3.2.2 ダッシュボードによるトレンドデータの表示
各種メトリックのトレンドデータを表示するパネルには,パネルタイプとして,「トレンド」,「ランキング」,「数値」,「ゲージ」を選択できます。
「トレンド」パネルは,トレンドデータを時系列の折れ線グラフで表示します。CPU使用率やメモリ使用量などのITリソース情報や外形監視での応答時間などのパフォーマンスデータのトレンドを把握し,問題の事前確認,問題発生時の原因究明に利用することができます。
「ランキング」パネルは,直近のトレンドデータをノードやインスタンスごとの棒グラフで,ランキング順に表示します。
「数値」パネルは,直近のトレンドデータを数値で表示します。任意の警戒値,危険値の値に応じて表示色を変化させることができます。
「ゲージ」パネルは,直近のトレンドデータをゲージ形式で表示します。ゲージのメモリとして,任意の警戒域,危険域を表示させることができます。
また,各パネルを補助するために,任意のテキスト(マークダウン記法)情報を表示するための「テキスト」パネルをダッシュボードに配置することもできます。
|
ダッシュボードで扱えるトレンドデータは,JP1/IM - Agentの性能監視機能で収集したパフォーマンスデータ,および統合監視DBで管理しているJP1イベントのメトリックです。JP1/IM - Agentの性能監視機能では,オンプレミス,プライベートクラウド,クラウド(AWS,Azure),コンテナ(Kubernetes,OpenShift),外形監視(HTTP,ICMP),SaaS,アプリケーションを監視できます。詳細については,「3.15 JP1/IM - Agent による監視機能」を参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 傾向分析による障害の予兆検知
(a) 概要
傾向分析による障害の予兆検知を行うために,次の機能を提供しています。
-
予兆検知のアラート定義機能
単回帰分析でメトリックの将来の値を予測し,予測値が閾値を超えた場合にアラートを発報する機能です。予兆検知のアラート定義は,JP1/IM - Agentのアラート設定ファイルで指定します。予兆検知のアラートの状況は,統合オペレーション・ビューアーのダッシュボード画面の[アラート情報]パネルで参照でき,検知した予兆のアラート情報(参考期間,予測期間など)は,イベント一覧でJP1イベントとして参照できます。
予測値でアラートを発報できるため,障害の影響が広範囲に及ぶ前に対処できます。また,アラートが多発しなくなることで,オぺレーターやシステム管理者の負担を軽減できます。
詳細については,「3.2.2(2) 予兆検知のアラート定義機能」を参照してください。
-
近似直線の表示機能
統合オペレーション・ビューアーのダッシュボード画面の[トレンド]パネルで,表示するグラフに対して,傾向を示す近似直線を表示する機能です。時系列データの傾向を近似直線で把握し,障害の前兆の段階で調査や対策を行えるため,障害発生を未然に防ぐことができます。
詳細については,「3.2.2(3) 近似直線の表示機能」を参照してください。
(b) 前提条件
■ 予兆検知のアラート定義機能の前提条件
予兆検知の機能を使用する場合,次に示す条件を満たすようにしてください。
-
予兆検知のアラートを設定したいメトリックが,JP1/IM - Agentで監視されている必要があります。
予兆検知の対象となるメトリックについては,「2.7.4(7)(e) 使用できる関数」のpredict_linearの記載を参照してください。
-
Prometheusコマンドの引数で指定するパフォーマンスデータの保存期間に,予兆検知のアラート定義の参考期間より大きい値を指定する必要があります。
パフォーマンスデータの保存期間については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「サービス定義ファイル(jpc_プログラム名_service.xml)」(2. 定義ファイル)の,「prometheusコマンドのオプション」の説明を参照してください。
■ 近似直線の表示機能の前提条件
-
近似直線を表示したいメトリックが,ダッシュボード画面の[トレンド]パネルで表示できる状態である必要があります。予兆検知のアラート定義と異なり,JP1/IM - Agentで収集していないメトリック(未対処イベント件数など)でも,[トレンド]パネルで表示できるメトリックであれば,近似直線は表示できます。
(c) 各機能を使用できるバージョンの組み合わせ
傾向分析による障害の予兆検知の各機能を使用できるバージョンの組み合わせを,次の表に示します。
機能 |
各機能を使用できるバージョンの組み合わせ |
|
---|---|---|
JP1/IM - Manager |
JP1/IM - Agent |
|
予兆検知のアラート定義機能 |
13-00以降 |
13-10以降 |
近似直線の表示機能 |
13-10以降 |
13-00以降 |
(d) 運用例
■ Webシステムのレスポンスタイム低下に対する一時対処
レスポンスタイム低下の予兆を検知して一時対処する場合の運用例を,次に示します。
-
Webシステムの構成
Webサーバ,APサーバ,DBサーバがそれぞれ複数台のマシンで構成されており,各サーバにJP1/IM - Agentをインストールし,OS監視とログ監視を行っている。また,1台のサーバマシンに各エージェントを統合するJP1/IM - ManagerとJP1/IM - Agentをインストールし,外形監視機能(Blackbox exporter)でこのWebシステムのURLのレスポンスタイムを監視している。
-
リソース比較用のダッシュボードの定義
統合オペレーション・ビューアーの[ダッシュボード]タブで,Webサーバ群,APサーバ群,DBサーバ群の各サーバのCPU使用率,メモリ所要量,ディスク空き容量を比較するダッシュボードを定義している。
-
関連ノードの定義
IM管理ノードリンク定義ファイル(imdd_nodeLink_def.conf)で,下記のノード間の関連を定義している。
-
WebシステムのURLのレスポンスタイムを監視しているノードとWebサーバ群の各ノード
-
Webサーバ群の各ノードとAPサーバ群の各ノード
-
APサーバ群の各ノードとDBサーバ群の各ノード
-
-
予兆検知のアラート定義
外形監視を行っているJP1/IM - Agentのアラート設定ファイル(jpc_alerting_rules.yml)に,2日分のレスポンスタイムを元データとして,1日後のレスポンスタイムを予測し,予測値が10秒より大きい場合に警告イベントを登録する予兆検知のアラートを定義する。
