Hitachi

プリンタマネージャ 


1.2.5 拡張オプションとは

拡張オプションとは、プリンタマネージャの機能に、次に示す拡張機能を提供するオプション製品です。

これらの拡張機能は、モニタと同じプリンタサーバに拡張オプションを配置すると使用できます。

特定プリンタの監視および印刷管理

特定のプリンタを監視して、障害発生時にリカバリ印刷したり、印刷ジョブを操作したりできます。

特定プリンタの監視および印刷管理を次の図に示します。

図1‒13 特定プリンタの監視および印刷管理

[図データ]

この図は、拡張オプションを利用して、特定のプリンタであるプリンタBを印刷管理している例です。プリンタBのログは、ほかのプリンタと同様にモニタから出力されます。

監視サーバの複数のログインユーザによる利用

複数のログインユーザが、別のマシンから監視サーバのモニタクライアントおよびマネージャクライアントを同時に起動して利用できます。これによって、管理対象プリンタをクライアントマシンごとではなく、ログインユーザごとに振り分けることができます。

複数のログインユーザで利用する場合は、モニタの環境設定で次の設定が必要です。

監視サーバの複数のログインユーザによる利用を次の図に示します。

図1‒14 監視サーバの複数のログインユーザによる利用

[図データ]

この図は、プリンタサーバ上に監視サーバを配置し、クライアントマシンからリモートデスクトップ接続でログインして、複数のログインユーザがモニタクライアントまたはマネージャクライアントを利用している例です。この場合、プリンタサーバ上のモニタではモニタコンソールが利用できなくなるため、ユーザAがマネージャコンソールからすべてのプリンタを管理するように設定しています。プリンタサーバ上のモニタクライアントおよびマネージャクライアントは、クライアントマシンからリモートデスクトップ接続でログインしていないユーザであれば同時に起動できます(ただし、同一サーバ上のマネージャコンソールとマネージャクライアントは、別のユーザまたは別のセッションの場合にだけ起動できます)。

また、複数のログインユーザで利用する監視サーバは、プリンタサーバとは別のサーバマシンに配置することも、モニタ Clientおよびマネージャ Clientのクライアントマシンがあるシステムに追加で配置することもできます。ただし、マネージャ、および監視サーバ(モニタ Clientとマネージャ Client)へ同時に接続するユーザは、合計で8ユーザを目安に運用することをお勧めします。

重要
  • モニタクライアントおよびマネージャクライアントは、直接マシンにログインする方法、およびリモートデスクトップ接続による方法で起動できますが、ターミナルサービス接続による方法では起動できません。リモートデスクトップ接続で起動した場合、「切断」で終了するとセッションが残るため、サーバマシンでの大量のログ出力やアプリ起動による負荷、メモリの圧迫などによる障害発生が考えられます。このため、リモートデスクトップ接続で起動した場合は、「切断」ではなく「サインアウト」で終了してください。

  • モニタの環境設定の[クライアント設定]画面で複数のログインユーザで利用するための設定をすると、モニタコンソールは起動できません。モニタ Clientの環境設定でモニタの出力先プリンタをすべて管理する設定をしたモニタクライアントを用意し、常時リモートデスクトップ接続してすべてのプリンタを監視してください。

  • 拡張オプションをインストールしている場合でも、モニタの環境設定の[クライアント設定]画面で複数のログインユーザで利用するための設定をしていないとき、同一サーバマシン上にあるモニタクライアントおよびマネージャクライアントは起動できません。別のサーバマシン上にあるモニタクライアントおよびマネージャクライアントのログインユーザで起動してください。

  • モニタ Clientを配置したサーバマシンから接続を切断しても、モニタクライアントは起動したままプリンタの状態を監視します。このため、再ログイン時にプリンタの監視結果を確認できます。しかし、サーバマシンからサインアウトすると、モニタクライアントは停止してプリンタの状態を監視しません。このため、次回ログイン時にはモニタクライアントを再起動してください。

