付録L.2 ファイルアクセスのログ

[ファイル転送]ウィンドウでのファイルアクセスのログの出力形式と出力情報について説明します。

ファイルのコピー,削除,フォルダの作成など,操作の履歴をログファイルで確認できます。ログは,コントローラの場合はRcHstCFT.log,エージェントの場合はRcHstSFT.logに出力されます。

ログ出力の可否やどのような操作をログ出力するかは,コントローラでは[ファイル転送]ウィンドウの[オプション]メニューの[ログ情報]パネルで,エージェントではリモートコントロールエージェントのセットアップで設定できます。コントローラでの設定については,「4.3.9(4) [ログ情報]パネル」を参照してください。また,エージェントでの設定については,「3.4.6 ファイル転送の設定」を参照してください。コントローラおよびエージェント共に,デフォルトではログ出力しません。

<この項の構成>
(1) ログの出力ディレクトリ
(2) ログの出力形式
(3) ログ出力情報
(4) ファイルアクセスのログの出力例

(1) ログの出力ディレクトリ

ファイルアクセスのログ情報の出力先は次のとおりです。

なお,コントローラにはエージェントのログ情報も出力されます。

Windows 8,Windows Server 2012,Windows 7,Windows Server 2008,およびWindows Vistaの場合
コントローラ

%SYSTEMDRIVE%¥ProgramData¥hitachi¥jp1rcmgr¥log¥RcHstCFT.log

エージェント

%SYSTEMDRIVE%¥ProgramData¥hitachi¥jp1rcagt¥log¥RcHstSFT.log

Windows Server 2003,Windows XP,およびWindows 2000の場合
コントローラ

%SYSTEMDRIVE%:¥Documents and Settings¥All Users¥Application Data¥hitachi¥jp1rcmgr¥log¥RcHstCFT.log

エージェント

%SYSTEMDRIVE%:¥Documents and Settings¥All Users¥Application Data¥hitachi¥jp1rcagt¥log¥RcHstSFT.log

Windows NT 4.0,Windows Me,およびWindows 98の場合
コントローラ
¥リモートコントロールマネージャのインストール先ディレクトリ¥log¥RcHstCFT.log
デフォルトのディレクトリにインストールした場合は,次のファイルに出力されます。

C:¥Program Files¥hitachi¥jp1rcmgr¥log¥RcHstCFT.log

エージェント
¥リモートコントロールエージェントのインストール先ディレクトリ¥log¥RcHstSFT.log
デフォルトのディレクトリにインストールした場合は,次のファイルに出力されます。

C:¥Program Files¥Hitachi¥jp1rcagt¥log¥RcHstSFT.log

注※ Application Dataディレクトリはデフォルトの状態では表示されません。表示するには,次に示す手順で表示の設定を変更してください。

  1. [マイコンピュータ]アイコンをダブルクリックする。
  2. [ツール]メニューから[フォルダ オプション]を選択する。
  3. [表示]タブで,[詳細設定]の「すべてのファイルとフォルダを表示する」を選択する。
  4. [OK]ボタンをクリックする。

この設定は,Windowsのエクスプローラや[コントロールパネル]の[フォルダオプション]からも同様に変更できます。

また,ログは世代管理できます。世代数のデフォルトは0ですが,1以上を設定した場合はファイル名(RcHCFTまたはRcHSFT)の後ろに世代番号が追加されます。

(例)
1の場合:RcHCFT01.log
20の場合:RcHCFT20.log

設定した出力行数を超えると,新しいログファイルxxxxxx01.logが作成され,古いログファイルはxxxxxx02.logに名称変更されます(xxxxxxはRcHCFTまたはRcHSFT)。以後,新しいログファイルが作成されるたびに,古いログファイルのファイル名末尾の世代番号が1ずつ増えます。設定した世代数を超えると,最も古いログファイルが削除されます。

(2) ログの出力形式

ファイルアクセスのログの出力形式を,出力例を使って説明します。

図L-2 ファイルアクセスのログの出力形式

[図データ]

(a) カウンタ部

ログの出力済みの行番号を表しています。1~10カラム目にカウンタ部のヘッダが,12~15カラム目にログの最終出力番号が設定されます。例えば,「DATA COUNT 0006」では,「DATA COUNT」がヘッダ,「0006」がログの最終出力行番号を表しています。

(b) ログ情報部

2行目以降がログ情報部です。ログ情報部は,CSV形式で出力され,ログの行番号,ログ出力日時,操作やオブジェクト名などを含む14項目で構成されています。形式を次に示します。

