4.4.3 エージェントリストの作成

ここでは,エージェントリストの作成方法について説明します。エージェントリストの作成方法には,次の5種類があります。管理したいネットワークの規模や運用方法によって選択してください。

<この項の構成>
(1) [Remote Control]ウィンドウで接続中のエージェントを追加する
(2) [エージェントマネージャ]ウィンドウ上で作成する
(3) エージェントの構成情報を検索して読み込む
(4) hostsファイルからインポートして作成する
(5) バックアップファイルを利用して作成する

(1) [Remote Control]ウィンドウで接続中のエージェントを追加する

現在[Remote Control]ウィンドウで接続中のエージェントをエージェントリストに追加する方法を次に示します。

  1. [Remote Control]ウィンドウのメニューで[エージェント]-[接続リストを追加]を選択する(または[エージェント]ボタンから[接続リストを追加]を選択する)。
    [エージェントの追加]ダイアログボックスが表示されます。

    図4-40 [エージェントの追加]ダイアログボックス

    [図データ]

    「アドレス」には,接続中のエージェントのアドレスが表示されます。
  2. 「名前」にエージェントに付ける名前を指定する。
    「名前」は必ず指定してください。ここで指定した名称が,エージェントリストの「名前」欄に表示されます。
  3. エージェントに設定されている接続オプションを保存するかどうかを設定する。
    現在接続中のエージェントの接続オプションを保存する場合は,「接続オプションを保存する」チェックボックスをオンにしてください。デフォルトでは,オフになっています。エージェントへの接続オプションの設定については,「4.4.6 エージェントごとの接続オプションの設定」を参照してください。
  4. [OK]ボタンをクリックする。
    エージェントがエージェントリストの最後尾に追加されます。
    なお,追加したエージェントは,このままでは[Remote Control]ウィンドウのエージェントメニューには表示されません。エージェントメニューに表示させるには,[エージェントマネージャ]ウィンドウを起動して情報を保存してください。

(2) [エージェントマネージャ]ウィンドウ上で作成する

[エージェントマネージャ]ウィンドウを使用すると,フォルダを作成してエージェントをグルーピングできます。フォルダは階層化して作成できます。また,[Remote Control]ウィンドウでエージェントメニューを表示させたときに,エージェントの構成がより見やすくなるよう,区切り線を挿入できます。

エージェントリストにフォルダやエージェントを作成する方法,および区切り線を挿入する方法を次に示します。なお,作成される位置は,最初に選択した項目によって次のように異なります。

ルートまたはフォルダを選択して作成した場合
選択したルートまたはフォルダの下位階層の最後尾に作成されます。
エージェントまたは区切り線を選択して作成した場合
選択したエージェントまたは区切り線の次の位置(同じ階層)に作成されます。
(a) フォルダの作成

エージェントリストにフォルダを作成します。

  1. エージェントリスト上で,フォルダを作成する位置を選択する。
  2. メニューの[ファイル]-[新規作成]から[新しいフォルダ]を選択する。
    [フォルダの新規作成]ダイアログボックスが表示されます。

    図4-41 [フォルダの新規作成]ダイアログボックス

    [図データ]

  3. [全般]パネルで,フォルダの「名前」と「説明」を入力する。
    「名前」は必ず指定してください。「名前」も「説明」も,半角260文字まで設定できます。
    また,このとき[設定]パネルで,フォルダ下に追加するアイテムの属性をあらかじめ一括して設定できます。アイテムの属性は,フォルダ作成後にも変更できます。アイテムの属性設定については,「4.4.8(1)(b) [設定]パネル」を参照してください。
  4. [OK]ボタンをクリックする。
    フォルダがエージェントリストに作成されます。
(b) エージェントの作成

エージェントリストにエージェントを作成します。

  1. エージェントリスト上で,エージェントを作成する位置を選択する。
  2. メニューの[ファイル]-[新規作成]から[新しいエージェント]を選択する。
    [エージェントの新規作成]ダイアログボックスが表示されます。

    図4-42 [エージェントの新規作成]ダイアログボックス

    [図データ]