groups: - name: blackbox_exporter rules: - alert: predict_probe_http_duration_seconds(Blackbox exporter) expr: 10 < predict_linear(probe_http_duration_seconds[2d], 24*3600) for: 3m labels: jp1_pc_product_name: "/HITACHI/JP1/JPCCS2" jp1_pc_component: "/HITACHI/JP1/JPCCS/CONFINFO" jp1_pc_severity: "Warning" jp1_pc_eventid: "0401" jp1_pc_metricname: "probe_http_duration_seconds" annotations: jp1_pc_firing_description: “1日後の予測値がしきい値(10秒)を上回りました。" jp1_pc_resolved_description: “1日後の予測値がしきい値(10秒)を下回りました。"
-
オペレーターの対処
JP1/IM - Agentの外形監視機能(Blackbox exporter)で,WebシステムのURLのレスポンスタイムを監視し,予測値がしきい値を超えた場合,予兆検知のアラートによってJP1イベントが発行されます。オペレーターは,自動アクション経由のメール通知,または,ダッシュボード画面のアラート情報で,例えば次の図のような,1日後のレスポンスタイム低下の予兆を検知した場合,システム管理者にエスカレーションします。
-
システム管理者の対処
-
システム管理者は,統合オペレーション・ビューアー上で,警告が発生しているノードを選択し,[関連ノード]タブを参照することで,レスポンスタイムに関連するリソースを確認します。関連するリソースで警告やエラーが発生しているときは,さらに各リソースの稼働情報を確認し,原因を調査します。
例えば,次の図のように,APサーバ群の1サーバのCPU使用率が,警告・エラーのしきい値に達していないものの,ほかのリソースと比較して増加傾向にあることが確認できた場合,このAPサーバのCPU使用率がレスポンスタイム低下の原因と推定し,一時対処として,原因と推定されたAPサーバのスケールアウトを実行します。
-
一時対処が完了したあと,次のようなパネルを持つダッシュボードを表示し,一時対処の有効性と今後の傾向を確認します。
-
パネルタイプ:トレンド
-
対象メトリック:発火している予兆検知アラートのメトリック
-
対象ノード:発火している予兆検知アラートのノード
-
近似直線の表示設定:表示
-
表示範囲:予兆検知のアラートで設定している参考範囲〜予測期間
例えば,パネルタイプ:トレンド,対象メトリック:レスポンスタイム,近似直線の表示設定:表示,表示範囲:2日前〜1日後のパネルを表示した場合,一時対処が有効に働き,次の図のように,レスポンスタイムが低下していること,かつ,現在の傾向として,1日後の予測値に問題がないことが確認できたときは,根本原因の調査や本対策の検討に進みます。
-
-
その他の稼働情報の調査やアプリケーションのログを参照し,根本原因の調査や本対策の検討を行います。
■ Webシステムのディスク空き容量枯渇に対する一時対処
ディスク空き容量枯渇の予兆を検知して一時対処する場合の運用例を,次に示します。
-
Webシステムの構成
「Webシステムのレスポンスタイム低下に対する一時対処」と同じ。
-
ダッシュボードの定義
「Webシステムのレスポンスタイム低下に対する一時対処」と同じ。
-
予兆検知のアラート定義
DBサーバ群の各サーバのアラート設定ファイル(jpc_alerting_rules.yml)に,1日分のディスク空き容量を元データとして,3日後のディスク空き容量を予測し,予測値が100GBより小さい場合に警告イベントを登録する。
groups: - name: node_exporter rules: - alert: predict_disk_unused(Node exporter) expr: 107374182400 > predict_linear(node_filesystem_free_bytes[1d], 24*3600) for: 3m labels: jp1_pc_product_name: "/HITACHI/JP1/JPCCS2" jp1_pc_component: "/HITACHI/JP1/JPCCS/CONFINFO" jp1_pc_severity: "Warning" jp1_pc_eventid: "0401" jp1_pc_metricname: "probe_http_duration_seconds" annotations: jp1_pc_firing_description: “3日後の予測値がしきい値(100GB)を下回りました。" jp1_pc_resolved_description: “3日後の予測値がしきい値(100BG)を上回りました。"
-
オペレーターの対処
JP1/IM - Agentの外形監視機能(Blackbox exporter)で,Webシステムのディスク空き容量を監視し,予測値がしきい値を超えた場合,予兆検知のアラートによってJP1イベントが発行されます。オペレーターは,自動アクション経由のメール通知,または,ダッシュボード画面のアラート情報で,例えば次の図のような,3日後のディスク空き容量枯渇の予兆を検知した場合,システム管理者にエスカレーションします。
-
システム管理者の対処
-
システム管理者は,一時対処として,ディスク空き容量枯渇の予兆を検知したDBサーバのディスク容量を200GBに拡張します。
-
一時対処が完了したあと,次のようなパネルを持つダッシュボードを表示し,一時対処の有効性と今後の傾向を確認します。
-
パネルタイプ:トレンド
-
対象メトリック:発火している予兆検知アラートのメトリック
-
対象ノード:発火している予兆検知アラートのノード
-
近似直線の表示設定:表示
-
表示範囲:予兆検知のアラートで設定している参考範囲〜近似直線がしきい値に達する日時
例えば,パネルタイプ:トレンド,対象メトリック:ディスク空き容量,近似直線の表示設定:表示,表示範囲:1日前〜近似直線がしきい値に達する日時のパネルを表示した場合,一時対処が有効に働き,次の図のように,ディスク空き容量が増加していること,かつ,現在の傾向として,しきい値に達するまで1か月以上かかることが確認できたときは,根本原因の調査や本対策の検討に進みます。
-
-
その他の稼働情報の調査やアプリケーションのログを参照し,根本原因の調査や本対策の検討を行います。
(2) 予兆検知のアラート定義機能
予兆検知のアラート定義は,JP1/IM - Agentのアラート設定ファイル(jpc_alerting_rules.yml)で指定します。アラートの条件式に指定できるPromQL文の関数に,予測値を返すpredict_linear()を使用できます。
predict_linear()は,予測したいメトリックの複数時点のトレンドデータ(range vector)と予測時刻(n秒後)を指定すると,指定したメトリックの予測したい時間での性能値を返す関数です。ユーザーが,メトリック,参考期間,予測期間,しきい値を検討し,この関数をアラート定義に組み込むことで,予兆検知のアラートを定義できます。
predict_linear()を組み込んだアラート定義の例を,次に示します。
groups: - name: node_exporter rules: - alert: predict_disk_unused(Node exporter) expr: 100*1024*1024*1024 > predict_linear(node_filesystem_free_bytes[1d], 24*3600) (略) ・・・
