Hitachi

JP1 Version 13 JP1/Integrated Management 3 - Manager 構築ガイド


1.23.3 SAPシステム監視の設定

ここでは,統合エージェントホストのオプション機能であるSAPシステム監視機能のうち,SAPシステムのログ抽出コマンドの設定手順について説明します。

SAPシステムのログ抽出コマンド以外の,SAPシステム監視機能の設定手順については,次のとおりです。

機能

設定手順

スクリプト実行機能(Script exporter)

この機能を使用する場合は,SAPシステムのログ抽出コマンドのセットアップが完了したあとに,次の個所に記載している設定手順を実施します。

SAPシステムのログ抽出コマンド(jr3slget,jr3alget)

この項に記載している設定手順を実施します。

スクリプト実行結果監視機能

スクリプト実行結果監視機能(Fluentd)

この機能を使用する場合は,SAPシステムのログ抽出コマンドのセットアップが完了したあとに,次の個所に記載している設定手順を実施します。

スクリプト実行結果監視機能(JP1/Base)

この機能を使用する場合は,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」の,JP1/Baseのログファイルトラップに関する記載を参照してください。

メトリック送信機能

メトリック送信機能(Script exporter)

スクリプト実行機能(Script exporter)の設定手順を実施することで使用できます。

メトリック送信機能(Fluentd)

スクリプト実行機能(Fluentd)の設定手順を実施することで使用できます。

〈この項の構成〉

(1) SAPシステム監視の設定の前準備

SAPシステム監視の設定をする前準備について説明します。

(a) セットアップアーカイブファイルの入手

SAPシステム監視を使用するためのアーカイブファイルを取得します。アーカイブファイルはJP1/IM - Agentのインストール先フォルダに格納されています。

アーカイブファイルのファイル名は,次のとおりです。

JP1/IM - Agent のインストール先/jp1ima/options/

  • sap_windows_VVRRSS.zip(Windows版)

  • sap_linux_VVRRSS.tar.gz(Linux版)

(b) SAPシステムのログ抽出コマンドのセットアップ

同梱するSAPのログ抽出コマンドは,JP1/PFM - Agent for EAPとJP1/IM - Agentが同居していない場合にだけ使用できます。JP1/PFM - Agent for EAPとJP1/IM - Agentが同居する環境での手順については,「1.23.3(1)(d) JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境での構築手順」を参照してください。

■ SAPシステムのログ抽出コマンドのインストール

  • Windowsの場合

    1. コマンドが使用するレジストリを登録する。

      コマンドプロンプトで次のコマンドを実行してください。

      reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Hitachi\JP1PC\InstalledProduct" /v "JP1PCAGTM" /t "REG_SZ" /d "1200"

      reg add "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Hitachi\JP1PCAGTM\1200\PathName" /v "Path00" /t "REG_SZ" /d "C:\Program Files (x86)\Hitachi\jp1pc"

      注※

      コマンドの配置先です。

    2. 解凍後のagtmフォルダを配置する。

      sap_windows_VVRRSS.zipJP1/IM - Agentのインストール先フォルダ\jp1ima\optionsに展開すると,sap_windowsフォルダが生成されます。

      sap_windows\command配下にあるagtmフォルダをPath00に設定したパスのフォルダ(コマンドの配置先)直下に配置します。手順1のコマンドを実行した場合は,次のパスに配置します。

      C:\Program Files (x86)\Hitachi\jp1pc

      agtmフォルダの配置先パスが存在しない場合は,新しく配置先フォルダを作成してください。

  • Linuxの場合

    1. 解凍後のagtmディレクトリを配置する。

      sap_linux_VVRRSS.tar.gzJP1/IM - Agentのインストール先ディレクトリ/jp1ima/options/に展開すると,sap_linuxディレクトリが生成されます。

      sap_linux/command配下にあるagtmディレクトリを,次のディレクトリ直下に配置します。

      /opt/jp1pc/

      agtmディレクトリの配置先パスが存在しない場合は,次に示すオーナーと権限で,新しく配置先ディレクトリを作成してください。

      オーナー:root

      権限:755

■ RFCライブラリの入手

RFCライブラリの入手および配置手順については,JP1/IM - Agentのリリースノートもあわせて参照してください 。

  1. SAP NW RFC SDK 7.50をSAP Software Download Centerから入手する。

    • Windowsの場合

      SAP NW RFC SDK 7.50(Windows on x64 64bit)(パッチレベル0以上)

    • Linuxの場合

      SAP NW RFC SDK 7.50(Linux on 64bit)(パッチレベル0以上)

  2. 入手した圧縮ファイルをSAPの手順に従って解凍する。

    解凍したフォルダの構造は,次のとおりです。

    nwrfcsdk
    ├bin        :実行可能なサンプルプログラム
    ├demo       :サンプルプログラムのCソースファイル
    ├include    :Cヘッダファイル
    └lib        :共有ライブラリ

    SAPのログ抽出コマンドの動作に必要なファイルはlibフォルダに格納されています。

  3. 解凍した「lib」フォルダ配下の全てのファイルを,次のフォルダに格納する。

    • Windowsの場合

      コマンドの配置先¥agtm\lib\rfc

      注※:「■SAPシステムの情報を取得するコマンドのインストール」で設定したコマンドの配置先

    • Linuxの場合

      /opt/jp1pc/agtm/lib/rfc/

    上記のパスにインストール先フォルダと同じ権限がない場合は,権限を付与してください。

■ CRTライブラリの入手(Windowsの場合だけ)

