4.4.4 エージェントからの接続要求の受信

エージェントマネージャでは,エージェントからの接続要求を受信できます。

エージェントからの接続要求を受信したときは,エージェントマネージャでは,次のようにして,エージェントに接続します。

エージェントからの接続要求を受信すると,[エージェントマネージャ]ウィンドウがポップアップし,接続要求を出したエージェントが,エージェントリスト上にアイコン表示されます。エージェントから複数のコントローラに同時に接続要求を出している場合は,すべての接続要求先コントローラのエージェントリスト上に,接続要求を出したエージェントがアイコン表示されます。このアイコンをダブルクリックすることでエージェントに接続できるので,エージェントの要求にすぐに対応できます。

エージェントからの接続要求に対するコントローラの動作を次の図に示します。

図4-47 エージェントからの接続要求に対するコントローラの動作

[図データ]

さらに,ポップアップメッセージを表示するように設定していた場合は,ポップアップメッセージが表示されます(ポップアップメッセージの詳細については,「(5) 接続要求受信時の動作」を参照してください)。ポップアップメッセージの[接続]ボタンをクリックすると,エージェントに接続されます。

エージェントから複数のコントローラに同時に接続要求を出していた場合は,エージェントがどれかのコントローラと接続したときに,ほかのコントローラ上に表示されていたポップアップメッセージは自動的に閉じ,エージェントマネージャリスト上の,接続要求を出したエージェントのアイコンは非活性になります。ただし,コントローラのバージョンが06-51以前の場合は,ポップアップメッセージは自動的に閉じません。

ここでは,エージェントから接続要求を受信するための,エージェントマネージャでの設定について説明します。

<この項の構成>
(1) リクエストサーバの作成
(2) リクエストサーバの属性設定
(3) リクエストサーバの開始と停止
(4) [リクエストエージェント]アイコンの表示
(5) 接続要求受信時の動作

(1) リクエストサーバの作成

エージェントからの接続要求を受信するには,エージェントリスト上にリクエストサーバが必要です。リクエストサーバの作成方法を次に示します。

  1. エージェントリスト上で,[リクエストサーバ]アイコンを作成する位置を指定する。
  2. メニューの[ファイル]-[新規作成]から[新しいリクエストサーバ]を選択する。
    [リクエストサーバの新規作成]ダイアログボックスが表示されます。

    図4-48 [リクエストサーバの新規作成]ダイアログボックス

    [図データ]

  3. [全般]パネルで,「名前」,「ポート番号」,および「説明」を入力する。
    「名前」および「ポート番号」は必ず指定してください。「名前」と「説明」は,半角260文字まで設定できます。「ポート番号」には,エージェントからの接続時に使用するポート番号を指定します。0~65535で指定できます。デフォルトでは,30006が指定されています。
  4. [設定]パネルで必要な項目を設定する。
    リクエストサーバの属性を設定します。属性の詳細については,「(2) リクエストサーバの属性設定」を参照してください。なお,ここで設定しなくても,あとで設定することもできます。
  5. [OK]ボタンをクリックする。
    リクエストサーバが作成され,指定した位置に[リクエストサーバ]アイコン([図データ])が表示されます。
    [リクエストサーバ]アイコンは,フォルダやエージェントなどのほかのアイテムと同様に,名前や属性を変更したりできます。リクエストサーバの属性変更については,「4.4.8(4) リクエストサーバの属性変更」を参照してください。

(2) リクエストサーバの属性設定

リクエストサーバには,エージェントから接続要求を受信したときの動作などを属性として設定します。これらの属性について,[リクエストサーバの新規作成]ダイアログボックスの[設定]パネルを例に説明します。リクエストサーバの属性変更時やフォルダのプロパティ設定時も,同様の項目を設定できます。

図4-49 [設定]パネル

[図データ]

エージェントマネージャ起動時に開始する
エージェントマネージャの起動時に,リクエストサーバを自動的に開始する場合に,チェックボックスをオンにします。デフォルトでは,オフになっています。
ファイル転送のポート番号
ファイル転送で使用するポート番号を,0~65535で指定します。デフォルトでは,30007が指定されています。ポート番号は必ず指定してください。
ビープ音を鳴らす
エージェントから接続要求を受信するとビープ音を鳴らす場合に,チェックボックスをオンにします。デフォルトではオンになっています。
ウィンドウを最前面に表示する
エージェントから接続要求を受信すると[エージェントマネージャ]ウィンドウを最前面に表示する場合に,チェックボックスをオンにします。デフォルトではオンになっています。
[エージェントマネージャ]ウィンドウが最前面に表示されると,[リクエストエージェント]アイコンにフォーカスが設定されます。
ポップアップメッセージを表示する
エージェントから接続要求を受信するとポップアップメッセージを表示する場合に,チェックボックスをオンにします。デフォルトではオフとなっています。
この設定では,[エージェントマネージャ]ウィンドウが最前面に表示されて,さらにポップアップメッセージが表示されます。このポップアップメッセージのダイアログボックスから,接続要求を出したエージェントに接続できます。コントローラをヘルプデスクとして使用する場合は,この設定をオンにすると便利です。
ポップアップメッセージの内容については,「(5) 接続要求受信時の動作」を参照してください。
リモートコントロールを開始する
エージェントから接続要求を受信したとき,自動的にリモートコントロールを開始する場合,チェックボックスをオンにします。デフォルトではオフとなっています。
リクエストエージェント
接続要求を出したエージェントと接続してリモートコントロールする場合の,接続オプションをあらかじめ設定します。[設定]ボタンをクリックすると[リクエストエージェントの設定]ダイアログボックスが表示されるので,接続オプションを設定してください。接続オプションの詳細については,「4.4.6(1) 接続オプション」を参照してください。

