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JP1 Version 13 JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド


7.3.3 JP1/IM - Managerの新規インストール時の論理ホスト環境(実行系)のセットアップ(Windowsの場合)

〈この項の構成〉

(1) セットアップの前準備

  1. JP1/IMとJP1/Baseのサービスが停止していることを確認する。

    物理ホストおよびすべての論理ホストの,JP1/IMとJP1/Baseのサービスが停止していることを確認してください。JP1/IM - MOを使用している場合は,接続元のJP1/IM - MOのJP1/IM - Message Optimizerサービスも停止してください。

  2. 共有ディスクが使用可能なことを確認する。

(2) JP1/Baseのセットアップ

  1. JP1/Baseの論理ホスト(実行系)をセットアップする。

    手順の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

  2. JP1/Baseのコマンド実行環境を設定する。

    jcocmddefコマンドを実行して,JP1/Baseのコマンド実行環境を設定します。jcocmddefコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

(3) JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の設定

  1. JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の論理ホストの設定画面を起動する。

    Consoleパス\bin\jp1cohasetup.exeを実行すると,クラスタ構成の設定画面(実行系)が表示されます。

    [図データ]

  2. [実行系論理ホストの設定]ボタンをクリックする。

    論理ホストの設定画面が表示されます。

    [図データ]

    論理ホスト名と,ファイルフォルダを指定します。

    • 論理ホスト名

      JP1/Baseで作成した論理ホスト名が表示されますので,選択します。

    • ファイルフォルダ

      共有ディスク上のフォルダを指定してください。「指定したフォルダ名\jp1cons\」フォルダ下に,論理ホストのJP1/IM - Managerのファイル一式が作成されます。

    設定したら[次へ]ボタンをクリックします。

  3. 設定内容を確認する。

    次の画面が表示されます。

    [図データ]

    設定内容を確認してください。設定内容が正しければ,[完了]ボタンをクリックしてください。

    なお,論理ホストのJP1/IM - Managerの環境設定は,物理ホストの設定値を引き継ぎます。必要に応じて,jcoimdefコマンド(-hオプション)で論理ホストの環境設定をカスタマイズしてください。

    jcoimdefコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・API リファレンス」の「jcoimdef」(1. コマンド)を参照してください。

    続けて,フェールオーバー時に自動アクションの再実行が適切に動作するように論理ホストのJP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の環境設定をカスタマイズします。

  4. 自動アクションの再実行の設定をする。

    次のコマンドを実行して,フェールオーバー時の自動アクションの再実行について設定をします。コマンドに指定するシステム環境の設定情報は,物理ホストの定義情報を引き継ぎます。物理ホストのシステム環境の設定情報を確認し,必要に応じて論理ホストのシステム環境を設定してください。

    jcoimdef -r { EXE | OUTPUT | OFF } -h 論理ホスト名

    フェールオーバー時に次の状態となっているアクションに対する動作を設定できます。

    • 送信待機

    • 送信待機(キャンセル中)

    • 送信待機(キャンセル失敗)

    • 送信中

    • 送信中(キャンセル中)

    • 送信中(キャンセル失敗)

    • キューイング

    • キューイング(キャンセル中)

    • キューイング(キャンセル失敗)

    • 実行中

    • 実行中(キャンセル中)

    • 実行中(キャンセル失敗)

    EXEを指定するとアクションを再実行し,OUTPUTを指定するとアクションの一覧をファイルに出力し,OFFを指定すると処理を行いません。システム設計時の検討内容に従って設定してください。この設定は任意です。

    jcoimdefコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcoimdef」(1. コマンド)を参照してください。

(4) JP1/IM - Manager(統合監視DB)の設定(必須)

JP1/IM - Manager(統合監視DB)を使用する場合に設定します。統合監視DBを使用してJP1イベントを管理するためには,統合監視DBを構築する必要があります。

  1. クラスタセットアップ情報ファイルを編集する。

    統合監視DBを構築するために必要なデータベース領域のサイズやデータベース格納ディレクトリの情報を記述したクラスタセットアップ情報ファイルを準備します。

    クラスタセットアップ情報ファイルの設定内容については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「クラスタセットアップ情報ファイル(jimdbclustersetupinfo.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

  2. jcodbsetupコマンドを実行し,統合監視DBを作成する。

    jcodbsetup -f クラスタセットアップ情報ファイル名 -h 論理ホスト名 -c online [-q]

    引数により,クラスタセットアップ情報ファイル名,論理ホスト名,セットアップ種別を指定します。

    • クラスタセットアップ情報ファイル名(-fオプション)

      手順1.で作成したクラスタセットアップ情報ファイル名を指定します。

    • 論理ホスト名(-hオプション)

      実行系サーバでセットアップした論理ホスト名を指定します。

      論理ホスト名には,JP1/Baseで設定した論理ホスト名を,大文字・小文字を含めて正確に指定してください。JP1/Baseのセットアップについては,「7.3.3(2) JP1/Baseのセットアップ」を参照してください。

    • セットアップ種別(-cオプション)