  • マネージャ Clientを配置したサーバマシンから接続を切断しても、マネージャクライアントは起動したままとなります。しかし、サーバマシンからサインアウトすると、マネージャクライアントは停止するため、次回ログイン時にはマネージャクライアントを再起動してください。

セパレータの印刷

プリンタマネージャでは、ページプリンタおよびシリアルプリンタで帳票と帳票の間に目印として差し込む用紙(セパレータ)を印刷できます。セパレータは、モニタの環境設定で出力先プリンタごとに設定でき、その設定は、出力先プリンタの複製時に複製されます。セパレータを設定できるプリンタの監視方式を次の表に示します。

表1‒1 セパレータを設定できるプリンタの監視方式

プリンタの種類

[監視方式]の設定値

[印刷データ形式]の設定値

[障害リカバリ制御]の設定値

ページプリンタ

  • ページプリンタ(モデル1)

  • ページプリンタ(モデル2)

  • ページプリンタ(モデル3)

  • 汎用形式で扱う

  • 汎用形式で扱う(EMF)

  • ジョブ単位で制御

  • 制御しない

シリアルプリンタ

インパクトプリンタ(拡張モデル1)

RAW形式で扱う(ESC/P)

ジョブ単位で制御

セパレータを使用すると、ジョブ名、印刷指示日時、出力先プリンタなどの印刷ジョブの情報を用紙に印刷し、その用紙を印刷ジョブ(帳票)の先頭または最後に挿入できます。これによって、複数の帳票を連続で印刷する際に、帳票ごとに印刷ジョブの情報を示す用紙で区切ることができます。ページプリンタの場合は給紙トレイに設定した色紙へセパレータを印刷でき、シリアルプリンタの場合は連続紙の途中に複数ページのセパレータを印刷できます。セパレータの印刷イメージを次の図に示します。

図1‒15 セパレータの印刷イメージ(ページプリンタの例)

[図データ]

この図では、出力先プリンタAに前置セパレータを設定し、出力先プリンタBに後置セパレータを設定しています。セパレータデータには、印刷データを出力する帳票のジョブ名や印刷指示日時、出力プリンタなどの情報を出力するように設定しています。複数の印刷ジョブ(帳票1と帳票2)の印刷要求があった場合、出力先プリンタAのときは、帳票1のセパレータデータ、帳票1の印刷データ、帳票2のセパレータデータ、帳票2の印刷データの順に印刷されます。出力先プリンタBのときは、帳票1の印刷データ、帳票1のセパレータデータ、帳票2の印刷データ、帳票2のセパレータデータの順に印刷されます。セパレータデータには、出力先プリンタAまたは出力先プリンタBで指定した内容に合わせて帳票の情報が印刷されます。

セパレータの印刷例を次の図に示します。この例では、ページプリンタで、ジョブ名、印刷指示日時、出力先プリンタなどの情報を給紙トレイに設定した色紙へ印刷しています。

図1‒16 セパレータの印刷例(ページプリンタの例)

[図データ]

また、セパレータの出力項目には、「<項目名称>:」の形式で見出しを付けることができます。見出し付きのセパレータの印刷例を次の図に示します。

図1‒17 見出し付きのセパレータの印刷例(ページプリンタの例)

[図データ]

セパレータの出力項目と出力内容を次の表に示します。

表1‒2 セパレータの出力項目と出力内容

出力項目

出力内容

ジョブID

  • マネージャ機能を使用する場合:マネージャサービスで採番する番号

  • マネージャ機能を使用しない場合:Windowsスプーラが割り当てるジョブID

管理番号

  • マネージャ機能を使用する場合:マネージャサービスで採番する番号

  • マネージャ機能を使用しない場合:-

ドキュメント名

ジョブに付けられたドキュメント名

受付プリンタ

印刷データを受け付けたプリンタ名

出力先プリンタ

印刷データを印刷する実プリンタ名

印刷データ形式

PDL種別

  • XPS形式の印刷データの場合:XPS

  • OXPS形式の印刷データの場合:OXPS

  • EMF形式の印刷データの場合:EMF

  • 上記以外の印刷データの場合:-

印刷受付日時

Windowsスプーラからモニタがジョブを取得した日時

印刷指示日時

  • マネージャ機能を使用する場合:印刷データを印刷指示した日時

  • マネージャ機能を使用しない場合:-

総ページ数

印刷データの総ページ数(解析時のページ数、またはWindowsスプールから取得したページ数のどちらかを出力)