上記の例は,1日分のディスク空き容量のトレンドデータから1日後のディスク空き容量の値を予測し,予測値が100GBを下回る場合に発火するアラート定義です。このアラートを実現するために,predict_linear()の第1引数に直近1日分のディスク空き容量のトレンドデータ,第2引数に1日分の秒数を指定し,predict_linear()の戻り値に対して,100GBより小さい場合という条件式を定義しています。
アラート設定ファイルの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager コマンド・定義ファイル・APIリファレンス」の「アラート設定ファイル(jpc_alerting_rules.yml)」(2. 定義ファイル)を参照してください。
predict_linear関数の詳細については,「2.7.4(7)(e) 使用できる関数」を参照してください。
(3) 近似直線の表示機能
近似直線の表示/非表示を設定する方法には,次の2つの方法があります。どちらの設定方法もサービスの再起動は不要です。
-
ダッシュボード定義での設定
統合オペレーション・ビューアーの[パネル追加]画面または[パネル編集]画面の,[表示オプション]の[近似直線]で,近似直線の表示/非表示を設定できます。設定した内容は,ダッシュボード定義として保存されます。[パネル追加]画面または[パネル]編集画面の初期表示は,非表示です。
詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 画面リファレンス」の「2.4.3 [パネル追加]画面」を参照してください。
-
パネル操作メニューでの設定
統合オペレーション・ビューアーの[ダッシュボード]タブおよびダッシュボード画面のパネルの操作メニューで,近似直線の表示/非表示を設定できます。設定した内容は,保存されません。初期表示は,ダッシュボード定義での設定に従います。
詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management 3 - Manager 画面リファレンス」の「2.4.1(1)(a) パネル操作」を参照してください。
近似直線の表示がONの場合,統合オペレーション・ビューアーのダッシュボード画面の[トレンド]パネルで,表示するグラフに対して,傾向を示す近似直線を表示できます。実測値(パネルの表示範囲のうち値が存在する範囲)を参考にして近似直線の式を独自に計算し,パネルの表示範囲全体に対して,近似直線を点線で表示します。
実測値(実線部分)の時系列データは,次に示す範囲でデータを取得します。
-
現在日時が終了日時以降の場合:開始日時〜終了日時
-
現在日時が開始日時よりあと,かつ,終了日時より前の場合:開始日時〜現在日時
-
現在日時が開始日時以前の場合:開始日時〜終了日時
なお,近似直線の情報はデータベースなどには格納されません。そのため,近似直線の情報を残したい場合は,画面のスクリーンショットを残すか,ダッシュボード表示データのCSV出力機能でCSVファイルをダウンロードして,保存してください。
また,近似直線の時系列データは,ダッシュボード画面の表示範囲の変更時や自動更新時など,[トレンド]パネルの表示がリフレッシュされるタイミングで再計算されます。ただし,凡例をクリックして表示/非表示を選択したときは再計算されません。
(a) パネルタイプ
近似直線を表示できるパネルは[トレンド]パネルだけです。
(b) 対象メトリック
[トレンド]パネルで表示できるメトリックであれば,JP1/IM - Agentで収集していないメトリック(未対処イベント件数など)に対しても近似直線を表示できます。
(c) y軸,y2軸
y軸,y2軸それぞれで,近似直線の表示/非表示を設定できます。
(d) 表示形式
次の表示形式で近似直線を表示できます。
-
折れ線グラフ(面グラフ,積み上げグラフを含む)
-
棒グラフ(積み上げグラフを含む)
また,積み上げグラフの場合,各インスタンスごとに近似直線を積み上げた値(自身より前のインスタンスの値と自身の値を合計した値)で表示します。
例えば,近似直線のインスタンス(線)が3つあり,ある時刻の時系列データの値がそれぞれインスタンス1:1.0,インスタンス2:2.0,インスタンス3:3.0の場合,ある時刻の点はそれぞれ1.0,3.0,6.0の位置にプロットされます。
(e) 凡例
凡例を表示する設定になっている場合,近似直線も凡例を表示します。凡例の表示名は,次の形式で表示されます。
-
棒グラフの積み上げグラフ以外のグラフの場合
近似直線 近似直線の参考元の凡例の表示名
(f) 複数インスタンス
時系列データに複数インスタンスが存在する場合は,各インスタンスそれぞれの近似直線を表示します。
(g) インスタンス一覧
時刻をクリックしたときに表示されるインスタンス一覧には,各近似直線の凡例,インスタンス名,値を表示します。インスタンス名は,次の形式で表示されます。
近似直線 近似直線の参考元のインスタンス名
(4) ダッシュボード表示データのCSV出力
(a) 概要
ダッシュボードで表示するパネルのデータを,CSV形式のファイルに変換してダウンロードする機能として,次の機能を提供しています。
-
パネルデータの個別ダウンロード機能
ユーザーが表示しているダッシュボードの1つのパネルのデータを,CSVファイルに変換してダウンロードする機能です。必要なダッシュボードのデータを選択して取得できます。
詳細については,「3.2.2(5) パネルデータの個別ダウンロード機能」を参照してください。
-
パネルデータの一括ダウンロード機能
ユーザーが表示しているダッシュボードの全パネルのデータを,パネルごとにCSVファイルに変換し,zipファイルにまとめてアーカイブしてダウンロードする機能です。多くのパネルが定義されている場合でも,1回の操作でデータを取得できます。
詳細については,「3.2.2(6) パネルデータの一括ダウンロード機能」を参照してください。
(b) 前提条件
ダッシュボード表示データのCSV出力機能を使用する場合,次に示す条件を満たすようにしてください。
-
ダッシュボードを表示するために,インテリジェント統合管理基盤サービスが起動している必要があります。
-
トレンドやアラート情報などのパネルで,JP1/IM - Agentが収集するデータを出力するためには,JP1/IM - Agent(バージョンに制限はありません)の機能によりデータが収集されている必要があります。
(c) 運用例
■ ダッシュボード表示データを分析に使用
JP1/IM - Agentが収集した性能値,または,JP1イベントの発生状況を表すトレンドデータをCSV出力し,JP1/IMでは扱っていないほかのデータ(コスト情報など)と組み合わせることで,相関関係などのデータの傾向分析に使用できます。
■ ダッシュボード表示データをレポートとして活用
JP1/IM - Agentで収集したメトリクスデータを,レポートとしてまとめやすいCSV形式で出力できます。
(5) パネルデータの個別ダウンロード機能