  3. [全般]パネルで,エージェントの「名前」,「アドレス」,および「説明」を入力する。
    「名前」および「アドレス」は必ず指定してください。「名前」と「説明」は,半角260文字まで設定できます。「アドレス」には,エージェントのIPアドレスまたはホスト名を設定します。
    また,このとき[設定]パネルで,エージェントの接続オプションをカスタマイズできます。接続オプションは,エージェントを作成したあとにも変更できます。接続オプションの詳細については,「4.4.6(1) 接続オプション」を参照してください。
  4. [OK]ボタンをクリックする。
    エージェントがエージェントリストに追加されます。
(c) 区切り線の作成

エージェントの構成を整理するための区切り線を挿入します。

  1. エージェントリスト上で,区切り線を挿入する位置を選択する。
  2. メニューの[ファイル]-[新規作成]から[新しい区切り線]を選択する。
    区切り線が挿入されます。

(3) エージェントの構成情報を検索して読み込む

[エージェントマネージャ]ウィンドウでは,ネットワーク上のエージェントマシンを検索し,接続可能なエージェントをエージェントリストに追加することができます。エージェントを検索してエージェントリスト上に追加する手順は,大きく次の3段階に分けられます。

  1. 検索したいアドレスの範囲を設定した[ネットワーク]アイコンを作成する。
  2. [ネットワーク]アイコンを使用してエージェントを検索する。
  3. 検索されたエージェントをエージェントリストに追加する。

上記1.~3.の各段階での操作の手順を次に示します。なお,検索範囲の指定方法や検索結果の確認方法,検索時の制限事項など,エージェント検索機能の詳細については,「付録C エージェント検索機能の利用方法」を参照してください。

(a) [ネットワーク]アイコンの作成

[ネットワーク]アイコンとは,エージェントを検索するときの検索範囲を設定したアイコンです。[ネットワーク]アイコン一つにつき,同一サブネット内に存在する任意の範囲のアドレスを指定できます。[ネットワーク]アイコンをエージェントリスト上に作成しておくことで,同じ範囲を繰り返し検索できます。また,[Remote Control]ウィンドウのエージェントメニューから[ネットワーク]を選択すると,[Remote Control]ウィンドウ上でもエージェントを検索できます。

[ネットワーク]アイコンの作成方法は,基本的にほかのアイコン(フォルダ,エージェント)と同じです。

  1. エージェントリスト上で,[ネットワーク]アイコンを作成する位置を選択する。
  2. メニューの[ファイル]-[新規作成]から[新しいネットワーク]を選択する。
    [ネットワークの新規作成]ダイアログボックスが表示されます。

    図4-43 [ネットワークの新規作成]ダイアログボックス

    [図データ]

  3. [全般]パネルで,「名前」,「アドレス」,および「説明」を記入する。
    「名前」および「アドレス」は必ず指定してください。「名前」と「説明」は,半角260文字まで設定できます。「アドレス」には,エージェントを検索するネットワークの範囲を指定します。検索範囲の指定方法については,「付録C.1 検索範囲の指定」を参照してください。
    また,このとき[設定]パネルで,エージェントの検索方法をカスタマイズできます。検索方法のカスタマイズについては,「付録C.3 検索方法のカスタマイズ」を参照してください。
  4. [OK]ボタンをクリックする。
    [ネットワーク]アイコンがエージェントリストに作成されます。
(b) エージェントの検索

[ネットワーク]アイコンをダブルクリックすると,[エージェントの検索]ダイアログボックスが表示され,「アドレス」で指定された範囲のマシンの検索が始まります。

図4-44 [エージェントの検索]ダイアログボックス

[図データ]

[詳細]ボタンをクリックすると,ダイアログボックスが拡張され,検索状況が表示されます。

図4-45 [エージェント]パネル

[図データ]

[エージェントの検索]ダイアログボックスの内容は,Remote Controlからエージェントを検索した場合とほぼ同様です。ただし,[エージェントマネージャ]ウィンドウから検索した場合は,「検索完了時にダイアログを閉じる」をオンにすることで,検索完了時に自動的にダイアログボックスを閉じることができます。

[エージェントマネージャ]ウィンドウには,[エージェントの検索]ダイアログボックスの[エージェント]パネルに表示されているエージェントだけが追加できます。このため,検索が完了したあと,ダイアログボックスを閉じる前に,[エージェント]パネルの表示内容を調整してください。