      実行系ホストのセットアップ種別(online)を指定します。

      online」を指定する場合は,共有ディスクをマウントし,論理ホストと通信できる状態にしてください。

    jcodbsetupコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcodbsetup」(1. コマンド)を参照してください。

  3. jcoimdefコマンドを実行して,統合監視DBを有効にする。

    jcoimdef -db ON -h 論理ホスト名

    jcoimdefコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcoimdef」(1. コマンド)を参照してください。

(5) JP1/IM - Manager(インテリジェント統合管理データベース)の設定

インテリジェント統合管理データベースを使用している場合の,インテリジェント統合管理データベース(トレンドデータ管理DB)の論理ホスト環境の構築手順を,次に示します。

  1. JP1/IM - Managerの論理ホスト環境を構築する。

    インテリジェント統合管理データベースの論理ホスト環境の構築では,作成済みのJP1/IM - Managerの論理ホスト環境を参照する必要があるため,インテリジェント統合管理データベースの論理ホスト環境を構築する前に,JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の論理ホスト環境を構築します。また,統合オペレーション・ビューアーの前提機能であるインテリジェント統合管理基盤の構築,統合監視DBの設定も行う必要があります。すでに構築済みの場合は,次の手順に進みます。

    JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の論理ホスト環境の構築手順については,「7.3.3(3) JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の設定」を参照してください。また,インテリジェント統合管理基盤の構築については,「4.4 インテリジェント統合管理基盤のクラスタ環境を構築する」,統合監視DBの設定については,「 7.3.3(4) JP1/IM - Manager(統合監視DB)の設定(必須)」を参照してください。

  2. クラスタ環境インテリジェント統合管理データベースセットアップ情報ファイルを準備する。

    クラスタ環境インテリジェント統合管理データベースセットアップ情報ファイルに,データディレクトリ,ポート番号などの必要な定義を記述します。

    マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「クラスタ環境インテリジェント統合管理データベースセットアップ情報ファイル(jimgndbclustersetupinfo.conf)」(2. 定義ファイル)を参照して,インテリジェント統合管理データベースセットアップ情報ファイルを編集してください。

  3. jimgndbsetupコマンドを実行する。

    次のコマンドを実行します。

    jimgndbsetup -f クラスタ環境インテリジェント統合管理データベースセットアップ情報ファイル -h 論理ホスト名 -c online
  4. サービスの依存関係を設定する。

    JP1/IM - Managerをクラスタ運用するには,論理ホストのJP1/IM - ManagerおよびJP1/Baseをクラスタソフトに登録して,クラスタソフトからの制御で起動・停止するように設定します。

    JP1/IM - Managerをクラスタに登録する設定内容は,次のとおりです。

    表7‒7 クラスタソフトに登録する設定内容(Windows)

    項番

    名前

    サービス名

    依存関係

    1

    JP1/Base Event 論理ホスト名

    JP1_Base_Event 論理ホスト名

    IPアドレスリソース

    物理ディスクリソース

    2

    JP1/Base_論理ホスト名

    JP1_Base_論理ホスト名

    項番1のクラスタリソース

    3

    JP1/IM3-Manager DB Server_論理ホスト名※1

    HiRDBEmbeddedEdition_JM<n※2

    項番1および項番2のクラスタリソース

    4

    JP1/IM3-Manager DB Cluster Service_論理ホスト名※1

    HiRDBClusterService_JM<n※2

    項番1,項番2および項番3のクラスタリソース

    5

    JP1/IM3-Manager_論理ホスト名

    JP1_Console_論理ホスト名

    項番1,項番2,項番3,項番4,項番6,および項番7のクラスタリソース※3※4

    6

    JP1/IM3-Manager Intelligent Integrated DB Server_論理ホスト名

    JP1_IMGNDB_Service_論理ホスト名

    項番1,項番2および項番3のクラスタリソース

    7

    JP1/IM3-Manager Trend Data Management Service_論理ホスト名

    promscale_論理ホスト名

    項番1,項番2,項番3および項番6のクラスタリソース

  5. クラスタソフトからJP1/IM - Managerのサービスを起動する

    クラスタソフトから次のサービスを起動します。

    JP1/IM3-Manager Intelligent Integrated DB Server_論理ホスト名

    JP1/IM3-Manager Trend Data Management Service_論理ホスト名

(6) JP1/IM - Manager(IM構成管理DB)の設定(任意)

JP1/IM - Manager(IM構成管理DB)を使用する場合に設定します。IM構成管理DBを使用してシステムの階層構成(IM構成)を管理するためには,IM構成管理DBを構築する必要があります。

  1. クラスタセットアップ情報ファイルを編集する。

    IM構成管理DBを構築するために必要なデータベース領域のサイズやデータベース格納ディレクトリの情報を記述したクラスタセットアップ情報ファイルを準備します。

    クラスタセットアップ情報ファイルの設定内容については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「クラスタセットアップ情報ファイル(jimdbclustersetupinfo.conf)」(2. 定義ファイル)を参照してください。

  2. jcfdbsetupコマンドを実行して,IM構成管理DBを作成する。

    jcfdbsetup -f クラスタセットアップ情報ファイル名 -h 論理ホスト名 -c online [-q]