ユーザーが表示しているダッシュボードの1つのパネルのデータを,CSVファイルに変換してダウンロードできる機能です。パネルの操作メニューから「CSV出力」を選択すると,操作したパネルのデータをCSVファイルでダウンロードできます。なお,REST APIではこの機能を使用できません。
パネルタイプごとのCSVファイルへの出力項目を,次に示します。CSVファイルの形式については,「3.2.2(7) CSVファイルの形式」を参照してください
パネルタイプ |
CSVファイルへの出力項目 |
---|---|
トレンド |
ツリーSID,メトリック表示名,インスタンスの時系列データ 注 近似直線のデータは出力しません。 |
ランキング |
ツリーSID,メトリック表示名,インスタンスの順番,値 |
数値 |
ツリーSID,メトリック表示名,インスタンスの値,合計値,平均値 |
ゲージ |
ツリーSID,メトリック表示名,インスタンスの値,合計値,平均値 |
アラート情報 |
ツリーSID,重大度ごとのアラート数,アラート情報 |
ノード状態 |
ツリーSID,ノード状態 |
ノード状態マップ |
ツリーSID,各ノードの状態 注 背景画像や各ノードの位置を示すデータは出力しません。 |
テキスト |
ツリーSID,テキスト |
(6) パネルデータの一括ダウンロード機能
ユーザーが表示しているダッシュボードの全パネルのデータを,パネルごとにCSVファイルに変換し,zipファイルにまとめてアーカイブしてダウンロードできる機能です。ダッシュボードの操作メニューから「CSV出力」を選択すると,表示しているダッシュボードの全パネルのデータをアーカイブしたzipファイルをダウンロードできます。なお,REST APIではこの機能を使用できません。
パネルごとのCSVファイルへの出力項目は,パネルデータの個別ダウンロード機能と同様です。zipファイルの形式については,「3.2.2(8) zipファイルの形式」を参照してください。
(7) CSVファイルの形式
(a) ファイル名
パネルデータの個別ダウンロード機能でダウンロードする,CSVファイルのファイル名の形式を,次に示します。
ID_パネル番号_タイトル_パネル名_YYYYMMDDhhmmssSSS.csv
項目 |
説明 |
---|---|
ID |
システムによって自動採番されたダッシュボードのID |
パネル番号 |
パネルの順番を表す1から始まる番号 上部に配置されているパネルから順番に番号を付与します。 同じ高さの場合,左にあるパネルが先の番号となります。 |
タイトル |
ダッシュボードのタイトル 設定されていない場合は「default」となります。 |
パネル名 |
出力対象のパネルに設定されているパネル名 設定されていない場合は「default」となります。 |
YYYYMMDDhhmmssSSS |
現在時刻 クライアントのローカルタイムとなります。 |
- 重要
-
-
ファイル名に含まれる「\ / : * ? " < > |」の文字は,URLエンコードした文字に置き換えます。
-
「_YYYYMMDDhhmmssSSS.csv」よりも前の文字列が50文字を超えていた場合,50文字目までの文字列と「_YYYYMMDDhhmmssSSS.csv」を結合したファイル名となります。
-
(b) 出力形式
CSVファイルの出力形式を次に示します。各行は改行コード「LF」(0x0a)で区切られます。文字コードはUTF-8(BOM付き)です。コンマ区切りで出力する値は,すべて「"」(ダブルクォーテーション)で囲まれます。出力する値に「"」(ダブルクォーテーション)が含まれる場合,「""」にエスケープして出力します。
プロパティ ヘッダー データ
プロパティの出力形式は,すべてのパネルタイプで共通です。詳細については,「3.2.2(7)(c) プロパティ」を参照してください。
ヘッダーとデータの出力形式は,パネルタイプごとに異なります。詳細については,「3.2.2(7)(d) ヘッダーとデータ」のパネルタイプごとの説明を参照してください。
(c) プロパティ
プロパティの出力形式を,次に示します。すべてのパネルタイプで共通です。各行は改行コード「LF」(0x0a)で区切られます。
"ID","ID" "Title","タイトル" "Panel Number","パネル番号" "Panel Type","パネルタイプ" "Panel Title","パネル名" "Tree SID","ツリーSID" "Server Host","サーバホスト"
項目 |
説明 |
---|---|
ID |
システムによって自動採番されたダッシュボードのID |
タイトル |
ダッシュボードのタイトル 設定されていない場合は「default」となります。 |
パネル番号 |
パネルの順番を表す1から始まる番号 上部に配置されているパネルから順番に番号を付与します。 同じ高さの場合,左にあるパネルが先の番号となります。 |
パネルタイプ |
出力対象のパネルタイプの文字列
|
パネル名 |
出力対象のパネルに設定されているパネル名 設定されていない場合は「default」となります。 |
ツリーSID |
ダッシュボードの「ツリーのSID」に設定されている値 設定されていない場合は「default」となります。 |
サーバーホスト |
ユーザーが統合オペレーション・ビューアーを表示するときURLに指定したホスト名またはIPアドレス URLにホスト名を指定した場合はホスト名,IPアドレスを指定した場合はIPアドレスを出力します。 |
(d) ヘッダーとデータ
■ トレンドパネル
-
ヘッダー
パネルタイプ「トレンド」のヘッダーの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
出力するデータの行が1つもない場合,データを出力しません(ヘッダーには「Date and Time」だけを出力します)。
"Date and Time","y軸メトリック表示名(y軸インスタンス1の凡例)","y軸メトリック表示名(y軸インスタンス2の凡例)",…,"y2軸メトリック表示名(y2軸インスタンス1の凡例)","y2軸メトリック表示名(y2軸インスタンス2の凡例)",…
表3‒5 ヘッダーの出力項目(パネルタイプが「トレンド」の場合) 項目
説明
Date and Time
固定文字列
日時の列であることを表す「Date and Time」を固定で出力します。
y軸メトリック表示名※1
パネルに表示されているy軸の時系列データの,メトリック表示名
y軸インスタンスxの凡例※1
パネルに表示されているy軸の時系列データの,インスタンスxの凡例
パネルの設定で,凡例が非表示の場合でも,この項目は出力します。
y2軸メトリック表示名※2
パネルに表示されているy2軸の時系列データの,メトリック表示名
パネルにy2軸を指定していない場合,「,"y2軸メトリック表示名(y2軸インスタンスxの凡例)"」を出力しません。
y2軸インスタンスxの凡例※2
パネルに表示されているy2軸の時系列データの,インスタンスxの凡例
パネルの設定で,凡例が非表示の場合でも,この項目は出力します。
パネルにy2軸を指定していない場合,「,"y2軸メトリック表示名(y2軸インスタンスxの凡例)"」を出力しません。
- 注※1
-
y軸の時系列データに設定されているメトリック表示名とインスタンスの凡例をインスタンスの数だけ出力します。
