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JP1 Version 13 JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド


8.3.3 JP1/IM - Managerの新規インストール時の論理ホスト環境(実行系)のセットアップ(UNIXの場合)

〈この項の構成〉

(1) セットアップの前準備

  1. JP1/IMとJP1/Baseのサービスが停止していることを確認する。

    物理ホストおよびすべての論理ホストの,JP1/IMとJP1/Baseのプロセスが停止していることを確認してください。JP1/IM - MOを使用している場合は,接続元のJP1/IM - MOのJP1/IM - Message Optimizerサービスも停止してください。

  2. 共有ディスクが使用可能なことを確認する。

    共有ディスクがマウントされていることをmountコマンドを実行して確認してください。

(2) JP1/Baseのセットアップ

  1. JP1/Baseの論理ホスト(実行系)をセットアップする。

    手順の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

  2. JP1/Baseのコマンド実行環境を設定する。

    jcocmddefコマンドを実行して,JP1/Baseのコマンド実行環境を設定します。jcocmddefコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

(3) JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の設定

  1. JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の論理ホストのセットアップコマンドを実行する。

    /opt/jp1cons/bin/jp1cc_setup_cluster -h 論理ホスト名 -d 共有ディレクトリ名

    引数により,論理ホスト名と共有ディレクトリ名を指定します。

    • 論理ホスト名(-hオプション)

      JP1/Baseで設定した論理ホスト名を指定します。

    • 共有ディレクトリ名(-dオプション)

      共有ディスク上のディレクトリを指定してください。

      指定したディレクトリ名/jp1cons/」ディレクトリが作成され,論理ホストのJP1/IM - Manager(セントラルコンソール)のファイル一式が作成されます。

    なお,論理ホストのJP1/IM - Managerの環境設定は,物理ホストの設定値を引き継ぎます。必要に応じて,jcoimdefコマンド(-hオプション)で論理ホストの環境設定をカスタマイズしてください。

    コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jp1cc_setup_cluster(UNIX限定)」(1. コマンド)および「jcoimdef」(1. コマンド)を参照してください。

    続けて,フェールオーバー時に適切に動作するよう,論理ホストのJP1/IM - Managerの環境設定をカスタマイズします。

  2. 自動アクションの再実行の設定をする。

    次のコマンドを実行して,フェールオーバー時の自動アクション再実行について設定をします。コマンドに指定するシステム環境の設定情報は,物理ホストの定義情報を引き継ぎます。物理ホストのシステム環境の設定情報を確認し,必要に応じて論理ホストのシステム環境を設定してください。

    /opt/jp1cons/bin/jcoimdef -r { EXE | OUTPUT | OFF } -h 論理ホスト名

    フェールオーバー時に次の状態となっているアクションに対する動作を設定できます。

    • 送信待機

    • 送信待機(キャンセル中)

    • 送信待機(キャンセル失敗)

    • 送信中

    • 送信中(キャンセル中)

    • 送信中(キャンセル失敗)

    • キューイング

    • キューイング(キャンセル中)

    • キューイング(キャンセル失敗)

    • 実行中

    • 実行中(キャンセル中)

    • 実行中(キャンセル失敗)

    EXEを指定するとアクションを再実行し,OUTPUTを指定するとアクションの一覧をファイルに出力し,OFFを指定すると処理を行いません。システム設計時の検討内容に従って設定してください。この設定は任意です。

    jcoimdefコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcoimdef」(1. コマンド)を参照してください。

(4) JP1/IM - Manager(統合監視DB)の設定(必須)

JP1/IM - Manager(統合監視DB)を使用する場合に設定します。統合監視DBを使用してJP1イベントを管理するためには,統合監視DBを構築する必要があります。

  1. クラスタセットアップ情報ファイルを編集する。

    統合監視DBを構築するために必要なデータベース領域のサイズやデータベース格納ディレクトリの情報を記述したクラスタセットアップ情報ファイルを準備します。

    クラスタセットアップ情報ファイルの設定内容については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「クラスタセットアップ情報ファイル(jimdbclustersetupinfo.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

  2. jcodbsetupコマンドを実行し,統合監視DBを作成する。

    jcodbsetup -f クラスタセットアップ情報ファイル名 -h 論理ホスト名 -c online [-q]

    引数により,クラスタセットアップ情報ファイル名,論理ホスト名,セットアップ種別を指定します。

    • クラスタセットアップ情報ファイル名(-fオプション)

      手順1で作成したクラスタセットアップ情報ファイル名を指定します。

    • 論理ホスト名(-hオプション)