出力形式
[図データ]
0001
行番号を0001~9999の値で示します。
YYYY/MM/DD hh:mm:ss:nnn
操作した,または操作された日時です。
YYYY/MM/DDは日付を,hh:mm:ss:nnnは時刻を表します。nnnはミリ秒を示します。
操作
操作の種類です。表示される項目については,表L-3を参照してください。
オブジェクト種別
操作した,または操作されたオブジェクトの種別です。
  • D:フォルダを表します。
  • F:ファイルを表します。
  • Unknown:オブジェクト種別が認識できないことを表します。
オブジェクト名
操作した,または操作されたオブジェクト名です。
要求元の情報
オブジェクトを操作した側の情報です。項番6~9に該当します。
  • IPアドレス(またはホスト名※1
  • 対象フォルダ
  • 属性
  • ユーザ名※2
受付先の情報
オブジェクトを操作された側の情報です。項番10~13に該当します。
  • IPアドレス(またはホスト名※1
  • 対象フォルダ
  • 属性
  • ユーザ名※2
詳細
接続時は,リモートコントロールの認証ユーザが出力されます。アクセス中にエラーが発生した場合は,システムエラーコードが出力されます。
注※1
コントローラがエージェントのホスト名を指定して接続した場合,名前解決に失敗したときはホスト名が出力されます。
注※2
コントローラおよびエージェントが両方とも08-00以降の場合だけ,情報が出力されます。

(3) ログ出力情報

ログ情報部の「操作」に表示される項目ごとに,対応するログの種類をアルファベット順に次の表に示します。

表L-3 「操作」に表示される項目に対応するログの種類

項目ログの種類意味
attributes changed属性の変更ファイルまたはフォルダの属性の変更が完了した。
attributes changing属性の変更ファイルまたはフォルダの属性の変更を開始した。
canceled
  • ファイルの転送
  • ファイルの削除
  • フォルダの作成
  • 名前の変更
  • 属性の変更
操作を中止した。
connected接続/切断接続した。
copiedファイルの転送ファイルまたはフォルダのコピーが完了した。
copyingファイルの転送ファイルまたはフォルダのコピーを開始した。
createdフォルダの作成フォルダの作成が完了した。
creatingフォルダの作成フォルダの作成を開始した。
deletedファイルの削除ファイルまたはフォルダの削除が完了した。
deletingファイルの削除ファイルまたはフォルダの削除を開始した。
disconnected接続/切断切断した。
error
  • ファイルの転送
  • ファイルの削除
  • フォルダの作成
  • 名前の変更
  • 属性の変更
エラーが発生した。
movedファイル転送ファイルまたはフォルダの移動が完了した。
movingファイル転送ファイルまたはフォルダの移動を開始した。
renamed名前の変更ファイル名またはフォルダ名の変更が完了した。
renaming名前の変更ファイル名またはフォルダ名の変更を開始した。
warning
  • ファイルの転送
  • ファイルの削除
警告が発生したことを示す。

