド」の「3.5.6 IM管理ノードの変更」を参照してください。

(d) クラスタシステムの論理ホスト名

■ Windows環境の場合

  1. 論理ホスト用のJP1/IM - Agentのサービスを停止する。

    クラスタソフトからサービスを停止します

  2. 論理ホストのサービスをWindowsから解除する。

    論理ホストで使用するサービスについて,実行系サーバと待機系サーバの両方で論理ホスト用のサービスをWindowsから解除します。

    次のコマンドを実行して,論理ホストのサービスを解除します。

    Agentパス\tools\jpc_service -off サービスキー -h 論理ホスト名

    Alertmanagerのサービスを解除する場合の例を,次に示します。

    Agentパス\tools\jpc_service -off jpc_alertmanager -h 論理ホスト名
  3. 定義ファイルに記載されている論理ホスト名を更新する。

    共有フォルダ\jp1ima\confAgentパス\binに存在するファイルに対して,変更前の論理ホスト名で検索し,該当する個所をすべて新しい論理ホスト名に変更します。

    Agentパス\binは,実行系サーバと待機系サーバの両方に存在するため,両方で実施します。

  4. ファイル名に含まれている論理ホスト名を更新する。

    Agentパス\binに存在するファイルに論理ホスト名が含まれているファイルがあるため,新しい論理ホスト名に変更します。

    Agentパス\binは,実行系サーバと待機系サーバの両方に存在するため,両方で実施します。

  5. 論理ホストのサービスをWindowsに登録する。

    論理ホストで使用するサービスについて,実行系サーバと待機系サーバの両方で論理ホスト用のサービスをWindowsに登録します。

    次のコマンドを実行して,論理ホストのサービスを登録します。

    Agentパス\tools\jpc_service -on サービスキー -h 論理ホスト名

    Alertmanagerのサービスを登録する場合の例を,次に示します。

    Agentパス\tools\jpc_service -on jpc_alertmanager -h 論理ホスト名
  6. 論理ホスト用のJP1/IM - Agentのサービスをすべて起動する。

    クラスタソフトからサービスを起動します。

  7. IM管理ノードのツリー情報を反映する。

    マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「1.21.2(16) IM管理ノードのツリー情報の作成と反映(Windowsの場合)(必須)」および「2.19.2(17) IM管理ノードのツリー情報の作成と反映(Linuxの場合)(必須)」を参照してください。

■ Linux環境の場合

  1. 論理ホスト用のJP1/IM - Agentのサービスを停止する。

    クラスタソフトからサービスを停止します。

  2. 論理ホストのサービスをsystemdから解除する。

    論理ホストで使用するサービスについて,実行系と待機系の両方で論理ホスト用のサービスをsystemdから解除します。

    次のコマンドを実行して,論理ホストのサービスを解除します。

    /opt/jp1ima/tools/jpc_service -off サービスキー -h 論理ホスト名

    Alertmanagerのサービスを解除する場合の例を,次に示します。

    /opt/jp1ima/tools/jpc_service -off jpc_alertmanager -h 論理ホスト名
  3. 定義ファイルに記載されている論理ホスト名を更新する。

    共有ディレクトリ/jp1ima/conf/usr/lib/systemd/systemに存在するファイルに対して,変更前の論理ホスト名で検索し,該当する個所をすべて新しい論理ホスト名に変更します。

    /usr/lib/systemd/systemは,実行系サーバと待機系サーバの両方に存在するため,両方で実施します。

  4. ファイル名に含まれている論理ホスト名を更新する。

    /usr/lib/systemd/systemに存在するファイルに論理ホスト名が含まれているファイルがあるため,新しい論理ホスト名に変更します。

    /usr/lib/systemd/systemは,実行系サーバと待機系サーバの両方に存在するため,両方で実施します。

  5. 論理ホストのサービスをsystemdに登録する。

    論理ホストで使用するサービスについて,実行系と待機系の両方で論理ホスト用のサービスをsystemdに登録します。

    次のコマンドを実行して,論理ホストのサービスを登録します。

    /opt/jp1ima/tools/jpc_service -on サービスキー -h 論理ホスト名

    Alertmanagerのサービスを登録する場合の例を,次に示します。

    /opt/jp1ima/tools/jpc_service -on jpc_alertmanager -h 論理ホスト名
  6. 論理ホスト用のJP1/IM - Agentのサービスをすべて起動する。

    クラスタソフトからサービスを起動します。

  7. IM管理ノードのツリー情報を反映する。

    マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「1.21.2(16) IM管理ノードのツリー情報の作成と反映(Windowsの場合)(必須)」および「2.19.2(17) IM管理ノードのツリー情報の作成と反映(Linuxの場合)(必須)」を参照してください。

(e) コンテナのホスト名

コンテナのホスト名は変更できません。そのため,新しいコンテナを作成し,不要になったコンテナを削除してください。

コンテナの作成方法については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド」の「2.20.1(3) Dockerコンテナ,Podmanコンテナの作成方法」,コンテナの削除方法については,「2.20.1(4) Dockerコンテナ,Podmanコンテナの削除方法」を参照してください。