      実行系サーバでセットアップした論理ホスト名を指定します。

      論理ホスト名には,JP1/Baseで設定した論理ホスト名を,大文字・小文字を含めて正確に指定してください。JP1/Baseのセットアップについては,「8.3.3(2) JP1/Baseのセットアップ」を参照してください。

    • セットアップ種別(-cオプション)

      実行系ホストのセットアップ種別(online)を指定します。

      online」を指定する場合は,共有ディスクをマウントし,論理ホストと通信できる状態にしてください。

    jcodbsetupコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcodbsetup」(1. コマンド)を参照してください。

  3. jcoimdefコマンドを実行して,統合監視DBを有効にする。

    jcoimdef -db ON -h 論理ホスト名

    jcoimdefコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcoimdef」(1. コマンド)を参照してください。

以上で,実行系サーバでの論理ホストのセットアップは完了です。

共有ディスクに論理ホストのJP1/IM - Managerのファイルが作成されていることを確認し,必要に応じて共有ディスクをアンマウントしてください。

(5) JP1/IM - Manager(インテリジェント統合管理データベース)の設定

インテリジェント統合管理データベースを使用している場合の,インテリジェント統合管理データベース(トレンドデータ管理DB)の論理ホスト環境の構築手順を,次に示します。

  1. JP1/IM - Managerの論理ホスト環境を構築する。

    インテリジェント統合管理データベースの論理ホスト環境の構築では,作成済みのJP1/IM - Managerの論理ホスト環境を参照する必要があるため,インテリジェント統合管理データベースの論理ホスト環境を構築する前に,JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の論理ホスト環境を構築します。また,統合オペレーション・ビューアーの前提機能であるインテリジェント統合管理基盤の構築,統合監視DBの設定も行う必要があります。すでに構築済みの場合は,次の手順に進みます。

    JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の論理ホスト環境の構築手順については,「8.3.3(3) JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の設定」を参照してください。また,インテリジェント統合管理基盤の構築については,「4.4 インテリジェント統合管理基盤のクラスタ環境を構築する」,統合監視DBの設定については,「 8.3.3(4) JP1/IM - Manager(統合監視DB)の設定(必須)」を参照してください。

  2. root以外のOSユーザーを作成する。

    インテリジェント統合管理基盤データベース(PostgreSQL)を起動するroot以外のOSユーザー(root以外のログイン可能なユーザー)が必要です。

    必要に応じて,OSのuseraddコマンドでユーザーを作成してください。すでに作成済みの場合は,次の手順に進んでください。

    ユーザー「imsrvuser」を作成する場合のuseraddコマンドの実行例を次に示します。

    useradd imsrvuser

    すでに作成済みの場合は,次の手順に進みます。

  3. クラスタ環境インテリジェント統合管理データベースセットアップ情報ファイルを準備する。

    クラスタ環境インテリジェント統合管理データベースセットアップ情報ファイルに,データディレクトリ,ポート番号などの必要な定義を記述します。

    マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「クラスタ環境インテリジェント統合管理データベースセットアップ情報ファイル(jimgndbclustersetupinfo.conf)」(2. 定義ファイル)を参照して,インテリジェント統合管理データベースセットアップ情報ファイルを編集してください。

  4. jimgndbsetupコマンドを実行する。

    次のコマンドを実行します。

    jimgndbsetup -f クラスタ環境インテリジェント統合管理データベースセットアップ情報ファイル -h 論理ホスト名 -c online
  5. クラスタソフトからJP1/IM - Managerのサービスを起動する

    クラスタソフトから次のサービスを起動します。

    jp1_cons_論理ホスト名.service

(6) JP1/IM - Manager(IM構成管理DB)の設定(任意)

JP1/IM - Manager(IM構成管理DB)を使用する場合に設定します。IM構成管理DBを使用してシステムの階層構成(IM構成)を管理するためには,IM構成管理DBを構築する必要があります。

  1. クラスタセットアップ情報ファイルを編集する。

    IM構成管理DBを構築するために必要なデータベース領域のサイズやデータベース格納ディレクトリの情報を記述したクラスタセットアップ情報ファイルを準備します。

    クラスタセットアップ情報ファイルの設定内容については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「クラスタセットアップ情報ファイル(jimdbclustersetupinfo.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

  2. jcfdbsetupコマンドを実行して,IM構成管理DBを作成する。

    jcfdbsetup -f クラスタセットアップ情報ファイル名 -h 論理ホスト名 -c online [-q]

    引数により,クラスタセットアップ情報ファイル名,論理ホスト名,セットアップ種別を指定します。

    • クラスタセットアップ情報ファイル名(-fオプション)

      手順1で作成したクラスタセットアップ情報ファイル名を指定します。

    • 論理ホスト名(-hオプション)