注※ 「canceled」「error」「warning」に対応する操作は,これらの直前に出力されたログの種類となります。


各ログで表示される内容の詳細については,(a)~(f)の説明を参照してください。なお,行番号と日付は省略しています。

(a) 「接続/切断」のログ
操作
出力される項目を次に示します。
項目意味
connected受付先(要求元)と接続した
disconnected受付先(要求元)と切断した
オブジェクト種別
情報は出力されません。
オブジェクト名
情報は出力されません。
要求元の情報
ホスト名
接続または切断を要求した側のIPアドレス(またはホスト名)です。
対象フォルダ
情報は出力されません。
属性
情報は出力されません。
ユーザ名
接続を要求した側のデスクトップログオンユーザ名です。切断時は,情報は出力されません。
受付先の情報
ホスト名
接続または切断を受け付けた側のIPアドレス(またはホスト名)です。
対象フォルダ
情報は出力されません。
属性
情報は出力されません。
ユーザ名
接続を受け付けた側のデスクトップログオンユーザ名です。切断時は,情報は出力されません。
詳細
ユーザ認証機能を使用して接続した場合,ユーザ名が出力されます。
(b) 「ファイルの転送」のログ
操作
出力される項目を次に示します。
項目意味
copying一つのオブジェクトの転送(コピー)を開始した。
moving一つのオブジェクトの転送(移動)を開始した。
copied一つのオブジェクトの転送(コピー)が完了した。
moved一つのオブジェクトの転送(移動)が完了した。
error一つのオブジェクトの転送中にエラーが発生した。
canceled一つのオブジェクトの転送を中止した。
warning一つのオブジェクトの転送中に,転送先で同じオブジェクトが存在した(オブジェクトの上書きを確認した)。
オブジェクト種別
フォルダまたはファイルの種別です。
オブジェクト名
転送するオブジェクト名です。
要求元の情報
ホスト名
転送を要求した側(送信元)のIPアドレス(またはホスト名)です。
対象フォルダ
転送を要求した側(送信元)のパス(「オブジェクト名」の上位パス)です。
属性
情報は出力されません。
ユーザ名
転送を要求した側(送信元)のデスクトップログオンユーザ名です。
受付先の情報
ホスト名
転送を受け付けた側(受信先)のIPアドレスまたはホスト名です。コントローラでローカルに操作した場合は,要求元の情報と同じIPアドレスまたはホスト名になります。
対象フォルダ
転送を受け付けた側(受信先)のパス(「オブジェクト名」の上位パス)です。
属性
情報は出力されません。
ユーザ名
転送を受け付けた側(受信先)のデスクトップログオンユーザ名です。コントローラでローカルに操作した場合は,要求元の情報と同じユーザ名になります。
詳細
「操作」に出力された項目が「error」のときは,システムエラーコードが出力されます。「warning」のときは,「80」(ファイルが存在する)が出力されます。「error」と「warning」以外では,情報は出力されません。

なお,[ファイル転送状況]ダイアログボックスに「準備中」と表示されているときにエラーが発生すると,エラーメッセージが表示されます。ただし,ログにエラーは出力されません。また,ファイル転送時に該当するファイルが存在しない場合もエラーは出力されません。

(c) 「ファイルの削除」のログ
操作
出力される項目を次に示します。
項目意味
deleting一つのオブジェクトの削除を開始した。
deleted一つのオブジェクトの削除が完了した。
error一つのオブジェクトを削除中にエラーが発生した。
canceled一つのオブジェクトの削除を中止した。
warning一つのオブジェクトを削除中に,読み取り専用のファイルが存在した。
オブジェクト種別
フォルダまたはファイルの種別です。
オブジェクト名
削除するオブジェクト名です。
要求元の情報
ホスト名
削除を要求した側のIPアドレス(またはホスト名)です。
対象フォルダ
情報は出力されません。
属性
情報は出力されません。
ユーザ名
削除を要求した側のデスクトップログオンユーザ名です。
受付先の情報
ホスト名
削除を受け付けた側のIPアドレスまたはホスト名です。コントローラでローカルに操作した場合は,要求元の情報と同じIPアドレスまたはホスト名になります。
対象フォルダ
削除元のパス(「オブジェクト名」の上位パス)です。
属性
情報は出力されません。
ユーザ名
削除を受け付けた側のデスクトップログオンユーザ名です。コントローラでローカルに操作した場合は,要求元の情報と同じユーザ名になります。
詳細
「操作」に出力された項目が「error」のときはシステムエラーコードが出力されます。「warning」のときは,「read only」(読み取り専用のファイルが存在する)が出力されます。「error」と「warning」以外では,情報は出力されません。

なお,[ファイル削除状況]ダイアログボックスに「準備中」と表示されているときにエラーが発生すると,エラーメッセージが表示されますが,ログにエラーは出力されません。また,ファイル削除時に該当するファイルが存在しない場合もエラーは出力されません。

