4.1.2 エージェントとの接続
コントローラは,エージェントに接続した状態でリモートコントロールを実行します。エージェントと接続すると,接続先のエージェントの画面が[Remote Control]ウィンドウに表示されます。複数のエージェントに接続すると,エージェントの数だけリモートコントロールマネージャ([Remote Control]ウィンドウ)が起動します。
また,1台のエージェントに,同時に接続できるコントローラの数は255台までです。
ここでは,エージェントとの接続方法,接続状態の確認方法,およびリモートコントロールモードの設定方法について説明します。
なお,エージェントと接続すると,ウィンドウのメニューバーはなくなります。メニューを使用する場合は,タイトルバーを右クリックすると表示される[リモートコントロールメニュー]から該当するメニューを選択してください。
図4-2 [リモートコントロールメニュー]を表示した[Remote Control]ウィンドウ
![[図データ]](figure/rm040150.gif)
- <この項の構成>
- (1) 接続方法
- (2) 自動ダイヤリングでの接続
- (3) エージェントとの接続状態の確認
- (4) リモートコントロールモードの設定
(1) 接続方法
エージェントとの接続方法は,次の4とおりあります。
- アドレスバーから接続する
- ダイアログボックスでエージェントを指定して接続する
- ダイアログボックスでエージェントを検索して接続する
- [接続]ボタンの履歴から接続する
どの方法でも,エージェントが接続要求を表示させる設定をしている場合は,エージェントが接続を拒否すると,コントローラに接続拒否のメッセージダイアログボックスが表示されます。
エージェント側がセキュリティを設定している場合は,接続時に[ユーザ認証]ダイアログボックスが表示されます。正しい認証情報を入力すると,エージェントに接続できます。なお,[ユーザの追加]ダイアログボックスの[全般]パネルで,「接続時にユーザ名とパスワードを変更する」チェックボックスをオンにしているときは,[ユーザ名とパスワードの変更]ダイアログボックスが表示されます。任意のユーザ名とパスワードに変更してください。
ユーザ名にドメインのユーザ名を入力する場合は,「ドメイン名¥ユーザ名」または「ユーザ名@ドメイン名」の形式で指定してください。
エージェント側でのセキュリティの設定方法については,「3.4.4 認証情報の設定」を参照してください。
接続に失敗した場合は,エラーメッセージが表示され,プロパティで指定した値に従って接続がリトライされます。
次に,それぞれの接続方法について説明します。
(a) アドレスバーから接続する
[Remote Control]ウィンドウの,[エージェント]ボタンとアドレスボックスから構成されているアドレスバーから接続する方法です。アドレスバーが表示されていない場合は,次のどちらかの方法で表示できます。
- メニューの[表示]-[ツールバー]から「アドレスバーを表示」を選択する。
- [プロパティ]ダイアログボックスの[ツールバー]パネルで「アドレスバーを表示する」をチェックする。
アドレスバーを使って接続するには,次の二つの方法があります。
- エージェントメニューで接続先を指定する
- [Remote Control]ウィンドウの[エージェント]ボタン(
)をクリックして,エージェントメニューから接続先を選択する方法です。エージェントメニューとは,次のように,エージェントの構成をメニューの形式で表示したものです。よく使うエージェントを登録しておくことで,エージェントと簡単に接続できます。 図4-3 エージェントメニューで接続先を指定する流れ
![[図データ]](figure/rm040200.gif)
- なお,エージェントメニューでネットワークのアイコン(
)を選択すると,そのアイコンに設定された範囲のネットワーク内に,リモートコントロールエージェントが動作しているマシンがあるかどうかを検索できます。 - また,エージェントメニューの最上段のメニューから,現在接続中のエージェントをエージェントメニューに追加したり,エージェントメニューを編集したりできます。エージェントメニューの作成,管理,および使用方法については,「4.4 エージェントの管理」を参照してください。
- アドレスボックスから接続先を指定する
- [Remote Control]ウィンドウのアドレスバーに表示されているアドレスボックスから接続先を指定する方法です。アドレスボックスに,エージェントのホスト名,IPアドレス,またはエージェントのパスを入力して[Enter]キーを押してください。または,プルダウン形式で表示される接続履歴から接続先を選択してください。
図4-4 アドレスボックスからの接続先の指定
![[図データ]](figure/rm040250.gif)
- エージェントのパスについては,「4.4.5(2) エージェントのパスの記録」を参照してください。
- アドレスボックスに表示されている接続履歴は,削除したり,順序を入れ替えたりできます。詳細については,「4.4 エージェントの管理」を参照してください。
(b) ダイアログボックスでエージェントを指定して接続する
接続先エージェントを指定するためのダイアログボックスを表示し,特定のエージェントを指定して接続する方法です。手順を次に示します。
- [Remote Control]ウィンドウのメニューで[ファイル]-[接続]を選択する(または,ツールバー上の[接続]ボタンをクリックする)。
[接続先エージェントの指定]ダイアログボックスが表示されます。
