1.1 プリンタマネージャとは
プリンタマネージャとは、Windows環境でプリンタ管理および印刷管理に関する機能を提供し、印刷環境を支援する次の製品の総称です。プリンタマネージャは、プリンタを監視して障害が発生した場合にリカバリ印刷したり、印刷ジョブを操作したりできます。また、クライアント環境でもサーバ環境と同様にプリンタを管理でき、障害が発生した場合にクライアントマシンからリカバリ印刷したり、印刷ジョブを操作したりできます。
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日立 プリンタステータスモニタ(以降、モニタといいます)
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日立 プリンタマネージャ(以降、マネージャといいます)
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日立 プリンタステータスモニタ Client(以降、モニタ Clientといいます)
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日立 プリンタマネージャ Client(以降、マネージャ Clientといいます)
また、プリンタマネージャで、特定のプリンタのプリンタ管理や印刷管理をする場合や、監視サーバ(サーバ環境に配置したモニタ Clientおよびマネージャ Client)を複数のログインユーザで利用する場合は、次のオプション製品が必要になります。
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日立 プリンタステータスモニタ 拡張オプション(以降、拡張オプションといいます)
プリンタマネージャを使用した印刷管理の概要
プリンタマネージャには、サーバ環境の製品と、クライアント環境の製品があります。それぞれの製品を使用した印刷管理の概要について説明します。
- サーバ環境での印刷管理の概要
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サーバ環境の製品には、モニタと、マネージャがあります。
モニタでは、モニタで監視するプリンタでの障害発生時に再印刷やテスト印刷などが利用できます。サーバ環境でモニタ使用時の印刷管理の概要を次の図に示します。
図1‒1 サーバ環境での印刷管理の概要(モニタ使用時) マネージャでは、モニタで監視するプリンタのうち、マネージャで管理するプリンタに対して、印刷ジョブの出力指示や出力プリンタの切り替えなどが利用できます。サーバ環境でマネージャ使用時の印刷管理の概要を次の図に示します。
図1‒2 サーバ環境での印刷管理の概要(マネージャ使用時) - クライアント環境での印刷管理の概要
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クライアント環境の製品には、モニタ Clientと、マネージャ Clientがあります。モニタ Clientおよびマネージャ Clientは、監視サーバとしてサーバ環境にも配置できます。
モニタ Clientでは、各ユーザで管理するプリンタに対して、障害発生時の再印刷やテスト印刷などが利用できます。各モニタクライアントでは、異なるログインユーザが起動した場合でも、ユーザ間で同じプリンタを監視することも、ユーザごとに異なるプリンタを監視することもできます。クライアント環境がモニタ Clientの場合の印刷管理の概要を次の図に示します。
図1‒3 クライアント環境での印刷管理の概要(モニタ Clientの場合) マネージャ Clientでは、各ユーザで管理するプリンタに対して、印刷ジョブの出力指示や出力プリンタの切り替えなどが利用できます。各マネージャクライアントでは、異なるログインユーザが起動した場合でも、ユーザ間で同じプリンタを管理することも、ユーザごとに異なるプリンタを管理することもできます。クライアント環境がマネージャ Clientの場合の印刷管理の概要を次の図に示します。
図1‒4 クライアント環境での印刷管理の概要(マネージャ Clientの場合)
プリンタマネージャの特長
プリンタマネージャの主な特長を次に示します。
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プリンタ障害発生時にリカバリ印刷できます
プリンタに障害が発生した場合、障害情報を画面で通知します。障害を回復したあと、通知された画面からテスト印刷や再印刷などのリカバリ印刷を操作できます。また、プリンタの自動再開に対応し、障害回復後に通知画面を操作することなく再印刷することもできます。
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印刷ジョブを操作できます
管理対象プリンタに対して印刷指示されたジョブを印刷範囲を指定して出力したり、ほかのプリンタへ出力したり、プレビュー表示したり、削除したりできます。また、プリンタに印刷後も印刷ジョブを保存して、再印刷することもできます。
さらに、印刷保留中、および印刷処理済みの印刷ジョブを、プリンタ単位のファイルに保管(バックアップ)できます。この保管した印刷ジョブは、画面に復元(リストア)できます。これによって、月末に一括印刷したい帳票をまとめておいたり、印刷が完了した帳票のうち特定の帳票だけをまとめて再印刷したりする運用ができます。
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ユーザに用紙交換やプリンタ障害を通知できます
あらかじめ設定された用紙交換メッセージを印刷直前に画面で通知できます。また、プリンタマネージャから印刷を開始したプリンタを監視して、障害が発生した場合は画面で通知します。
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プリンタごとの監視設定を最適な値で一括設定できます
モニタの環境設定で監視方式を選択するだけで、管理対象プリンタごとの次に示す情報に対して最適な値を一括設定できます。これによって、プリンタ追加時の環境設定に掛かる時間を短縮できます。
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プリンタ障害時のリカバリ方法
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プリンタへ送信するデータの数(多重度)
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プリンタ障害回復後の[障害通知]画面の扱い
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プリンタマネージャを使用したシステムの前提環境
プリンタマネージャを使用したシステムが動作するために必要な前提環境を次に示します。
- Windowsのサービス
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プロセス名
Windowsのサービス名
説明
spoolsv.exe
Print Spooler
モニタが動作するために前提となるWindowsのサービスです。
印刷ジョブの入力に使用します。