- 注※2
-
y2軸が設定されている場合,y2軸の時系列データに設定されているメトリック表示名とインスタンスの凡例をインスタンスの数だけ出力します。
-
データ
パネルタイプ「トレンド」のデータの出力形式を次に示します。
1行で1つの時系列データを出力します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
時系列データの数だけ繰り返し出力します。
パネルで凡例を選択している場合は,パネル上でグラフが非表示の状態のときでも,出力対象となります。
"日時","y軸インスタンス1の性能値","y軸インスタンス2の性能値",…,"y2軸インスタンス1の性能値","y2軸インスタンス2の性能値",…
表3‒6 データの出力内容(パネルタイプが「トレンド」の場合) 項目
説明
日時
時系列データの日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss形式)
この日時と同じ行に出力される各性能値は,この日時の値であることを表します。
タイムゾーンはクライアントのローカルタイムとなります。
y軸インスタンスxの性能値※1※3
y軸の時系列データのインスタンスxの性能値
日時に対応する値がない場合は空文字となります。※3
y2軸インスタンスxの性能値※2※3
y2軸の時系列データのインスタンスxの性能値
日時に対応する値がない場合は空文字となります。※3
- 注※1
-
y軸の時系列データに設定されているメトリックの値をインスタンスの数だけ出力します。
- 注※2
-
y2軸が設定されている場合,y2軸の時系列データに設定されているメトリックの値をインスタンスの数だけ出力します。
- 注※3
-
y軸とy2軸の両方に性能値がない場合,その行のデータは出力しません(日時を含め,データが存在しない期間の行は出力しません)。
y軸とy2軸のどちらか一方で,日時に対応するインスタンスの性能値がない場合,出力される性能値は空文字となります(y2軸が有効で,y軸とy2軸のプロット数の設定が異なる場合,y軸とy2軸で日時が異なるため,どちらかの性能値は空文字となります)。
■ ランキングパネル
-
ヘッダー
パネルタイプ「ランキング」のヘッダーの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
出力するデータの行が1つもない場合,データを出力しません。
"Date and Time","Instance","メトリック表示名"
表3‒7 ヘッダーの出力項目(パネルタイプが「ランキング」の場合) 項目
説明
Date and Time
固定文字列
日時の列であることを表す「Date and Time」を固定で出力します。
Instance
固定文字列
インスタンスを特定する列であることを表す「Instance」を固定で出力します。
メトリック表示名
パネルに表示されているデータの,メトリック表示名
-
データ
パネルタイプ「ランキング」のデータの出力形式を次に示します。
1行で1インスタンスのデータを出力します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
出力する順番は,パネルの並び順で指定した順序と同じです。インスタンスの数だけ繰り返し出力します。
"日時","インスタンスxの凡例","インスタンスxの性能値",…
表3‒8 データの出力内容(パネルタイプが「ランキング」の場合) 項目
説明
日時
時系列データの日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss形式)
この日時と同じ行に出力される各性能値は,この日時の値であることを表します。
タイムゾーンはクライアントのローカルタイムとなります。
インスタンスxの凡例
パネルに表示されているランキングデータの,インスタンスxの凡例
インスタンスxの性能値
パネルに表示されているランキングデータの,インスタンスxの性能値
■ 数値パネル
-
ヘッダー
パネルタイプ「数値」のヘッダーの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
出力するデータの行が1つもない場合,データを出力しません。
"Date and Time","メトリック表示名(インスタンス1のインスタンス名)","メトリック表示名(インスタンス2のインスタンス名)",・・・,"メトリック表示名 合計値または平均値"
表3‒9 ヘッダーの出力項目(パネルタイプが「数値」の場合) 項目
説明
Date and Time
固定文字列
日時の列であることを表す「Date and Time」を固定で出力します。
メトリック表示名
パネルに表示されているデータの,メトリック表示名
インスタンスxのインスタンス名
インスタンスxのインスタンス名
2列目から「インスタンス数+1」列目までは"メトリック表示名(インスタンス名)",最終列は"メトリック表示名 合計値または平均値"を表示します。
合計値または平均値
■[表示オプション]の[表示値]で「合計値」を選択している場合
-
日本語環境のとき
合計値
-
英語環境のとき
Total value
■[表示オプション]の[表示値]で「平均値」を選択している場合
-
日本語環境のとき
平均値
-
英語環境のとき
Average value
-
-
データ
パネルタイプ「数値」のデータの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
"日時","インスタンス1の性能値","インスタンス2の性能値",・・・,"性能値の合計値または平均値"
表3‒10 データの出力内容(パネルタイプが「数値」の場合) 項目
説明
日時
時系列データの日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss形式)
この日時と同じ行に出力される各性能値は,この日時の値であることを表します。
タイムゾーンはクライアントのローカルタイムとなります。
インスタンスxの性能値
インスタンスxの性能値
対応する値がない場合は空文字となります。
性能値の合計値または平均値
各インスタンスの性能値(パネルに表示されている性能値)の合計値または平均値
■ ゲージパネル
-
ヘッダー
パネルタイプ「ランキング」と同じです。
-
データ
パネルタイプ「ランキング」と同じです。
■ アラート情報パネル
-
ヘッダー
パネルタイプ「アラート情報」のヘッダーの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
日本語環境の場合
"Date and Time","Node name","緊急/警戒/致命的","エラー","警告","通知/情報/デバッグ","その他"
日本語以外の環境の場合
"Date and Time","Node name","Emergency/Alert/Critical","Error","Warning","Notice/Information/Debug","Others"
表3‒11 ヘッダーの出力項目(パネルタイプが「アラート情報」の場合) 項目
説明
Date and Time
固定文字列