RFCライブラリの動作に必要なCRTライブラリを入手し,適用します。必要なCRTライブラリのバージョンについては,SAPノート2573790で確認できます。

■ 環境パラメーター設定ファイルのセットアップ(オプション)

  1. 環境パラメーター設定ファイルを作成する。

    環境設定パラメーター設定ファイルのサンプルファイル(jr3slget.ini.samplejr3alget.ini.sample)をコピーし,コピー先のファイル名を「任意の名前.ini」に変更して使用します。

    環境設定パラメーター設定ファイルの配置先については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 導入・設計ガイド」の「付録A.4(3)統合エージェントホスト(Windows)」および「付録A.4(3)統合エージェントホスト(Linux)」を参照してください。

    環境設定パラメーター設定ファイルの設定内容については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」(2. 定義ファイル)の「jr3slgetコマンドの環境パラメーター設定ファイル(jr3slget.ini)」および「jr3algetコマンドの環境パラメーター設定ファイル(jr3alget.ini)」を参照してください。

    環境設定パラメーター設定ファイルのサンプルファイルについては,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」(2. 定義ファイル)の「jr3slgetコマンドの環境パラメーター設定ファイルのサンプルファイル(jr3slget.ini.sample)」および「jr3algetコマンドの環境パラメーター設定ファイルのサンプルファイル(jr3alget.ini.sample)」を参照してください。

  2. SAPシステムのログ抽出コマンドの作業ディレクトリを作成する。

    環境パラメーター設定ファイルを編集したあと,SAPシステムのログ抽出コマンドの作業ディレクトリを作成します。環境パラメーター設定ファイルのWORKDIRラベルに設定しているパスのディレクトリを作成してください。

    なお,Linuxの場合は,次に示すオーナーと権限で作成してください。

    オーナー:root

    権限:777

(c) SAPシステムのログ抽出コマンドのアンインストール

  1. スクリプト実行結果監視を停止する。

    SAPシステムのログ抽出コマンドのログデータを,スクリプト実行結果監視機能(FluentdまたはJP1/Base)を使用して監視している場合は,監視を停止します。

  2. スクリプト実行を停止する。

    SAPシステム監視のスクリプト実行機能(Script exporter)やcronを使用して,SAPシステムのログ抽出コマンドを実行している場合は,コマンドの実行を停止します。

  3. コマンドが使用していたレジストリを削除する(Windowsの場合だけ)。

    コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。

    reg delete "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Hitachi\JP1PC\InstalledProduct" /v "JP1PCAGTM"
    reg delete "HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Hitachi\JP1PCAGTM\1200\PathName" /v "Path00"
  4. SAPシステムのログ抽出コマンドの作業ディレクトリを削除する。

    1.23.3(1)(b)SAPシステムのログ抽出コマンドのセットアップ」の「環境パラメーター設定ファイルのセットアップ(オプション)」で,環境パラメーター設定ファイルのWORKDIRラベルに設定しているパスのディレクトリを作成した場合は,作成したディレクトリを削除します。

  5. SAPシステムのログ抽出コマンドの配置先ディレクトリを削除する。

    次のフォルダおよび配下のファイルを削除します。

(d) JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境での構築手順

■ JP1/PFM - Agent for EAPが導入済みの環境でJP1/IM - Agentを新規インストールする

JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境では,JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用できません。

■ JP1/IM - Agentが導入済みの環境でJP1/PFM - Agent for EAPを新規インストールする

SAPシステムのログ抽出コマンドがセットアップ済みの場合

JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用できないため,削除する必要があります。

  1. JP1/IM - Agentに同梱するSAPシステムのログ抽出コマンドと定義ファイルをバックアップする。

    SAPシステムの情報を取得するコマンドのインストールで指定した配置先フォルダおよび配下にあるファイルをコピーして,任意のフォルダにバックアップしてください。

  2. SAPシステムのログ抽出コマンドのアンインストールを実施する。

    手順については,「1.23.3(1)(c) SAPシステムのログ抽出コマンドのアンインストール」を参照してください。

  3. JP1/PFM - Agent for EAPのインストールとセットアップを実施する。

SAPシステムのログ抽出コマンドが未セットアップの場合

事前にしておくことはありません。

■ JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境でJP1/PFM - Agent for EAPをバージョンアップインストールする

この環境では,JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用できないため,必要な手順はありません。

■ JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境でJP1/IM - Agentをバージョンアップインストールする

この環境では,JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用できないため,必要な手順はありません。

■ JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境からJP1/PFM - Agent for EAPをアンインストールする

JP1/PFM - Agent for EAPを運用中に作成した,jr3slgetおよびjr3algetコマンドを使用するための環境パラメーター設定ファイルをバックアップしてください。

JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用する場合に,バックアップしたJP1/PFM - Agent for EAPの環境パラメーター設定ファイルのパラメーターを参考値として参照できます。

■ JP1/IM - AgentとJP1/PFM - Agent for EAPが同居する環境からJP1/IM - Agentをアンインストールする

この環境では,JP1/IM - Agentに同梱するSAPのログ抽出コマンドは使用できないため,必要な手順はありません。