1.19.7 バージョンアップ時の設定(Windowsの場合)
ここでは,JP1/IM - Managerのバージョンアップインストール時のセットアップ項目について説明します。
IMデータベースを使用している場合は,「1.4.5 IMデータベースの更新(Windowsの場合)」を参照して,IMデータベースを更新する必要があります。
- 〈この項の構成〉
(1) セントラルスコープのバージョンアップコマンドの実行
バージョン8以前のJP1/IM - Central Scopeからバージョンアップした場合は,次の手順に従い,バージョンアップコマンドを実行してください。バージョンアップコマンドを実行するまでは,旧バージョンのJP1/IM - Central Scopeと互換モードで動作します(旧バージョンから追加された機能は使用できません)。
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JP1/IM - Managerを停止する。
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ディスクの空き容量を確認する。
次の手順に示すjp1csverup.batコマンドを実行するには,監視オブジェクトDB分の空き容量が必要です。監視オブジェクトDBは,次に示すフォルダ内のすべてのデータです。
Scopeパス\database\jcsdb\
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jp1csverup.batコマンドを実行する。
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jbssetcnfコマンドを実行する。
次に示す機能の有効,無効は旧バージョンのJP1/IM - Central Scopeの設定に依存します。
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対処済み連動機能
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状態変更イベントの上限監視
機能を無効から有効にしたい場合,次の表に示すファイルを引数にjbssetcnfコマンドを実行してください。
表1‒11 機能を有効にするための設定ファイル ファイル名
説明
action_complete_on.conf
対処済み連動機能を有効にするためのファイルです。
evhist_warn_event_on.conf
監視オブジェクトの状態変更イベント件数が上限値(100件)を超えた際に,JP1イベントを発行する機能を有効にするためのファイルです。
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JP1/IM - Managerを起動する。
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JP1/IM - ViewでJP1/IM - Manager(JP1/IM - Central Scope)に接続し,問題がないか動作を確認する。
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jp1csverup.batコマンドについて
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jp1csverup.bat(Windows限定)」(1. コマンド)
(2) 自動アクション定義ファイルの更新
11-10以前のJP1/IM - Managerからバージョンアップした場合は,次の手順に従い,自動アクション定義ファイルを更新してください。
ただし,11-10以前の自動アクション定義ファイルをそのまま使用したい場合は必要ありません。
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JP1/IM - Managerを停止する。
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jcadefconvコマンドを実行して自動アクション定義ファイルを更新する。
jcadefconv -i 変換するアクション定義ファイル名 -o 変換後のアクション定義ファイル名
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jcadefconvコマンドの-oオプションに指定したファイルをactdef.confにリネームして格納先に配置する。
格納先およびファイル名を次に示します。なお,次に示す格納先およびファイル名を-oオプションに直接指定している場合は,この手順は不要です。
物理ホストの場合:Consoleパス\conf\action\actdef.conf
論理ホストの場合:共有フォルダ\jp1cons\conf\action\actdef.conf
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JP1/IM - Managerを起動する。
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自動アクションの機能について
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド」の「6. 自動アクションによるコマンド実行(JP1/Base連携)」
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jcadefconvコマンドについて
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcadefconv」(1. コマンド)
(3) イベントレポート出力の出力形式の指定
10-50以前のJP1/IM - Managerからバージョンアップした場合,イベントレポート出力でCSV出力する際に,1件の固有の拡張属性に一つの列を割り当てて出力する機能が無効になっています。この機能を有効にするかどうかは,イベントレポート出力環境定義ファイル(evtreport.conf)のPROGRAM_SPECIFIC_EX_ATTR_COLUMNパラメーターで指定します。なお,新規にインストールした場合は有効です。必要に応じて,イベントレポート出力環境定義ファイルを設定してください。
イベントレポート出力環境定義ファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「イベントレポート出力環境定義ファイル(evtreport.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。
(4) [ログファイルトラップサービスが起動したときに自動でプロセス起動する]チェックボックスの表示
11-01以前のJP1/IM - Managerからバージョンアップした場合,[ログファイルトラップサービスが起動したときに自動でプロセス起動する]チェックボックスが無効(非表示)になっています。
[ログファイルトラップサービスが起動したときに自動でプロセス起動する]チェックボックスの有効・無効は,プロファイル管理環境定義ファイル(jp1cf_profile_manager.conf)のLOGFILETRAP_AUTO_START_CONTROLパラメーターで指定します。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「プロファイル管理環境定義ファイル(jp1cf_profile_manager.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。
(5) エージェントのプロファイル更新通知機能
11-01以前のJP1/IM - Managerからバージョンアップした場合,エージェントのプロファイル更新通知機能が無効になっています。
エージェントのプロファイル更新通知機能の有効・無効は,プロファイル管理環境定義ファイル(jp1cf_profile_manager.conf)のAGENT_PROFILE_UPDATE_NOTICEはパラメーターで指定します。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「プロファイル管理環境定義ファイル(jp1cf_profile_manager.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。