日時の列であることを表す「Date and Time」を固定で出力します。
Node name
固定文字列
ノード名であることを表す「Node name」を固定で出力します。
3列目
ドーナツチャートに赤で表示される文字列
-
日本語環境の場合
「緊急/警戒/致命的」の固定文字列を出力します。
-
日本語以外の環境の場合
「Emergency/Alert/Critical」の固定文字列を出力します。
4列目以降
ドーナツチャートに色別で表示される文字列
-
日本語環境の場合
重大度の高い順で,橙で表示される「エラー」,黄で表示される「警告」,緑で表示される「通知/情報/デバッグ」,灰で表示される「その他」の固定文字列を出力します。
-
日本語以外の環境の場合
重大度の高い順で,橙で表示される「Error」,黄で表示される「Warning」,緑で表示される「Notice/Information/Debug」,灰で表示される「Others」の固定文字列を出力します。
-
-
データ
パネルタイプ「アラート情報」のデータの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
"日時","ノード名","赤のアラート数","橙のアラート数","黄のアラート数","緑のアラート数","灰のアラート数"
表3‒12 データの出力内容(パネルタイプが「アラート情報」の場合) 項目
説明
日時
アラート情報を取得した日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss形式)
この日時と同じ行に出力されるアラートの数は,この日時の値であることを表します。
タイムゾーンはクライアントのローカルタイムとなります。
ノード名
指定されたIM管理ノードのノード名
赤のアラート数※
重大度が「緊急」,「警戒」,または「致命的」であるアラートの数
橙のアラート数※
重大度が「エラー」であるアラートの数
黄のアラート数※
重大度が「警告」であるアラートの数
緑のアラート数※
重大度が「通知」,「情報」,または「デバッグ」であるアラートの数
灰のアラート数※
重大度が上記以外であるアラートの数
- 注※
-
2列目以降は,ドーナツチャートで色ごとに分類しているアラートの数を,重大度の高い順に出力します。
その重大度のアラートが発生していない項目は,0を出力します。
■ ノード状態パネル
-
ヘッダー
パネルタイプ「ノード状態」のヘッダーの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
"Date and Time","Node name","Severity"
表3‒13 ヘッダーの出力項目(パネルタイプが「ノード状態」の場合) 項目
説明
Date and Time
固定文字列
日時の列であることを表す「Date and Time」を固定で出力します。
Node name
固定文字列
ノード名であることを表す「Node name」を固定で出力します。
Severity
固定文字列
重大度の列であることを表す「Severity」を固定で出力します。
-
データ
パネルタイプ「ノード状態」のデータの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
"日時","ノード名","重大度"
表3‒14 データの出力内容(パネルタイプが「ノード状態」の場合) 項目
説明
日時
アラート情報を取得した日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss形式)
この日時と同じ行に出力される重大度は,この日時の値であることを表します。
タイムゾーンはクライアントのローカルタイムとなります。
ノード名
指定されたIM管理ノードのノード名
重大度
IM管理ノードの状態
パネルの色に応じて,次に記載する文字列を出力します。
-
日本語環境の場合
赤色:緊急
橙色:エラー
黄色:警告
緑色:異常なし
-
日本語以外の環境の場合
赤色:Emergency
橙色:Error
黄色:Warning
緑色:Normal
-
■ ノード状態マップパネル
-
ヘッダー
パネルタイプ「ノード状態マップ」のヘッダーの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
"Date and Time","Node name","Severity"
表3‒15 ヘッダーの出力項目(パネルタイプが「ノード状態マップ」の場合) 項目
説明
Date and Time
固定文字列
日時の列であることを表す「Date and Time」を固定で出力します。
Node name
固定文字列
ノード名の列であることを表す「Node name」を固定で出力します。
Severity
固定文字列
重大度の列であることを表す「Severity」を固定で出力します。
-
データ
パネルタイプ「ノード状態マップ」のデータの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
ノード状態マップのノードの数だけ繰り返し出力します。
"日時","ノード名","重大度"
表3‒16 データの出力内容(パネルタイプが「ノード状態マップ」の場合) 項目
説明
日時
アラート情報を取得した日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss形式)
この日時と同じ行に出力される重大度は,この日時の値であることを表します。
タイムゾーンはクライアントのローカルタイムとなります。
ノード名
表示しているノード状態マップのノードのノード名
重大度
IM管理ノードの状態
パネルの色に応じて,次に記載する文字列を出力します。
-
日本語環境の場合
赤色:緊急
橙色:エラー
黄色:警告
緑色:異常なし
-
日本語以外の環境の場合
赤色:Emergency
橙色:Error
黄色:Warning
緑色:Normal
-
■ テキストパネル
-
ヘッダー
パネルタイプ「テキスト」のヘッダーの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
"Date and Time","Text"
表3‒17 ヘッダーの出力項目(パネルタイプが「テキスト」の場合) 項目
説明
Date and Time
固定文字列
日時の列であることを表す「Date and Time」を固定で出力します。
Text
固定文字列
テキストパネルのデータであることを表す「Text」を固定で出力します。
-
データ
パネルタイプ「テキスト」のデータの出力形式を次に示します。行末には改行コード「LF」(0x0a)が入ります。
"日時","テキストデータ"
表3‒18 データの出力内容(パネルタイプが「テキスト」の場合) 項目
説明
日時
テキストパネルのデータを取得した日時(YYYY/MM/DD hh:mm:ss形式)
タイムゾーンはクライアントのローカルタイムとなります。
テキストデータ
ユーザーが、テキストパネルに設定したテキスト形式のデータ
データに改行コードやマークダウンの設定が含まれる場合でも,そのまま出力します。
(e) 出力例
■ トレンドパネル
-
ファイル名
1_ダッシュボード1_1_CPU使用率と空きメモリ率.csv