図4-5 [接続先エージェントの指定]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/rm040300.gif)
- 接続先エージェント
- 接続先のエージェントを指定します。一度接続したエージェントはこのリストボックスに登録され,次回以降はリストの中から選択できます。ただし,複数選択はできません。リストボックスには,256台までのエージェントが登録されます。
- 接続
- 指定したエージェントとの接続を開始します。
- 検索
- ネットワーク上のエージェントを検索します。エージェントの検索については,「(c) ダイアログボックスでエージェントを検索して接続する」で説明します。
- 「接続先エージェント」に,接続するエージェントのホスト名,IPアドレス,またはエージェントのパスを入力する。
エージェントのパスについては,「4.4.5(2) エージェントのパスの記録」を参照してください。
- [接続]ボタンをクリックする。
エージェントに接続し,[接続先エージェントの指定]ダイアログボックスが閉じます。すでにほかのエージェントと接続中の場合,新たに[Remote Control]ウィンドウを起動して接続します。
(c) ダイアログボックスでエージェントを検索して接続する
エージェントを検索するためのダイアログボックスから,ネットワーク上にリモートコントロールエージェントが動作しているマシンがあるかどうかを検索して,接続先を決定する方法です。
検索範囲の指定方法や検索結果の確認方法,検索時の制限事項など,エージェントの検索の詳細については,「付録C エージェント検索機能の利用方法」を参照してください。
なお,検出されたエージェントと接続すると,それ以外のエージェントの情報はすべて削除されます。検索結果を保存しておきたい場合は,[エージェントマネージャ]ウィンドウからエージェントを検索することをお勧めします。[エージェントマネージャ]ウィンドウからのエージェントの検索については,「4.4.3(3) エージェントの構成情報を検索して読み込む」を参照してください。
[Remote Control]ウィンドウからエージェントを検索して接続する手順を次に示します。
- [Remote Control]ウィンドウのメニューで[ファイル]-[接続]を選択する(または,ツールバー上の[接続]ボタンをクリックする)。
[接続先エージェントの指定]ダイアログボックスが表示されます。
- [検索]ボタンをクリックする。
[エージェントの検索]ダイアログボックスが表示されます。[エージェントの検索]ダイアログボックスは,メニューの[ファイル]-[検索]を選択しても表示することができます。
図4-6 [エージェントの検索]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/rm040400.gif)
- 「検索アドレス」に,検索したいネットワークの範囲をIPアドレスで設定する。
検索範囲の指定方法については,「付録C.1 検索範囲の指定」を参照してください。
また,ここで[設定]ボタンをクリックすると,検索方法をカスタマイズするための[エージェント検索の設定]ダイアログボックスが表示されます。検索方法のカスタマイズについては,「付録C.3 検索方法のカスタマイズ」を参照してください。
- [検索]ボタンをクリックする。
指定したネットワークの範囲で,リモートコントロールエージェントが動作しているマシンを検索します。検索開始と同時に,[エージェントの検索]ダイアログボックスが拡張され,[エージェント]パネルおよび[詳細情報]パネルに検索状況が表示されます。
図4-7 [エージェント]パネル
![[図データ]](figure/rm040500.gif)
- [エージェント]パネル
- エージェントの状態(接続待ち,接続拒否,未起動,または無応答)がアイコンで表示されます。それぞれの状態の詳細については,「付録C.2 検索されたエージェントの状態」を参照してください。
- 「接続待ち」または「接続拒否」の場合は,エージェントの名前(名前解決する設定の場合),リモートコントロールエージェントのバージョン,およびOSが表示されます。
- このパネルに表示させるエージェントの状態は,ダイアログボックス右側のチェックボックスで絞り込むことができます。
- [詳細情報]パネル
- エージェントの検索状況がメッセージで表示されます。
- [エージェント]パネルで「接続待ち」状態のエージェントを一つ選択し,[接続]ボタンをクリックする。
エージェントと接続し,[エージェントの検索]ダイアログボックスが閉じます。
(d) [接続]ボタンの履歴から接続する
[Remote Control]ウィンドウのツールバーの[接続]ボタンの履歴を使って接続する方法です。[接続]ボタンの矢印をクリックし,プルダウン形式で表示される接続履歴から接続先を選択してください。
図4-8 [接続]ボタンの履歴からの接続先の選択
![[図データ]](figure/rm040600.gif)
ツールバーが表示されていない場合は,次のどちらかの方法で表示できます。
- メニューの[表示]-[ツールバー]から[ツールバーを表示]を選択する。
- [プロパティ]ダイアログボックスの[ツールバー]パネルで「ツールバーを表示」をチェックする。
(2) 自動ダイヤリングでの接続
接続時に自動ダイヤリング機能を使用することもできます。この場合,「(1) 接続方法」に示すどの方法でも接続できますが,エージェントとの接続時に,[ダイヤルアップ接続]ダイアログボックスが表示されます。また,ダイヤリング中は,[ダイヤルアップ接続の状況]ダイアログボックスが表示されます。それぞれのダイアログボックスについて次に説明します。