(6) リモート監視が停止中のログの監視設定
11-01以前のJP1/IM - Managerからバージョンアップした場合,リモート監視が停止中に出力されたログ情報を収集しない設定になっています。
リモート監視が停止中に出力されたログ情報を収集するかどうかは,リモートログトラップ環境定義ファイル(jp1cf_remote_logtrap.conf)のSTART_OPTIONパラメーターで指定します。詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「リモートログトラップ環境定義ファイル(jp1cf_remote_logtrap.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。
(7) インテリジェント統合管理基盤のバージョンアップ(Windowsの場合)
インテリジェント統合管理基盤を利用している場合のバージョンアップ時の設定について説明します。
なお,連携製品のバージョンアップも同時に実施する場合は,手順5を実行する前に連携製品のバージョンアップを実施してください。
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JP1/IM - Managerを停止する。
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12-50以前のJP1/IM - Managerからバージョンアップした場合,インテリジェント統合管理データベースを構築する。
インテリジェント統合管理データベースの構築の詳細については,「1.5 インテリジェント統合管理データベースの構築(Windowsの場合)」を参照してください。
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新しい設定値を追加する。
利用する機能に合わせて,新しく追加された設定値を追加します。※
- 注※
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JP1/IM - Managerを13-00または13-01から13-10以降にバージョンアップした場合,テキストエディターなどで,次のファイルの末尾に「web-enable-admin-api: true」,「db-connections-max: 50」,「db-writer-connection-concurrency: 1」の3行(下記の「変更後」の下線部分)を追加します。なお,インテリジェント統合管理データベースを再構築したときは,自動で追加されるため,この手順は不要です。
・物理ホストの場合:Managerパス\conf\imgndb\config.yml
・論理ホストの場合:共有フォルダ\jp1imm\conf\imgndb\config.yml
<変更例>
・変更前
db-host: localhost
db-name: imgndb
db-user: imuser
db-password: rCKsdJ8vSQn2
db-port: 20705
web-listen-address: localhost:20706
log-level: info
db-ssl-mode: allow
promql-max-points-per-ts: 30001
・変更後
db-host: localhost
db-name: imgndb
db-user: imuser
db-password: rCKsdJ8vSQn2
db-port: 20705
web-listen-address: localhost:20706
log-level: info
db-ssl-mode: allow
promql-max-points-per-ts: 30001
web-enable-admin-api: true
db-connections-max: 50
db-writer-connection-concurrency: 1
「web-enable-admin-api: true」の行を追加しなかった場合,トレンドデータの削除と統合エージェント情報の削除が失敗します。
トレンドデータの削除と統合エージェント情報については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 画面リファレンス」の「2.2.1 [統合エージェント一覧]画面」,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「5.11.4 トレンドデータ削除」および「5.18.2 統合エージェント情報削除」を参照してください。
「db-connections-max: 50」および「db-writer-connection-concurrency: 1」の行を追加しなかった場合,大量のパフォーマンスデータ(目安:システム内(多段構成時は下位マネージャーのシステム内)の統合エージェントで収集しているサンプル数の合計が秒間10,000を超える場合)を収集しているときに,次の現象が発生することがあります。
・パフォーマンスデータがインテリジェント統合管理データベースに保存されず,表示および取得ができなくなる
・トレンドデータ管理サービスのメモリ使用量が増加する
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JP1/IM - Managerを起動する。
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jddcreatetreeコマンドを実行する。
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jddupdatetreeコマンドを新規・再構築モードで実行する。
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jddcreatetreeコマンドについて
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jddcreatetree」(1. コマンド)
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jddupdatetreeコマンドについて
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jddupdatetree」(1. コマンド)
バージョンアップを実行しない場合,インテリジェント統合管理基盤13-00の機能は利用できません。
(8) インテリジェント統合管理データベースのバージョンアップ(Windowsの場合)
インテリジェント統合管理データベースを利用している場合のバージョンアップ時の設定について説明します。
JP1/IM - Managerをバージョン13-11以前からバージョンアップした場合に,インテリジェント統合管理データベースを利用しているときは,jimgndbupdateコマンドを実行する必要があります。
現在のインテリジェント統合データベースのバージョンを確認したい場合は,jimgndbsetupコマンドに引数「-display」を指定して実行する必要があります。また,インテリジェント統合データベースのバージョンが「No Data」または「131100」のときは,jimgndbupdateコマンドを実行する必要があります。
jimgndbsetupコマンドおよびjimgndbupdateコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jimgndbsetup」(1. コマンド)および「jimgndbupdate」(1. コマンド)を参照してください。
(9) 拡張起動プロセス定義ファイルの更新
バージョン11以前のJP1/IM - Managerからバージョンアップした場合は,拡張起動プロセス定義ファイル(jp1co_service.conf)にjddmain,imbase,imbaseproxyプロセスの定義を追加してください。
バージョン12からバージョンアップした場合は,imbase,imbaseproxyプロセスの定義を追加してください。
拡張起動プロセス定義ファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「拡張起動プロセス定義ファイル(jp1co_service.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。