例えば,リモートコントロールエージェントが動作しているかどうかに関係なく,ネットワーク上の全マシンの構成をエージェントマネージャ上で管理したい場合は,「接続待ち」から「無応答」まですべての項目をチェックする必要があります。逆に,現時点で接続可能なマシンだけをエージェントリストに追加したい場合は,「接続待ち」だけをチェックします。エージェントの状態の詳細については,「付録C.2 検索されたエージェントの状態」を参照してください。

(c) 検索結果のエージェントリストへの追加

検索が完了したあと[エージェントの検索]ダイアログボックスを閉じると,[エージェントの検索]ダイアログボックスの[エージェント]パネルに表示されていたエージェントが,[ネットワーク]アイコンの下位に[検索エージェント]アイコンとして追加されます。検索途中で[閉じる]ボタンをクリックしても,それまでに検出されたエージェントが追加されます。

図4-46 [エージェントマネージャ]ウィンドウ

[図データ]

[検索エージェント]アイコンは,検索結果が一時的に表示されたもので,このままでは情報として保存されません([エージェントマネージャ]ウィンドウを閉じると削除されます)。検索されたエージェントの情報を保存したい場合は,ドラッグ&ドロップで[検索エージェント]アイコンを別のフォルダへ移動させる必要があります。フォルダ下に移動されることで,エージェントリスト上の1アイテムとして保存できるようになります。また,通常のエージェントとして扱えるようになり,名前や説明を変更できます。

(4) hostsファイルからインポートして作成する

hostsファイルを使用すると,hostsファイルに定義されているすべてのエージェントを一度にエージェントリストに追加できます。hostsファイルからのインポートの手順を次に示します。

  1. エージェントリスト上で,エージェントを追加する(hostsファイルの情報を読み込む)位置を選択する。
    追加される位置は,選択した項目によって次のように異なります。
    ルートまたはフォルダを選択して作成した場合
    選択したルートまたはフォルダの下位階層の最後尾に追加されます。
    エージェントまたは区切り線を選択して作成した場合
    選択したエージェントまたは区切り線の次の位置(同じ階層)に追加されます。
  2. メニューの[ファイル]-[インポート]から[hostsファイルからのインポート]を選択する。
    [ファイルを開く]ダイアログボックスが表示されます。
  3. hostsファイルを選択して,[開く]ボタンをクリックする。
    hostsファイルに定義されているすべてのエージェントが,エージェントリストに追加されます。hostsファイルの内容は,次の規則に従って処理されます。
    • 先頭および後方のスペースおよびタブは無視する。
    • 1文字目が「#」の場合,コメントとして無視する。
    • 最初のスペースまたはタブから次のスペースまたはタブまでを名前とする。
    • エイリアス名は無視する。
    • IPアドレスおよびホスト名が設定されている行に「#」がある場合,それ以降の文字列をエージェントの説明とする。

(5) バックアップファイルを利用して作成する

ユーザ任意の名称で,バックアップファイルとして別に保存しておくこともできます。

エージェントリストの情報を別名で保存する方法,およびファイルを読み込んでエージェントリストを回復する方法を次に示します。

(a) ファイルへの保存

エージェントリストをファイルに保存するには,メニューで[ファイル]-[名前を付けて保存]を選択し,名前を付けて保存してください。

(b) ファイルからのインポート

バックアップファイルからエージェントリストを回復する手順を次に示します。

  1. エージェントリスト上で,ファイルの情報を読み込む位置を選択する。
    エージェントリストの情報が追加される位置は,選択した項目によって次のように異なります。
    ルートまたはフォルダを選択して作成した場合
    選択したルートまたはフォルダの下位階層の最後尾に読み込まれます。
    エージェントまたは区切り線を選択して作成した場合
    選択したエージェントまたは区切り線の次の位置(同じ階層)に読み込まれます。
  2. メニューの[ファイル]-[インポート]から[管理ファイルからのインポート]を選択する。
    [ファイルを開く]ダイアログボックスが表示されます。
  3. バックアップファイルを選択し,[開く]ボタンをクリックする。
    指定した位置に,回復したエージェントリストの情報が追加されます。