-
出力内容
"ID","1" "Title","ダッシュボード1" "Panel Number","1" "Panel Type","トレンド" "Panel Title","CPU使用率と空きメモリ率" "Tree SID","_ROOT_AllSystems/_HOST_HOSTA/_CATEGORY_platform/_OBJECT_JP1PC-ALinux%20metric%20collector%28Node%20exporter%29" "Server Host","immHost" "Date and Time","CPU使用率 [%](hostA)","空きメモリ率 [%](hostA)" "2024/3/14 12:48:00","4.31342681937852","70.86472444540427" "2024/3/14 12:49:00","10.3163827614285","70.86472444540427" "2024/3/14 12:50:00","15.378526841972","58.7666666666670303" ・・・
■ ランキングパネル
-
ファイル名
1_ダッシュボード1_2_空きディスク領域.csv
-
出力内容
"ID","1" "Title","ダッシュボード1" "Panel Number","2" "Panel Type","ランキング" "Panel Title","空きディスク領域" "Tree SID","_ROOT_AllSystems/_HOST_HOSTA/_CATEGORY_platform/_OBJECT_JP1PC-ALinux%20metric%20collector%28Node%20exporter%29" "Server Host","immHost" "Date and Time","Instance","空きディスク領域 [ギガバイト]" "2024/3/14 12:48:46","hostA [device:/dev/mapper/hostA-home, fstype:xfs, mountpoint:/home]","52.8446666666670303" "2024/3/14 12:48:46","hostA [device:/dev/mapper/hostA-root, fstype:xfs, mountpoint:/]","42.626182674125" "2024/3/14 12:48:46","hostA [device:tmpfs, fstype:tmpfs, mountpoint:/run]","2.22497352142" "2024/3/14 12:48:46","hostA [device:/dev/sda2, fstype:xfs, mountpoint:/boot]","0.669956428" "2024/3/14 12:48:46","hostA [device:/dev/sda1, fstype:vfat, mountpoint:/boot/efi]","0.5838742697"
■ 数値パネル
-
ファイル名
1_ダッシュボード1_3_空きディスク領域.csv
-
出力内容
"ID","1" "Title","ダッシュボード1" "Panel Number","3" "Panel Type","数値" "Panel Title","空きディスク領域" "Tree SID","_ROOT_AllSystems/_HOST_HOSTA/_CATEGORY_platform/_OBJECT_JP1PC-ALinux%20metric%20collector%28Node%20exporter%29" "Server Host","immHost" "Date and Time","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:/dev/mapper/ol_hostA-home, fstype:xfs, mountpoint:/home])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:/dev/mapper/ol_hostA-root, fstype:xfs, mountpoint:/])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:/dev/sda1, fstype:vfat, mountpoint:/boot/efi])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:/dev/sda2, fstype:xfs, mountpoint:/boot])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:sunrpc, fstype:rpc_pipefs, mountpoint:/var/lib/nfs/rpc_pipefs])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:tmpfs, fstype:tmpfs, mountpoint:/run])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:tmpfs, fstype:tmpfs, mountpoint:/run/user/0])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:tmpfs, fstype:tmpfs, mountpoint:/run/user/42])","空きディスク領域 [ギガバイト] 合計値" "2024/3/14 12:48:46","52.84421157836914","44.68961715698242","0.5798759460449219","0.669281005859375","0","1.7548828125","0.3542938232421875","0.354278564453125","101.246440887451"
■ ゲージパネル
-
ファイル名
1_ダッシュボード1_4_.csv
-
出力内容
"ID","1" "Title","ダッシュボード1" "Panel Number","4" "Panel Type","ゲージ" "Panel Title","空きディスク領域" "Tree SID","_ROOT_AllSystems/_HOST_HOSTA/_CATEGORY_platform/_OBJECT_JP1PC-ALinux%20metric%20collector%28Node%20exporter%29" "Server Host","immHost" "Date and