(3) リクエストサーバの開始と停止

エージェントからの接続要求を受信するには,[エージェントマネージャ]ウィンドウを起動し,リクエストサーバを開始しておく必要があります。リクエストサーバの開始と停止の状態は,アイコンの表示形態で確認できます。リクエストサーバの開始状態および停止状態のアイコンを次に示します。

[図データ]:開始状態(青)

[図データ]:停止状態(赤)

次に,リクエストサーバの開始方法および終了方法について説明します。

(a) リクエストサーバの開始

リクエストサーバは,自動起動させる方法と手動起動させる方法とがあります。

自動起動の設定
リクエストサーバ作成時に自動起動を設定していない場合は,次の方法で自動起動を設定します。
  1. エージェントリスト上で[リクエストサーバ]アイコンを選択する。
  2. メニューで[ファイル]-[プロパティ]を選択する。
  3. [プロパティ]ダイアログボックスの[設定]パネルで,「エージェントマネージャ起動時に開始する」のチェックボックスをオンにする。
手動起動の設定
リクエストサーバを開始する方法を次に示します。
  1. エージェントリスト上で[リクエストサーバ]アイコンを選択する。
  2. メニューで[ファイル]-[開始]を選択する。
    選択したリクエストサーバが開始します。

なお,次の場合はエラーとなり,リクエストサーバを開始できません。

(b) リクエストサーバの停止

リクエストサーバを停止する方法を次に示します。

  1. エージェントリスト上で[リクエストサーバ]アイコンを選択する。
  2. メニューで[ファイル]-[停止]を選択する。
    リクエストサーバの停止を確認するメッセージダイアログボックスが表示されます。
  3. [はい]ボタンをクリックする。
    選択したリクエストサーバが停止します。

また,リクエストサーバが開始している状態で次の操作をした場合にも,リクエストサーバは停止します。

(4) [リクエストエージェント]アイコンの表示

リクエストサーバが接続要求を受信すると,リクエストサーバ下に接続要求を出したエージェントを追加します。この追加されたエージェントをリクエストエージェントといいます。[リクエストエージェント]アイコンが追加された例を次に示します。

図4-50 [リクエストエージェント]アイコンが追加された例

[図データ]

リクエストサーバが停止すると,[リクエストエージェント]アイコンは自動的に削除されます。また,エージェントが接続要求を出している間は活性化されていますが,接続要求がキャンセルされた場合は非活性となります。

[リクエストエージェント]アイコンは,接続要求を出したエージェントが一時的に表示されたもので,このままでは情報として保存されません([エージェントマネージャ]ウィンドウを閉じると削除されます)。接続要求を出したエージェントの情報を保存したい場合は,ドラッグ&ドロップで[リクエストエージェント]アイコンを別のフォルダへ移動させる必要があります。フォルダ下に移動されることで,エージェントリスト上の1アイテムとして保存できるようになります。また,通常のエージェントとして扱えるようになり,名前や説明を変更できます。

(5) 接続要求受信時の動作

リクエストエージェントの表示で接続要求を受信したことを確認できますが,次の動作でも受信を確認できます。

ポップアップメッセージは,リモートコントロールが開始されるか,または接続要求がキャンセルされると,自動的に閉じます。また,エージェントが複数のコントローラに接続要求を出している場合,ほかのコントローラが接続したときも自動的に閉じます。ただし,コントローラのバージョンが06-51以前の場合は,自動的に閉じません。

なお,接続要求の受信と同時にリモートコントロールマネージャを起動して,接続要求を出したエージェントにリモートコントロールを開始することもできます。これらは,リクエストサーバの作成時に設定するか,または[リクエストサーバ]アイコンを選択した状態で[ファイル]-[プロパティ]メニューから表示される[プロパティ]ダイアログボックスで設定できます。設定内容については,「(2) リクエストサーバの属性設定」を参照してください。