(d) 「フォルダ作成」のログ
操作
出力される項目を次に示します。
項目意味
creatingフォルダの作成を開始した。
createdフォルダの作成が完了した。
errorフォルダの作成中にエラーが発生した。
canceledフォルダの作成を中止した。
オブジェクト種別
「D」(フォルダ)が出力されます。
オブジェクト名
作成するフォルダ名です。
要求元の情報
ホスト名
フォルダの作成を要求した側のIPアドレス(またはホスト名)です。
対象フォルダ
情報は出力されません。
属性
情報は出力されません。
ユーザ名
フォルダの作成を要求した側のデスクトップログオンユーザ名です。
受付先の情報
ホスト名
フォルダの作成を受け付けた側のIPアドレスまたはホスト名です。コントローラでローカルに操作した場合は,要求元の情報と同じIPアドレスまたはホスト名になります。
対象フォルダ
フォルダ作成元のパス(「オブジェクト名」の上位パス)です。
属性
情報は出力されません。
ユーザ名
フォルダの作成を受け付けた側のデスクトップログオンユーザ名です。コントローラでローカルに操作した場合は,要求元の情報と同じユーザ名になります。
詳細
「操作」に出力された項目が「error」のときは,システムエラーコードが出力されます。「error」以外では,情報は出力されません。
(e) 「名前の変更」のログ
操作
出力される項目を次に示します。
項目意味
renaming名前の変更を開始した。
renamed名前の変更が完了した。
error名前の変更中にエラーが発生した。
canceled名前の変更を中止した。
オブジェクト種別
フォルダまたはファイルの種別です。
オブジェクト名
名前を変更するオブジェクト名です。
要求元の情報
ホスト名
名前の変更を要求した側のIPアドレス(またはホスト名)です。
対象フォルダ
名前を変更したあとのパスです。
属性
情報は出力されません。
ユーザ名
名前の変更を要求した側のデスクトップログオンユーザ名です。
受付先の情報
ホスト名
名前の変更を受け付けた側のIPアドレスまたはホスト名です。コントローラでローカルに操作した場合は,要求元の情報と同じIPアドレスまたはホスト名になります。
対象フォルダ
名前を変更する前のパスです。
属性
情報は出力されません。
ユーザ名
名前の変更を受け付けた側のデスクトップログオンユーザ名です。コントローラでローカルに操作した場合は,要求元の情報と同じユーザ名になります。
詳細
「操作」に出力された項目が「error」のときは,システムエラーコードが出力されます。「error」以外では,情報は出力されません。

なお,次に示す操作はウィンドウ上にエラーメッセージが表示されますが,ログに情報は出力されません。

(f) 「属性の変更」のログ
操作
出力される項目を次に示します。
項目意味
attributes changing属性の変更を開始した。
attributes changed属性の変更が完了した。
error属性の変更中にエラーが発生した。
canceled属性の変更を中止した。
オブジェクト種別
フォルダまたはファイルの種別です。
オブジェクト名
属性を変更するオブジェクト名です。
要求元の情報
ホスト名
属性の変更を要求した側のIPアドレス(またはホスト名)です。
対象フォルダ
情報は出力されません。
属性
変更後の属性のコードです。出力されるコードの意味については,表L-4を参照してください。
ユーザ名
属性の変更を要求した側のデスクトップログオンユーザ名です。
受付先の情報
ホスト名
属性の変更を受け付けた側のIPアドレスまたはホスト名です。コントローラでローカルに操作した場合は,要求元の情報と同じIPアドレスまたはホスト名になります。
対象フォルダ
属性の変更元のパス(「オブジェクト名」の上位パス)です。
属性
変更前の属性のコードです。出力されるコードの意味については,表L-4を参照してください。
ユーザ名
属性の変更を受け付けた側のデスクトップログオンユーザ名です。コントローラでローカルに操作した場合は,要求元の情報と同じユーザ名になります。
詳細
「操作」に出力された項目が「error」のときはシステムエラーコードが出力されます。「error」以外では,情報は出力されません。

「属性」に出力されるコードの意味を次の表に示します。

表L-4 出力される属性のコード

コードコードの意味
Aアーカイブ
C圧縮
H隠しファイル
R読み取り専用
Sシステム

(4) ファイルアクセスのログの出力例

ファイルアクセスのログの出力例を示します。この例では,コントローラとエージェントをそれぞれ次のように定義します。

コントローラ
  • IPアドレス:10.100.100.1
  • デスクトップログオンユーザ名:Admin
エージェント
  • IPアドレス:10.100.100.2
  • デスクトップログオンユーザ名:User

また,上記のコントローラとエージェントで次のように操作されたとします。

  1. コントローラの「D:¥Temp」にある「ABC.txt」をコントローラの「C:¥temp」へ移動した。
  2. コントローラの「C:¥temp」にある「ABC.txt」をエージェントの「D:¥Temp」へコピーした。
  3. コントローラの「C:¥temp」にある「ABC.txt」をエージェントの「A:」へコピーしようとしたが失敗した(エラーが発生したあとに操作をキャンセルした(エラーコード:21))。

次に,この例で出力されるファイルアクセスのログを示します。

(a) コントローラ側で出力されるファイルアクセスのログ

図L-3 コントローラ側で出力されるファイルアクセスのログの例

[図データ]

(b) エージェント側で出力されるファイルアクセスのログ

図L-4 エージェント側で出力されるファイルアクセスのログの例

[図データ]