      実行系サーバでセットアップした論理ホスト名を指定します。

      論理ホスト名には,JP1/Baseで設定した論理ホスト名を,大文字・小文字を含めて正確に指定してください。JP1/Baseのセットアップについては,「8.3.3(2) JP1/Baseのセットアップ」を参照してください。

    • セットアップ種別(-cオプション)

      実行系ホストのセットアップ種別(online)を指定します。

      online」を指定する場合は,共有ディスクをマウントし,論理ホストと通信できる状態にしてください。

    jcfdbsetupコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcfdbsetup」(1. コマンド)を参照してください。

  3. jcoimdefコマンドを実行して,IM構成管理DBを有効にする。

    jcoimdef -cf ON -h 論理ホスト名

    jcoimdefコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcoimdef」(1. コマンド)を参照してください。

以上で,実行系サーバでの論理ホストのセットアップは完了です。

共有ディスクに論理ホストのJP1/IM - Managerのファイルが作成されていることを確認し,必要に応じて共有ディスクをアンマウントしてください。

(7) JP1/IM - Manager(IM構成管理)の設定(任意)

JP1/IM - Manager(IM構成管理)を使用する場合に設定します。

  1. JP1/IM - Manager(IM構成管理)の論理ホストのセットアップコマンドを実行する。

    /opt/jp1imm/bin/imcf/jp1cf_setup_cluster -h 論理ホスト名 -d 共有ディレクトリ名

    引数により,論理ホスト名と共有ディレクトリ名を指定します。

    • 論理ホスト名(-hオプション)

      JP1/Baseで設定した論理ホスト名を指定します。

    • 共有ディレクトリ名(-dオプション)

      共有ディスク上のディレクトリを指定してください。

    jp1cf_setup_clusterを実行すると,次のディレクトリが作成されます。

    • 共有ディレクトリ/jp1imm/conf/imcf

    • 共有ディレクトリ/jp1imm/tmp

    • 共有ディレクトリ/jp1imm/log/imcf

    • 共有ディレクトリ/jp1imm/data/imcf

    なお,コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jp1cf_setup_cluster(UNIX限定)」(1. コマンド)を参照してください。

(8) JP1/IM - Manager(セントラルスコープ)の設定(任意)

JP1/IM - Manager(セントラルスコープ)を使用する場合に設定します。

  1. JP1/IM - Manager(セントラルスコープ)の論理ホストのセットアップコマンドを実行する。

    /opt/jp1scope/bin/jp1cs_setup_cluster -h 論理ホスト名 -d 共有ディレクトリ名

    引数により,論理ホスト名と共有ディレクトリ名を指定します。

    • 論理ホスト名(-hオプション)

      JP1/Baseで設定した論理ホスト名を指定します。

    • 共有ディレクトリ名(-dオプション)

      共有ディスク上のディレクトリを指定してください。

      指定したディレクトリ名/jp1scope/」ディレクトリが作成され,論理ホストのJP1/IM - Manager(セントラルスコープ)のファイル一式が作成されます。

    なお,コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jp1cs_setup_cluster(UNIX限定)」(1. コマンド)を参照してください。

(9) エージェントとしてJP1/IM - Agentを使用する場合の設定

(a) 統合エージェント管理基盤の設定変更

統合エージェント管理基盤(imbase,imbaseproxy)の設定変更の手順を,次に示します。

■ 統合エージェント管理基盤のポートを変更する

次の手順を実施します。

  1. 統合エージェント管理基盤を停止する。

  2. 統合エージェント管理基盤のリッスンポート番号を変更する。

    待ち受けポート番号の設定は,統合エージェント管理基盤のimbase設定ファイル(jpc_base.json)とimbaseproxy設定ファイル(jpc_baseproxy.json)のportメンバーに設定されています。これを新しいポート番号に変更します。

    imbase設定ファイルとimbaseproxy設定ファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の該当するファイル(2. 定義ファイル)を参照してください。

  3. 統合エージェント管理基盤を開始する。

■ 証明書を設定する

次の手順を実施します。

  1. 統合エージェント管理基盤を停止する。

  2. 統合エージェント管理基盤のサーバ証明書およびキーファイルを変更する。

    リッスンポート番号は,imbase設定ファイル(jpc_imbase.json)やimbaseproxy設定ファイル(jpc_imbaseproxy.json)のcert_fileやkey_fileのメンバーに設定されています。

    cert_fileやkey_fileの設定値,または,設定しているファイル自体を更新します。

    imbase設定ファイルとimbaseproxy設定ファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「2. 定義ファイル」の,該当するファイルの説明を参照してください。

  3. 統合エージェント管理基盤を開始する。