(a) ダイヤルアップ接続
自動ダイヤリング機能を使用してエージェントと接続する場合,次に示す[ダイヤルアップ接続]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスは,プロパティの設定で表示させないようにすることもできます。
図4-9 [ダイヤルアップ接続]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/rm040700.gif)
- 接続先
- 接続先の名称(ダイヤルアップネットワークまたはリモートアクセスサービスで設定されている名称)が表示されます。
- ログオン情報
- ダイヤルアップ接続で使用するユーザ名,パスワード,およびドメインを指定します。入力を省略した場合は,現在のユーザ名,パスワード,およびドメインが仮定されます。
- ログオン情報を保存する
- 次回以降の接続時に,今回と同じログオン情報を使用して接続する場合にチェックします。次回以降このダイアログボックスが表示されなくなります。
- 接続
- 設定されたログオン情報でダイヤリングを開始します。
- 設定
- 現在の接続先エントリを編集するダイアログボックスが表示されます。表示されるダイアログボックスはOSによって異なります。ここでの設定は,Windowsの機能を利用して,OSの設定を直接変更するものです。一度設定すると,[ダイヤルアップ接続]ダイアログボックスで[キャンセル]ボタンをクリックしても元に戻りません。
ユーザ名,パスワード,ドメインを設定して[接続]ボタンをクリックすると,ダイヤリングが始まり,[ダイヤルアップ接続の状況]ダイアログボックスが表示されます。
(b) ダイヤルアップ接続の状況
ダイヤリング中は,[ダイヤルアップ接続の状況]ダイアログボックスに現在の状況が表示されます。
図4-10 [ダイヤルアップ接続の状況]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/rm040800.gif)
- 接続先
- 接続先の名称(ダイヤルアップネットワークまたはリモートアクセスサービスで設定されている名称)が表示されます。
- ダイヤル状況
- 現在のダイヤル状況が次のフォーマットで表示されます。
hh:mm:ss n/m xxxxxxxxxxxxxxxxxx
- hh:mm:ss :アクションが発生した時間
- n/m :リダイヤルの回数/総回数
- xxxxxxxxxxxxxxxxx :ステータスメッセージ
- リダイヤル
- リダイヤル回数を初期化し,再度ダイヤリングを開始します。
- メッセージ
- エラーが発生した場合にエラーメッセージが表示されます。
ダイヤリングが完了すると[ダイヤルアップ接続の状況]ダイアログボックスが消え,通常の接続と同様にリモートコントロールを開始できます。ダイヤリングに失敗した場合は,オプションで指定した値に従って自動的にリダイヤルされます。また,[リダイヤル]ボタンをクリックすると,リダイヤル回数をリセットして再度ダイヤリングを開始できます。
(3) エージェントとの接続状態の確認
エージェントと接続すると,コントローラのステータスバーに,エージェントと接続したことを示すアイコン(
)が表示されます。このアイコンを,送受信アイコンと呼びます。アイコン内上部の黄色のPCはエージェントからのデータの受信,下部の青のPCはエージェントへのデータの送信を示し,データ転送中は該当するPCが明るく表示されます。アイコンにポインタを重ねると,送受信データ数がポップアップ表示されます。
さらに,ステータスバーには,リモートコントロールモード,エージェントとの接続経過時間,および送受信データ数も表示されます。なお,ステータスバーが表示されていない場合は,次のどちらかの方法で表示できます。
- メニューの[表示]-[ステータスバー]から[ステータスバーを表示]を選択する。
- [プロパティ]ダイアログボックスの[ツールバー]パネルから「ステータスバーを表示する」をチェックする。
ステータスバーに表示される情報は,プロパティの設定で表示させるかどうかを選択できます。表示させるには,次の2とおりの方法があります。
- メニューで選択する
[Remote Control]ウィンドウのメニューで[表示]-[ステータスバー]を選択し,さらに次の下位項目を選択します。
- 接続経過時間を表示
- 転送データ数を表示
- 送信/受信状態をアイコン表示
- [プロパティ]ダイアログボックスで設定する
[Remote Control]ウィンドウのメニューで[ツール]-[プロパティ]を選択し,[プロパティ]ダイアログボックスを表示します。[ツールバー]パネルで次の項目をチェックします。
- 接続経過時間を表示する
- 送信データ数を表示する
- 受信データ数を表示する
- 送受信状態をアイコン表示する
(4) リモートコントロールモードの設定
エージェントに対するリモートコントロールの内容に応じて,コントローラのリモートコントロールモードを設定します。ただし,エージェント側でコントローラよりも権限の高いモードを設定している場合は,接続時にコントローラのモードが変更になる場合があります。リモートコントロールモードの詳細については,「3.1 リモートコントロールモード」を参照してください。
リモートコントロールモードを設定するには,次の3とおりの方法があります。
設定されたリモートコントロールモードは,[Remote Control]ウィンドウのステータスバー,またはツールバーで確認できます。