14.7.2 JP1/IM,JP1/Baseの障害に対する検討
JP1/IMやJP1/Baseが障害などで停止すると,システムの運用管理に影響します。このため,JP1/IMやJP1/Baseでは,障害の耐性を高めるために,次の機能を提供しています。
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プロセスが異常終了した場合に,自動的に再起動する(プロセス管理機能)
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プロセスの起動・終了処理で異常を検知した場合に,JP1イベントを発行する(プロセス管理機能)
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プロセスのハングアップを検知した場合に,JP1イベントを発行する,および通知コマンドを実行する(ヘルスチェック機能)
これらの機能を有効にすることを検討してください。デフォルトでは無効になっています。
- プロセス障害時の通知と対処について
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プロセス管理機能について
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プロセス異常時の再起動を有効にする設定
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「拡張起動プロセス定義ファイル(jp1co_service.conf)」(2. 定義ファイル)
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プロセス異常発生時のJP1イベントの発行を有効にする設定
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「IMパラメーター定義ファイル(jp1co_param_V7.conf)」(2. 定義ファイル)
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ヘルスチェック機能について
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プロセスのハングアップ検知時のJP1イベント発行,通知コマンド実行を有効にする設定
参照先:マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「ヘルスチェック定義ファイル(jcohc.conf)」(2. 定義ファイル)
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JP1/Baseの障害時の通知と対処について
参照先:マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Baseの障害に備えた設定に関する説明
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また,障害が発生したときに迅速に資料を採取できるよう,JP1/IMでは,ダンプ出力コマンドと資料採取ツールを提供しています。通常,JP1/IMで障害が発生したときは,これらを使用して障害資料を採取します。
- ダンプ出力コマンド
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ダンプ出力コマンドは,JP1/IM - View,JP1/IM - Managerそれぞれに用意されています。
表14‒10 ダンプ出力コマンド一覧 コマンド
説明
jcothreaddmp
JP1/IM - View用ダンプ出力コマンド。
JP1/IM - Viewハングアップ時に,障害調査に必要な資料として次のダンプを出力します。
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Javaスレッドダンプ
jcogencore
JP1/IM - Managerダンプ出力コマンド。
JP1/IM - Managerプロセスのハングアップ時に,障害調査に必要な資料として次のダンプを出力します。
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Javaスレッドダンプ:evflow,evtcon,evgen,jcfmainプロセスの障害資料として出力します。
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コアダンプ(UNIX限定)※:evtcon,evgen,jcamain,evflow,jcfmainプロセスの障害資料として出力します。
プロセスがハングアップしたかどうかはヘルスチェック機能を利用するなどしてください。
注※ jcfmainを除く4プロセス分のコアダンプを出力した場合,コアダンプの容量は合計で最大8,419メガバイトになることがあります。また,jcfmainのコアダンプを出力した場合,コアダンプの容量は合計で最大「560+230×jcfallogtrapプロセスの数」メガバイトになる場合があります。このため,出力する前にディスク容量にゆとりがあるか確認してください。
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- 資料採取ツール
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資料採取ツールは,バッチ(Windowsの場合)またはスクリプト(UNIXの場合)で提供されています。
表14‒11 JP1/IMで提供している資料採取ツール一覧 OS
資料採取ツール
説明
Windows
jcoview_log.bat
JP1/IM - Viewの障害調査に必要な資料を一括採取するツールです。
jim_log.bat
JP1/IM - Managerの障害調査に必要な資料※を一括採取するツールです。
UNIX
jim_log.sh
JP1/IM - Managerの障害調査に必要な資料※を一括採取するツールです。
注※ JP1/Baseの障害調査に必要な資料を採取したい場合は,JP1/Baseが提供する資料採取ツールを実行する必要があります(上記表のツールで採取できるJP1/Baseの資料はJP1/IMに関係する部分だけです)。
採取する資料の詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 運用ガイド」の「12.3 トラブル発生時に採取が必要な資料」を参照してください。なお,Windowsの場合,トラブルが発生したときにメモリーダンプやクラッシュダンプが必要になることがあります。これらのダンプファイルも万一に備えて出力する設定にしておくことをお勧めします。
ただし,次の点に注意してください。
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メモリーダンプのサイズは,実メモリーのサイズによって異なります。搭載している物理メモリーが大きいと,メモリーダンプのサイズも大きくなります。メモリーダンプを採取できるだけのディスク領域を確保してください。詳細は,Windowsのヘルプの「STOPエラー」の項目を参照してください。
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クラッシュダンプに出力される情報はJP1だけでなく,ほかのアプリケーションプログラムのトラブル情報も出力されます。また,クラッシュダンプが出力されると,その分ディスク容量が圧迫されます。クラッシュダンプが出力されるように設定する場合は,十分なディスク領域を確保してください。
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