6.3.1 チャットの開始

チャットの開始には,次の二つの契機があります。

ここでは,チャットの開始方法を説明します。

<この項の構成>
(1) チャットサーバへの接続
(2) チャットサーバの起動
(3) コマンドを使ったチャットの開始

(1) チャットサーバへの接続

[チャット]ウィンドウは,一つのチャットサーバだけでなく,複数のチャットサーバと接続できます。ただし,チャットサーバが起動している場合は,ほかのチャットサーバに接続できません。チャットサーバが停止している状態で,ほかのチャットサーバに接続してください。

チャットサーバへ接続する方法を次に示します。

  1. コントローラまたはエージェントから[チャット]ウィンドウを起動する。
    起動方法については,「6.1.3 [チャット]ウィンドウの起動と終了」を参照してください。このとき,コントローラの[Remote Control]ウィンドウから起動したときと,各プログラムフォルダから起動したときとでは,動作が異なる場合があります。
    [Remote Control]ウィンドウから起動した場合
    チャットサーバが起動しているエージェントと接続中の場合は,自動的にそのエージェントのチャットサーバに接続します。
    エージェントと未接続の場合,または接続中でもチャットサーバが起動していない場合は,[チャット]ウィンドウが起動されるだけですので,2.の操作でチャットサーバと接続してください。
    プログラムフォルダから起動した場合
    チャットサーバとは接続されていませんので,2.の操作でチャットサーバと接続してください。
  2. [チャット]ウィンドウのメニューで[ファイル]-[接続]を選択する。
    チャットサーバを指定する[接続先の指定]ダイアログボックスが表示されます。

    図6-11 [接続先の指定]ダイアログボックス

    [図データ]

    アドレス
    接続するチャットサーバのアドレスを,IPアドレスまたはホスト名で入力します。アドレスにはスペースは使用できません。入力したアドレスは,256個まで履歴管理されます。このため,2回目以降の接続は,プルダウン形式の一覧から選択することもできます。
  3. 接続するチャットサーバのアドレスを指定し,[OK]ボタンをクリックする。
    指定したチャットサーバと接続し,チャットビューに接続したことを知らせるメッセージが表示されます。これで,チャットが開始できます。
    すでに接続しているアドレス,またはスペースを含むアドレスを指定するとエラーとなりますので,再度接続先を指定してください。また,接続先にパスワードが設定されている場合は,[パスワードの入力]ダイアログボックスが表示されます。

    図6-12 [パスワードの入力]ダイアログボックス

    [図データ]

  4. パスワードを指定し,[OK]ボタンをクリックする。
    正しいパスワードが入力されていると,チャットサーバに接続されます。誤ったパスワードを入力した場合はエラーとなりますので,パスワードを再入力してください。ただし,パスワードを入力できるのは3回までです。3回連続してパスワードを間違えた場合は切断されますので,[チャット]ウィンドウから再度接続操作を実行してください。

(2) チャットサーバの起動

チャットサーバを起動すると,[チャット]ウィンドウがチャットサーバとして動作します。チャットサーバの起動中は,タスクバーに[チャットサーバ]アイコンが表示されています。なお,[チャット]ウィンドウでメッセージを送受信する操作は,クライアントとして動作していた時と同様です。

チャットサーバを起動するには,自動起動する方法と手動起動させる方法の二つがあります。例えば,ヘルプデスクでチャットを利用する場合は自動起動にしておくなど,利用形態によって適切な方法を選択してください。

(a) 自動起動

チャットサーバの自動起動を設定することで,PCにチャットサーバを常駐させることができます。コントローラの場合は,チャットサーバをスタートアップに登録します。エージェントの場合は,エージェントの起動時に自動起動させるか,またはスタートアップに登録します。

スタートアップへ登録する場合
スタートアップへの登録方法を次に示します。
  1. コントローラまたはエージェントで[チャット]ウィンドウを起動する。
  2. メニューの[設定]-[チャットサーバ]から,[スタートアップに登録]を選択する。
    ユーザの[スタートアップ]グループに,[リモートコントロール チャットサーバ]ショートカットが作成されます。次回のログオン時から,自動的にチャットサーバが起動されます。
エージェント起動時に自動起動させる場合
エージェント起動時にチャットサーバを自動的に起動させるには,セットアップ時または[プロパティ]ダイアログボックスで設定します。[チャット]パネルで,「エージェント起動時にサーバを起動する」チェックボックスをオンにしてください。設定の詳細については,「3.4.7 チャットサーバの設定」を参照してください。
(b) 手動起動

チャットサーバを手動で起動する方法を次に示します。

  1. [チャット]ウィンドウを起動する。
  2. メニューの[設定]-[チャットサーバ]から,[チャットサーバを起動]を選択する。
    チャットサーバが起動し,タスクバーに[チャットサーバ]アイコンが表示されます。

チャットサーバを最小化した時,タスクバーに表示させないようにすることができます。タスクバーに表示させないようにしても[チャットサーバ]アイコンは表示されていますので,[チャットサーバ]アイコンをダブルクリックすることで再表示できます。また,ほかの[チャット]ウィンドウから接続されると,自動的にチャットサーバがポップアップ表示されます。

チャットサーバを最小化した時,タスクバーに表示させないようにする操作を次に示します。

  1. [チャット]ウィンドウの[ツール]メニューから[チャットサーバ]-[最小化時に隠す]を選択する。
(c) エージェントで自動起動した[チャット]ウィンドウの機能

エージェントで自動起動したチャットサーバは,手動起動したチャットサーバと次の点で機能が異なります。

(3) コマンドを使ったチャットの開始

コマンドでチャットを開始する方法を次に示します。

形式

dmrcchat.exe [/nick:ニックネーム]
            [/client | /server]
            [/port:ポート番号]
            [/connect:接続先アドレス]

パラメタ
/nick:ニックネーム
ニックネームを指定します。指定を省略した場合は,設定済みのニックネームが仮定されます。ニックネームを一度も設定していない場合は,現在のログオン名が仮定されます。
このパラメタは,/clientが指定されている場合に有効となります。
/client | /server
チャット利用時にサーバとして動作するのか,クライアントとして動作するのかを指定します。指定が省略された場合は,/clientが仮定されます。
  • /client
    [チャット]ウィンドウを起動します。
  • /server
    チャットサーバを起動します。
/port:ポート番号
ポート番号を指定します。指定を省略した場合は,設定済みのポート番号が仮定されます。一度もポート番号を指定していない場合は,デフォルト値30005が仮定されます。
/connect:接続先アドレス
接続先アドレスを指定します。指定を省略した場合は,接続しません。[チャット]ウィンドウまたはチャットサーバを起動するだけとなります。
指定例
[チャット]ウィンドウを起動し,ニックネーム「Guest」でチャットサーバ「172.17.11.192」にポート番号「30005」で接続する場合

dmrcchat.exe /client /nick:Guest /connect:172.17.11.192 /port:30005