ファイルサイズ

印刷データのファイルサイズ

用紙交換メッセージ

  • 「FNAM-」キーワードがドキュメント名に指定されている場合:<用紙交換メッセージ>

  • 「FNAM-」キーワードがドキュメント名に指定されていない場合:-

用紙サイズ

  • 用紙サイズが特定できる場合:解析時の用紙サイズ、またはWindowsスプールから取得した用紙サイズ

  • 用紙サイズが特定できない場合:-

印刷種別

印刷データタイプ(「通常印刷」を出力)

印刷開始ページ数

  • ページ数が特定できる場合:印刷を開始したページ数

  • ページ数が特定できない場合:-

印刷要求ページ数

  • ページ数が特定できる場合:解析時の印刷要求ページ数、またはWindowsスプールから取得したページ数

  • ページ数が特定できない場合:0

印刷部数

  • 部数が特定できる場合:解析時の部数、またはWindowsスプールから取得した部数

  • 部数が特定できない場合:1

コンピュータ名

モニタサービスが起動しているマシンのホスト名、またはIPアドレス

ユーザ名

モニタサービスが起動しているマシンのユーザ名

障害再印刷通知

シリアルプリンタで障害発生時に、[障害通知]画面で[セパレータも再印刷する]チェックボックスをチェックして再印刷した場合は、「障害発生後の再印刷」を出力する

分割ドキュメント名1〜分割ドキュメント名20

印刷ドキュメント名分割文字列

  • 印刷ドキュメント名に区切り文字(_)がある場合:

    分割ドキュメント名1〜分割ドキュメント名20に、印刷ドキュメント名を区切り文字(_)で区切ったときの前から1〜20番目の文字列を出力する。ただし、分割位置に文字列がないときは空文字を出力する(見出し付きの設定がある場合は見出し部分だけを出力する)

  • 印刷ドキュメント名に区切り文字(_)がない場合:

    分割ドキュメント名1に印刷ドキュメント名を出力する。分割ドキュメント名 2〜分割ドキュメント名 20には空文字を出力する(見出し付きの設定がある場合は見出し部分だけを出力する)

注※

見出し付きの設定を指定した場合は、「<項目名称>:」の<項目名称>に出力されます。

重要
  • 出力先プリンタでセパレータの挿入を設定していても、セパレータはテスト印刷されません。

    前置セパレータの場合にテスト印刷で開始ページに「1」を指定したときは、印刷データの1ページ目から印刷します。後置セパレータの場合にテスト印刷で終了ページに最終ページを指定したときは、印刷データの最終ページまで印刷したあと、セパレータは印刷されません。

  • 出力先プリンタでセパレータの挿入を設定していても、セパレータは印刷データとしてプレビュー表示できません。また、セパレータだけを印刷できません。

LPD受信サービスによる印刷データの受信

プリンタマネージャでは、クライアントマシンからプリンタサーバへ印刷ジョブを転送する機能(以降、印刷ジョブ転送機能といいます)を提供しています。印刷ジョブ転送機能を利用する場合は、クライアントマシンにリモートプリンタサービス、プリンタサーバにLPD受信サービスを設定します。リモートプリンタサービスでは、クライアントマシンからプリンタサーバへLPRプロトコルで印刷データを送信します。LPD受信サービスでは、印刷データをLPRプロトコルで受信して、モニタのWindowsプリンタへ出力します。印刷ジョブ転送機能の詳細については、「6.1 印刷ジョブ転送機能の概要」を参照してください。なお、Windowsプリンタの印刷データは、モニタサービスによって取り出され、プリンタへ出力されます。