Time","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:/dev/mapper/ol_hostA-home, fstype:xfs, mountpoint:/home])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:/dev/mapper/ol_hostA-root, fstype:xfs, mountpoint:/])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:/dev/sda1, fstype:vfat, mountpoint:/boot/efi])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:/dev/sda2, fstype:xfs, mountpoint:/boot])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:sunrpc, fstype:rpc_pipefs, mountpoint:/var/lib/nfs/rpc_pipefs])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:tmpfs, fstype:tmpfs, mountpoint:/run])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:tmpfs, fstype:tmpfs, mountpoint:/run/user/0])","空きディスク領域 [ギガバイト](hostA [device:tmpfs, fstype:tmpfs, mountpoint:/run/user/42])","空きディスク領域 [ギガバイト] 合計値" "2024/3/14 12:48:46","52.84421157836914","44.68961715698242","0.5798759460449219","0.669281005859375","0","1.7548828125","0.3542938232421875","0.354278564453125","101.246440887451"
■ アラート情報パネル
-
ファイル名
1_ダッシュボード1_5_アラート発生状況.csv
-
出力内容
"ID","1" "Title","ダッシュボード1" "Panel Number","5" "Panel Type","アラート情報" "Panel Title,"アラート発生状況" "Tree SID","_ROOT_AllSystems/_HOST_HOSTA/_CATEGORY_platform/_OBJECT_JP1PC-ALinux%20metric%20collector%28Node%20exporter%29" "Server Host","immHost" "Date and Time","ノード名","緊急/警戒/致命的","エラー","警告","通知/情報/デバッグ","その他" "2024/3/14 12:48:46","hostA > Platform > Linux metric collector(Node exporter)","0","1","3","5","0"
■ ノード状態パネル
-
ファイル名
1_ダッシュボード1_6_ノードの状態.csv
-
出力内容
"ID","1" "Title","ダッシュボード1" "Panel Number","6" "Panel Type","ノード状態" "Panel Title","ノードの状態" "Tree SID","_ROOT_AllSystems/_HOST_HOSTA/_CATEGORY_platform/_OBJECT_JP1PC-ALinux%20metric%20collector%28Node%20exporter%29" "Server Host","immHost" "Date and Time","Node name","Severity" "2024/3/14 12:48:46","hostA > Platform > Linux metric collector(Node exporter)","エラー"
■ ノード状態マップパネル
-
ファイル名
1_ダッシュボード1_7_関連するノードの状態.csv
-
出力内容
"ID","1" "Title","ダッシュボード1" "Panel Number","7" "Panel Type","ノード状態マップ" "Panel Title","関連するノードの状態" "Tree SID","_ROOT_AllSystems/_HOST_HOSTA/_CATEGORY_platform/_OBJECT_JP1PC-ALinux%20metric%20collector%28Node%20exporter%29" "Server Host","immHost" "Date and Time","Node name","Severity" "2024/3/14 12:48:46","hostA > Platform > Linux metric collector(Node exporter)","緊急" "2024/3/14 12:48:46","hostA > Platform > processA","エラー" "2024/3/14 12:48:46","hostA > Platform > processB","警告"
■ テキストパネル
-
ファイル名
1_ダッシュボード1_8_メモ.csv
-
出力内容
"ID","1" "Title","ダッシュボード1" "Panel Number","8" "Panel Type","テキスト" "Panel Title","メモ" "Tree SID","_ROOT_AllSystems/_HOST_HOSTA/_CATEGORY_platform/_OBJECT_JP1PC-ALinux%20metric%20collector%28Node%20exporter%29" "Server Host","immHost" "Date and Time","Text" "2024/3/14 12:48:46","メモ:**実施済み**"
(8) zipファイルの形式
(a) ファイル名
パネルデータの一括ダウンロード機能でダウンロードする,zipファイルのファイル名の形式を,次に示します。
ID_タイトル_YYYYMMDDhhmmssSSS.zip
項目 |
説明 |
---|---|
ID |
システムによって自動採番されたダッシュボードのID |
タイトル |
ダッシュボードのタイトル 設定されていない場合は「default」となります。 |
YYYYMMDDhhmmssSSS |
現在時刻 クライアントのローカルタイムとなります。 |
- 重要
-
-
ファイル名に含まれる「¥ / : * ? " < > |」の文字は,URLエンコードした文字に置き換えます。
-
「_YYYYMMDDhhmmssSSS.csv」よりも前の文字列が50文字を超えていた場合,50文字目までの文字列と「_YYYYMMDDhhmmssSSS.csv」を結合したファイル名となります。
-
(b) 内容
ユーザーが表示しているダッシュボードの全パネルのデータを,パネルごとにCSVファイルに変換し,zipファイルにまとめてアーカイブします。ディレクトリは作成せず,CSVファイルだけをアーカイブします。
CSVファイルのファイル名および出力形式については,「3.2.2(7) CSVファイルの形式」に記載する内容と同じです。
また,各CSVファイルとzipファイルのファイル名に含まれる日時(YYYYMMDDhhmmssSSS)は,同じ値になります。