    引数により,クラスタセットアップ情報ファイル名,論理ホスト名,セットアップ種別を指定します。

    • クラスタセットアップ情報ファイル名(-fオプション)

      手順1で作成したクラスタセットアップ情報ファイル名を指定します。

    • 論理ホスト名(-hオプション)

      実行系サーバでセットアップした論理ホスト名を指定します。

      論理ホスト名には,JP1/Baseで設定した論理ホスト名を,大文字・小文字を含めて正確に指定してください。JP1/Baseのセットアップについては,「7.3.3(2) JP1/Baseのセットアップ」を参照してください。

    • セットアップ種別(-cオプション)

      実行系ホストのセットアップ種別(online)を指定します。

      online」を指定する場合は,共有ディスクをマウントし,論理ホストと通信できる状態にしてください。

    jcfdbsetupコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcfdbsetup」(1. コマンド)を参照してください。

  3. jcoimdefコマンドを実行して,IM構成管理DBを有効にする。

    jcoimdef -cf ON -h 論理ホスト名

    jcoimdefコマンドについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「jcoimdef」(1. コマンド)を参照してください。

(7) JP1/IM - Manager(IM構成管理)の設定(任意)

JP1/IM - Manager(IM構成管理)を使用する場合に設定します。なお,表示される設定画面は,タイトルバーにConfiguration Managementと表示される以外は,JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の場合と同じです。

  1. JP1/IM - Manager(IM構成管理)の論理ホストの設定画面を起動する。

    Managerパス\bin\imcf\jp1cfhasetup.exeコマンドを実行します。

  2. [実行系論理ホストの設定]ボタンをクリックする。

    [実行系論理ホストの設定]画面で,論理ホスト名と,ファイルフォルダを指定します。

    • 論理ホスト名

      JP1/Baseで作成した論理ホスト名が表示されますので,選択します。

    • ファイルフォルダ

      共有ディスク上のフォルダを指定してください。「指定したフォルダ名\jp1imm\」フォルダ下に,論理ホストのJP1/IM - Managerのファイル一式が作成されます。

    設定したら[次へ]ボタンをクリックします。

  3. 設定内容を確認する。

    確認画面が表示されますので,設定内容を確認してください。設定内容が正しければ,[完了]ボタンをクリックしてください。

(8) JP1/IM - Manager(セントラルスコープ)の設定(任意)

JP1/IM - Manager(セントラルスコープ)を使用する場合に設定します。なお,表示される設定画面は,タイトルバーにCentral Scopeと表示される以外は,JP1/IM - Manager(セントラルコンソール)の場合と同じです。

  1. JP1/IM - Manager(セントラルスコープ)の論理ホストの設定画面を起動する。

    Scopeパス\bin\jp1cshasetup.exeを実行する。

  2. [実行系論理ホストの設定]ボタンをクリックする。

    [実行系論理ホストの設定]画面で,論理ホスト名と,ファイルフォルダを指定します。

    • 論理ホスト名

      JP1/Baseで作成した論理ホスト名が表示されますので,選択します。

    • ファイルフォルダ

      共有ディスク上のフォルダを指定してください。「指定したフォルダ名\jp1scope\」フォルダ下に,論理ホストのJP1/IM - Managerのファイル一式が作成されます。

    設定したら[次へ]ボタンをクリックします。

  3. 設定内容を確認する。

    確認画面が表示されますので,設定内容を確認してください。設定内容が正しければ,[完了]ボタンをクリックしてください。

(9) エージェントとしてJP1/IM - Agentを使用する場合の設定

(a) 統合エージェント管理基盤の設定変更

統合エージェント管理基盤(imbase,imbaseproxy)の設定変更の手順を,次に示します。

■ 統合エージェント管理基盤のポートを変更する

次の手順を実施します。

  1. 統合エージェント管理基盤を停止する。

  2. 統合エージェント管理基盤のリッスンポート番号を変更する。

    待ち受けポート番号の設定は,統合エージェント管理基盤のimbase設定ファイル(jpc_base.json)とimbaseproxy設定ファイル(jpc_baseproxy.json)のportメンバーに設定されています。これを新しいポート番号に変更します。

    imbase設定ファイルとimbaseproxy設定ファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の該当するファイル(2. 定義ファイル)を参照してください。

  3. 統合エージェント管理基盤を開始する。

■ 証明書を設定する

次の手順を実施します。

  1. 統合エージェント管理基盤を停止する。

  2. 統合エージェント管理基盤のサーバ証明書およびキーファイルを変更する。

    リッスンポート番号は,imbase設定ファイル(jpc_imbase.json)やimbaseproxy設定ファイル(jpc_imbaseproxy.json)のcert_fileやkey_fileのメンバーに設定されています。

    cert_fileやkey_fileの設定値,または,設定しているファイル自体を更新します。

    imbase設定ファイルとimbaseproxy設定ファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「2. 定義ファイル」の,該当するファイルの説明を参照してください。

  3. 統合エージェント管理基盤を開始する。